原発事故と今後の見通し3

日本の場合は、地球の自転の関係で大陸からの西風(冬は北西、夏は南西)が中心で、たまに台風が発生すると例外的に南から吹き付けるくらいが基本的な風向きですから、(真西風の場合100%太平洋に流れます)真北や北東の風は滅多にないので、(あっても1日中強い風が吹く訳でもありません)福島県の西や南方面は基本的には被害があまりない印象ですし、関東方面に来る確率が低いことが分ります。
北風が年に10数回あるいは北東の風が年に10数回あったくらいでは、(寒い北風の強い日には風にさらされて長い時間外で立っている人は少ないでしょう)「3レム」単位の差では何の問題もないことが明らかです。
ところでいつか頑張りきれない時・・破綻が来るとしても無駄な抵抗だからと言って即時廃炉した場合と日本政府判断のように出来るだけ引き延ばすことの是非をここで考えてみます。
何時の時点で破綻がきても結果としての被害総額が同じ場合を想定すると,地震直後の大混乱中にイキナリ80kmまで避難を命じると市民生活に及ぼす影響が甚大でしかも大混乱するでしょうから、先ずは3km〜10kmから初めて徐々に拡大して30kmまでの屋内退避・避難命令にして様子を見たのは妥当な政治判断のような気がします。
ましてアメリカ大使館の勧告でも,これが仮に1年間の総量であるとするならば,Ⅰ〜2ヶ月後にゆっくり避難しても間に合います。
そもそも長引いて結局駄目になった場合と即時廃炉の場合との被害差がもしも同じならば国民が徐々に覚悟をして行くべき時間があった方が良いに決まっています。
地震発生直後でインフラの復旧出来ない即時(たとえば3日以内に)に80kmまでの緊急避難命令を出した場合と、3km単位から徐々に拡大して行った政府判断は・・仮に今後最悪に近づいた時点で今の30kmから80kmに追加命令を出すのと比較すれば、国民の混乱・被害が最小限に出来た功績が大きいと思われます。
12日経過した今でさえアメリカ大使館の想定しているような大規模な放射能汚染が始まっていないのですが、今になるとかなり時間が経過しているので周辺のインフラも復旧していて避難するにも(道路が使えるし)即時避難に比べれば比較にならないほど楽です。
そのうえ、震災時の第一次避難者がイキナリ遠くへ避難するのは大変ですので、普通は徒歩圏内プラスアルファが・・地元小学校の体育館等が原則です。
時間の経過で車移動が可能になって新潟や埼玉等関東等への遠距離再避難が続いていますので、域内人口が徐々に減少していることと、30km超付近の人も怖いので徐々に自主的避難をし始めているので、時間稼ぎをしているうちに心その他の準備が整いしかも緊急避難対象者が減ってくるメリットが大きいと思われます。
日米の見解に差があって事態が複雑になっているのですが、アメリカの姿勢は、電力系統が駄目になった時点で、一定時間内に廃炉処分をして行くべきだと言う割り切った考えだったのでしょうし、日本は出来るだけ頑張ってみたいと言う違いのようです。
アメリカに言わせれば、同型の機種が世界にゴマンとあって、・・シュミレーションがゴマンと出来上がっているので、こうなったら一刻も早く手仕舞いすれば被害が少なくて済むと言うことでしょうし、日本の場合、対アメリカ戦で負けるのが分っていても原爆が落ちるまで竹槍戦法で最後まで戦ってきたことからも分るように最後まで死力を尽くしたい国民性です。
初期段階でアメリカが即時廃炉を前提に協力申し出があったことに対し、(詳しい内容は分りません)管政権がこれを断ったようですが、上記の政治判断の妥当性と最後まで頑張り抜きたいメンタリティから日本人としては管政権の判断を理解出来る人が多いでしょう。
メンタリテイは別として、この判断の妥当性の有無は、長引かせて廃炉するのと即時廃炉とで被害(放射能関連)の出方にどういう違いがあるか、あったかにかかってきます。
独裁国家でもないのに、報道管制でもあるかのように国内マスコミ報道では、アメリカの提案内容がまるで紹介されていないのが気がかりです。
どう言う提案があって、どういう理由で管政権が断ったと言う報道・・議論が普通あるべきですが、今回まるでないのが不自然と言えば不自然です。
よほど政権に不都合な真実があって公開討論されたくないからでしょうか?
