雇用喪失と移民増に対する米国の不満

NAFTA署名の92年当時といえば、1992年のEU発足と同時期ですから西欧が地域ブロック経済で米国に対抗するならば米国はこれに対する対抗心からもともと自分の裏庭と自負する北米地域で北米統一市場を企図した動きのように見えます。
もともとメキシコは米国にとっては、裏庭ともいうべきお膝元であり当時のメキシコ経済は近代工業製品輸出国ではなく工業製品を売りさばく市場そのものでしたから、米国はEUに対抗して米国の裏庭にあたる市場を囲い込み・支配独占を確かなものにする日本の高度成長期には意識に基づく政策だったと思われます。92年当時のメキシコの経済力を見るために当時から現在に至るGDPや貿易額推移を世界ネタ帳でGDPを見ておきます。
https://ecodb.net/country/MX/imf_gdp.html

メキシコの名目GDP(USドル)の推移

メキシコ輸出額の推移

上記両グラフによれば92年NAFTA署名〜94年発効以降を見ると、GDPや貿易量が急激に伸びています。
FTA・・貿易自由化の徹底は後発国(韓国や中国を含め)が先進国に追いつくには、後進国に有利な制度であったことがわかります。
19世紀型植民地支配は、被支配地域に工業生産を許さず先進国の輸出市場としか扱っていませんでしたが、戦後ほぼ独立してしまい植民地支配が出来なくなりました。
先進国間で戦後復興が終わり市場争奪戦が再開されると、(似たような生産ラインでの競争である以上)より安い賃金・安い地代等総合的低コスト地域に立地した方が同業者や競争国との価格競争に勝てるので、現地進出競争が始まりました。
日本の場合も中国が改革解放されると現地生産指導のコストをかけても、農産物等の価格が10〜20分の1の値段で仕入れできれば競争相手・同業者に勝てるので、中国現地に出向き日本人向き蔬菜づくりの現地指導に乗り出す競争が起きていました。
毒餃子事件で知られるように日本の食品メーカーは競って中国進出していましたし、食品は日常庶民の目につくので目立っていただけで、その他各種産業は中国から安く仕入れる競争時代が始まっていました。
米国とメキシコの関係もこれに似たようなものだったと推測できます。
米国としては市場囲い込みのつもり・EU理念に負けない市場一体化・もしかしたら北米全体をEU理念同様にアメリカ合衆国を拡大する意気込みもあったのでしょう?
その理念の事実上(EUのシェンゲン条約のように公文書ではっきりさせませんでしたが)人的移動の自由化も緩やかになる一方だった気分の実現として、米国企業が強者の論理で遠慮なく内国並みに自由自在に進出し、メキシコも中国のように進出企業に民族資本との合弁強制や知財移転要求などのイチャモンをつけずこれを受け入れていた状態を推測出来ます。

韓国移民熱と経済外指標3

強制加入団体の弁護士会の場合、会としての政治活動の限界がいつもテーマになっているのは、会の政治運動方向が会員個人の政治信条と合わない時に脱退=弁護士をやめるしかないので、事実上脱退の自由がないからです。
脱退の自由といっても国家を捨てる自由の場合、近所の飲食店や八百屋を変えるのと違い、住む国を変えるのは命がけのエネルギーがいります。
それにも関わらず多くの国民が国を捨てて逃げるようになれば、その国では余程の悪政が行われているバロメーターになります。
国家を支える民が逃げ出せば国庫収入源がなくなるので、この面からも国家財政が持たなくなるので国家の方も必死でこれを防止します。
国民が逃げ出すと足元から崩れるのが怖いので旧ソ連圏諸国では出国が原則禁止されてきたし、北朝鮮は今でも出国禁止→逃げるものに対しては銃撃が待っているようです。
弁護士会の強制加入といっても職業生命が関わるだけですが、国家からの脱退は生殺与奪の権を行使できるオールマイティの国家権力に服従するしかない人民にとって、圧政がひどくなれば国家権力からの離脱の自由の保障こそが人権を守る最後の砦です。
名目上言論の自由、一人一票の選挙権等の各種人権保証・ある組織内の言論の自由が保証され、夫婦平等を唱えるのも意味がありますが、いざとなれば脱退の自由・・国外移住の自由・組織脱退の自由・・離婚の保障(その後の生活保証)の確立があってこそ強い方が無茶をできなくなる最後の砦になります。
いざとなれば国民が国家を選べる自由が重要です。
韓国の移民熱の高さに戻りますが、誰でも知っているので最近ニュース価値がなくなったのか、ネット上では見あたりにくくなっています・・ちょっと古いですが、以下の通りです。
https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201609_203080/

