サービス社会化4とバブル1

不動産投資の場合、これと言った専門知識や技術が入らない・・素人がレストランや半導体工場を買収しても経営出来ませんが、土地やマンションを買うだけなら買うときに騙されさえしなければ、買ってからも値上がりするまで持っていれば良い・例えば馬を買えば、飼育能力や場所が必要ですが、土地はせいぜいフェンスで囲っておけば良い・5年でも6年でも放っておいて値上がりを待つだけ・リスクはその間の金利負担だけで管理能力不要ですから誰でも参入出来ます。
また、自己使用の場合でもクルマのように運転技術不要・・消費・文化レベルが低くても・・貧しい人でもワンルームでなくとも2LDK・5LDKでも直ぐに住めます・・誰でも参入出来るので、苦し紛れに中韓政府がこれに飛びついたと見るべきでしょう。
たとえば、高度成長期〜バブル期に近郊農家が御殿のようなお屋敷を一杯建てていました・・不動産バブルをおれば、文化力を上げる息の長い政策不要で、金融緩和さえすればすぐに効果が出ます。
まして重厚長大型で時代遅れになって急激な生産縮小に見舞われている関連産業救済策の一石二鳥策になります。
中韓は日本のバブルを研究している筈なのに何故?同じことをやるの?と言う声がありますが、日本の場合国民の金あまりの結果必然的に起きたのですが、中韓の場合、金が余っているわけではない・庶民が苦しい環境から脱出するために一攫千金を求めて投機として参入してる点が大違いです。
目先の利かない愚鈍系?が実は長い目でみると損をしないのは株取引でも同じです。
政府も国民もむしろ苦しいのを誤摩化しカラ元気を出すための景気対策として政府主導で不動産バブルを煽っている点が違います。
政府主導であるからマンションブームを煽ったり引き締めたり手綱サバキは政府の手の中にある・・自由自在の面がありますから、日本のように一直線の過熱→暴落にはなりません。
例えばマンション購入ををx戸目まで許可したりy戸目までに制限したりの繰り返しをしていました。
これを「共産主義的自由主義政策の妙!」と言う自慢ですが?単なる錬金術・・破綻先送りの本質は変わらないので、その内破綻するリスクが高まります。
ここで日本バッブルをもう一度お浚いしておきますと、日本のバブルは(儲け過ぎて)金あまりの無駄遣いであって、投機で儲けようとしたのは不動産業者くらいで国民にはそう言う気持ちがなかった・・早く買わないともっと上がると追い立てられただけである点が中韓との大違いです。
不動産バブルを簡略化してもう一度書くと、喩えば、千葉市近郊の例では、坪数百円〜千円の農地を農家が坪数千円〜1万円で売り、それを次の業者が2〜3万円で買う・・いわゆる転がしを繰り返して最後は20万円前後になったところで天井を打ったのですが、最後に20万円で買った業者が倒産し、貸していた金融機関や住専が最後のババを引いたことになります。
エンド保有者・不動産業者の倒産→金融機関が損しましたが、その対として安い土地を高く売って儲けた農家に始まり・・何段階かの転がし過程で売り逃げて儲けた国民がいるのですから、国民経済としては差し引きゼロの関係・・経済的に見れば金融資産の国民的大移転・所得移転が起きた関係を連載して来ました。
貿易でぼろ儲けした分を国内同胞に再分配してくれたようなものです。
外国人が安い農地や原野を持っていた例は滅多にないので、外国人がうまく売り逃げた例は統計に関係のないほどの誤差でしょう。
巨額国債は心配がないと言う論理も同じですが、「巨額負債を子孫に残すのか!」と言うマスメデイアキャンペインのいかがわしさをこのコラムでは繰り返し批判して来ました。
私のような意見が多くなったからか、ここ数年マスコミはこの種の意見を報道しなくなりました。
当時発行済国債95%も国民が持っていたのですから、債権も相続する点を無視した馬鹿げた議論であると批判して来たのと同じで日本の不動産バブル崩壊による損失と言っても、国内所得移転に過ぎない点では、応仁の乱で文化が地方に行き渡ったように、近郊農家限定ですが所得再配分が出来たことに注目する必要があります。
この辺は年金社会保障等で世代間対立を煽るメデイア意見の怪しさも同じです・・。
何故かこの20年ばかり、何か困難な事例が起きるとバカの1つ覚えのように世代間対立を煽る論調がメデイアの主流です。
年金や医療費負担では、高齢者の負担を上げないと次世代が損するような宣伝が多いですが、社会保障・年金や医療負担を減らせば、次世代の介護等負担が増えます。
介護の社会化・・公費負担がないくて介護のために勤務を辞めると次世代がもっと損するし、自己負担率を上げれば親が貧しい場合増えた費用を次世代が負担するしかない・これが私が子供の頃の普通の姿でした・・親が豊かな場合次世代の負担がない代わりに相続財産が減る・・結局朝三暮四の関係です。
ただし、乱診乱療を避けるために事故負担率がどうあるべきかは別問題ですが、ここでは世代間対立を煽ることを批判しているだけです。
子供のいない次世代を除けば親子が1つの経済体として存在している点を無視しています。
ちなみに、単身あるいは子供のない家庭でも親がいるのですから親世代の不要に関しては同じです。
話題がそれましたので我がクニのバブルに戻します。
日本のサラリーマン等もマンションや自宅を買って参入しましたが、日本の場合金あまりが基本でしたから投機目的の人は滅多にいなかった・・転売目的ではなく究極の住処として買った大方の人にとっては、仮に5000万のマンション評価が3000万に下がっても逆に8000万に上がっても売らないでそのマンションに住み続けている限り、駅までの距離が遠くなるわけでもない・客観価値は同じで日常生活は関係がありません。
仮に転勤等で買い替えるときに自宅が半値になっているとしても、購入マンションも半値であれば、却って仲介手数料が半値になるので得するだけです。
その頃に書きましたが、地位上昇傾向の人にとっては却って有利でした・・「将来値上がりすると買えなくなるから今のうちに買っておく」と言う人が多かったのですが、若くて3000万のマンションしか買えなかった人が収入が倍になれば、6000万のマンションに買い替えようと計画していた場合、40万の給与が80万になっても差額3000万円が一夜にしてたまる筈がないし、印紙仲介手数料等も二倍かかります。
これが給与が下がらずに予定どおり貯金していたところで、逆に半値になれば、売るマンションが1500万に下がりますが、買う物件が3000万に下がっているので差額1500万で買えることになります。(この間5〜600万の貯金をしていればホンのちょっとのローン借り増で済みます)
買い替え予定がない人にとっても元々自分の給与で払える予定のローンであれば、バブルが崩壊しようがしまいが支払予定ローンは変化するわけでもありません。
失業で転売必要な人がいますが、全体から見れば例外中の例外・・当時数千万以上のローンを組めた人は公務員や大手の正規雇用者中心でしたから、不景気と言うだけでは失業しない・・給与アップ率が想定よりも下がったくらいです。
バブル崩壊の後遺症は最後の高値づかみした業の評価損ともっと上がるから今のうちに買っておかねば・・けしかけられて早めに買わされてしまった需要先食いの結果その後新規購入者が減って、商売にならなくなったいわゆる不況でした。
エコカー補助金期限前やタバコ値上げや消費税アップなど駆け込み需要による先食いをすると、その後の不景気を招くのと同じです。
先食いの結果承認にとって次年度の売上減少しても消費者・国民が損をするわけではありません。
給与も下がらないので・毎月支払額が変わらない・・結局人生最後まで住み続ける予定の人には評価が上がろうが下がろうが、関係のない(自分が数十年以上先に死亡したときに相続財産の評価があがるかどうかだけです)ことでした。
転売目的で損をしたのは業者中心で転売目的の国民は滅多にいなかったでしょう。

韓国のミニバブル4(家計負債の増加2)

消費のための借金に走る人が多いのは、成長の果実が公平に分配されていないことや、近代的モラルが定着していないだけではなくサムスンなど大手では大多数が新卒就職後3年前後で約25%離職する・・せざるを得ない?と言われている現実・・構造的要因があるようです。
就職浪人が当たり前と言う社会でやっと大手に就職出来ても僅か3年で25%が離職せざるを得ない厳しい選別が待っている悲惨・・(3年の壁を乗り越えても30〜40歳になっても日々厳しい選別・離職が待っています)超一流企業に就職出来たと自慢して来た手前,格好つけるために見込みもないのに、何か商売を始めるしかないようです。
ソモソモ大手企業への就職は非常に難しいと言われています。