ここ数日来、CNNやBBCのライヴ報道をネットで見ようとしたらいきなりノンエリアとなって繋がらなくなったとも言います。
これが長期化すると多くの人が気づき始めて問題になってくるでしょう。
まさか中国のように通信妨害を政府がしているとは思えませんが・・しているとしたら、この非常時が終わった時点で大変な議論になるべきでしょう・。
永久に通信妨害し続けられないので直ぐに露見する筈です。
どうしてマスコミがまるで報道しないのか、質問すらしないのかが疑問ですが、アメリカの提案では、急速冷却が出来る資材(ホーサン)と装置があって、それを利用すれば直ぐ冷却出来て、そこにチェルノブイリのようにコンクリ固めの作業にはいれたと言うものらしいです。
アメリカ方式の場合は建屋の爆発も起きないで終わったので、今のような放射能漏れ事態は起きようがなかったと言うことらしいのです。
もしもそうだとすれば、これをどういう根拠で管政権が即座に断って、海水で冷やす方針を取ったのか不明ですが、公開の議論が封じられているので、素人には不明です。
どうせ廃棄するしかないものなら簡略な方法の方がリスクが少ないのですが、管政権では廃棄しないで延命出来ると事態を誤って読んだから断ったとすれば、その根拠の合理性がこの後で問われるでしょう。
あるいはアメリカ方式の方が、被害が大きいと読んだのでしょうか?
仮に同じ被害と推定した場合、(アメリカ式の場合も同じく即時に大きな被害を出すとした場合、)避難を長引かせて各種準備した方が良いことになります。
ともかく結果が同じなら頑張れるところまでは頑張ってみようとする姿勢は、蒙古襲来当時に彼我の戦力差で勝ち目がないと分っていても頑張り、第二次世界大戦末期に最後まで竹槍戦法や特攻隊が頑張ったのと同じです。
先の大戦でも日本はもう駄目だと言って海外へ逃げた人がいなかったし、今回も日本を逃げ出す人はいないでしょう。
仮に最悪事態が起きた時の放射の被害が,アメリカ方式でも同じだったとしても、直ぐにコンクリで固めるのに比べて海水をじゃぶじゃぶと放水すると同じ量だけ海に流れていることになって、その海域の海が汚染される問題だけ被害が大きくなるとも言えますが、放水した海水の行方を詳しくは知りません
・・燃料プールに入った水は蒸発して行くだけで海に放流することがないのかもしれませんし・・。
今後周辺海水汚染が大問題になって来たときに,誰がこんな無茶な対応を決めたのだと言う議論が起きてくるでしょう。
もしも最初から急速冷却していれば大爆発が起きなかったとすれば,管政権の判断誤りが今回の大事故を引き起こしたことになる・・人災であったとしても、ここまで来た以上はともかく死力を尽くして頑張るしかないのは確かです。
責任問題はその後のこととして、当面はマスコミも黙っているのでしょうか?
