欧米覇権終焉の開始5(騒乱開始1)

何回も書いていますが欧米によるアジア植民地支配の残虐非道ぶり半端ではありませんが、これをみんな日本軍の所為にすり替えて来たのです。
戦後秩序=虚偽歴史強制に従わないビルマだけが孤立させられてきましたが、その他アジア諸国は不満でも独立後社会経済基盤の弱さからアメリカ・マスコミ支配に抵抗出来ず従うしかなかったのですが、これが崩れ始めました。
アメリカはずっと長い間目先の競争相手を潰すために汚いに手を使ってその時々の3〜4番手を利用してきました。
日本を叩くために中華民国政府と中共双方を唆して日本を泥沼の戦争・支那事変に引きずり込み、戦後は最大の競争相手ソ連を叩くために再び中国を利用してソ連崩壊に成功しました。
ソ連崩壊後次の挑戦者になった日本を叩くために韓国と中国を利用するにあたって、中国に対して協力する見返りに、太平洋2分論をほのめかしたと想像されます。
言わば、山賊同士の略奪品の山分け謀議・・ヤルタ~ポツダム宣言の米中版です。
中国に正義があるからプーチンあるいは北朝鮮、トルコ、フィリッピンに影響力が大きいのではなく、アメリカが手先として使うのに便利なだけの理由でこれまで大事にし過ぎた結果、アフガンゲリラやIS同様に巨悪が育ち過ぎたことによります。
IS同様に・・中国の正義なき反抗(鉄鋼製品だけではなくありとあらゆる分野で需給無視の巨額投資→出血輸出・公害輸出に始まり全ての分野で秩序破壊が始まっています)を機に、中東ではトルコ、ロシアなど、アメリカに不満ながら従って来た国々の内で元気印から順にルール違反の便乗が始まりました。
アメリカにはそれぞれに対する弱みがあって、思い切った制裁出来ない状態です。
(オバマの弱気と言われていますが、誰がなっても国際政治上簡単にトルコの人権侵害程度で制裁など出来っこありません・・満座で恥をかかされたからと言って、ここでフィリッピンを制裁して中国に追いやることも出来ません)
フィリッピンやトルコなどの強気の態度は、このような目先の読みだけで、大国アメリカ大統領に恥をかかせてやったと、国内で喝采を受ける・・新興国民は良い気になっている・・国内的には英雄視されて支持率が上がると言う読みです。
中国の海外版図膨張行動も国内受けを狙ったものですし、G20で習近平がオバマに嫌がらせしたことも子供じみていますが、国内的には「大したものだ」と言う受け止め方をねらっているのでしょう。
相手に失礼なことすれば自分の核か上がると言う意識・・国民レベルがそんなものと言えばそれまでですが、現実にその程度のレベルの国が多いのです。
そこには、本来の正義ヤあるべき礼儀の観念がない・・底が浅いのですが、だからと言ってバカに出来ません。
古くは北朝鮮、近くはクリミア問題で孤立したロシアに始まり、秩序違反で咎められたらブラックホールの中国に身を寄せればなんとか持ちこたえられる関係が続いています。
昨年9月5日の抗日戦勝記念パレードでは、プーチンが中国を頼っていたので、習近平が彼を従えるかのような形で閲兵式をやりました。
今年に入ってトルコのエルドアンの人権侵害に対する欧米の懸念表明が相次ぐと、突如数世紀にわたる宿敵ロシア・プーチンと肩を組むようになって人権侵害を批判する欧米を威嚇?し,更にはIS掃討よりはアメリカが支援するクルド族掃討に戦力投入を始めました。
アメリカはトルコに空軍基地を置かしてもらっていて、そこからシリアに出撃していることとロシアとの関係でトルコとコトを構える訳に行かない・勿論EUも、難民問題で入口にあたるトルコの協力がないとどうにもなりませんし、ドイツに至ってはもの凄い数のトルコ人が働いているのでトルコと揉めると国内治安悪化を抱える弱点があります。
トルコ人とドイツの関係は以下のとおりです。
 http://www.sankei.com/photo/daily/news/160801/dly1608010014-n1.html
「ドイツのメディアによると、西部ケルンで7月31日、トルコ系移民ら約4万人がトルコのクーデター未遂事件を受け、同国のエルドアン大統領を支持する集会を開いた。ケルンでは同日、反大統領派や極右勢力もデモを行ったが、大きな衝突は伝えられていない。
 ドイツはトルコ系移民が約300万人に上るとされ、トルコ国内の大統領派と反大統領派の対立が飛び火することが懸念されている。ケルンの警察はこの日、放水車や警官約2700人を配置して厳戒態勢を敷いた。
  集会ではエルドアン氏のメッセージを大画面で放映する計画だったが、裁判所が禁止。ドイツのシュタインマイヤー外相は集会に先立ち、南ドイツ新聞に「トル コの内政問題を持ち込み、意見の違う人々を脅すことは認められない」と述べ、クーデター未遂事件を機に粛清を進めるエルドアン政権をけん制した。エルドア ン氏側は放映禁止に対し「容認できない」と反発している。」
上記のとおり300万以上ですが、移民は概ね働き盛り・・現役中心ですから、乳幼児や高齢者を含めた人口が、約8000万人ですから、比率が仮に4%しかいなくとも、実際の存在感がもっと大きくなります。
上記ドイツ国内での騒動を見ても、トルコ系住民の意向を全く無視出来ない状態に陥っていることが分ります。
ドイツだけが難民受入れに積極的なのは、国内にいる外国人(トルコ系だけはなくもっと外にもいます)の意向を無視出来なくなっているからかも知れません。

http://www.newsdigest.de/newsde/news/featured/7775-1025.html
 ドイツの移民の取り込みの将来
ドイツは第二次世界大戦を経て南欧やトルコからの移民を労働者として積極的に受け入れてきた。その結果、現在ドイツ国内に は1640万人以上の移民をルーツとする人々が暮らしている。
2014年には、134万人がドイツに移住しており、その数は2015年には中東からの難民も加わって200万人にまで増大。一方、2014年には 76万6000人、2015年では推計で110万人がドイツから他国へ移住した。ドイツへの移住の数とドイツからの移住の数の差から純粋な増加をみると 2014年は57万4000人、続く2015年は90万人と約1.5倍の定住率となっている。

以上のとおり今や移民系人口数は1640万人以上で昨年だけで200万人と言うのですからもはや、政治家はうっかり移民規制発言を出来ない・・歯止めがかからない・・制禦不能状態が始まっていると言うべきです。
この反動で、逆に「民族のアイデンテテイを守れ」と言う強硬な主張が出て来る土壌・・ドイツでももうすぐ冷静な議論が出来ないトランプ氏やエルドアンのような人が出て来る・・大混乱時代が待っているかも知れません。
トランプ氏が既に選挙権を持つヒスパニック系を無視出来ないのと同じです。
日本でも最近民主党首選に絡んで、蓮舫氏が最近まで台湾国籍?を保有していたことが大騒ぎになっていますが、いつの間にか身近にいろんな国籍の人が政治の分野で活躍している時代が来ていることに驚いているとが多いでしょう。
私が普段から移民問題は多角的考慮が必要・・慎重にすべきと言う根拠です。

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