サムスンなど財閥系に就職出来るエリートは一握りですが財閥系と一般企業との格差が大き過ぎることから、中小企業へ就職するよりは浪人する人が増えると言ういびつな意識構造になっていると紹介されています。
李強固氏朝鮮以来の長期のヤンパン支配による階級意識の残滓の結果、社会需要を無視した突出した進学率になっていると言われていますし、折角無理(借金)して大学まで出た以上はエリートであるべきであって、中小零細企業で「額に汗して働くことは沽券に拘る」という意識が強いために就職出来ないで浪人している(海外に売春に出たり日本でコンビニで働いても分らないから良いのかな?)と言われています。
無理して進学させる→過大家計債務の原因・・就職出来ずにオヤが返せない場合、取り立てに耐えられず海外売春婦に出ていると言うのがもっぱらの噂です。
こうした意見は当然のことながら統計等の客観資料がないので、韓国社会を見た人の主観によりますが、海外で売春婦と言えば韓国人と言う定説が広がっていること自体・就職難・・韓国の経済困窮を表しています。
韓国では、公式求職活動をしない大卒は失業者にカウントされていないとので、実質的若年失業率が半端ではないようですが真実は不明です。
(日本でも職安に登録しない人はカウントされていませんから内実が重要です・・韓国大卒は階級意識が災いして中小企業への就職を始めっから希望しないのに対して日本学生は零細企業でも何でも就職する違いが大きいようです)
国際比較するには年代別就労率の推移を見るのが結果的公平ですが、この場合にも日本のように専業主婦率の高い国では専業主婦をそのまま失業者にカウント出来ないように、民族意識の差も重要です。
国際的な差の低い男性の就労率の推移で見るのがその国の活力として分りよいと思われますが、就労率のデータがすぐに見つかりませんので以下大卒就職率で見ましょう。
以下http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20160126/Recordchina_20160126012.htmlからの引用です。
2016年1月21日、韓国経済新聞は、日本の文部科学省・厚生労働省の発表を参照し、今年3月卒業予定の日本の大学生の就職内定率が昨年12月1日の時点で80.4%となり、前年同期比で0.1%上昇したと伝えた。
日本の大学生の就職内定率は5年連続で上昇しており、世界金融危機の影響が本格化する前の2008年12月1日(80.5%)に迫る勢いだ。韓国経済新聞 は、日本の大企業が今春卒業予定者を対象に、昨年8月から採用活動に入っており、昨年12月には多くの企業が採用を確定していることなど、日本の好調な労 働市場の現状を伝えた。一方、若年(15~29歳)失業率(9.2%)が史上最高を記録した韓国では、大卒の就職率が56%(2015年基準)に留まって おり、若年層の厳しい就職状況を表している。」

上記記事は年末段階ですから3月卒業時には日本の大卒は95%前後の就職率と言われています。
ちなみに韓国の大卒就職率と言うのは実質はまやかしで、就職浪人・・卒業しないでいる人や給食を諦めた人を含んでいません(日本でも病気等で出席日数が足りないで卒業出来なかった人をカウントしない点同じですが・要は実質です)ので実際に就職したいのに就職出来ているのは3割程度ではないかと言われています。
社会的に見るべきは(病人や突発的故障者の数は毎年大きな変化がない筈ですから)総卒業予定者の何%が就職出来ているかでしょう。
日本で言えば、「年金未納者が減ったと言う政府発表の内実は、未納者の多くを免除したからに過ぎない」と言う報道があるように統計だけは実態が分りません。
(余談ですが、未納者には生活困窮等が多いのですが安易に免除すると払わなくなる人が増えるので、粘り強く集金して行く方法・・年に2〜3回でも払ってもらった方が良いとする運用でしたが、未納率が高いとマスコミが批判するので回収率を高める努力よりはこれらを免除に切り替えた・却って年金財政悪化しますが、批判の矛先が狂うと本末転倒になります・・公営住宅の家賃未納についても同じようなことが起きています。
ただし以下に書くように韓国政府発表の卒業者数自体にも数字の操作があるようです。
以下はhttp://blog.livedoor.jp/kanedashoji70/archives/39170025.htmlからの引用です。
「南朝鮮の場合、36%、およそ3人に1人が卒業浪人をします。この卒業浪人者は単位取得は終えているという事で在学証明書は発行されない、学籍だけがある人たちなんですね。で、当然ながら初年度に就職に失敗した人だから次年度も失敗する。そういった事もあり、大卒就職率から外される事になる。
南朝鮮の就職率56.2%(2014年度)といいますが、卒業浪人はどこにいったんでしょうかね。信用されていない統計庁の「学校・産業別卒業者現況」によると、2014年に大学を卒業した人数が26万758人(!)。ついでに無職は8万6333人。
2014年大学を卒業というの多くは1990年前後に生まれた事を意味します。そして、この年に生まれた人はおよそ65万人。2008年の大学進学率は83.8%でしたから、約54万5000人が大学に入学したはずです。それなのに卒業者が半分以下っていう事は、就職浪人以外に中退が多いという事ですね。」

上記意見は以下の通り論理が荒過ぎて必ずしも同調来ませんが、こう言う意見が普通に出ていると言う程度の紹介です。
すなわち、細かく言えば、生まれた人が21歳ころまで100%生きている筈がないのに21年間もの期間を利用する上記比率計算はおかしいし、日本だって学費が続かなかったり病気休学など一定数いるでしょうが、韓国の中退者を何故大卒の就職浪人と同視するのかの説明がありません。
比率で意見を書くならば、・・もっと近い期間比率・・・入学者数と卒業者の比率を出せば4年間の生存率の差は微々たるものですし、その間に経済・気候情勢も大きな変化がありませんので同時期の減少率を国際比較した上での意見にするのが合理的です。
諸外国と比べて入学者数に比べて卒業者数が極端に少ない場合に、諸外国平均比率で計算する実質就職浪人が何%いると言う意見が合理化されます。
上記記事は、主観的過ぎて客観性がないとしても、韓国政府発表でも学卒の5割程度しか就職出来ない実体はまぎれもない事実と言えます。

韓国のミニバブル3(家計負債の増加1)

企業の場合、儲かると更に儲けるため・・成長のための再投資・借入があり得ます・・企業規模が大きくなると負債も大きくなるのが普通ですが、家計負債は投資用の借金ではありません・・。
日々の買い物や電話水道料金も翌月払うまでは負債には違いないですがこうした1〜2ヶ月で回転して行く決済用負債は別として、サラ金やカードローンの多くは、生活費不足に原因があります。
個人金融資産の増加率と成長率を比べても意味がない・経済成長している場合、国・社会が豊かになっている筈なのに個人・家計負債が何故増え続けているのかと言う疑問です。
オーナーが経営で成功し勤労者が勤務先で出世し給与や手取り収入が2倍〜3倍になれば家計が潤沢になり・苦しいときに借りていた借金を返すことはあっても、成功している人が家計補助のためにサラ金から借りる額を増やすのは希有の事例でしょう。
GDPが仮に2倍になればこれに比例して家計負債が増えるのではなく家計負債が減って行くのが正常な姿です・・この辺が企業規模に比例して負債が増えるのとは次元が違います・・昨日紹介した韓国銀行による「経済規模が大きくなっているから家計負債が増えても心配がない」と言う主張は、仮に借金の伸び率が成長率と同率で増えているに過ぎないとしてもすり替え論理になります。
国単位で見れば、日本でも高度成長の結果・・それまでの外貨不足国から対外純債権国になって行きましたし、(個人金融資産も増加の一途です)韓国も今では外貨準備が潤沢になっている(借金や外資流入で増えているに過ぎない・・真水の外貨準備は少ないのかも知れませんが)と言われています。
これが個人単位になるとGDP伸び率以上に家計負債が伸びているのは異常と言うか、GDP統計に無理(噓?)があるのかあるいは、経済成長の果実が均等に行き渡っていない・・偏っている結果を表しています。
新興国では不均等には目をつぶってでも先ず儲ける企業や人を増やすしかないと言うのが一般的ですから、(アメリカも元は新興国でしたから、アメリカンドリームを宣伝してきました)これが長引くと不均等のひずみが大きくなります。
経済成長すると新製品・サービスが町中に溢れる→成長の果実を得られない人も似たような消費に走るしかない・・裸足だったのがみんな靴を履くようになると成長に関係しない人もクツを履くしかない・・みんな高校に行くようになると自分の子供も高校にやりたいので結果的に家計赤字が増える・・需要に応じて消費者金融業者が増えます。
社会全体の成長による平均的生活水準アップに着いて行けない人が増えると消費者金融・・サラ金系が発達するのはこうした関係です。
日本も成長のひずみの結果サラ金系が一時大盛況でしたが、この弊害除去のために貸金業法の大改正で総額規制等が出来たときに「需要がある以上はかえってヤミ金がはびこるのではないか?」と言う心配が大きかったのですが、そちらに行かずに現在収束しているのは、格差是正・・富みの再分配が静かに!成功している・・借りなくとも一応の生活が出来る社会になっているからでしょう。
別の視点か見て、家計の負債残高が、GDPに迫る(92、9%)のは容易ならざる事態です。
GDPが全部家計に入る訳ではない・・家計収入=個人収入はGDPの一部でしかないのです(労働分配率が100%では企業が成り立ちません)から、国民全員が平均年収の何倍も借金している事態です。
実際には全員が借金している訳ではないので、借りている人はその又何倍も借りている計算になります。
韓国の家計負債の実質(再分配が貧弱)は家計負債の統計以上にもっと深刻らしいです。
韓国では事業負債は実質個人負債であることが多い(隠れ個人負債?)と言う意見が紹介されています。
http://www.data-max.co.jp/280218_ry02/では以下のとおりです。
日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
「 ・・・もう1つは、韓国の自営業者の負債である。参考までに述べておくと、韓国の自営業者の比率は、他の国に比べて非常に高い。というのは韓国では会社を辞めると、日本のように嘱託社員として働くとか、今までの経験を活かす場がとても限られている。そのため、韓国ではリタイア後の収益が急激に減少する特徴が統計にも表れているし、他に選択肢がなくて自営業を始めるケースが多い。
money2 ところが、個人でお金を借りると家計負債になるが、自営業者がお金を借りると、事業資金扱いになり、それも家計負債には含まれず、企業負債になっていることも多い。自分がこれまでやって来た経験を活かしてやる事業ならいいが、まったく違う分野に入って事業をしながら習得していく方法では、なかなか成功は難しい。会社の退職金などでスタートした事業がうまく行かず、廃業しようにも周囲の目があるから、借金しながら頑張っているケースが多い。
その結果、事業に失敗し、中産階層から下流階層に転落することになる。とくに自営業は競争が激しく、今の時代のようにモバイル時代になってくると、自営業が成功する確立は低くなる。
 その自営業の現実が、家計負債にはそのまま反映されていないという指摘である。」
上記によると韓国では個人事業による個人負債が多いので、これが実際には個人家計負債と同視すべき場合が多い・・ラーメン屋など個人経営の負債の場合家計負債以上に額が大きく(個人事業の借金方が、非合法系からの借り入れ率も高く深刻なのが普通です・・これが海外売春に繋がっているように見えます)・・統計上の家計負債よりも実際にもっと大きいと言う指摘です。
韓国では起業が多く活発な社会と言う報道の仕方もありますが、合理的見通しもないのに追い込まれ起業が圧倒的に多いのでは悲惨です。
日本では中小企業が減るばかりで困ったものだとマスコミが言いますが、韓国のように破れかぶれの起業(イキナリキリスト教会をアパートの1室で開設するなども知られています)が多くなるのでは考えものです。

金融政策の限界6(韓国のミニバブル2)

マスメデイアでは中国バブル崩壊を懸念する声が漸く大きくなってきましたが、韓国の場合世界経済や日本への影響が小さいからか殆ど注目されていません。
以下はhttp://seoul123.seesaa.net/article/121402277.htmlからの引用です。
「6月13日韓国銀行によると、韓国人の個人負債は、昨年末基準で1650万ウォン、アメリカは5795万ウォン、日本は3626万ヲン(260万円)、オーストラリアは5150万ウォンと集計されました。
一方、個人金融財産はアメリカ1億6557万ウォン、韓国3451万ウォン、日本1億5617万ウォン(1120万円)で、韓国と経済規模が同じオーストラリアは8254万ウォンです。