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原発事故と今後の見通し2

アメリカのニュースと言っても、結局は大変なことになると言うだけで、私の知りたい・・どうなればどの放射性物質がどれだけ出るなどの何種類かのシュミレーション・・具体性・データ化したシュミレーションがありません。(私が知らないだけです)
日本の学者は(直ぐには問題がないとか冷静にと言うだけで)一切発表しませんので,国民は,今後政府が何をしたら原子炉が今後どうなる(何が改善出来て何が改善出来ないのか失敗したらどうなるなど)のか,どうなったらどういう結果になるのかの何種類ものシュミレーションが知らされていないで,大変なことになるかも知れないと言うばかりなので、不安を抱いているのです。
在日アメリカ大使館の発表した避難ゾーンの同心円の図解を見ますと、現在出ている放射能ではなく、最悪の事態が生じたとした場合の避難命令のようです。
その想定でも半径20(32km)マイルで13レム、30マイルで11レム、40マイルで10レム、50マイルでも同じ10レムとなっていて、50マイルと20マイルの差が3レムです。
これをみると、半径80km(50マイル)まで避難を命じない日本政府の決断自体は裁量の範囲内のイメージです。
外国人滞在者・旅行者は身が軽いので、大事を取って80kmまで近づかないのが合理的ですが、居住している人にとっては生活・仕事を捨てての緊急避難は大変なことですから、その発令基準が違うのは当然です。
ちなみにレムを日本で使っているシーベルトの単位に置き換えると1レムは10ミリシーベルトですから、10レムは100ミリシーベルトのことになります。
3レムの差は30ミリシーベルト分、多く放射能を浴びると言うことです。
1時間当たり自然界に存在する放射能の数値が2.4マイクロシーベルト毎時(これを年間に直すと21024マイクロ)21ミリシーベルトになります。
これが健康に害のない範囲とすれば,3レム=30ミリシーベルトですから,これがもしも1時間当たりの数値とすれば,3レムだけで自然界の1、5倍の放射能を意味することになります。
自然界の何倍までが害のない範囲かがよく分りません。
ネットで見ると50ミリシーベルト毎時が一般人の退避基準として,日本の原子力委員会で定めているようです。
ただし、最近数値が出るたびに政府が基準を緩めて改定しているので,現在ネットで見られる基準自体、何時定めたものかによって信頼性が変わってきます。
この50ミリシーベルトの基準でも5レム=50ミリシーベルトの範囲以上は退避基準に該当します。
アメリカ大使館の図解では半径80kmで10レム=100ミリシーベルトと予想しているのですから、この基準で言えばもっと広範囲に避難する必要があることになります。
何故アメリカの方が緩い基準を利用してるのかが分りません。
同盟国日本への配慮と言うことで,公式には避難命令を出さないが,自分でこれを見て逃げなさいと言うことでしょうか?
結局はこの真偽はアメリカの予想数値通りに放射能が広がるのか、この予想数値が過大かの問題に行き着きます。
諸外国やアメリカ人の方ではアメリカの予想数値図の方が信用されているので,諸外国人の日本離れが進んで、成田空港へのり着陸させ嫌がる人が増えているのでしょう。
結局は近隣数値の正確且つ迅速な開示こそが不安心理を和らげることになると思いますが,政府の情報開示はむしろ疑心暗鬼を誘うような方向になっているのが問題です。
アメリカ大使館の発表図形とその影響の相関表を見ると・40レムから10レムまで同じ括りで血液(ブラッド)への影響(エフエクト)があるとなっていて、40レムと10レムの影響差がどのくらいあるのかさえ(少ない方が良いと言う直感的なイメージに留まり)具体的に分りません。
まして、その間の3レム差になると、どのような差が生じるのかがまるで分らない感じです。
元々基準値は・・例えば残留農薬や放射性物質の数値は一回でも取り込んだらそのような障害が起きる危険と言うのではなく、1年間取り続ける場合の数値ではないでしょうか。
正確な知識がなく恐縮ですが、現場で短時間に放射能を浴びる場合には最大限としてこれ以上は危険と言う基準が必要でしょうが、一般生活者相手の基準の考え方としては一定期間取り続ける場合か、一定期間内の累積総量のどちらかになっているはずです。
この基準がはっきりしないのです。
食品の場合1年間食べ続けた場合のことでしょうが、ホーレンソーだって,年間とは言うものの毎日ホーレンソーを1kグラム食べる人はいないので,4〜5日又は1週間に一回食べる計算で年間摂取量と言うのかもしれません。
(平均消費量を基準にしているので,そこに裁量の幅があり間接的です)
同じくシーベルトの場合、1年間浴び続けると言う意味か、例えば一日に5分間づつ毎日と言う意味か、あるいは10分ずつ1年間と言う意味かその基準(平均的行動基準をどこに取っているのか)が私には分っていません。
世界の自然界にある放射線量平均が2、4マイクロシーベルト毎時とすれば,毎時2、4前後であれば良いことになります。
(ただし、この基準も24時間被爆し続けていた場合だけなのか、家の中にいた場合や、車の中などはその何割に計算するのかなど詳しいことが分りません)