20~30代の「国外脱出願望」は80%超! 韓国の若者たちが海外を目指すワケ
2016年9月9日 22
「韓国が嫌で海外に渡る“移民”を計画する20~30代の青年たちが増えている。ウリナラ(韓国)を地獄にたとえた“ヘル朝鮮”と称し、(中略)青年たちが“脱出”を夢見て実行しようとしている」
まるで嫌韓記事のような文章だが、決してそうではない。韓国メディア「世界日報」が報じた内容を、そのまま翻訳したものだ。最近、韓国では若者の国外脱出が社会問題として取り上げられるケースが目立つが、同メディアは、その問題に真正面から切り込んだ形だ。
「韓国では、多くの若者が就職活動に必死になっている。しかし、大企業に就職した先輩たちを見ると、40歳になる前に“名誉退職”やクビになることにおびえている。(中略)将来の展望が不透明な韓国より、もっと大きな世界に挑戦するほうがよっぽどいい」

 一時期、日本でも注目を浴び、その後、あまり実情が報じられなくなった韓国の大企業だが、若者たちの間では“お先真っ暗”というのが共通認識のようだ。

https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201502_51_1/

「5人に1人が韓国人やめたい!?」米永住権のためなら国家機密も売り渡す、韓国“脱出願望”の深刻度
2015年2月1日 16:00 0
韓国の国営テレビ局KBSの時事番組が昨年10月に明らかにしたところによると、韓国の10大財閥の一族921人中、95人がアメリカ国籍を取得。“ナッツ姫”ことチョ・ヒョナの妹で「必ず復讐する」とのメールで話題になったチョ・ヒョンミン(大韓航空専務)もアメリカ国籍だし、ナッツ姫もアメリカで出産して息子にアメリカ国籍を持たせているらしい。表向きにはキャリアアップのための海外留学中に取得したなどとしているが、兵役逃れや有事の際に「韓国脱出」を図るための予防策であることは明らかだろう。韓国の富を独占して貴族志向の強い財閥一族たちのやることは姑息である。
注目したいのは、韓国人の移民志向が近年、急激に高まっていることだ。世論調査会社の韓国ギャラップ社が2013年に実施した統計によると、韓国人の5人に1人が「移民を真剣に考えている」と答えており、14年6月に韓国の就職サイトが725人のサラリーマンを対象にした調査でも、97.4%が「ほかの国に移民したい」と答えている。

韓国財閥のやり方も中国の裸官同様、身内を国外にこっそり逃がしている状態が出ています。
共産主義か本主義体制かは別として国民の思想流儀・・処世術の基本が変わらないのには驚かされます。
政権を意のままに動かせるはずの財閥も政府高官も皆いつどういうことで権力との関係が逆転しないとも限らない恐怖・・外国籍を取得しておけばイザとなれば、その国の保護がある(米国籍の人間をむやみに拘束できないでしょうが、日本籍では安心できない違いがありそうです)し逃げられるメリットです。
中国独裁政権の権力中枢にいる政府高官も、いつどこでどんでん返しがあるか不明・・同じ不安があるでしょう。
財閥や高官の息子らへの怨嗟・嫉妬の声が強いので、そういう子供が徴兵で外部から閉鎖された兵営に入営すると大変ないじめにあうリスクを否定できません。
閉鎖社会に入るのが怖くて仕方ないので、政府高官や金持ちほど子供の兵役のリスクを恐れているようですから、これを逃れさせたくなるのが人情でしょう。
24日見たように韓国では外形上GDPが上がっているのですが、GDPの上昇傾向とは別に学生の就職難が半端でないのは日本企業への就職を政府が奨励している事実から明確ですから、これと連動して移民願望が高まっているのは理解可能です。
自国から国民が逃げ出すなんて政府の恥・少なめに発表したいのが普通なのに政府が補助金を出してまで外国企業への就職を誘導する意味が不明です。
日本からの技術移転が難しくなったので困っているフリをして日本企業に就職させて技術を盗もうという深謀遠慮なのでしょうか?

