資格制度の空洞化?3(修習受入れ拒否)

以下は法科大学院の人気下落に関するhttp://eic.obunsha.co.jp/viewpoint/201506viewpointからの引用です。
「法曹養成の中核的な教育機関として16年度に創設された法科大学院の27年度入試状況は、入学定員、志願者数、受験者数、合格者数、入学者数のいずれも過去最低を更新。受験者数は創設以来、初めて1万人を割り込む9,351人だった。募集停止が急増した27年度入試は、ピーク時の73%に当たる54校で実施され、入学定員充足率は約70%に改善された。」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11HC9_R10C16A5CR8000の引用です。
全体の志願者は制度導入の04年度の7万2800人をピークに減少が続いており、16年度は8274人まで落ち込み、前年度の1万370人を下回り、初めて1万人を割り込んだ。志願倍率(定員数に対する志願者数)は04年度は13倍だったが、16年度は3倍まで落ち込んだ。
・・・ 法科大学院はピーク時に74校あったが、16年3月末までに3校が廃止。28校が学生募集を停止したか今後の停止を決めている。」
上記は2年前の報道ですが、・・応募者が定員にも満たない状況になっていて、その後もいくつかの法科大学院が募集をやめたはずです。
こんな状況が続けば能力のあるものが応募する魅力を感じなくなくなっているのは当然ですが・・これでも「レベル維持出来ていると言い張るの?」と言う惨憺たる状況が外形的に証明されていると見るべきでしょう。
レベルが下がれば「自分でも受かるかな?」と応募者が一時増えますが、社会は厳しい・・その結果仕事がうまく行かなくなる・それを見た後続者が結果的にためらう・・応募者が減る・・そもそも従来の人材が敬遠し、従来とても合格出来そうになかった人しか応募しなくなる悪循環が始まりました。
エクスターンシップで事務所に来ていた大学院生が昨年の司法試験合格後進路相談に来ましたが、要は国家公務員試験にも合格したがどちらにしたら良いかの相談でした。
500人合格時代には想定すら出来なかったような迷い・公務員の方が良いのじゃないかの相談です。
裁判所検察庁が上澄み500人の上から順に採用するから、下の方のレベルがいくら下がっても良いと言う姿勢・・高みの見物を決め込んで来ましたが、受験生の人気・・市場評価が下がって上澄みのレベルが下がれば困って来ます・・。
ソモソモ合格者のトップクラスが、一般大学生の中程度のレベルに下がって来た場合を想定すれば・・・・。
こう言う人材が持ち上がって行き、将来最高裁判事、高裁判事になって、政府決定を覆すようなことがあっても世間が納得するでしょうか?
いろんな政策の方向性を決める場合でも、関連する最高裁判決が予定されている場合には判決を待って決めるようなことが多くあります。
裁判所の判決が憲法上行政判断に優越する・最終判断だと言っても、裏付ける裁判官のレベル次第・・信用が揺らぐと、・・信用だけでなく実際に変な判決が続くようになると社会全体が納得しない時代が来るのではないでしょうか?
