利害調整不全8(地域エゴ野放し3)

美濃部都政は民意重視というお題目によって杉並ゴミ戦争を煽っただけで杉並区と江東区の利害調整・解決できず信用をなくしました。
民主党政権奪取時の説明(公約?)ではいわゆる「埋蔵金を取り崩せば資金対応できる」という漫画のような触れ込みでしたが、政権党になってみると埋蔵金がなくて、実現不能な公約であったことがバレました。
やむなく事業仕分けに進んだのですが、周到な識見・準備なくパフォーマンス重視で性急に行ったために耳目を集めたものの結果的に散々の結果だった印象です。
エゴに基づく反対運動が保護されれば両立し得ない他方の国民代表の合意で決まった国の政策実現が遠のく・・保育所やゴミ処理の必要な人がその便宜を受けられなくなります。
そうなると・・各人が自宅内で子供を育てるしかないし、自宅内ゴミ処理が義務化されることになるのでしょうか?
共同体破壊思想です。
いわゆるリベラル派の人たちは抽象的にいえば人権擁護・具体的には保育所増設その他個別権利実現に熱心ですが、一方であちこちの反対運動応援にも熱心です。
双方の利害調整の方向性がないままバラバラに八方美人的公約を並べているから、一定レベル以上の国民支持を得られません。
ボルトン氏の暴露本?では韓国の文大統領は統合失調症の人だと書いていて韓国では大騒ぎですが、いわゆる世界のリベラル派の言動に大方当てハマりそうです。
日本では、杉並ゴミ戦争で有名になりましたが、民意重視という原則論だけではどうにもならない・・民意重視とはいろんな意見を求めて、出てきた相反する利害調整に努力し一つの方向性を出す・・成果をあげるという意味です。
この処理がもたついたことにより美濃部都政は利害調整能力不足を露呈し以来革新系都知事候補は信用を失い現在に至っています。
都議会でも国会議員でも旧社共系あるいは立憲民主系の数は微々たるものです。
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/outline/factional.html
各会派等の構成(令和2年3月9日現在)

日本共産党東京都議会議員団 18(うち女性13)人
都議会立憲民主党・民主クラブ 5人
現員 123(うち女性36)人

上記によれば約1割の議席しかありませんが、6日投開票の都知事選結果も似たようなものです。
https://www.asahi.com/senkyo/tochijisen/2020/kaihyo/によれば、保守系(現職)小池百合子氏59、7%、立憲、共産等の旧革新系野党推薦?の宇都宮健児氏13、76%となっています。(その他大勢の立候補者がいますので合計100になりません)
いわゆるニンビーは本来無理筋の論理・全般的整合性がない・・公共の利益と調和しない・・両立し得ない主張です。
NIMBYという専門用語があるようですが、ウイキペデイアによれば以下の通りです。

NIMBY(ニンビー)とは、英語: “Not In My Back Yard”(我が家の裏には御免)の略語で、「施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれ」と主張する住民たちや、その態度を指す言葉である(「総論賛成・各論反対」)。日本語では、これらの施設について「忌避施設」「迷惑施設」[1]「嫌悪施設」[2]などと呼称される。

総論賛成各論反対・・国や地域に必要な施設であることはわかるが、自宅付近は嫌!という自分勝手な論理ですから全国基盤のある政党の支持は受けられないのが普通です。
県内対立や市内対立の場合、知事や市長が困ります。
困難な斡旋仲裁努力を放棄して弁護士に投げて来る事案が増えてきました。
杉並ゴミ戦争は、結局訴訟に進み裁判所の和解勧告で終わったものです。
この数十年複雑な利害対立を政治の場で解決できなくなってきた、諫早湾の開門閉門の利害対立も政治家はお手上げで司法に丸投げですが、政治家の解決能力低下というより、紛争当事者がほどほどで妥協する能力がないことが基本でしょう。
少し前の日本社会であれば埋め立てをするかしないかの以前段階(いわゆる根回し)で意見調査委が終わったのでしょうが、それぞれの権利意識(というよりエゴ?)が高まってしまって譲り合うべき着地点を見出せなくなったことにあるのでしょう。
杉並ゴミ戦争のようなエゴむき出しで妥協できない社会になってきた弊害でもあるでしょうし、政治家(国民レベル以上の政治家は出ないので)の方も国民の利害調整役どころか自分自身が国政段階の論争の結果、落ち着くべき決着を受け入れる能力がなくなっていて国会決議に潔く従わずに蒸し返しに使うようになったからでしょう。
ポピュリストというか調整能力のないバラマキ型政治家の場合、外敵(トランプ氏のように国内政敵を煽る→分断社会化)に頼る傾向が多いのはこの所為です。
全うな育児対応能力がない母親の常套手段・・乳幼児をあやすのにガラガラで気を引いたり、ぐずる子供に対して「おまわりさんが来る」と脅すのが(戦後なぜこういう対応が流行ったのか不明ですが)一時流行ったのもこの一種でしょう。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC