米金融政策の影響1と中韓

米金融政策の影響1と中韓

米国金融政策の影響力に戻ります。
2日ほど前には、米連邦準備理事会議長の記者会見で、12月の記者会見で発表した19年中2回の利上げ既定路線が否定されバランスシート縮小の年内停止示唆したことを世界の市場は好感し、ひいては日本円高予想になっています。
https://www.smamjp.com/documents/www/market/ichikawa/irepo190131.pdf

2019年1月31日三井住友アセットマネジメントシニアストラテジスト
市川雅浩

米連邦準備制度理事会(FRB)は、1月29日、30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年2.25%~2.50%で据え置くことを決定しました。利上げの見送りは織り込み済みでしたが、今回のFOMCは全体として市場の予想以上にハト派的な内容となりました。まず、FOMC声明について、重要な変更点が3つありました。

 
 
この結果から政策金利は年内据え置きの予想に変更、バランスシート縮小も年内停止の可能性1月30日の米国株は上昇、米国債の利回りは低下(価格は上昇)で、それぞれ反応しました(図表1)。
米ドルは、米国債の利回り低下や、FF金利先物市場の利上げ回数の織り込み低下(図表2)により、対主要通貨で下落し、ドル円は1月30日に一時108円81銭近くまでドル安・円高が進行しました。
今回はFOMC声明とは別に、バランスシートの正常化に関する声明も公表されました。この声明で、FF金利が金融政策の主要手段としながらも、バランスシートの正常化の完了に向けて詳細を調整する用意があることや、状況によってバランスシートの規模と構成内容を変更する用意があることが確認されました。
ただし、声明に具体的な手段は示されておらず、現時点では基本方針の表明のみなっています」

トランプ氏恫喝に動じたか市場反応によって動じたか不明ですが、議事録公開による説明トーンの変化について書いてきたように、すでに今年2回の利上げは遠のいていると年初から見られていたことの正式確認で扱いです。
これまで、米国金利上げに戦々恐々状態であった世界経済はこれで一先ず息をついて、年初から新興国や先進国低格つけ社債発行などが増えているようです。
中国ではGDP比の負債拡大が大問題になっていても企業救済をやめられないように、世界(日本の財政赤字も同根)は紙幣増刷→債務拡大問題をどうするかのテーマに取り組むべき時期が来ているようです。
産物・供給量同一で紙幣発行量が2倍になれば物価も二倍になる単純論理で結果的に債権債務が均衡(債務帳消し・借金していた人や企業が得する)する仕組みでしたが、閉鎖社会から解放経済になると物価が二倍になれば半値以下の近隣国からの輸入が増えるので、一国で紙幣増発しても物価が上がらないので(日本の場合、平成に入った頃から20〜10分の1以下の中国製品が流入しました)上記のような単純論理での解決できなくなりました。
結果的に債務の帳消し(物価を2〜3倍にすれば債務負担2〜3分の1になりますが)ができないので、債務が積み上がる一方になってきたのです。
財政赤字解消の即効薬として日本では物価上昇を目ざすリフレ政策を採ってきましたが、上記の通り物価をあげれば国内企業の国際競争力が落ちて、輸入が増えてしまうので無理がありました。
この辺の論理構造をだいぶ前からこのコラムで書いてきました。
日本の場合には、国民債務膨張でなく政府債務だけ膨張していく関係・国民は国債を買って債権者になっている関係、中韓では政府債務よりは、国民や地方政府や国有企業債務が膨張していく仕組みでした。
国家が強く国民が弱い国かの違いであって、トータル破綻すれば国民が困るのは同じですが、愛国心の強い民族の場合、いざとなれば(戦時中は鉄不足のために鍋釜お寺の鐘まで供出したし)私財どころか前線の兵士は生命を擲っても国(構成する民族)を守る・敗戦で祖国が食うや食わずになっても皆外国から引きあげて復興に尽くす国民ですので、政府がお金を持っていなくとも国民に資産を持たせておいても心配がないし、愛国心のない民族の場合、個人資金を海外に隠しておいてイザとなれば国外脱出するので、政府は国民を信用していないし、国民も政府を信用していない相互関係です。
中国の場合裸官で知られていますし、韓国の場合国外脱出熱の高さが知られています。
国内的には愛国心を訴え国民を煽る政治家が多く、大袈裟に叫ぶ国ほど(相互信頼がないから)こういう傾向があります。
日本の場合政府・学者が「国際人材が育たない」と心配するほど、多くの若者が海外に行きたがりません。