さすがに政府や裁判所も焦って来たらしく、1昨年から1500人に減らし、修習生の給費制を昨年から復活が決まりましたが、(次期合格者から実施?)その程度では低レベル化の勢いは止まらない状況です。
自民党の緊急提言を読むと折角合格者を大幅増員したのに弁護士ばかり増えて裁判所の採用が何故増えないかの関連で、裁判所自身が採用に適した能力の修習生が不足しているから、裁判官採用を増やせないと言う実態が書かれています・・。
大幅増加によって弁護士人気にかげりが出た結果、元々の優秀な学生が応募しなくなってきた現状を表しています。
以下は法科大学院のレベル低下の前段階・・学部の現状です。
5年も前の記事ですが、http://diamond.jp/articles/-/27489?page=2によると以下のとおりです。
2012.11.7
「なんと東大法学部が初の定員割れ 法曹志望、公務員志望減少が影響か」
「東大法学部は、法曹志望者、公務員志望者が多いのは言うまでもない。授業もきびしく、履修者の4分の1が単位を落とす科目もある。法曹や公務員志望者ではない民間企業への就職志望者を下に見る風潮があるという。当初から民間企業に就職するつもりあれば、わざわざ授業が厳しい法学部に行かなくてもよいと考えても不思議はない。
 今や司法試験に合格しても、弁護士として就職するのは楽ではない。財政危機ゆえに公務員の人件費削減が声高に叫ばれ、いわゆるキャリア公務員の天下りに対する目は厳しくなっている。そうであれば、東大生であっても法曹や公務員志望が減るのは無理もない話だ。法学部の定員割れはそうした志向が端的に表れたケースと言えよう。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170402-00000006-nikkeisty-bus_allによれば16年度も同じ傾向が続いています。
「東大法学部」に異変、定員割れも! 「首席女子」も悩むキャリア形成、文系は…
東京大学法学部。スーパーエリート養成機関として君臨してきたが、東大文科1類から法学部に進学する際、2016年度に定員割れするなど異変が起きている。官僚や弁護士の人気が下がっているためだが、東大法復権の処方箋はあるのか。」
草野球・草相撲等の足腰に当たる大学法学部の人気が下がるところまで来るとかなり重症です。
平成26年の自民党の緊急提言を受けて27年5月に緊急に1500人の意見が出てそのまま1500人で止まっています。
自民党でさえもっと引き下げろと言う意見が出ていたのに・・。
この間にも志望者レベルダウンがドンドン進んで行きます。
千葉県弁護士会では何年か前から合格者を1000人に減らすべきと言う総会決議を出していますが、何故か日弁連の腰が重く動きそうもありません。
業を煮やした現執行部が、就任早々の今年4月4日にイキナリ日弁連に対して返答次第によっては、修習生受入れ制限するかどうかを総会にかけると言う申し入れを行ない、記者会見まで済ませました。
会内では、会内手順を踏まない抜き打ちの申し入れに千葉のトランプ版かと!てんやわんやの大騒ぎですが、(上記のとおり総会で議論すると言うだけですから、越権とは言い切れませんが・・)そこまでやらないければならないほど・事態が切迫して来たと言うことでしょう。
4月16日に弁護士法を紹介したように有資格者の登録申請に対して法律上登録拒否出来ないとしても、修習生受入れ拒否が出来るかどうかは法律上明文がない・・灰色ですからどうなるかです。
登録拒否出来るのは法定の事由があるときだけ・・と言うことは、資格を与える手続の一環である修習生受入れも拒否出来ない・・協力義務があると言う解釈論もありそうです。
合格者数を千人にしようが、1万人にしようが政府の専権事項であるとすれば、トップで数字を決めればこれに必要な手順に齟齬がないように、準備するのがピラミッド型行政組織の場合(日弁連・弁護士会は公法人ですが独立組織?)当然の職務になります。
他方これに反発して仮に日弁連が千人しか受入れないと言う実力行使に出た場合、弁護士会は独立組織ですから、政府には指揮命令・強制する方法がありません。
