同胞意識と格差拡大3

日本の不動産バブルと違い中国の場合、民間資金・銀行によるものではなく、地方政府主導による点がまるで違います。
この辺のからくりは、日経新聞6月2日の朝刊第1面に書いていますが、共産党支配権確立の過程で所有権を全面的に取り上げてあるので、これを地方政府の錬金術として好きなように宅地造成してマンション群を立ち上げてはゴーストタウン(鬼城)を作り上げて来たと言われています。
昭和50年代から60年代に掛けてはやった千葉の金権候補あるいは昭和40年代の元総理田中角栄氏の錬金術(崖地・河川敷など二束三文の土地を買い占めて、まとめて開発して巨利を得る方法)と似たようなことを中国の地方政府が主役になってやって来ました。
今や地方政府の出している200兆元のうち3分の1が焦げ付いていると言われていますが、正確な統計を出さない統制経済なのでこれがどうなるか・・なっているか薮の中になったままです。
現在中国政治を揺るがしている薄煕来事件(激しい権力闘争)の経済背景をみると、彼の進めて来たいわゆる「重慶モデル」の破綻が背景にあった」と後に解説されることになるかも知れません。
不動産バブルのホンの短期間だけでみれば、内陸部の人たちは(外資導入・日本のスーパーやコンビニ出店加速=外貨両替で入って来た潤沢な資金を金融機関が地方政府を信用して貸し付けて来たので、資金移転の一種かも知れませんが・・)自分たちで花見酒の経済のように土地の価格やマンション価格をつり上げてこれの回転売買で儲けたような気になっていたのですが、これがゴーストタウン化して今やうたかたの夢と帰しつつあるようです。
同じバブル崩壊でも、ストレートに銀行/金融機関が参った日本と違い、間に地方政府が挟まっている分顕在化に時間がかかる仕組みです。
我が国で高度成長期を経ても農村部と都会地の格差是正・所得再分配がうまく行った理由は、民族の同質性の強調・・一体感の醸成に成功して来たことにあります。
我が国の民族一体感は、西洋の19世紀・・ナポレン時代よりも早く、古代白村江(663年)の敗戦・防人制度のときからある・・蒙古襲来時も明治維新時もこの意識に支えられていたことを以前どこかで・・あるいはそれぞれのテーマのときに書いたことがあります。
勿論第二次世界大戦での敗戦は日本始まって以来の国難でしたが、このときの奇跡の復興は同胞意識によって成し遂げられたものでした。
諸外国では国難があると古くは出エジプト記・あるいはボートピープルのように国外脱出が盛んになるのですが、我が国の場合、史上最大の国難で、列島隅々まで住む家も焼かれ仕事の材料も焼かれ、誰もが食うに困っているというのに、このときに海外からの引き揚げが何百万人と、しかも今の旅行のように安楽ではないのに命からがら帰ってきました。
世界史上こんな国民で成り立っている国があるでしょうか?
東京・・丸の内や銀座付近が焼け野が原になった写真が一般化されているので、焼け野が原になったのは東京だけかと誤解している人が多いと思います。
しかし札幌に旅行して戦前と戦後現在の定点写真展などをみると、あるいは千葉市に住んでいるので、千葉市の復興の歩みなどの写真展をみる機会が多いのですが、千葉のような田舎までも日本列島全体の工場どころ小さな民家までが繰り返し焼夷弾攻撃を受けて一戸残らず焼き払われて廃墟になってしまったのです。
こうした焦土作戦の一環として原爆の投下をしたのですから、アメリカは日本が二度と立ち上がれないようにジェノサイドを目指していたことが明らかです。
民間の引き上げ船であることが明らかな船の撃沈を繰り返していたアメリカが、戦争に勝つと日本軍人による数人や数十人の民間人処刑を理由に戦犯として死刑判決をしました。
あるいは、従軍慰安婦問題、南京虐殺などのあったかなかったか分らないような・・あったとしても数十人単位であったに過ぎない事件を過大に騒いでいるのですが、・・何百万人の一般人を殺し一般住居を燃やして来たアメリカ軍の残虐性と比較するとおかしな動きという外ありません。
史実をでっち上げてあるいは過大に報道して日中、日韓の離間を策しているアメリカの欺瞞性はその内歴史が証明してくれることでしょう。
私の個人経験・幼い私をおんぶして空襲・焼夷弾攻撃から逃げ回っていた体験を親兄弟から聞いて育っているので、ついこの問題に話題がそれてしまう傾向があります。

新興国の将来3(格差拡大1)

中国国内一人当たりの生活水準が今のままであれば、ベトナムやインド等の挑戦に対抗出来るでしょうが、国内格差が大きくなっているのでこれを是正しないままでは不満が募り国内政情不安が顕在化してしまいます。
日本の格差是正の実情を24年5月末まで書いて来ましたが、格差是正は低い方の生活水準の引き上げに向かうしかない・・高い方を引き下げて平準化するのは痛みを伴うので政治上実現が困難です。
我が国や先進国では中間層を没落させて貧しい方に合わせる平準化が進んでいるので国内不満・・個人的にはストレスが高まっています。
生活水準の低い方へ分配するべき資金をどこから得るか・・先進沿海部の生産性を引き上げて得た資金を先進地域の給与引き上げに使わないで内陸部に配るしかありません。
先進地域の労働者自身自分の稼ぎを内陸部に配るどころか、周知のように自分の賃上げ要求に熱心・先鋭化する一方ですから、後進地域への分配資金にはなりません。
上海・広州等先進地域と内陸部の格差は、中国とミャンマーやラオス等との格差以上のものがある上(6月1日の日経朝刊では平均3倍と言われています)に、ラオス・カンボジア等よりも中国内陸部の人口の方が多いので、いつまでも超低賃金労働者の流入が可能だと言われていました。
その結果、いつまでも低賃金による国際競争力があるとも言われていましたが、それでは何時までも都市住民の賃金が上がらないので今度は都市住民の賃上げ要求に遭遇し・賃上げを阻止している農民工の流入に対する都市住民の反発も高まります。
この後に書きますが中国では民族一体感がない・・自分(せいぜい広がっても一族)の利益ばかりの社会ですから、流入人口への反感が強まっている様子です。
中国人の海外移住が盛んですが、同じ華僑でも福建系と広州系とでは一緒に中華街を作れないほど排他・対立感情が強いことが知られていますが、同じ市内住民でもあるいは香港でも、後から来た人との差別が激しいことが報道されています。
日本で言えば外国人労働力の流入・ひいては労働移民先進国のドイツで起きている移民に対する反感・差別問題が国内で起きていることになります。
話が変わりますが、韓国や中国等では、国内で儲ける人・階層と搾取される人が併存している・・国内に19世紀型の植民地を抱えるような二重構造が始まっているように見えます。
サムスンの躍進の陰に国内労働者の多くが非正規雇用となり、正規就職してもいつまでも大手企業正社員に留まれない・・多くが短期間で非正規雇用に転落する・・労働者が疲弊し尽くしていて海外脱出熱が盛んな韓国を理解するには、国内に19世紀型植民地を作り出していると理解すれば大方納得のいく状況ですが、中国でも同じような状況になっています。
6月3日の日経朝刊第一面では、現在の中国は一人当たり国内総生産が4500ドルに達していて日本の70年代半ばの状況らしいですが、現在中国では何千万というイタリア製の高級車が年間342台も売れて世界1の市場になったたり1300万円もする高級時計その他が飛ぶように売れている状況らしいですが、70年代半ばの日本ではそのようなことは起きませんでした。
一部の共産党高級幹部やぼろ儲けした人に富みが集中しているからこういう結果が生じていることになります。
ちなみに富みの集中している幹部連中自身が祖国を見限って・・あるいは薄煕来同様の失脚リスクを予見しているのか、香港紙5月28日発売号「動向」によれば、共産党中央幹部127名の内113名の家族が既に外国移住して外国籍を取得していると報じているそうです。
当然蓄積した巨額資金を海外に移転していることでしょう。
昨年夏くらい前から頻発している広州周辺での賃上げストライキの頻発は、農民工流入に頼って低賃金政策を続ける無理が出て来たことの現れでしょう。
そこで農民工の都市流入を禁止する施策によって、都市の労働者不足とその他地域の大量失業発生の矛盾を作り出しています。
日本のように同胞意識がない国では所得再分配が出来ないので、内陸部の水準引き上げに手っ取り早い政策として始めたのが、不動産バブル政策だったと言えます。
こうした意見は私の知る限り誰も書いていませんので独自の思いつきになりますが、中国の不動産バブルは格差是正策の1つとして始まったものではないかと私は思っています。

新興国の将来3(格差拡大1)