韓国移民熱と経済外指標2

一般的に行われている経済面からのアプローチの基礎になるべき韓国経済の推移は世界ネタ帳によれば以下の通りです

経済成長が上記のように右肩上がりで生活水準が上がる一方の国では、物質的側面だけで自殺率や脱出熱を測る基準でいえば、活気に満ち溢れて自殺者や国外脱出願望が上がる筈がないのですが、自殺増加や失業者増加や自営業者の大量廃業など暗いニュースが多くて、何が本当か真相を理解しにくい国です。
韓国が特殊なのではなく、なんでも経済側面中心に論じる現在の評論傾向に無理があるのでしょう。
経済関連のデータは重要な指標ですが、それは第一歩の指標に過ぎないでしょうから、例えば、部屋が寒過ぎれば、極寒の地か?とも言えますが、冷房がきつすぎる場合もあります。
最近連続した事象では、元次官が不肖の息子が世間に迷惑をかけないうちに・・息子を殺した事件、大手企業役員の息子が吹田市の交番の巡査を襲って拳銃を奪った事件など、経済政策の失敗によるとか親の育て方でどうなるものでもなく、こういう政治や不況が原因とか誰かの責任にして済むことではありません。
左翼系ならラバ、こう言う答えであるべきと言うような、何事も図式化してあんちょこに済ませる時代は終わっていると言うべきでしょう。
いまの時代には、経済データを前提にした報道や意見で終わりにしないで、さらに掘り下げた情報提供が必要です。
韓国の場合昨日紹介した地獄の?徴兵制逃れが、国民にとって重要関心事ですから、この要因を軽視できません。
この辺は一人っ子政策の結果子供が大事になってきた中国でも同じような問題が起きているようです。
まずは韓国で兵役逃れに知恵を絞る事情の一端を紹介しましょう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/09/post-10955.php

2018年9月13日(木)18時00分
肥満になって兵役逃れ 兵役で人生を無駄にしたくない若者の増加に手を焼く韓国
<徴兵制を敷く韓国では兵役に就きたくない男性たちがあの手この手で兵役逃れを画策>
韓国兵務庁は9月11日、兵役義務を逃れるために意図的に体重を増やした大学生12人に対して厳しい処分を下す方針を明らかにした。
CNNは「兵務庁は兵役逃れの犯罪を根絶するために徹底した調査を実施する構えだ。公平かつ公正な兵役文化が根づくよう、兵役逃れをした者には見せしめとして厳しい処罰を科す所存だ」という当局者の発言を報じている。
問題の12人はいずれもソウル市内の同じ大学に通う音楽専攻の学生。兵役によってキャリアが中断されるのが嫌で、体重オーバーを理由に兵役検査で不合格になるために、急激に体重を増やす方法についてメッセージアプリで情報交換をしていたという。
肉やピザの食事を1日5回摂るほか、体重を増やすためのプロテインパウダーを摂取したり、アロエを含むジュースを飲んだりした。アロエは粒があるので水より排泄されにくいから、と本人たちは言っているという。最終的に、半年で30~100キロも体重を増やして入隊検査で不合格になることに成功。兵役の代わりに公的機関での任務を与えられていた。

北の思想統制に入るのが怖いという移住動機も経済面の客観データだけから推し量れないマイナス要因でしょうが、北の浸透度に関する公式データがないので憶測の域を出ません。
国外移住が不自由になる前に逃げておこうという・・香港の中国返還直前にブームになったような動機も無視できません。
自分の国がダメならば良くするために努力するのが普通ですが、韓国では逃げ出したい人の方が多いのが不思議・・工作員が浸透しているのでやる気をなくしているのでしょうか。
みんなで自分たちの社会を良くするために前向きに頑張ろうと言う雰囲気があって競争するのは楽しいしやりがいがあるでしょうが、ガンバって成功しても財閥オーナーの親族が贅沢するだけで国民みんなのためになるわけではなし、工作員の工作で冤罪をでっち上げられるリスクがあるとすればやる気を失うでしょう。
そんな危険を冒すくらいならば逃げた方が良いという人が増えます。
老朽化マンション修繕や建て替えに骨折るくらいなら、近隣新築マンションに移り住む方が簡単というのが今の風潮です。
店舗で苦情受けつけが整備されても苦情を言うよりサービスの良いすぐ近くの店に買い物に行く方が簡単でしょう。
ナチス台頭になぜ抵抗しなかったのだと批判は容易いですが、恐怖政治が確立してしまうと亡命(国外逃亡・任意団体の場合脱退してしまう)か権力への迎合しかないのが現実です。