ただし強行突破すると法曹三者の信頼関係がガタガタになります。
・・これをとことん追及しているのが沖縄県知事です。

欧米と日本の対応6(欧米の移民受入れ3)

移民の推移については以下の記事から引用します。
グラフをそのまま引用し難いので解説文字だけの引用です。
グラフなどご覧になりたい方は如何に直截あたって下さい。
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1171.html
「人口動態の推移から、近年、ヨーロッパ先進国で移民流入が増加していると見られる点について図録1172でふれた。先進国全体では図録1171bで見た通り1990年頃を境に増加テンポが早まっている。ここでは、直接各国の移民人口の比率がどのように推移しているかの図録を作成した。」
「図を見れば、いずれの国でも移民人口の比率は上昇傾向にあることがよく分かる。欧米の多くの国で10%以上の高い水準に達していることが分かる(図以外の国を含めて最新年の移民人口比率については図録1170a参照)。」
上記図によれば、イギリスなどでは、移民比率が12〜3%に達していますが、移民して来るのが、男女共に働き盛り若年層が多いので、(元々の国民の場合、人口の過半が小さな子供や老人,家庭内の主婦層ですから)実際に町中で見かける人口比では、2〜3倍以上ですし、その上異民族の場合生活態度や発音から目立ち易い印象になっているでしょうから大変なインパクトです。
日本でも(住宅街で)中国人数人が自転車等で大きな声で話しながら通ると言語からして違うので、実人口比以上に非常に目立ちます。
京都など観光地に行くと(実際には日本人の方が圧倒的に多くとも)中国人ばかりかと間違うほど賑やかです。
欧米の移民受入れ急増時期を年代的に見れば、欧米で進行した少子高齢化進行の緩和目的もあったでしょうが、90年代以降ですから、まさに中国による低賃金競争の影響が出て来た頃と同時期に移民受け入れが急テンポになったことが読み取れます。
若年層を増やして若年労働力が人口比の見かけだけ一時的に増えても、問題解決を先送りしているだけであって、低技能労働者が高齢化し始めると(底辺層は高齢化してからの生活費・・最低の年金掛け金・・貯蓄が不足するのが普通です)増えると社会保障負担が増えてその次の世代が経済的に困窮して行きます。
20世紀に入って以降の欧米の歴史をみると、外部環境の変化に対し日本人のように適応努力しないで、外部環境を整備し直せばいいと言う対応であったように見えます。
テストのカンニングがバレたら、今度バレないように工夫する対応です。
日本では万年以上前の縄文遺跡・文化の延長上に現在日本があり、有史以来古い文物をそのまま大事に修復して継承してきましたが、日本以外の世界文明発祥の地がいずれも荒れ果てた砂漠になっていてその継承者達は今でも環境を破壊し尽くせばゴーストタウンにして移住する習慣で来たのとの違いです。
現在中国も飲料水がのめなくなるとこれを解決するよりは首都移転や長江から水を引っ張って来るなど外部環境整備が計画されています。
日本が台頭すれば日本を叩き潰せば良いし、資源が枯渇すれば資源国を支配すれば良い(イラク戦争など)・・普通の英国人が植民地に行けば多数の現地人を奴隷のように使える状態・・植民地を失えばその代わりに自分が働くようにならず、旧植民地の人民を超低賃金でベビーシッター等として本国に取り込んで使う・植民地支配の内部化です。オリンピックなどで「どうだこんなスポーツ出来ないだろう」と威張っていたら日本が参加して来て負け始めるとルールを変える・・それでも間に合わなくなって来るとアフリカ人などを自国選手に登録して自国の金メダル獲得数を誇る・・移民に働かせる製造業のハシリです。
自分が強いときには「自由競争が良いぞ!と主張しておきながら、戦前日本に負け始めるとイキナリ植民地を利用した経済グロック化したり、ブロック化がイケナイとなるとEUと言う疑似国家的組織を作り、内外格差障壁を人工的に作り人件費競争に負けると低賃金の移民を入れるなどやってきました。
米欧のやり方の共通項として言えることは、自分自身が改善努力をする気持ちがあまりない・・もしかしたら改善する能力がないのを知っているから外部環境を変える方向へ努力して来た歴史と見えます。

欧米と日本の対応5(欧米の移民受入れ2)

間にいろいろ書いてしまいましたが、7月2日に書いた北海油田による西欧復権との関係のデータを紹介します。
北海油田に関する7月2日現在のウイキペデイアの記事によれば以下のとおりです。
「原油推定埋蔵量は130億バレル。日産約600万バレル。1960年にイギリスが開発開始。次いでノルウェーが開発に乗り出す。ノルウェー南西沿岸のスタヴァンゲルとイギリスのアバディーンは石油産業で発展し、イギリスは1980年代から石油輸出国となった。イギリスは2014年現在でもEU加盟国最大の原油生産国ならびに原油輸出国であり[1]、ノルウェーはロシアを除く欧州最大の原油生産国・輸出国で、原油生産量は2013年現在で世界第16位[2]、石油輸出量は2010年現在で世界9位である[3]。」
「イギリスの鉱区では、石油生産量が1990年代後半にピークを迎え、その後は既存油田の成熟化に新油田の発見が追いつかず徐々に減少している。 1981年~2005年の間、原油の純輸出国であったが、2005年以降は純輸入国となっている」
上記のとおり、イギリスは約25年間資源輸出国として潤ったことが復権に繋がったのですが、北海油田の枯渇(2005年以降イギリスが原油輸入国に転落・・輸入代金を払う立場に変化)が始まりこのボーナス効果が徐々に減ってきました。
資源特需による場合製造業等の一般産業の実力以上に国際収支が良くなるためにポンドが割高になり却ってその他産業が蝕まれて行き・・若者の職場が奪われて行きます。
まして同時期に中国の改革開放・市場参加が進み始めた頃です。
上記原油輸出最盛期にあたる1992〜3年頃に1週間ほど家族でロンドンへ行ったときの光景では、日本とはまるで違う活気のない都会・日本で言えば地方都市レベルのイメ−ジでした。
他方で中国の改革開放以来始まった超低賃金競争(原油輸出でポンド相場が上がるとイギリスの賃銀が国際的に割高になります)対応(その他高齢化対策その他)のために移民導入策が続きました。
移民導入+ポーランド等の低賃金国のEU取り込み政策(EU東方拡大)は、アメリカの移民導入による絶え間ない労働者供給策とも一致しています。
アメリカが物量作戦で2度の大戦で存在感を発揮したことから、戦後ずうっと農地に始まって・資源力+大量生産大量消費(人口大国化)・・「大きいことは良いことだ」と言う間違った思想が世界中ではびこっていたことが分ります。
この辺の意見は、この後で日本の対応として書いて行く予定の
「アメリカ式資源+大量生産の挑戦に同じ土俵で競争するのではなく逆に量が少なくともおいしいトマトや果物、牛肉・その他を作るのが良い」
と言う基礎的意見を前提に書いています。
安物の絵を1000枚積み上げておくよりは、心に響く一枚の絵を飾った方が良いと言えば分りよいでしょうか?
以前書きましたが、中学生の頃のアメリカの人口は2億以下の人口でしたが今では三億3500万人(以下のデータとちょっとあいませんがどかでこう書いていましたが・・)にも増えているのは、アメリカ自身も中国に負けない大規模市場を維持するために移民導入で対応して来たことが分ります。
世界ネタ帳http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=LP&c1=US&c2=JP
によると1980年には227.62(日本116.77)→2016年には324.33(日本126.54)となっていますので、対日本比の増加率の差は半端ではありません・・この差は移民流入によるものです。
日本のように60歳前後でなくなっていた人が90代まで生きるようになって・死ぬ人が減って人口が増えているだけですと、せいぜい1割くらいしか増えませんので、同期間に約1、5倍になっているアメリカの場合には社会増によることが明らかです。