中国国内一人当たりの生活水準が今のままであれば、ベトナムやインド等の挑戦に対抗出来るでしょうが、国内格差が大きくなっているのでこれを是正しないままでは不満が募り国内政情不安が顕在化してしまいます。
日本の格差是正の実情を24年5月末まで書いて来ましたが、格差是正は低い方の生活水準の引き上げに向かうしかない・・高い方を引き下げて平準化するのは痛みを伴うので政治上実現が困難です。
我が国や先進国では中間層を没落させて貧しい方に合わせる平準化が進んでいるので国内不満・・個人的にはストレスが高まっています。
生活水準の低い方へ分配するべき資金をどこから得るか・・先進沿海部の生産性を引き上げて得た資金を先進地域の給与引き上げに使わないで内陸部に配るしかありません。
先進地域の労働者自身自分の稼ぎを内陸部に配るどころか、周知のように自分の賃上げ要求に熱心・先鋭化する一方ですから、後進地域への分配資金にはなりません。
上海・広州等先進地域と内陸部の格差は、中国とミャンマーやラオス等との格差以上のものがある上(6月1日の日経朝刊では平均3倍と言われています)に、ラオス・カンボジア等よりも中国内陸部の人口の方が多いので、いつまでも超低賃金労働者の流入が可能だと言われていました。
その結果、いつまでも低賃金による国際競争力があるとも言われていましたが、それでは何時までも都市住民の賃金が上がらないので今度は都市住民の賃上げ要求に遭遇し・賃上げを阻止している農民工の流入に対する都市住民の反発も高まります。
この後に書きますが中国では民族一体感がない・・自分(せいぜい広がっても一族)の利益ばかりの社会ですから、流入人口への反感が強まっている様子です。
中国人の海外移住が盛んですが、同じ華僑でも福建系と広州系とでは一緒に中華街を作れないほど排他・対立感情が強いことが知られていますが、同じ市内住民でもあるいは香港でも、後から来た人との差別が激しいことが報道されています。
日本で言えば外国人労働力の流入・ひいては労働移民先進国のドイツで起きている移民に対する反感・差別問題が国内で起きていることになります。
話が変わりますが、韓国や中国等では、国内で儲ける人・階層と搾取される人が併存している・・国内に19世紀型の植民地を抱えるような二重構造が始まっているように見えます。
サムスンの躍進の陰に国内労働者の多くが非正規雇用となり、正規就職してもいつまでも大手企業正社員に留まれない・・多くが短期間で非正規雇用に転落する・・労働者が疲弊し尽くしていて海外脱出熱が盛んな韓国を理解するには、国内に19世紀型植民地を作り出していると理解すれば大方納得のいく状況ですが、中国でも同じような状況になっています。
6月3日の日経朝刊第一面では、現在の中国は一人当たり国内総生産が4500ドルに達していて日本の70年代半ばの状況らしいですが、現在中国では何千万というイタリア製の高級車が年間342台も売れて世界1の市場になったたり1300万円もする高級時計その他が飛ぶように売れている状況らしいですが、70年代半ばの日本ではそのようなことは起きませんでした。
一部の共産党高級幹部やぼろ儲けした人に富みが集中しているからこういう結果が生じていることになります。
ちなみにこの富みの集中している幹部連中自身が祖国を見限って・・あるいは薄煕来同様の失脚リスクを予見しているのか、香港紙5月28日発売号「動向」によれば、共産党中央幹部127名の内113名の家族が既に外国移住して外国籍を取得していると報じているそうです。
当然蓄積した巨額資金を海外に移転していることでしょう。
昨年夏くらい前から頻発している広州周辺での賃上げストライキの頻発は、農民工流入に頼って低賃金政策を続ける無理が出て来たことの現れでしょう。
そこで農民工の都市流入を禁止する施策によって、都市の労働者不足とその他地域の大量失業発生の矛盾を作り出しています。
日本のように同胞意識がない国では所得再分配が出来ないので、内陸部の水準引き上げに手っ取り早い政策として始めたのが、不動産バブル政策だったと言えます。
こうした意見は私の知る限り誰も書いていませんので独自の思いつきになりますが、中国の不動産バブルは格差是正策の1つとして始まったものではないかと私は思っています。

構造変化と格差39(新自由主義9)

イキナリ中国の賃金に合わせて国民平均を10分の1の生活水準に落とすのは無理ですから、この過渡期の解決策として誰か効率の良い稼ぎをしている人からの再分配・・生活保護や社会保障に頼るしかない状態に陥っているのが現在の日本の姿と言えるでしょう。
雇用形態が非正規化して彼らの平均値が従来の正規雇用時の半分の給与になったとしても、なお中国などの5〜6倍の給与水準ですが、本来は同じような単純労働をしている以上は賃金水準が同じであるべきです。
現在の10倍、将来5〜6倍の差になったとしても、日本人が得ているその差は高額所得者からの分配によっていることになります。
世界規模でグローバル化=賃金平準化が進めば、先進国では逆に格差が広がるパラドックスが起きるのは、先進国では生き残りのために知財や研究・高度技術化・金融資本化に邁進しているから、これに乗り換えられた少数の人や企業だけが従来通りの高所得を維持しているからです。
高成長の始まった新興国の方が格差が大きく且つ再分配システムの不備な国多く、先進国では所得再分配システムが完備していることが多いのですが、先進国では再分配・社会保障に頼ることに我慢出来ない人が多いことが社会問題になっている原因と言えます。
ある時期まで対等であった仲間の一人が成功して抜け出して行くのは、うらやましいものの納得し易いものですが、自分が対等だった仲間から脱落して行くのは辛いものです。
貿易収支黒字と所得収支黒字のバランスの変化をリーマンショック前ころに国際収支表を転載して書いたことがありますが、国際収支表の歴年の変化を見ると貿易=国内生産による稼ぎがなくなりつつある姿が明らかですし、その穴埋めとして所得収支の黒字が中心になりつつあります。
(昨年12月と今年の1月には約30年ぶりの貿易赤字でした・この原稿は年初に書いていたものですが、その後、昨年度1年間通じても貿易赤字になり、現在も毎月の赤字が続いている模様です)
所得収支黒字とは海外投資による収益ですから、所得収支が主な収入源になってくればこれに参加しない(労働者でも個人的には株取引している人が一杯いますが・・)給与所得だけの労働者との経済格差が生じるのは当然です。
高度化が進むに連れて一握りあるいは少数になった高所得者から高率の税を取って、これをバラまいているのがここ10年以上の政治ですが、(稼ぐのが一部・少数になったのでバラマキしか出来なくなったのです)このギャップに我慢が出来ないのが格差反対論者の基礎票でしょう。
格差反対とは言え、高収益の知財や高度技術獲得に邁進しないまま従来通りの大量生産だけを続けていれば、低利益率・低所得・新興国とすべて(インフラを含めて)同じ水準に落として行かない限り(ウオッシュレットなど贅沢だからやめないと行けないかな?)国内産業は壊滅してしまいます。
新自由主義批判論者=格差反対論者の意見によれば、高所得者を生まない・・格差をなくすために知財や高度技術開発をやめるべきことになり、ひいては先進国も中国同様の低賃金に引き下げて行くべきだという主張と同じ結果になります。
(実は国内の生産性アップ努力・高度化をやめても、海外収益取得者との格差はなくせません・・海外収益取得をやめろというのかな?)
「貧しきを憂えず等しからざるを憂う」と言う子供の頃に耳がタコになるほど聞かされた共産主義の図式の復活を期待しているのでしょうか?
本家の中国では、約30年前から鄧小平によって「白猫であれ黒猫であれ、ネズミを捕る猫は良い猫だ」というスローガンになっているのに、我が国では未だに「等しく貧しき」を希望する意見が形を変えて主張されているのは滑稽です。
我が国の格差は実際には国民意識もあって諸外国に比べてそんなに大きくありません。ジニ係数などの欺瞞性についてはOctober 28, 2011「格差社会1(アメリカンドリーム)」その他書きましたし、最近ニュースになっている大阪のお笑い芸人の母親の生活保護受給問題でも明らかなように、所帯分離という便法が多用されている結果に過ぎません。
格差批判で高度技術者の高収入を非難しているよりは、高度技術者を大切にして後続者の続出を期待する方が良いのではないでしょうか?
ただし、中国でもあまりにも格差が広がり過ぎたので、国内治安対策の視点から、高度成長にブレーキをかけざるを得なくなったようで、3月3日の報道では全人代が今年度は8%成長目標に引き下げたようです。
実際には海外でささやかれているように昨年から10%前後のマイナス成長になっていて、そのごまかしがきかなくなったので、実態に少しずつ合わせて行くしかなくなったのかも知れません。

格差修正38(新自由主義8)