欧米離れとトルコ危機?3

トルコに関する昨日引用グラフの続きです。
https://diamond.jp/articles/-/1843022018.11.6

2018.11.6

西濵 徹:第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト

トルコ、消費者物価上昇率の推移

アルバイラク財務相は年末までを期限に、民間企業に対して10%の値引きを要請する事実上の強制値引きキャンペーンを発表したが、この効果については未知数なところが多い。
なお、これら以上に懸念されるのが、9月の発表直後に消費者物価上昇率が予想外に上振れしたことを理由に責任者の国家統計機構(TUIK)の副局長が突如更迭され、アルバイラク財務相の腹心とされる人物が後任に当たったとされることである。
仮にこの動きによって物価統計が操作される事態となれば、アルゼンチンのクリスティーナ前政権下で行われたことと同じであり、足下のアルゼンチン経済が置かれている状況をみれば、同じ道を辿るリスクも高まる。

10月の消費者上昇率は以下の通りです。
“https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-05/PHPOQB6TTDS201”

2018年11月5日 17:48 JST

10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比25.2%上昇。9月の上昇率は24.5%だった

約25%の物価上昇では、国民はまともな生活を送れません。
企業も投資意欲が減退します。

参考までにアルゼンチンの物価上昇率は以下の通りです。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38927770U8A211C1000000/

アルゼンチン、11月のインフレ率年48% ペースは鈍化 中南米
2018/12/14 5:49
サンパウロ=外山尚之】アルゼンチン政府は13日、11月の消費者物価上昇率が前年同月比48.5%だったと発表した。前月比では3.2%で、単月の上昇率は10月から2ポイント以上下落した。足元の通貨ペソは下落が一段落し小康状態にあり、物価上昇のペースは落ち着きつつある。

結局は自国通貨の大幅下落が原因です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-30/PEA49R6TTDSM01

ペソが最安値更新、アルゼンチン中銀は政策金利を60%に引き上げ
Carolina Millan、Patrick Gillespie、Ignacio Olivera Doll
2018年8月31日 0:24 JST 更新日時 2018年8月31日 7:34 JST
利上げ後もペソの下げ続く-下落率は一時20%に近づく
マクリ大統領は29日にIMFに融資実行の前倒しを要請していた

アルゼンチン中銀が主要政策金利を45%から世界最高水準の60%に引き上げた後も、通貨ペソの下げは続いた。利上げは今月に入り2回目で、通貨下落に歯止めをかけるのが狙いだった。ペソは年初来で50%余り下げている。
Rout Deepens

Argentine peso worst performer versus dollar this year among emerging-market peers
によると対ドル下落率の大きい国の順位は以下の通りです。

アルゼンチン →  53、9%
トルコ    →  43、5%
ブラジル   →  20、2%
南ア     →  16、1
ロシア    →  15、6%
インド    →   9、7%
チリ     →   9、3%

以下省略

通貨下落率53、9%のアルゼンチンが金利を60%にしないと通貨下落を止められないという実態を見るとトルコもロシアも大変です。

マスコミの信用失墜4(米占領軍によるマスコミ支配)

米占領軍による日本の自国防衛禁止戦略・・永久的従属支配下に置いておくと言う戦略がマスコミ支配にまで及んでいたのかと今になって驚く人が多いでしょう。
占領軍が日本の民主主義化を標榜しながら実際には米軍の戦前から行なって来た戦争犯罪行為関連文書が日本にあるのを探して焼却を進め、同時に内々検閲を強化していながら表向き民主主義のための戦争であったと主張して表現の自由を大々的に宣伝していたのは一種の漫画でした。
自分で原爆投下その他の焼夷弾攻撃で民間人の大量殺戮を犯しながら、日本の数名前後のスパイ処刑を戦犯してと裁いていたのと同じこと・・二重基準が行われていたのです。
米軍司令部が日本マスコミを支配下に置いていたのは周知のとおりですが、独立承認後も二度と日本が実質的独立出来ないようにする戦略・・自国の独立を否定し、がん細胞のように自分で自分を誹謗するマスコミ育成戦略・教育政策が広く深く組み込まれていた疑いが生じています。
対日関係に限らず偏ったマスコミの威力を世界中で最大限利用して来たのが戦前戦後のアメリカですし、これに便乗して来たのが中韓両政府です。
日本のマスコミは占領後ずっとアメリカ支配下にあり、その後は中韓ロビーが食い込んできました。
アメリカがやましい太平洋戦争を正義化するためにでっち上げた「日本は非道徳国家・人民である」という宣伝をそのまま引き継げば良いので、中韓は引き継ぎ易かったことになります。
安倍政権の掲げる戦後レジームの転換・日本が世界一の道徳国家であると言う主張こそ、アメリカを中心とする中韓両政府が激怒するテーマであることは当然です。
だから中韓がどう言って怒っているかをマスコミがいくら騒いでも意味がありません。
今や世界の支持がどちらにあるかが重要です。
昨年末に特定秘密保護法が成立したばかりですが、中国の脅威に立ち向かうにはハード戦力ばかりではなく、ネット等を通じた撹乱やスパイ行為の防止が急務となって来ました。
今やインテリジェンスの世界こそ国防の最前線という意識が高まったのには、日本マスコミが米国のみならず実質中韓政府に牛耳られている疑いが強まってきて、その危機感を国民が共有するようになったことも大きな要因です。
この後で書きますが、中韓に通じていると疑われているマスコミ不信が根底にあって秘密保護法案が上程されているのに、マスコミが取材の自由が冒されると批判・主張しても国民に対する説得力が乏しかったように思われます。
まずマスコミ自体が国民から抱かれている疑念を払拭する努力・・嘘の上塗りをするのではなくNHKの虚偽報道の経緯からして悪びれずに真摯に検証すべきはないでしょうか?
安倍総理の年末の靖国参拝問題に対してはマスコミは批判一色で、ネット調査等での世論動向にまるで合っていない誘導的コメンテーターの発言が目立ちました。
国際問題は勿論国内意見だけが基準ではなく国際社会がどう受け止めているかが重要ですが、日本のあるべき姿・国際社会でどうあるべきかの議論であるならば、中韓だけの立場に立脚した批判論調ではなくその他アジアの方が数が多いのですから、その紹介も必要です。
中韓の立場ばかりの強調では、国民がうんざりしてしまい・・「中韓寄りに偏向しているマスコミ」というネトウヨの主張の方が信用され易い状況になっています。
日本人は実力で勝負すべきでマスコミや政治家に取り入って実力以上の評価を得ようとするのは卑怯だという意識・・武士道の国で結局アメリカの陰謀にまんまとやられてしまったのが太平洋戦争でした。
中国は宣伝戦の重要さを熟知し戦前アメリカを味方につけてしまいましたが、戦後もそのとおり実践しています。
韓国も露骨に政治権力者にロビー活動で取り入り、マスコミに取り入って実力の何倍もの評価を得ようと努力していることは周知の取りです。
その結果全くのでっち上げでさえ繰り返しマスコミ報道することによって、慰安婦問題を世界に定着させることに成功しかかっています。
中国も同様で南京虐殺などあり得ない事実無根のでっち上げ国内教育をして、(元々日本叩きのためにアメリカ人記者がルーズベルト政権と呼応して虚偽報告したのが元らしいですのでアメリカで受入れ易いのが特徴です)これもまた世界に拡散しようとしています。

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