日本の高齢化進行が世界一早いと一般に言われていますが、高齢化は社会の豊かさの進行に比例するのがふつうですから、欧米の方が日本よりも早くから少子高齢化が進行して来た筈です。
グリンスパーン元議長やキッシンジャーあるいはジョージソロス氏などみんな超高齢者であって高齢化は日本の専売特許ではありません。
実際私の中学生の頃には、フランスが人口減に悩まされていると言う報道が頻りにされていました。
アメリカでも早くからフロリダあたりに高齢者が移住する現象が知られていました。
西欧の少子高齢化がマスコミで言われなくなったのは,主に旧植民地であるアフリカや中東からの移民を受入れるようになってからです。
欧米に比べて日本の長寿が目立つのは、日本の食生活・公衆衛生環境が良いだけではなく、健康管理能力が低く先進国に住むようになっても1世代目には長寿社会の恩恵を受けられない若年移民の比率が少ない面も大きいでしょう。
アメリカの場合以前から移民受入れ大国だったので移民が増えていることが目立たなかっただけで、実際にはベトナム戦争以来アジアから移民を大量に受入れてきたので、急速にアジア系移民が増えています。
以下https://ja.wikipedia.org/国勢調査の結果からアジア系移民比率部分だけコピーします
 人種   2010年      2000年          増減 
     人口   割合    人口   割合     人口  率

アジアン  14.7  4.8%   10.2   3.6%      4.4  43.3%

僅か10年間でアジア系比率が4、5%も上がっていることが分ります。
欧米では、賃銀の国際平準化に対抗するために移民を入れて低賃金競争をしたのと同様に、少子高齢化問題にも日本のように正面から向き合うことなく、移民=若年層中心ですし、しかも出生率の高い移民流入で人口減を補う政策で誤摩化して来たことが分ります。

欧米と日本の対応4(欧米の移民受入れ1)

EUの理念が仮に貿易自由化促進だけならば自由貿易連合で足りるのであって、EUを結成努力する必要がないし・・イギリスが出て行っても大騒ぎする必要がない筈です。
今回のイギリス離脱決定に対して「その恩恵がなくなるぞ!」と(EUの意向を受けている?)マスコミがしきりに脅していることからも、グローバル化よりも市場規模強調=域内外の差別化造りを優先して来たことが明らかです。
こうした発想によって、中国巨大人口→将来一人当たりGDP上昇→巨大市場参入の誘惑に目がくらんだEUがAIIBに尻尾を振って参入し、中国の解放以来中国寄り(中国の意を迎えるために反日に陰で協力する)政策を推進して来た原因です。
イギリスのEU離脱論は、金融市場運営で生きて行くのを棄てる訳ではないようですから、EUの外に出ても日本やアメリカがEUと貿易しているように自由貿易協定でEUを含めた世界と交流して行けば良いのじゃないかと言う意見とすれば、グローバリズムに対する反発ではありません。
むしろ、グローバル化進行意見とは関係なく・・貿易自由化・グローバル化推進することと、(出張で人が来るのは構わないが)多民族混在まで強制される必要がないじゃないか・・移民制限論に本質があると言うべきです。
EUを出て行くならば、元々外にいる米日、中韓などより不利に扱うかのような脅かし・・世界混乱を強調するマスコミ報道は、世界正義を標榜するEUにとってマイナスイメージ・・逆効果であることは確かです。
イギリス人にとっては、日米中韓など諸外国と同じ扱いで良いから、日常生活まで大陸諸国の多数決で強制されるよりもマシと考えるのは1つの合理的選択です。
大きな屋敷で肩身の狭い窮屈な生活するよりはアパートの小さな1k〜2DKでも自由な生活をしたい人の方が多いでしょう。
EUやマスコミの興奮を見ると家を出てアパート生活をしたいとオヤに言ったら、二度と実家の敷居をまたがせないとオヤが怒っているような印象です。
氏族共同体〜大家族でないと生きられない社会から、核家族+親戚の緩やかな連帯→少数で生きて行ける社会→単身(もっと弱い身障者も老人)でも不自由なく生きて行ける社会への変化こそが、人としての自由度の尺度ではないでしょうか?
企業も従業員数や売上高、生産力など大きければ良いのではなく、利益率・社会貢献度など内容が問われる時代です。
西欧諸国は2度の世界大戦で疲弊し尽した状況でしたが、このときに急速に力をつけて来た新興の大国・中国アメリカ,ソ連はいずれも従来基準の想定・・西欧近代に相争って来た国家基準を越えた巨大領土・人口の大きさを伴うものでした。
これからは規模の時代・・マンモス・大量生産大量なんとか・・・「大きいとは良いこと」だと言う思想が普遍化したことが分ります。
大きさで対抗しようとする発想に取り憑かれて始めた西欧同盟創設運動時の理念・・70年前の時代遅れの思想のママ、これを(「戦争の災禍をふせぐため」と事実に反した思想にすり替えて美化して)未だにやっているので、ガタが来たのでないでしょうか?
マスコミはきれいごとの理念・戦争の災禍を免れるためにと言うきれいごとを並べますが、第二次世界大戦後西欧内の国と国の戦い(例えばもう一度独仏間で戦ったとしても地域限定紛争でしかなく世界大戦を起こす力など最早ありません・・。
世界平和のために「米ソにやめろ!と脅されると相互の兵を引くしかない弱小国です・・英仏連合軍のスエズ侵攻時にソ連による核攻撃の脅しで英仏両軍は1も2もなく引き下がった例を想起すべきです。
EUの前身・・欧州同盟必要性の思想は、コミンテルン・・ソ連の世界革命戦略・・侵攻される恐怖に対抗するために欧州の団結が必要になったに過ぎません。
アメリカも対ソ戦略上西欧を応援するにしてもバラバラでは小さ過ぎるのでまとまって欲しいでしょうから西欧の希望と相俟ってNATOを結成していたのですkから、ソ連崩壊によって防衛の必要性がなくなった時点で本来お役御免になっても良かった筈です。
ところがソ連崩壊後もNATO軍は拡大の一途です。
これがウクライナ危機を増大させた元凶です。
今なお19世紀型軍事力による世界への影響力行使誘惑(リビア空爆や。シリア内紛激化の後押しなど)を棄て切れない西欧の意識の古さが分ります。
強い国が隣国を侵略したのを防止するために兵を出すならば分りますが、リビアの場合内政問題で一方勢力を支持するためにNATOが空爆するのにどう言う大義があったのか不思議です。
「大きさこそ力」という時代遅れの西欧の発想が今でも中国に対する畏敬の念・・基礎信条に繋がっています。
今では組織の大きい方が組織維持が難しく自己瓦解リスクが高いと思うのが普通です。
同じ素材で同じ太さの鉄骨等を使った2階建てと7階建ての建物があれば、2階建ての方が地震にも強いように、素材や組織管理能力が同じならば、能力比大きな組織や図体の方が脆弱です・・目一杯・最大限大きくした組織の方が変化に弱いのです。
マスコミによる、イギリスEU離脱国民投票結果に対する一致した脅し方を見ると、余程衝撃が大きいのかな?の印象で国民投票直後から書いてきましたが、7月1日あたりからイギリスの株価が急反発始めたことは、マスコミが一致して宣伝すれば何でも出来る訳ではないことが証明されたことになります。
経済分野の場合、市場原理に反した意見をマスコミを通じて垂れ流しても長続きしません。 
この辺は、1昨年に安倍政権が消費税増税延期を決めたときに財務省やマスコミの意を受けた格付け会社が、すかさず日本国債を格下げしてもその逆に国債価格が上がって格付け会社の方が信用を落としたことがありましたが、同じ繰り返しです。

我が国の文化受入れ態度3

戦後のアメリカの大宣伝・言論統制によっても西洋式思考方式として導入したドイツ法や学問・文化を取り除けなかったのですから、古来からの日本法(日本式価値観)を奪うことは全く出来ませんでした。
アメリカ支配後70年も経過するとアメリカ式文化が浸透したのではなく、逆にアメリカ文化を象徴するペンキ文化がはげて来て、慰安婦報道に対する国民の大反撃・・これは1つの象徴でしかありません・・を招くようになって来ました。