韓国銀行は、個人の負債を判断する時、単純に負債の増加だけを注視するのではなく、金融財産の増加を含めて考え、個人の財産健全性と負債償還能力を判断しなければならない。また、個人の負債が増えるのは経済成長に伴う自然な現象なので、それ自体を否定的に見てはいけないと指摘しています。
金融財産を金融負債で割った比率で見ると、昨年末の時点で、日本が一番高く4.31、アメリカ2.86、韓国2.09、オーストラリア1.60になり、日本が一番安定した経済状況にあることが解ります。」
(ただし何年のことか分らない書き方です・・2009年頃に書いたものかも?・・韓国の個人負債激増が問題になり始めたのはここ数年のことですから今のテーマとしてはちょっとモノ頼りないですが・・・。)
上記のとおり急激な個人負債の膨張の心配に対して金融資産も増えているから心配するな?と韓国銀行が言い訳しています。
しかし、GDP比の増加率を昨日紹介した「日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)」の記事(これは新しいデータです)から見れば以下のとおりです。
「韓国の家計負債は、2015年末に1,200兆ウォンに達していて、負債の規模もさることながら、増加スピードが速いことで懸念されている。韓国の家計負債は04年に494兆ウォンであったが、15年には1,200兆ウォンに膨らんでおり、年平均8%ほどで増加をしたという計算になる。同じ期間中に、韓国の経済の実質成長率が3.6%前後であったことを考えると、経済成長に比べて負債は2倍以上のペースで増加したことがわかる。」
これによればGDPの拡大の2倍のスピードで個人負債が増加していることが分り、韓国銀行の説明に無理があることが分ります。
上記記事は全国民をごっちゃにした統計数字で見た場合でも負債率が2倍にふえていると言う指摘ですが、韓国の場合、いわゆる財閥一族に富みが集中し・勤労者も大手企業・公務員とその他零細企業従業員との二極化が激しい・・ヤンパン支配再現のような同様の大きな格差があると言われている社会構造を直視すべきです。
アメリカの格差拡大不満同様に財閥オーナーとその周辺だけがGDP拡大の恩恵を受けている不満が大きい・・これがイギリスのEU離脱論の根底にある世界の潮流ですが、財閥社会の韓国ではその矛盾がもっと大きくなっている筈です。
ただ韓国は前近代意識が強いと言うか庶民が弱い社会ですから、どんなに不満があっても意思表示出来ない・・精々移民や売春婦になって海外に逃げる算段しか出来ない点(北朝鮮でもあれだけ貧困で苦しんでいても誰も反抗しません)が欧米との大きな違いです。
格差の大きい社会では国全体の統計を平均するのでは意味をなさない・・末端庶民の苦しみを見るには、負債比率をGDPで割るとしても、その何倍かの倍率をかけないと本当の意味が分からない状態です。
消費者金融が拡大し続ける社会構造=庶民の方は金融資産など殆ど持っていない・・老後資金がないばかりか国レベルでも年金制度が充実していない現実こそが重要です。
金融資産を持っている人・・例えば500万の預金を持っている人がサラ金やヤクザから10〜30万借りることはあり得ない・・あるいは借りても預金を崩せば返せるのに娘の身売り・・海外売春に追い込まれる人はいない筈です。
借りる人は金融資産など元々持っていない・・(サラ金の顧客も通信料金など引き落とし用に預金口座を持っていますが)金融資産といえるほどのものを持っている人と持っていない人に厳然と別れているのが普通です。
(いつも書きますが一定の例外はありますが原則で書いています)
国民の苦しみ・程度を見るのに、財閥の持つ巨額資産+消費者金融を全く利用していない中間層(年収数千万円以上の階層)の金融資産合計と負債の比率を見ても意味がないことは確かです。
金融資産とのバランス論は、対外でフォルト可能性・・国内資金で賄えているかが分る程度・・国家のデフォルトリスクが多いか少ないかの基準にはなりますが、2極化された国民不満・・国内治安リスクは読めません。
日本の財政赤字リスクの判断には、国内金融資産残高と国債残高の関係が重要ですが、財政赤字の議論になると何故かエコノミスト・マスコミは個人金融資産残高との比較を報道したがりません。
いつも書いていますが統計はどの場面で切り出すかが重要です。