韓国移民熱と経済外指標1

在日に対する徴兵可能性について念のためにネット検索してみました。
http://www.office246.com/kika/column/kika-110525.htm

在日韓国人の徴兵義務について
最近インターネットを見ていると、「2012年から法律が変わって、在日韓国人の徴兵制度が義務化されるらしい」とか、「強制徴兵の召集に従わなければ財産を没収されるなどの厳しい罰則があるらしい」とか色々噂になっていますね。
例えば、ほとんどが日本生まれ・日本育ちの、言語も文化も思想も日本人寄りの人が多い在日の「特別永住者」を韓国軍に入隊させている映像を想像してみて、かなり違和感があるのは私だけでしょうか?
韓国国内で徴兵制度を逃れようとする人が多いようで、その対応策での法改正と言われています。
以下、簡単にまとめてみました。

【原則】
韓国の成人男性(18~35歳)は、兵役の義務が課せられます。

【例外】
次の条件を満たす人は、兵役を免除されます。
① 韓国以外の国で生まれた人
② 韓国国内で生まれたが、6歳~18歳まで国外で成長した人
(韓国での修学は3年以内なら許される)
③ 本人が18歳になるまで、家族全員が永住権を取得している人

上記の通りですので、日本生まれ・日本育ちの特別永住者の方は通常ですと徴兵に怯える必要はないというのが当事務所の見解です。

上記にいう当事務所とは私の事務所という意味ではなく、上記引用元の意見です念のため
韓国政府は、韓国から徴兵逃れのために海外移住する自国民が増えてきたので、少なくとも徴兵義務未履行のママの国外移住・・食い逃げを許さないための法整備をしただけ・・もちろん徴兵回避目的移住を阻止する名目による青年期の海外移住や留学抑制目的も隠れた意図があり得るでしょう。
逆からいえば、幼児期から母親同行による英語圏留学熱は徴兵回避目的が含まれている可能性があります。
https://eigohiroba.jp/t/19

「雁パパ」留学費用を送金するため、ひとり韓国に残って働く父親たち
韓国では、1989年の海外旅行解禁後に留学ブームが訪れました。もともと留学は上流階級がするものとの意識が強かったようですが、2000年頃以降は中産階級にまでその波が広がり、早期留学者数も劇的に増加しました。
2002年にはその数が1万人を越え、ピーク時の2006年には3万人近くまでに膨れ上がりました。
その際、幼い子供にひとりで海外生活を送らせることを心配した母親が子供の留学先に付き添い、父親が単身で韓国に残るケースが多く発生しました。
子供の教育のため、単身生活に耐えながら必死に働いて子供の留学費用(と現地での妻子の生活費)を稼ぎ、留学先に送金する父親たち。
雁は韓国において生涯伴侶の象徴であり、遠い距離を旅して雛たちの餌を求めてくることから、そういった父親たちは「雁パパ」と呼ばれるようになりました。

公式経済データが悪くなっていないのに国外脱出願望がどんどん強くなっているのが不思議ですから、韓国の海外移住希望者増加背景には、経済要因だけではわからない・・中長期的には北の支配下に入る恐怖があるのでその前に逃げてしまいたいという気持ちも一部あるでしょうか?
もちろん世論調査でそう言う質問項目がないし、進んで自分から言えないので推し量るしかないことですが・・・。
似たような話に海外移住先希望ランキングがありますが、日本移住希望はありません。
よほど嫌われているとみて安堵している嫌韓派日本人が多いようですが、実際に日本企業への就職希望が多いことや訪日観光客の多さと矛盾します。
これについて在日専門家の意見によれば、無記名とはいえ、日本に対する憧れや移住希望があるなど、おくびにも出せない・うっかり表明すると親日清算・積弊清算政策実行中の現在、有名人であればメデイアで袋叩きにあうなどの国内雰囲気?があるようです。
このように本音を出せない窮屈な特殊事情を理解する必要がありそうです。
日本で考えている以上に現地では北の工作員の浸透が激しくなってきた危機感から一刻も早目に国外に逃げておこうとする人が増えているのでしょうか?
工作員が怖いとはいえないので公式統計には出ませんので、この種の意見は「ユダヤの陰謀論」同様に揣摩臆測の扱いされるのは仕方のないことです。
意味不明の「ヘル朝鮮」などと移住の理由を表現しているようですが、公式データが正しければ本来経済状態も着実に上がっているのに、国外脱出願望が何故多いのか理解不能です。
韓国の徴兵事情・入営すると自殺等が絶えないと言われる徹底的パワハラ天国で、母親の心配が最高潮という実態もあり、なんとか兵役回避したい需要が高い点を無視できません。
https://matome.naver.jp/odai/2146298451469953701には想像を絶するひどいいじめの数々が紹介されています。
https://matome.naver.jp/odai/2146298451469953701
更新日: 2019年05月30日

【ジングルベル】韓国軍いじめの実態が想像を絶する!!こりゃ兵役行く奴は地獄だわww

には想像を絶するひどいいじめの数々が紹介されていますが表題のみで引用省略します。
真偽不明としてもこのような情報に接する親は何とかして息子の兵役回避を図たくなるのは人情です。
その一環としての「雁パパ」現象でもあるでしょう。
韓国の自殺や国外移住熱の高さの原因については、このような諸事情を総合しないで安易に断定するのは危険です。

中朝・修正装置なしの体制4(国外脱出の自由)

中朝での専制体制が続くようになると、困りきった国民が逃げ出せるかのテーマで6月15日以来書き始めていましたので、香港騒動はその関連意見になります。
南シナ海での埋め立てに対する国際司法裁判所の判断が出ても「紙切れに過ぎない」と公式発言するなど国際信義・正義など無視すれば良い・・行動基準は裸の武力のみという中国・朝鮮の歴史論理が国外に半分開かれた香港でも通用するかの実験です。
列強による侵略を受けていた自分が弱かった時点では養晦韜光戦術で「武力・権力さえあれば何をしても良い」という基本原理・中華の栄華の本質を隠していましたが、自分が世界最強国に近づいた時点で、我慢しきれずについに本性を表し始めたということではないでしょうか?
上記論理・武力・権力さえあればどんな残虐なこと、近隣国侵略をしても良い論理に従えば、他国との約束も守る必要はない・香港返還時の約束・・一国二制度を骨抜きにし、中共政府による香港支配強化をするのは中国の勝手になります。
ただし返還時の約束を破られても英国は報復能力がありませんが、交通機関の発達した現在中国の論理を貫徹・成功すれば、香港脱出する香港住民(資本流出)が増えたでしょうし、自由貿易都市としての香港の信用ががた落ちになっていたでしょう。
中国や香港住民のためには、香港行政府と中共政府が恥をかかずに条例制定強行成功した場合と、国際世論に負けて棚上げ・撤回した場合、どちらが国民・住民にとってよかったかの教訓です。
漢承秦制の原則とは、自由な言論による社会の発展など眼中になく政権さえ維持できればいいという権力維持の思想であって、国家人民の将来には関係がないという思想でしょう。
国家運営に反対する人・・うるさい人物は、自費で国外脱出してくれた方が国外追放したり国内監禁する手間が省けるので都合が良いという選択(開き直り)になりがちです。
去る者は追わずと言えば、懐の広い政治とも言えますが、長年月に亘って世界中に膨大な数の華僑が散らばっている事実を見れば、如何に苛酷な政治がまかり通っていたかが明らかです。
今になれば豊かな順に海外旅行し留学しますが、政府の補助金よる計画的移民政策の場合は別として、まともに働いていてもそれほど蓄えのできない時代に庶民が命がけで見知らぬ異郷に流れていくのは、よほどの政治圧迫や困窮があった場合に限られます。
中国歴代王朝の崩壊は、農民が食えなくなって家を後にして流民化・どうせ明日には一家飢え死にしかないという最後の最後に命もいらないという段階で起きたものですが、広大な砂漠や険阻な山を越えあるいは、ボートピープルになる国外逃亡の多くは、途中で命を落とすリスクが高かった・それほど切羽詰まっていた点は同じです。
北朝鮮脱出者かどうかか不明ですが、時折新潟〜佐渡近辺にボロ漁船に多くの死者の乗った船が漂着するのは今でも命がけでも逃げた方が良いということでしょう。
北朝鮮を除けば、現在では庶民でも気楽に海外旅行できる時代ですから、歴代中国王朝崩壊時ほど一家あげて流亡の民になる・・命がけになるほど困窮しなくとも、ちょっとした不満程度でも小金さえあれば国外移住が簡単です。
このように見ていくと旧ソ連や北朝鮮のように出国の自由のない国って、国民の為の政治ではなく、権力者の為の政治をしている・・自国民に対してひどい政治をしている自覚があることになるのかな?
商人や商品の信用は国家が決めるのではなく市場が決める時代ですが、国家の良し悪しも労働流動性と居住移転の自由の保障があれば、個々人が自己判断で決められるようになります。
現在すでにハイレベル職種では各国人材の取り合いですから、高級人材が国や企業を選べる時代です。
世界企業も早くから活動しやすい国や地域を選ぶようになっています。
イギリスのダイソンだったかがシンガポールに本社を移すとだいぶ前のニュースに出ていましたが、本社を移すのはまだ少ないものの企業の工場や店舗・研究所等は早くから本国だけでなく適地に移転したり立地しています。
最下層労働の場合、自国で最下層で働くよりよそ者になって不便でも、先進国へ行けば10〜数倍以上の給与になるので先進国の3K職場に向けて出稼ぎ移民が増えます。
これが外国人労働者増加の社会問題の根源です。
西欧にアフリカや中東から移民が押し寄せてこの数年大問題になっていますが、先進国ではいわゆる3K職場では求職者が減る一方で求人難に困り、外国人労働者を引き入れてその穴埋めに使ってきました。
西欧では必要な量だけ入ってくるなら(非正規雇用なの不景気が来れば簡単に解雇でできるし)都合の良い仕組みでしたが、必要以上入ってくるどころか押し寄せてくると「過ぎたるは及ばざるが如し」で「招かれざる客」に変化しました。
西欧とアフリカ諸国とは貧富の格差が激しいので、極端な話、元々裸足で歩き回っていて粗末な草葺の家に住んでいた人を想像するのは時代遅れかも知れませんが、先進国の待遇の良い?収容所に長期間留め置かれてもその程度の劣悪環境をものともしない貧困者の群れが大量に押し掛けるようになるとお手上げです。
(例えば私の知っている品川の入管収容施設は入管法違反事件で検挙された人たちの審査期間中の収容施設で難民の臨時収容施設とは違いますが、冷暖房完備の近代ビルですし、臨時でも先進国作る以上は保険衛生基準も一定以上でしょうし、ブリキ屋根の掘っ立て小屋・汲み取り便所にはならないでしょう)
日本では同胞意識が強いので3k職場の合理化・女性でも働きやすい環境整備や機械化に励み、できるだけ外国人労働者利用を避けてきましたが、西欧では安上がりという経済合理性だけで安易大量に引き入れた咎めが出てきました。
ちなみにドイツの外国人(2、3世を含めた)人口比は以下の通り約23%です