この辺は自国文化が根強く発展していなかったことから英米→米英式価値観がストレートに入って来たシンガポール香港等の東南アジア諸国との大きな違いです。
中韓両国は中国を基礎とする漢字文化圏が成立していましたが、日常生活を絵画化すると、両手を袖に隠す儒者の姿を理想とする文化で、日本のような物造りを尊重し勤勉に働くことを最も尊いとする伝統的価値観を形成した歴史がありませんでした。
額に汗して稼ぐことを卑しむ中韓では、商人とは(汗をかかずに稼ぐ・・ぼろ儲けを前提にしている)非道徳な存在であると言う前提意識が成立しています。
その結果、商人になれば道徳など考えなくても良い・・どうせ自分たちは非道徳な存在であると言うことになっていて、手段を選ばず、どんなことをしても金を儲ければ勝ちだと言う道徳意識が蔓延します。
我が国でも士農工商と言う序列を習うように、商人は信用出来ないと言う価値意識が儒教的規範として入ってきましたが、住友や三井等が「浮き利を追わず・・商人は信用第一と戒めて我が国の商人道を確立して何百年もたっています。
我が国のような商人道の確立がなかった中韓では、どうせ自分たちはアウトローで良いのだ・ルールなど守る気もしない・・知財剽窃など犯罪意識・・ルールを守ると言う意識も育たない社会になっている基礎・・歴史結果でしょう。
悪しき商業主義・・金儲けするには手段を選ばない価値観しか成立していないところに、ストレートに米英式(資本主義の悪いところ・非道徳的・・金さえ儲ければ良いと言う単純な)金儲け主義の思想が入った香港・中国や韓国等アジア諸国と商人道の確立している我が国との違いです。
日本の場合、フレンチよりイタリアンが良いとなっても、基礎的技術取得・修行に行って国内で開業する・・を前提にしていますが、中国では、何が儲けられるかの目先の選択が重視されます。
我が国は、明治以降の繊維〜製鉄、造船・車産業でもやみくもに儲けを追わずに先ず技術取得して自前で作ろうと努力して来ましたが、中国などでは、パクリであろうとなかろうと早く儲けることが先にありますから、そう言う努力をあまりしません。
簡単な技術導入で手っ取り早く追いつこうとするので、自前技術がいつまでも育ちません。
こう言う模倣文化・努力無視の文化では、良いものならばすぐに導入すれば良いので、拙速かどうかの議論さえ起きない・・「英断」ばかりで良いものはすぐに始めれば良いとなるのでしょう。
日本は上からの指導よりはボトムアップの国ですが、韓国その他は民意など問題にしない、良いものは果敢に受入れば良いと言うスタンスですから、リーダーシップが要求されます・・・開発独裁向けの国が普通です。
韓国の市場開放や法改正は果断で、刑事法制も(アメリカの意向で)簡単に全面改正するので、日本の何年先を行っていると賞讃されていますが・・実情を無視したアメリカ式理念(しかも本当はこれが正しいかも分っていないのに)の先行ばかりでは国民が不幸です。
李氏朝鮮も先進国清朝の制度をそっくり導入しているのに対して日本は独自性の上に儒教を取り入れたりしていましたから、100%取り入れている朝鮮から見れば日本は未開文化・・遅れた地域としての蔑視意識が根付いていた原因ですし、今ではアメリカ化の方では韓国の方が進んでいると言う自負心があるでしょう。
李氏朝鮮が根拠なく、日本に対する優越意識を持っていて明治維新当時日本をバカにしていたので征韓論に発展したのですが、今回の竹島や慰安婦騒動が表面化した根底にアメリカナイズ度では自分の方が先進国だと言う根拠なき優越感を満喫しているところにあったのかも知れません。
日本は慎重に日本文化に馴染ませながら導入する文化・・技術修得してから生産する(たとえば、鉄砲が入ったら直ぐに大量輸入すれば効率は良いですが、日本の場合すぐに国産化努力して徐々に鉄砲の普及に努力して来た)歴史ですが、国民にもいろんな種類の人がいるのは当然で、ここでは大方の傾向を書いているだけです。

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