資格制度の空洞化?3(修習受入れ拒否)

以下は法科大学院の人気下落に関するhttp://eic.obunsha.co.jp/viewpoint/201506viewpointからの引用です。
「法曹養成の中核的な教育機関として16年度に創設された法科大学院の27年度入試状況は、入学定員、志願者数、受験者数、合格者数、入学者数のいずれも過去最低を更新。受験者数は創設以来、初めて1万人を割り込む9,351人だった。募集停止が急増した27年度入試は、ピーク時の73%に当たる54校で実施され、入学定員充足率は約70%に改善された。」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11HC9_R10C16A5CR8000の引用です。
全体の志願者は制度導入の04年度の7万2800人をピークに減少が続いており、16年度は8274人まで落ち込み、前年度の1万370人を下回り、初めて1万人を割り込んだ。志願倍率(定員数に対する志願者数)は04年度は13倍だったが、16年度は3倍まで落ち込んだ。
・・・ 法科大学院はピーク時に74校あったが、16年3月末までに3校が廃止。28校が学生募集を停止したか今後の停止を決めている。」
上記は2年前の報道ですが、・・応募者が定員にも満たない状況になっていて、その後もいくつかの法科大学院が募集をやめたはずです。
こんな状況が続けば能力のあるものが応募する魅力を感じなくなくなっているのは当然ですが・・これでも「レベル維持出来ていると言い張るの?」と言う惨憺たる状況が外形的に証明されていると見るべきでしょう。
レベルが下がれば「自分でも受かるかな?」と応募者が一時増えますが、社会は厳しい・・その結果仕事がうまく行かなくなる・それを見た後続者が結果的にためらう・・応募者が減る・・そもそも従来の人材が敬遠し、従来とても合格出来そうになかった人しか応募しなくなる悪循環が始まりました。
エクスターンシップで事務所に来ていた大学院生が昨年の司法試験合格後進路相談に来ましたが、要は国家公務員試験にも合格したがどちらにしたら良いかの相談でした。
500人合格時代には想定すら出来なかったような迷い・公務員の方が良いのじゃないかの相談です。
裁判所検察庁が上澄み500人の上から順に採用するから、下の方のレベルがいくら下がっても良いと言う姿勢・・高みの見物を決め込んで来ましたが、受験生の人気・・市場評価が下がって上澄みのレベルが下がれば困って来ます・・。
ソモソモ合格者のトップクラスが、一般大学生の中程度のレベルに下がって来た場合を想定すれば・・・・。
こう言う人材が持ち上がって行き、将来最高裁判事、高裁判事になって、政府決定を覆すようなことがあっても世間が納得するでしょうか?
いろんな政策の方向性を決める場合でも、関連する最高裁判決が予定されている場合には判決を待って決めるようなことが多くあります。
裁判所の判決が憲法上行政判断に優越する・最終判断だと言っても、裏付ける裁判官のレベル次第・・信用が揺らぐと、・・信用だけでなく実際に変な判決が続くようになると社会全体が納得しない時代が来るのではないでしょうか?
さすがに政府や裁判所も焦って来たらしく、1昨年から1500人に減らし、修習生の給費制を昨年から復活が決まりましたが、(次期合格者から実施?)その程度では低レベル化の勢いは止まらない状況です。
自民党の緊急提言を読むと折角合格者を大幅増員したのに弁護士ばかり増えて裁判所の採用が何故増えないかの関連で、裁判所自身が採用に適した能力の修習生が不足しているから、裁判官採用を増やせないと言う実態が書かれています・・。
大幅増加によって弁護士人気にかげりが出た結果、元々の優秀な学生が応募しなくなってきた現状を表しています。
以下は法科大学院のレベル低下の前段階・・学部の現状です。
5年も前の記事ですが、http://diamond.jp/articles/-/27489?page=2によると以下のとおりです。
2012.11.7
「なんと東大法学部が初の定員割れ 法曹志望、公務員志望減少が影響か」
「東大法学部は、法曹志望者、公務員志望者が多いのは言うまでもない。授業もきびしく、履修者の4分の1が単位を落とす科目もある。法曹や公務員志望者ではない民間企業への就職志望者を下に見る風潮があるという。当初から民間企業に就職するつもりあれば、わざわざ授業が厳しい法学部に行かなくてもよいと考えても不思議はない。
 今や司法試験に合格しても、弁護士として就職するのは楽ではない。財政危機ゆえに公務員の人件費削減が声高に叫ばれ、いわゆるキャリア公務員の天下りに対する目は厳しくなっている。そうであれば、東大生であっても法曹や公務員志望が減るのは無理もない話だ。法学部の定員割れはそうした志向が端的に表れたケースと言えよう。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170402-00000006-nikkeisty-bus_allによれば16年度も同じ傾向が続いています。
「東大法学部」に異変、定員割れも! 「首席女子」も悩むキャリア形成、文系は…
東京大学法学部。スーパーエリート養成機関として君臨してきたが、東大文科1類から法学部に進学する際、2016年度に定員割れするなど異変が起きている。官僚や弁護士の人気が下がっているためだが、東大法復権の処方箋はあるのか。」
草野球・草相撲等の足腰に当たる大学法学部の人気が下がるところまで来るとかなり重症です。
平成26年の自民党の緊急提言を受けて27年5月に緊急に1500人の意見が出てそのまま1500人で止まっています。
自民党でさえもっと引き下げろと言う意見が出ていたのに・・。
この間にも志望者レベルダウンがドンドン進んで行きます。
千葉県弁護士会では何年か前から合格者を1000人に減らすべきと言う総会決議を出していますが、何故か日弁連の腰が重く動きそうもありません。
業を煮やした現執行部が、就任早々の今年4月4日にイキナリ日弁連に対して返答次第によっては、修習生受入れ制限するかどうかを総会にかけると言う申し入れを行ない、記者会見まで済ませました。
会内では、会内手順を踏まない抜き打ちの申し入れに千葉のトランプ版かと!てんやわんやの大騒ぎですが、(上記のとおり総会で議論すると言うだけですから、越権とは言い切れませんが・・)そこまでやらないければならないほど・事態が切迫して来たと言うことでしょう。
4月16日に弁護士法を紹介したように有資格者の登録申請に対して法律上登録拒否出来ないとしても、修習生受入れ拒否が出来るかどうかは法律上明文がない・・灰色ですからどうなるかです。
登録拒否出来るのは法定の事由があるときだけ・・と言うことは、資格を与える手続の一環である修習生受入れも拒否出来ない・・協力義務があると言う解釈論もありそうです。
合格者数を千人にしようが、1万人にしようが政府の専権事項であるとすれば、トップで数字を決めればこれに必要な手順に齟齬がないように、準備するのがピラミッド型行政組織の場合(日弁連・弁護士会は公法人ですが独立組織?)当然の職務になります。
他方これに反発して仮に日弁連が千人しか受入れないと言う実力行使に出た場合、弁護士会は独立組織ですから、政府には指揮命令・強制する方法がありません。
ただし強行突破すると法曹三者の信頼関係がガタガタになります。
・・これをとことん追及しているのが沖縄県知事です。

アラブ7カ国入国拒否(大統領令とは?1)

ここで少し話題が変わりますが、入国禁止に関する大統領令に関して法律家として気になる点を書いておきます。
ただし,ナマの実を知らないで報道だけを前提にしていますので,正確に何が行なわれているのかよく分らないままで気になる点を書いています。
後日徐々に正確な情報が出たら,この意見はその限度で自動的に修正されるものと思ってお読み下さい。
アメリカの価値観は,人種差別・自分が強ければ何をしても良いと言う意味の「裸の」自由主義価値観でないか?と言う基本的疑問でこのコラムを書いて来ました。
英米法のルールオブローは人民を支配者から守るためのものであって,中国の専制君主の支配道具・・命令貫徹のためのマニュアル・法家思想とは方向性が違うと習って来ましたが,本当か?と言う疑問です。
アメリカに都合が良ければ守れと言うが,自分が主導した国際ルールでも自国に都合が悪くなると国際合意を無視する・・国連やユネスコ分担金支払い拒否などの繰り返しがアメリカの行動基本でした。
クリントンも日本に対して100%課税の大統領令署名で脅しましたし、トランプ氏の一方的高関税脅しもWTOルール違反になるか?などハナから問題にしていません・・文句あるなら脱退すると言う基本です。
こう言う自分勝手を繰り返して来たアメリカと日本とは基本的価値観が違っていると言う意見を前提に、安倍総理の価値観外交は便法としては有効だが本質的に違っていることを「2014/02/05/「価値観外交に頼る危険性12(米中韓の一体性4)」その他で書きました。
上記のとおり,私はアメリカは本来の法治国家・人権尊重国家と言えるかの疑問を基本的に持っていますが、今回は対外勝手主義に留まらず国内法制度上も議会無視で何でも出来そうな(上記のとおり報道イメージだけで書いているので正確には乱暴なことは出来ないのかも知れませんが・・)大統領令の効力・・専制・恣意的支配をそのまま許す制度設計・・大統領令1枚でイキナリ入国停止出来る法制度についての疑問を以下書いて行きます。
対外的にルール無視することの多い政府が国内法的にも同じ制度設計だったのかな?と言う疑問です。
外で整理整頓出来ない人が自宅だけ綺麗に片付けられるとは思えないのと同じ発想・・国内人権侵害も同様に酷いのじゃないか?本当は法治国家ではない?と言う疑問が今回の大統領令の騒動によって気になり始めました。
戦時中の(アメリカ国籍を有している)日系人強制収容・資産全面没収は、ルールオブローの国と言われるのに、法によらずにルーズベルトの大統領令だけでやったことです。
三権分立→行政府の長(大統領)は議会の制定した法に従って施行実施するものと思って来た日本人にとっては,驚きでしょう。
日本のような閣議決定すらもいらない・大統領一存で数秒で書ける大統領令とは何か?法に超越する効力があるらしいことに対する疑問です。
日系人と言う枠組みだけで犯罪も何も悪いことをしていない国民を大統領令と言う超法規的命令1つで強制収容→監禁罪や強盗罪を合法化する制度を持っているクニが、専制支配の中国王朝とどこが違うのか?もう一度見直してみる必要がないかの関心です。
一党独裁の中国でさえ党の機関決定等が必要です。
権力闘争を乗り切った習近平は、常務委員会を腹心で固めるだけに留まらず機関決定不要にしたい・・骨抜きを図るために大統領制移行を目論んでいると言われています。
議院内閣制の場合の総理大臣は政令その他重要事項決定には閣議決定が必要であり各省大臣の所管事項を直接行うことは出来ません。
大統領制の場合には各省長官は、命令する部下でしかないので機関決定制度自体不要ですから全面的独裁・・なんらの手続き不要です。
議会議決=法の範囲内しか権限がないからこそ、その範囲内でオールマイティも許されると言う理解が普通でしょう。
ところが立法府の議決に反する大統領令で国民である日系人を拘束できるとなれば、大統領は専制君主とどこが違うかの疑問です。
行政府の大統領が議会議決・・法律・・刑事訴訟手続き等の要件によらずに日系人とはいえ米国籍のある日系人を大統領令を根拠に何故資産没収し強制収容出来たのか?
もしもこれが合法行為であった・・違法な監禁罪、強盗罪に当たらないと言うならば、大統領令が法に優先することになります。
戦後日系人の名誉回復したと言うだけで(犯罪行為をしていないのだから名誉回復など・・当たり前過ぎます)・法によらない人権侵害に携わった人らを強盗や殺人監禁罪等で処罰しないのは、法に優越する大統領令に従ったからと言う解釈によるのでしょうか?
ちなみに、命令に従って法律違反しても違法性がない、責任がないと言い出すとギャングの親分の命令で何をしても良いことになります。
ですから,関与した主な公務員一人処罰されなかったと言うことは,大統領令が人権条項等に反した拘束であっても違法ではないと言う意味でしょう。
今回での入国騒動に戻します。
複雑な移民法に基づいてアメリカ政府から予めビザを得てはるばるアメリカに到着して入国手続している人を、どう言う法制度上の根拠があって、大統領令1つで入国禁止したり拘束出来るようになっているのか不思議な印象を受ける人が多いでしょう。
入国審査官が個別最終判断権を行使した結果言動が怪しかったならばわかりますが、大統領令で特定国出身者だけを(具体的嫌疑なく)一律拒否し拘束出来るかのような報道を見ると、今でも大統領が日系人、中国系と指定する収用命令に署名さえすればすぐにも既存の法令に関係なく強制収容出来る法制度になっているような心配が起きて来ます。
報道の仕方が偏っているのか、上記日系人強制収用を許して来たことや戦後でもクリントン政権が大統領令で対日100%課税で脅して来たことがあることから見ると制度が前近代的なまま残っているようにも見える・・どちらかハッキリしない疑問で書いています。
トランプ氏擁護者は,「どう言う人を入国させるかを決めるのは主権国家として当然の権利である」と言い、今回の措置に対する「支持率が50%を超えている」と言いますが,既にビザ発給されて到着した、形式要件の揃っている筈のひとを出身地域で一律拒否する理由にはならないし、(熱狂的)支持さえあれば,法に基づかず・無視して人権侵害して良いかの議論からすればズレています。
移民規制の妥当性に関しては、昨日書いたとおり,国内に移民との低賃金競争を持ち込んで良いかどうかはよその国のことですから,好きにして下さいと言うことですが,ここの関心はこんな重大なことが議会ではなく,大統領の一存で何故実行出来るのか、法の支配とは何かと言う関心です。
アメリカが宣伝して来た法治国・人権保障国触れ込みの信憑性です。
ただし報道では実態が見えません・・実際にはビザには良いことを書いていたが,到着した人物のチェックをしたら爆弾・銃器を持っていたとか、申告内容の辻褄が合わないなどの場合には,入国審査官の判断で入国拒否したりその場で拘束するのはどこのクニでもしている当然のことです。
トランプ氏が,テロ支援国の7カ国だけ厳重審査しろと言う程度の命令しただけならば法治国として何らの問題もないでしょう。
もしも厳重審査命令だけならば,大騒ぎする必要がない・・反トランプ派マスコミの煽り過ぎです。

政策決定と司法の拒否権5

私は原発推進の可否や自衛隊基地がどこにあるべきかの賛否自体を書いているのではありません。
原発の安全性基準や基地設置の可否は国政レベルで決めるべきことであって1地方自治体の意見あるいは1地方の裁判所の意見で最終的あるいは事実上数年単位の差し止めを認めるのは、統一体としての国家制度としておかしいと言う法律家的思考で意見を書いているだけです。
原発安全性基準が合理的かどうかに付いても私は門外漢であって、固有の見識がある訳がないし、基地の必要性についても軍事評論家的な意見の優劣についても全く分りません。
左右どちらの立場であっても、日本と言う共同体の一員として共同体運営のあり方を考えると国家枢要の政策については民意によって国家が決めたら国民や下部組織はこれに従うべきです。
民主主義政治とは、決めるまでに国民の意見を充分に汲み取るべきですが、みんなの意見で決めた以上は決まったことについては、反対派も従うルールであり、いつまでも抵抗する権利を認めることではありません。
しかるに現在の制度や運用が、末端組織が(拒否ないしサボタージュで)最終決定権を事実上持っているようなことになっているかのように振る舞っているが、国家制度としてそれで良いのか?・・どう言う勢力がこういう変な運用を推進して来たのか?と言う法律家としての疑問を書いているだけです。
中間組織の長が上位機関の指示命令に従わずに好き勝手なことをするようになると、その配下組織の長もこの真似をするでしょうし、順次進んで行くと世の中がまとまらなくなって行きます。
組織トップの腐敗が著しいとその組織全体が腐って来るのと同じ原理です。
これこそがCHQ・占領軍が狙った一体感の強いニッポン民族意識の分断政策であり(同質民族否定論・アイヌ民族を強調し、如何にも日本には虐げられた異民族を強調する運動もその一種で今や沖縄県民も異民族の仲間に入れようとしているように見えます)・・サンフランシスコ平和条約で日本独立後は中ソが期待して止まない究極の効果でしょう。
弁護士数年目頃に千葉市まで来ていた高速道路延伸反対運動に勧誘されたときに、違和感を感じて・・よく分らないので参加しませんでした。
自由主義国でもソ連でも高速道路や飛行機利用が趨勢になりつつあるときに、何故日本が計画すると反対するのか、意味不明だったからです。
いま考えるといろんな反対運動の共通性は、日本社会の発展になりそうな新技術や工場設置等には全て公害だとか、電子レンジやパソコンでさえ電磁波が身体に悪いとか言って反対し、最近では防犯カメラに反対していましたし、勿論日本の核保有も公害も反対ですが、中ソの軍拡や核実験や酷い公害には頰っ被りのママでした。
大分前に引用したのは、大会で研究発表した学者の論文だったように思われますが、今「防犯カメラ九州弁連」で再検索するとすぐに出たネット記事を引用しておきます。
http://www.meinohamalaw.com/activity01/5.htmからの抜粋引用です。
監視カメラ問題
2004年10月29日、九州弁護士会連合会の主催で、「監視カメラとプライバシー」と題するシンポジウムが開かれました。
1 監視カメラの有用性に対する批判的検討
・・・国民の意識、世論調査だけによって監視カメラの有用性を結論づけるのは絶対に認めるべきではありません。
(2) 防犯効果に関する検討
・・・犯罪が、「監視カメラがないから起こる」のではなく、貧困や差別等の別の原因によって起こるものであり、監視カメラの設置はこのような犯罪原因の根本的な対策ではなく、単にその場所から犯罪を押しのけるという対症療法にすぎないことを示しています。」

上記主張を見ると,「国民の意識、世論調査だけによって・・結論付けるのは危険」自分たち「エリートに任せろ論」の延長です。
庶民は無知蒙昧・・「庶民の意見を無視しろ」と言う印象ですが、革新系文化人が何かと言うと「民意を無視するな」と運動をしているコトが多いのと矛盾しています。
上記議論の中では勝手に写真を撮るのは人権侵害とも言うのですが、「ファクト」の動画を11月3日紹介したとおり基地反対運動家は無理矢理公務員のマスクを剥がして写真を撮りまくっています・・こんな暴力的撮影が人権侵害ではないのでしょうか?
彼らの言う人権論を見ると、左翼系・反権力系なら言論封じも何をやっても良いが、民族の発展維持方向には何でも反対し反対派に体する言論封じ・民族系デモには、デモ前に取り囲んだりして妨害して結果的にデモや講演を妨害するのは陰で応援してる?全然問題にしていません。
こう言う動きを見ると、彼らの言う人権論は特定政治目的に都合の良いところだけ主張している傾向が多いのではないでしょうか?
上記弁護や九州弁連の弁護士は上記動画に出て無理矢理写真を撮っている人と何の関係もないのかも知れませんが、関係なくとも喩えば、同じことでも日米関連には猛烈な反対運動するのにソ連や中国の核実験・軍拡や公害には一切発言しないのは、偏頗な運動ではないかと言う批判を受けるのと同様の評価を受けるべきでしょう。
人権団体ならば、シバキ隊らによる嫌韓団体の講演会や討論会妨害に対しても、言論の自由擁護の立場から、何故声を上げないのでしょうか?
しかもスーパー店内や公園や街路等の防犯カメラは元々プライバシー性が低いうえに、犯罪事件等が起きなければそのまま一定時間で自動的に消えて行く性質のものであるのに猛反対しているのに対して、・・沖縄での反対運動家の行動動画を見ると防衛局公務員を大勢で押さえ込んで暴力的にマスクを引きはがしたうえで拡散目的で写真を撮っているのですが、こうした行為に対する非難声明を一切出さないところが不思議です。
第2の論理もおかしなものです。
暗くて寂しい夜道の犯罪を防げないから明るい大どおりを遠回りして帰る・街灯を増やしても街灯のないところの犯罪を防げないから街灯設置は無意味・・日暮れ前に帰る必要がない・・夜遅くなった子供を家族が迎えに行く必要がない・・迎えに来てくれない子供が可哀相だから・・各個人の自宅や企業が戸締まりをしたり夜間警備するのは意味がない・・戸締まりをしない家や警備を頼んでいない企業に泥棒を誘導するだけだと言うのと同じで、倒錯した議論をしているように見えることを以前紹介したことがあります。
犯罪の原因をなくすことが重要だと言う子供みたいな議論は、非武装平和論と同じ論理です。
お題目だけで犯罪がゼロになり戦争がなくなるならば、社会は苦労しません・・犯罪をゼロに出来ない(少なくする努力は可能ですが・・交通事故死は激減していますが、これも道徳教育面だけではなく、信号機設置や道路改良の寄与が大きいでしょう)ので、警察や防犯カメラや戸締まり国家として軍備も必要なのです。
経済政策の失敗も犯罪を誘発しますが、だから政治が悪いと言うだけで、犯人検挙は筋違いだ・戸締まり不要とは言えません。
何かと「人権」を楯に主張する勢力は、非武装平和論同様に観念だけで満足して思考停止している傾向の人が多い印象です。
「犯罪のない社会にすることが先決だ」と言うことで防犯カメラ不要論で満足するインテリは、・・彼ら自身の自宅や事務所には戸締まり装置がないのでしょうか?・・自分の小さな子供に物騒な場所に近づかないように言わないのか?・・自宅や自分の事務所には鍵をかけているのに他人には防犯より犯罪のない社会にする方が先だと演説している・・日米にはモンクばかり言うが、中国の軍拡や領海侵犯には何も言わない偏頗な論理と大小の違いがありますが,行動矛盾の点では共通でしょう。
頭の良い人の議論はこうなり易い適例です。

政策決定と司法の拒否権・・仮処分4

仮に安保条約や自衛隊違憲論に固執する人が数%になり、あるいは岩盤とも言うべき1%以下に支持率が下がっても、司法が最終決定権を持つようになると、支持率(民意)には関係がなくなります。
裁判官の中に同率の思想共鳴者がいると大きな影響を及ぼします。
本日現在のウイキペデイアによれば平成25年5月16日現在の定員は、高裁長官8人、判事1,889人、判事補1,000人、簡裁判事806人である(裁判所職員定員法1条)。最高裁判所裁判官15人を含め、3,718人。」
となっています。
その2%でも約70人もいることになります。
司法の場合には地裁も高裁も、最大で3名の裁判官で大きな影響のある原発稼働停止命令や基地関連工事差し止めなどの仮処分決定や判決を民意と無関係に言い渡せる点が恐ろしいところです。
3名平等の表決権と入っても一人は見習い的新人裁判官であり、もう一人は裁判長より約10年あまり後輩なので多くは裁判長の主導で基本方針が決まる仕組みです。
70人を3で割ると、全国で20数名の裁判長クラスの人がいることになります。
偏った考えの人は裁判官としての適格性が低いのであまり出世しない・・年季上中堅・裁判長クラスになっても僻地・裁判官数名の小さな地方裁判所に勤務している率が高くなります。
以上は私の偏見だと言われるかも知れませんが、東京や大阪の地裁所長で定年になった人と、人口100万に満たない県の地裁所長で定年を迎えた人を比較すればどちらが・・相応の人物として評価されているかを見れば明らかでしょう。
企業でもどの程度の地位で終わったかが一般的(例外がありますので特定裁判官の人物評価が低いと言う意味でありません・「一概に言えない」のは当然です)人物評価です。
原発停止仮処分を出した大津地裁の裁判官担当表がネットに出ています・・全裁判名は以下のとおりです。
「合議A係 山本善彦,小川紀代子,平井美衣瑠
毎週火曜,随時の金曜 1 合議B係 山本善彦,溝口理佳,芝田由平,岡田総司
毎週木曜 1 1係 山本善彦  第2,4金曜 1 2係 溝口理佳
毎週火・金曜 2 3係 芝田由平  毎週水・金曜 3 3S係 佐藤克則
随時の火・金曜日 3,4 4係 小川紀代子 毎週木曜 3」
上記によれば山本裁判官がAB両合議体を仕切っていることになるので、同裁判長の出した仮処分が本案訴訟に移ってもほぼ同じメンバーで再審理することになります。
この夏に同裁判長名の保全異議の結果が出ましたが、結論は同じです・・何百年に1回起きるか否かの科学知見が半年やそこらで変わる訳がないので、結論が変わる訳がないでしょう。
東電側としても証拠評価に関して余計な主張をしても、どうせ採用されない・・長引くだけ損なので一刻も早く高裁に移って別の裁判官に審理して欲しいでしょうから、何も主張しないですぐに結審してもらったと見えます。
http://www.asahi.com/articles/ASJ7C4S44J7CPTJB01D.html高浜原発の運転差し止め維持 大津地裁、関電異議認めず2016年7月12日15時58分
 関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定について、同地裁(山本善彦裁判長)は12日、取り消しを求めた関電の保全異議を退けた。関電側は大阪高裁へ保全抗告する方針だが、差し止めの効力は維持され、2基を動かせない状態が続く。
「異議審は、差し止め決定を出した山本裁判長ら3人の裁判官が担当。山本裁判長は関電側が申し立てた執行停止も6月却下した。」
上記のとおり地方の地裁では裁判長クラスが一人しかいないので(千葉の場合では民事5部まであり、1部内に裁判長クラスが2人いることもあるので5人以上います)・・ひとたび停止決定が出ると高裁判決が出るまで稼働停止になってしまうのですから、全国で2%=70人しかいなくても大変な影響力を持ちます。
これが自衛隊基地が危険だとか騒音が酷過ぎると言う理由で使用停止命令が出るとどうなるかの関心です。
オスプレーの墜落危険性強調による配備反対運動(マスコミも如何にオスプレイが危険かの報道が続いていました)がありましたが、米軍基地関連では、安保条約が国内法より上位規範ですから「砂川基地訴訟」のように安保条約が憲法違反と主張して裁判しない限り仮処分申請をしても法的に無理があります。
駐留軍がどう言う兵器を使うかについては原則として駐留軍の勝手ですから、特別な約束がない限り、(核兵器を持ち込まないと言うのも紳士協定でしかない・・米軍は軍事機密を前もって日本に通告する義務がありませんし日本は検閲する権利もありません)日本政府が口を出せるかは、条約で決まっていることですので、左翼系の得意な裁判闘争が出来ないままウヤムやになっていたと思われます。
ヘリパッド工事禁止仮処分申請が出ていることを11月4日に紹介しましたが、基地内で米軍発注工事をするには沖縄県知事・市長の許可がいらないと思われますので、ヘリパッド移設工事に県知事が許認可しないと言えないので?上記のとおり、工事が近隣住民に危険などの理由で運動体の名で工事禁止仮処分申請をしたのでしょう。
騒音被害や墜落危険被害を理由に差し止めが求められるならば、与那国島にレーダー基地があると「中国の先制攻撃を受けるから危ない」と言う主張も、訴訟論理とすれば似たようなものでしょう。
与那国島の基地使用禁止仮処分申請が出た場合の管轄で言えば、那覇地裁石垣支部(事件の重大性から普通は合議事件にするのですが、(ソモソモ石垣支部には裁判官が一人しかいないので本庁に移送するのかな?)の裁判官になりそうですが、仮に差し止めの仮処分命令が出ると、その異議審では上記のとおり結果が変わらないのが普通です。
高裁に移って初めて別の裁判官による仕切り直しですから、高裁で仮に仮処分が取り消されるにしても結果的に1年くらいはかかってしまいます。
それまでの間基地使用が出来ないと中国のやりたい放題ですから、その間に戦争の勝敗が決まってしまうので、漫画的システムです。
(尖閣諸島で言えばそんなに長い戦闘行為は想定出来ません・・半年も占領されたままにしておけば、既成事実を前提にした和平交渉が始まってしまうのが普通です。)
以上の実際的効果を想定すると、自衛隊基地に対する反対運動は中国が攻めて来たときに当面・・半年程度自衛隊が機能しないようにする目的・・社会党が放棄した筈の非武装論・・国防力無力化の貫徹を目指した運動そのものと評価出来ます。
ウイキペデイアの記事のとおり、60年安保はソ連の資金で動いていたと一般的に思われていますが、沖縄での反対運動では本州から大勢が行き、働かないで毎日座り込みなどをするには相当の資金がいりますから反対運動資金をどこが出しているのでしょうか?
今は、ソ連はなくなっているしロシアにとって沖縄騒動は基本的に遠い場所の話ですから、沖縄の基地機能を低下させ沖縄県民を日本人とは別民族だと言う意識を強化して利益を受ける国はどこかとなれば、尖閣諸島〜沖縄の切り離しを狙う中国ではないかと想像する人が多いのではないでしょうか?
沖縄進出・・長期滞在しているシバキ隊の資金源・・回り回って大元の出し手が分らないようになっていると思われますが、どこが大元の出し手になっているかが問題です。

政党は約束を守らなくて良いか?1

ヘリパッド移設工事妨害の実力部隊を上記シバキ隊幹部が担っており、これを応援している?と噂される福島瑞穂氏の経歴をウイキペデイアで見ると今年夏の参院・16年選挙で当選したのは、福島瑞穂氏一人だけですから、同氏は今も党の顔です。
10年間も党首をやって来て、今も党の顔であり続けている同氏が党首でないから何をしても良いとは言えないでしょう。
企業が社名.商号を変えてもあるいはワンマン社長をクーデター式にクビにしたとしたとしても、(福島氏は土井党首からの禅譲です)その前に約束した契約(例えば従業員を前党首が雇ったと言う理由では解雇出来ませんし、取引先との契約)を引き続き守る義務があるのが当然です。
共産政権(ロシア革命以降)では前政権の約束(債務だけ)を守る義務がないと言う身勝手な主張が普通ですが、革新系は党名さえ変えれば責任がないと言う理解が身に付いているのでしょうか?
在日やヤクザは本名を名乗らないことが多い・・30年ほど前に関与したある組関係事件では、来るたびに名前が違う・・今は◯◯と言います・・と言う説明が普通でした・・15〜20年ほど前からヤクザではないものの周辺系のグループでは借金を踏み倒すために養子縁組や結婚・離婚を繰り返している事件も何件もみました・・このように責任を遮断するために通称名を次々と変えて行く狡い生き方がアウトローを中心に広がっています。
こう言う狡い生き方を許さないためにはマイナンバー法による生涯変わらない識別情報が有効です。
マイナンバー法による識別が始まると通称名で責任逃れをして来た勢力が困るので、プライバシーにかこつけて反対論を展開してるように見えます。
そう言えば福島氏自身「パートナー」として海渡氏の名が上がっています・・事実コンと言う説明も出ていますが、正式な夫であるのかさえも不明ですので、通称名か本名かも分りません。
これだけの有名人であり国政に影響のある人物が、家族関係も何もかも秘密にしている・ウイキペデイアには何も出て来ないこと自体が異常と言うべきでしょう。
プライバシー分野でも文化人がしきりに欧米基準を持ち出しますが、アメリカの有名政治家・・クリントン氏であれ、ケネデイ駐日大使であれ、その家族関係が秘密のママの人がいるでしょうか?
民進党党首の蓮舫氏も・・重要な国籍でさえ誤摩化せていた?あるいは曖昧にして来られた背景です。
ロシア革命の例で言えば、前政権の約束・債務に全く関係がないというならば、例えば前政権(革命前の王朝)が有していた領土その他(債権や利権)のプラス資産もいらない(そうするとソ連政府はどこの国にも成立出来ない・・宇宙空間にでも浮かんだ状態になるのかな?)と言わないと一貫しません。
国家債務承継に関するウイキペデイアの本日現在の記事です。
「19世紀には、政府の形態が変更しても国家が同一のままなら当該国家の他国に対する権利義務は影響を受けることがなく継続するということは学説や国家実行から認められており、これは包括的継承説とされる・・」
「昭和61年10月30日第107回参議院内閣委員会2号において、玉置和郎(総務庁長官:当時)に「共産主義国家は、継承国家論をとらない、私たちはこれはおかしなことだな、と思っておりました。…やっぱり日本国は、勅語によって継承国家論というものをとっておるわけでございまして、当然のように戦前だからそれは政府に責任が無いんだとか、そんなことはいえないわけでありまして、…戦前であろうが戦後であろうが…政府の責任は政府の責任。国民は責任が無いと、私そうは思いません。国民も責任がある。…こう思います…」との答弁がある。
明治政府の徳川政府・・各藩の関連債務引き受け状況に関しては以下のとおりです。
http://s.webry.info/sp/justeye.at.webry.info/201302/article_1.htmlからの引用です。
「明治政府は藩の債務については天保14年 (1843年) に幕府が棄捐令 (きえんれい) という一種の徳政令を公布していたため、これ以前の債務については全額を引き継がないことにした。そして天保14年から明治元年までの債務を旧債務とし、無利息・50年の分割返済とした。次に明治元年から廃藩置県までに生じた債務は新債務となり、こちらは3年間据え置きの上、年4%の25年・分割返済とした。これにより引き継がれた債務は約2800万円となり、約54%が切り捨てとなった。
藩への債権を保有していたのは、江戸や大阪の豪商や各地の富豪たちで、大手債権者の安田商店ではこの決定により、貸付債権を旧債務は16%、新債務を54%に減額評価し、損失処理をしている。仮に全ての債権者にこの比率を適用して計算すると、各藩の債務総額の約85%が切り捨てとなり、ほぼデフォルトに近い状況だったことになる。
また江戸幕府の抱える国内債務約250万円は全額が切捨てとなり、幕府から回収した債権の約900万円は、外国への債務の返済 (こちらはほぼ全額が返済された) や一部の現金償還に廻された。」
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/8184.pdf/国際金融市場における国家債務再編をめぐる課題
調査部 上席主任研究員 河村 小百合氏の論文によると、敗戦のときにも新円切り替えで国内債務を事実上大幅な切り捨てましたが、対外債務はそのま履行したようですからこれまでのデフォルトの歴史・データ分類によると国内デフォルトに分類されています。
明治政府が、「幕府の結んだ諸外国との通商条約は無効」だと言ったのでは列強は承知しないから、日本は幕府の開港約束をそのまま承継し、不平等条約撤廃に何十年も苦労したのです。

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