千葉の1時間ごとの放射線量が毎日ネットで公開されていますが、3月20日あたりまでは、0、033マイクロ前後で安定していましたが、21日から2倍くらいになり22日夕方にはついに単位が一つ上がって0、10〜0、11まで上がってきました。
これが毎日続いて行くのかと言うところですが,タマタマ北東の風の日だったことによるのか、あるいは報道されていないものの昨日特別な事態が原発で起きていたことによるのかが不明です。
ただ周辺のシーベルト数を見ると22日には、宮城等北側の県では,昨日までと違って、これまでの千葉などのように事故前の通常値に戻っているので,風向き次第であることが分ります。
日本では,年間を通じて原則として西風を基本として冬は北西夏は南西の風が普通ですので北東の風はむしろ例外です。
また一定量超えれば、短時間で危険ですがその二重の基準の使い分けがよく分っていません。
私自身消化不良ですが、その内こうした情報も具体的に出てくるようになるでしょう。
仮に24時間×365日の基準であるとすれば、半径30kmと80kmの差である3レムの差と言っても風向きが一定ではなくその日によって方向性がいろいろですし、一日中外にいる人は稀ですから、この「レム」で一日中・あるいは1年間浴び続ける人はいないことなります。
アメリカ大使館が在日米人に避難勧告している13レムとか10レムの基準自体が,1時間、一日、一ヶ月あるいは年間累積数値を言うのかさえ分りません。
よく見直してみたのですが時間当たりかどうかのその単位を書いていないので,一見大変な数値のようですが(センセーショナルです)これが1年間の累積数値の予測とすれば大したことではありません。
(もしも僅か1時間,1日や2日で浴びる数値であるとすれば、予め危険を避けるための避難基準としては危険すぎますから,多分1年間の累積数値でしょう。
仮に年間累積数とすれば、1時間当たりに直すと13レム=130ミリシーベルト÷365÷24=0、014840・・ミリシーベルト=14、84マイクロシーベルト毎時になります。
退避基準の50ミリシーベルトに達するには,140日かかります。
もしもアメリカ政府の意見通りの放射能汚染が即日生じているとしても,これだけの余裕があるのなら,前もってある程度心構えをさせておいてから、Ⅰ〜2ヶ月経過後の避難命令で十分な気がします。
安全だと嘘を言うのはルール違反ですが,客観的危険を公開して,ある程度危険が迫るまでは自主判断に委ね一定期間経過後に退避行動を勧告,更には命令と順を追って行っても(徒歩の退避者は滅多にないので)退避に要する数日くらいの被爆ではそれほどの危険はないことになります。

原発事故と今後の見通し1

昨日書きましたように、これ以上の原子炉事故の悪化を阻止出来そうな雰囲気(今のところ気分だけすが・・)になって来たのは嬉しい限りです。
20日の報道によると5号機と6号機は午前7時現在で、既に(電気が通じて)冷却装置が動いていて、燃料プールの温度が37・1度まで下がったと報道されています。
(非常用発電装置が動き出しているとも報じられています)
燃料貯蔵プール問題が順次解決して行けば、今後は本来の危機である格納容器自体への対応ですが、あちこちで火を噴いているような同時多発対応から格納容器への対応に集中出来るようになったのは一歩前進です。
又、20日夕方の報道では2号機の大本の電源まで電気が繋がったようです。
今後は中央制御室に電気を繋いで、機器のチェックして作動すれば炉心内部の状況をもっと正確に把握出来るようになり、順次格納炉自体の冷却装置の改善に向けて進められるようになるでしょう。
これら報道が正確であることは、20日の千葉県の放射能数値(1時間ごとの数値が発表されています)でも、事故前の通常数値と全く変わらないデータであることでも裏付けられます。
さしあたり一息ついたことは確かですが、少し落ち着いたこの辺で政府はどのような方針でどのようにしようとしているかの分りやすい説明が必要です。
このまま冷やしながら、電機工事を進めて仮にモーターその他壊れている物の取り替えを進めた結果、冷却装置が作動が出来たとしてもこれまで海水を注入してしまったことが障害になって新たな問題が起きないのか、起きた場合どう出来るのかなどの最後までの見通しや計画を説明して欲しいものです。
あるいはどの段階で行き詰まると、どのような被害が想定されるのか少しでも先に行っての炉心爆発が起きた場合との違いがあるのか、(単に先送りしているだけか・・先送りが却って悪い結果になることもあるのか)あるとしたらどの段階で行き詰まったらどうなる、その次の段階だったらどうなると言う段階や時期ごとの違いなども教えて欲しいものです。
従来の机上のシュミレーションではとっくに駄目になっている筈でしょうが、ともかく関係者は必死に頑張ってここまで持ちこたえています。
火事場の馬鹿力と言うように、机上の議論では考えられない新たな解決策が生まれることもあるので、その辺を織り込んだ解説をしてくれれば良いのです。
政府・関係者は死にものぐるいで対応してる最中で忙しいので、この辺の解説はむしろマスコミを通じた学者・専門家の出番でしょう。
正論を述べる学者がマスコミで呼ばれないならば、今では私のように自分のブログでいくらでも発表出来る筈ですが、これが少ないのは、原子力系の学者は政府や東京電力などの企業・現場と深く結びついているので、(弁護士のように自由業ではないので・・)自由な意見を書けないのでしょうか?