ドイツで増大する移民と経済への影響

2017年11月28日
住友商事グローバルリサーチ 経済部伊佐 紫
ドイツは欧州一の移民大国
ドイツの人口は長らく死亡数が出生数を上回る自然減にあるが、移民の流入に伴う社会増が自然減を上回り人口減少を食い止めている(図表1)。ドイツ連邦統計局の人口統計(2016)によると、現在、ドイツに居住する外国人は約896万人で全人口8,243万人の約11%を占め、ドイツの外国人比率は他の欧州主要国と比較して最も高い。英仏では旧植民地から多くの移民が流入しているのに対し、ドイツでは高度経済成長期の労働力として1950年代からトルコ、イタリア、ポルトガルなどから流入した。当時これらの人々は一時的な滞在を前提としていたが、その後ドイツに家族を呼び寄せ定住し、ドイツで生まれ育った2世、3世が増え続けた。現在、こうした移民の背景を持つドイツ人を合わせると全人口の約23%に達している(図表2)。
ドイツの生産年齢人口の約3割は移民
移民の年齢別人口統計(2016)をみると、15歳以上65歳未満の生産年齢人口の割合は移民全体の約65%を占める(図表4)。また、ドイツ人全体の平均年齢は46.2歳であるのに対し、移民の平均年齢は35.4歳と若い世代が多い。さらに、ドイツ全体の生産年齢人口に占める移民の割合は約24%に上る(図表5)。

移民の年収別人口統計(2016)では、ドイツにおける平均年収は月額2,620ユーロ(工業・サービス・建設部門の賃金/2014, Eurostat)であるのに対し、移民の年収は月額500ユーロ以下、同500~900ユーロ、同900~1300ユーロの範囲に多く、ドイツにおける平均年収よりも低くなっている(図表7)。

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