円安に誘導出来て物価が上昇すれば、実質賃金が下がるので政府も経営者も何の努力も要らずすべてが簡単ですが、経常収支黒字を累積しつつ(少しでも貿易赤字になると大騒ぎしています・・)円安になるのを期待するのは論理的に無理があることを繰り返し書いて来たとおりです。
経済の自然の流れに逆らって無理を通して来たのが超低金利による円安誘導でしたが、リーマンショック以降先進国全体でほぼ似たような低金利政策になるとつっかえ棒がなくなったダムみたいなものです。
円キャリー取引で誤摩化して来た溜まりに溜まった円上げ圧力が一気に押し寄せたので、その勢いで均衡点をあっさり乗り越えた相場になってしまい、8〜90円前後ならまだまだやれる産業まで足をすくわれる結果になってしまいました。
自然の流れをねじ曲げるといつかはその無理が出るので、よほどの成算がないと経済の流れを政治でねじ曲げるのは却って危険です。
経済原理に反した政策は臨時短期間の激変緩和策としてならば意味がありますが、長期化すると却ってその反動が大きくなり過ぎます。
この点は臨時的な不況対策としての補助金も同様で補助金が恒常化すると退場すべき企業が何時までも温存されて結局国富の食いつぶしになります。
雇用調整助成金が見直しの方向になってきましたが、生産性の低い業界で助成金がある為に人材を抱え込んだままにすると活力のある必要な分野に人材の移動が行われなくなる弊害が目立って来たからです。
新自由主義非難・・政府の関与強化を求める思想や論者は、出発点であるグローバル化自体・・国際的な賃金の平準化の流れを批判しているならば一貫します。
しかし、この種批判論者の多くは一方では世界的な南北(賃金・生活水準)格差の解消・・人権・人道主義者でもあるのです。
同じものを作っていて生産性が同じならば、世界中の賃金を平準化することは人道的にも正しいことですが、これを日本の賃金・生活水準を下げずに実現するには中国やミャンマーの賃金を日本と同じ高賃金にするしかありません。
高賃金・高生活水準にするには彼らの生産・輸出を増やす・・日本からの輸出を減らす・・失業の拡大または賃金低下しかないので日本の生活水準が下がらざるを得ません。
現状の貿易黒字を日本が維持しながらミャンマー、アフリカ諸国の人件費を上げるには、日本での高度なインフレ・・超円安を期待するしかありませんが黒字のまま円安を期待するのは無い物ねだりです。
新自由主義批判論はグローバル化が悪いと言う意見だと思いますが、アメリカの通商法による理不尽な日本叩きによって、迂回輸出→結果的に新興国の離陸が始まり、グローバル化の流れは押しとどめられない奔流となってしまいました。
欧米諸国は自分たちが植民地支配で甘い汁を吸いながら、日本の植民地支配だけを非難して戦争を仕掛けた結果、戦後世界中で植民地独立運動になってしまったのと同じ轍を踏んでいることになります。
グローバル化進展の結果、世界中で賃金・生活水準平準化が進みつつあるのは、彼ら人権活動家の言う人類愛・・本来の正義に合致しています。
新自由主義批判論者も今更グローバル化の流れを間違いだとは言えないでしょう。
グローバル化進展を認め・世界中の生活水準の平準化を求めておきながら、日本人にだけ国際水準以上の賃金を従来どおり維持させろと言うのは矛盾です。
最貧国では学校の校舎もないのでそこへ援助に行っている・・そこで汗水流して貢献している報道をみたりしますが、こういうことが可能なのは乗り越えられないほどの巨大な経済格差があってこそ成り立つことです。
これらの国の自立を促すには経済力を付けてやることが基本であって、目のくらむような豊かな国の人がおこぼれを持って行って得意になってるの見るのは私には違和感があり、余りよい報道だとは思っていません。
平準化がドンドン進み援助など要らない世界の実現・・上記のような個人プレーで格好付けているよりはずっと正義に近いと思います。
若干の凸凹があってもおおむね平準化した世界が実現すれば、日本の比較高賃金は中国や最貧国などと平準化するために下がって行くしかありません。
後進国・中進国・最貧国の上昇に合わせて生活水準を相対的に引き下げて行くしかないとすれば、「その方策や如何に?」が我が国の主要テーマです。
絶対的水準の引き下げはきつ過ぎるので、考えられる方策としては中国等が年間10%前後引き上げるとしたきに我が国が2〜3%しか上がらないなどの形で差が縮まって行くこと・・ソフトランデイングしかないでしょう。

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