少なくともアメリカの意見を解説し、日本の実行している行動との違いを分りやすく説明することくらいは専門家の責任でしょう。
国民はどちらを正しいとするかの判断を自分で出来ないまでも、安全対策としては一番大きなリスクを主張する方向で行動したり、予め備え(心構え)をしておきたい人が多い筈です。
それがパニックに繋がるリスクがあるので政府や学者は、アメリカや諸外国の意見をまるで紹介しないのでしょうか?
ネットで世界中の意見が公開されている時代ですが、日本人は英語を理解出来ない人が多いので、少なくとも主要国のマスコミ報道くらいは自動的に翻訳して報道してくれる公的システムが必要です。
自動的でない現状では、日本のマスコミが都合の良い意見だけ翻訳するので、一見世界の意見を紹介されているようでいて実は世界で流通している意見がまるで分らないことになってしまいます。
中国人や韓国人などのブログ報道でも、「これだけの被害でも落ち着いている日本人は偉い」と言うような日本人の耳に心地よいものだけ翻訳報道している嫌いがあって本当のところ(想定被害を知らされていないからぼんやりしているだけだと言う意見もあるでしょうが)が分りません。
反日運動が激しい時はそういう意見や行動ばかり拡大報道される点も問題ですが・それは別に書いたことがあります。
実際に諸外国が取っている対策が、本当の諸外国の意見だと言うことでしょうが、諸外国の行動を見て日本人が真似をしなければならないのでは悲しいです。
本来自分のことは当事者が一番良く知っていなければならないのに、関係のない遠くの人の方がよく知っていてその真似をして右往左往しなければならないのではおかしいでしょう。
きっちりと情報が行き渡り、それでも日本人が泰然としているのならそれはそれで立派なことです。

決死隊(下克上)

18日のコラムで決死隊がいないのかと言う嘆き節の意見を書きましたが、3月20日20時32分配信の読売オンラインニュースでは、
東京電力の社員と協力会社社員合計160人の決死隊が高圧線のケーブル敷設作業に取り組み・・地震や津波あるいはその後の爆発等による障害物を取り除きながら進んで行きついに2号機のケーブルに繋がったとの報道がありました。
この作業は、6号機にたどり着いた現場作業員が暗闇の中(停電中なので、建家の中は真っ暗です)手探りで機器を探りながら手回しで発電機をまわした後で発電機に電線を繋いだところ発電機がうなりを上げて動き出したとのことです。
この電力を使って6号機に隣接している5号機の残留熱除去系ポンプが動き出し、同日午前5時に起動し、使用済み核燃料貯蔵プールの水温が低下し始めたそうです。
この報道と脈絡がはっきりしないのですが、結論として2号機にもケーブルが繋がり、通電に向け、作業員の奮闘が続いているとのことです。
電源さえ入れば万歳と簡単に言えることではありませんが、停電したことがすべての始まりだったのですから、ともかく一縷の望みが繋がったことは確かです。
ただ、16時の官房長官記者会見ではこれが全く出ていませんので、(消防車による放水効果・・ある程度の成功によって水温が下がっていると言う趣旨の説明でした)読売ニュースが後で誤報として訂正されるものかどうかは今のところ分りせん。
20時32分の読売報道の方が官房長官の記者会見より時間的に後・・新しいとは言え、記事内容が20日午前5時のことですから、16時の記者会見前に朗報として官邸には即時・直後に入っていた筈ですが、政府としては隠さなければならない不都合な真実ではないのに、これが何故記者会見で発表されなかったかの疑問です。
また23時16分の同ニュースでは、東京消防庁が当初の機械に頼る方針を変更して人力でホースを延長する戦略に変更し、3号機両側からそれぞれ3台ずつに200人体制で臨み、(当然計測班もあります)で放水した結果プールに水を命中させて直後に放射線を計ったところ現場の放射線濃度がほぼゼロに下がっていたとの報告でした。
以上のように現場が奮起して身の危険を顧みずに頑張ってくれている・・決死隊志願者ががいることが嬉しいのですが、決死の覚悟で働いている現場作業員には国家最高の栄誉をあたえ末永く顕彰する外、名誉だけではなく現実の褒賞(一生食えるだけ以上の)を与えるべきです。
消防庁の活躍は別としてこれが民間・・しかも東電の下請け中心の部隊(でないかと推測しているだけで今は根拠がありません)とは情けない次第ですが、日本の歴史はいつも現場、現場へ下りて行く繰り返しでしたので驚くにはあたりません。
東電や原子力保安院のトップクラスの記者会見を見ていても、私たち素人から見ていてもおそらく天下り役人ばかりで実態・・現場のことは何も分らないで記者会見をしているのではないかとの疑いを持って歯がゆく見ていた人が多いのではないでしょうか?
しかし、現場力の強さ・・そのエネルギーが貴族社会から武士の政権となり、更に戦国時代の下克上を経て明治維新は下級武士によって担われたものであり、我が国特異の連続性・・絶えざる社会構造の前進の基礎になっていることについては、11/12/03「世襲と競争社会1」その他のコラムで書いたことがあります。
維新以降は企業や役人の世界も現場がやはり強い・・官僚であれば主任から課長クラスまで、トヨタであってもその他の企業であっても中枢部門は何も出来ない・・現場こそが会社を鍛えているのが現状です。
消防庁は日々現場で頑張っているからこそ、いざと言う時に底力を発揮出来たのでしょう。
私は、現場力の強さこそ日本の世界に誇れる強みだと思っていますし、私自身その考えで最後まで弁護士業務も現役主義を貫くつもりです・・偉そうに決裁するだけみたいなことは嫌い・・そんな方向には不向きな能力でもありますが・・自分が担当する事件はどんな小さな事件も始めから最後まで自分でやっています。
ですから、民主党政権になってからの事業仕分けの公開作業で、局長クラスの幹部の無能力さが話題になりましたし、東電や原子力保安院の幹部が無能そうでも別に驚きません。
その内下請け現場が力を持って、(下克上同様に)大手企業と入れ替わって行けば、良いことです。
歴史上正規軍が無能力化して行き、傭兵や下請けに頼るようになると国がおしまいですが、(幕末も、徳川旗本がまるで役に立たず、会津と新撰組に頼っていたのがその象徴です)自衛隊の場合、みんな公務員で臆病者ばかりになって役立たずになるとどうすれば良いのでしょうか?
そうなれば、役に立たない正規自衛隊員を縮小して行き、傭兵・・下請けを増やすしかないでしょうか。

自衛隊の任務(自衛隊法1)

 
昨日は不勉強のまま自衛隊の不甲斐なさについて印象を中心に書いてしまいました。
今日は少し反省して、泥縄式ですが、そもそも自衛隊の任務を知らなかったし、私だけではなく知らない方も多いと思いますので、ここで条文を見て勉強しておきましょう。
第3条記載の通り法律上の主たる任務は侵略=外敵撃退であって、動物や機械設備の故障や細菌の侵略を予定していないでしょうから、人間だけを相手にする前提の組織にしているようです。
自衛隊員は人間相手なら死んでもかまわない・・といって勇敢に戦える(と言う意識があると信じていますが・・・)が、放射能や機械相手では士気が高まらない原因がここにあります。
自衛隊法83条の3で原子力災害出動が規定されていますが、第3条記載の任務には書かれていないのに出動が出来ると言う奇妙な法システムです。
要請があっても「出来る」と言うだけで出動しなければならないとはなっていません。
出動しても違法ではないと言う消極的意味があるだけで(任務規定にないことですから)派遣した時に何をするかも書いていないのです。
戦前の軍に対する反感から自衛隊に対する不信感ばかりが先に立って、出来ないことを強調する精神で法全体が出来ていて、ところどころ出動を解禁するするような法律形式で、するべき任務・義務の書いていない法律です。
派遣「出来る」としか書いていないこの法形式から見ると、要請によって出動した以上は自衛隊が何をしても良い・・軍の行動を制限出来ないと言う万能だった戦前の軍をイメージしているようです。
出動出来るチャンスばかりに目を向けずに、派遣要請があったときには以下の事項に限りすることが出来、しなければならないと言う具体的な権利義務条項の整備が必要です。
要請に対して派遣した後は、何をするかはそのときの自衛隊の気分次第・・国民世論に反したことは出来ないだろう式のあやふやな法律では困ります。
56条では、怖いから嫌だと言うわがままが許されないことになっていますが、83条の出動では主役ではなく「支援」となっているので、言われたらやる程度の応援ですから、主役としての責任感も湧きにくいし、士気が高まらない恐れがあります。
そうとすれば、自衛隊が片手間仕事をするのではなく原子力の防災を主目的として命がけで戦う機関・組織・・昨日も書きましたが、任務目的別の独立の組織が必要な時代がきているのでしょう。
海軍、陸軍、空軍と別分野が出来て来たように原子力被害は侵略に匹敵する大被害ですから、命がけで守るべき対原子力隊ないし災害防災隊と言う分野があっても良い筈です。
(仮称)災害防災隊になれば当然するべき任務も特定されるし「何をしても良いし、しなくとも自衛隊の勝手」と言う今の法律とは大分違ってきます。
自衛隊のように実力を持って行動すべき存在に関しては、するべき範囲を明確にした法律が必要です。

自衛隊法
(昭和二十九年六月九日法律第百六十五号)

(自衛隊の任務)
第三条  自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。
2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
二  国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動
3  陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。
(職務遂行の義務)
第五十六条  隊員は、法令に従い、誠実にその職務を遂行するものとし、職務上の危険若しくは責任を回避し、又は上官の許可を受けないで職務を離れてはならない。
(上官の命令に服従する義務)
第五十七条  隊員は、その職務の遂行に当つては、上官の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
(災害派遣)
第八十三条  都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる。
2  防衛大臣又はその指定する者は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等を救援のため派遣することができる。ただし、天災地変その他の災害に際し、その事態に照らし特に緊急を要し、前項の要請を待ついとまがないと認められるときは、同項の要請を待たないで、部隊等を派遣することができる。
3  庁舎、営舎その他の防衛省の施設又はこれらの近傍に火災その他の災害が発生した場合においては、部隊等の長は、部隊等を派遣することができる。
4  第一項の要請の手続は、政令で定める。
5  第一項から第三項までの規定は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第二条第四項 に規定する武力攻撃災害及び同法第百八十三条 において準用する同法第十四条第一項 に規定する緊急対処事態における災害については、適用しない。
(地震防災派遣)
第八十三条の二  防衛大臣は、大規模地震対策特別措置法 (昭和五十三年法律第七十三号)第十一条第一項 に規定する地震災害警戒本部長から同法第十三条第二項 の規定による要請があつた場合には、部隊等を支援のため派遣することができる。
(原子力災害派遣)
第八十三条の三  防衛大臣は、原子力災害対策特別措置法 (平成十一年法律第百五十六号)第十七条第一項 に規定する原子力災害対策本部長から同法第二十条第四項 の規定による要請があつた場合には、部隊等を支援のため派遣することができる。