以下はhttp://www.sankei.com/west/news/141118/wst1411180004-n1.htmlからの引用です。
1000兆! アジア最悪の個人負債 2014.12.31 17:00
 リーマンショック以降、金融危機の恐ろしさが身に染みた多くの国では、金融機関が個人向け融資に慎重になっているが、韓国ではむしろ国内総生産(GdP)に占める個人負債の割合が増す現象が起きているのだ。
 韓国メディアの毎日経済新聞(電子版)が伝えたドイツ金融会社アリアンツが発表したデータによると、昨年末時点の世界主要53カ国のGDPの個人負債比率は65・1%で、09年に比べて6・4ポイント下落した。
 ところが、韓国はアジアで最も高い92・9%で08年比で10%上昇。負債規模は08年からの5年間で、1・4倍に急増したという。」

金融政策の限界5(韓国のミニバブル1)

まだ中国韓国人には、近代的モラル・ルールが国民の心の芯に定着し切れていないことを7月28日に書きましたが、人民の価値観にとっては金利が安いならば今のうちに借りられるだけ借りてしまおう・・最後に払い切れなくなれば、踏み倒せば良いと言う魂胆でしょうか。
7月28日に書いたように中国や韓国では、借りたら返す必要があると言う近代法意識が未成熟(・・韓国では何回も借金棒引き令が行なわれて来たと言われています)だから1昨日紹介したような野放図な金融緩和政策が大手を振っていられると思われます。
現在中国の野放図な借金拡大傾向については、ちょっと日付が遡りますが勝又氏経済時評5月9日からの引用です。
「「フィナンシャル・タイムズ』(4月28日付)は、社説で「経済改革に苦闘」と題して、次のように論じた。・・・
(2)「巨額の債務がもたらすリスクは明らかだ。負債総額は国内総生産(GDP)の約240%に相当し、大半の新興国の比率をはるかに上回る。赤字の国有企業がかなりの債務を抱えているため、この数字が長期的に持続可能であるはずがない。さらに懸念されるのは債務増加の速度である。もっとも、現在では深刻な金融危機のリスクは限定的だろう。閉ざされた資本市場、高い家計貯蓄率、潜在的経済成長力を考えると、中国の全体的な負債水準は警戒レベルを下回るだろう。また、政府には企業債務(実際には国有企業や地方政府関連が多い)を国庫のバランスシートに移し替える余裕がある。政府の財務内容は依然、巨額の公的準備に裏付けられ、健全である」。
以下は勝又氏の意見です。
「中国の抱える債務総額は、この記事では対GDP比で240%としている。だが、マッキンゼー国際研究所の調べでは、282%(昨年4~6月現在)である。その後の債務増加を勘案すれば、300%超えも間近であろう。決して、安心できる水準ではない。「政府には企業債務(実際には国有企業や地方政府関連が多い)を国庫のバランスシートに移し替える余裕がある」と指摘しているが本当だろうか。」
(3)「不良債権処理の包括計画をまとめないうちは、問題の先送りにすぎない。国際通貨基金(IMF)が警告したように、政治的に微妙な分野を含めて産業の再編に取り組まなければ、(債務の株式化や証券化を通じて処理する)現政府案は逆効果ともなりかねない。中国経済のリバランス(消費主導型への再均衡化)は極めて難題で、当局は予見しうる将来、刺激策を続けなければなるまい。これまではゾンビ企業にあまりにも肩入れしてきた。重要なことは保健、教育、都市の住宅、輸送、大規模な環境浄化など、より社会的に有益な分野に支出することだ。最も衝撃の小さいシナリオでも、債務負担の軽減にまだ10年近くはかかるだろう。その間、世界各国は中国の改革の遅れのあおりを覚悟することになる」。
この勝又氏の引用するリポートによって債務の合理的再編に取り組んでも(先送りをしていればもっとかかります・・)今では、中国の病人状態脱出には、10年以上かかると言うのが常識になっているようです。
まして中国の場合、統計さえ正確な発表が出来ない・・不正確な状態ですから文字どおり合理的対応出来る筈がない・・その場しのぎになるのは目に見えています。
今年2月26日のG20で鉄鋼石炭などの過剰生産を整理すると発言したのに、その直ぐに金融緩和した結果、休止したばかりの設備が再稼働始めたりマンションバブルが再発生している状態です。
上記記事では、「債務の株式化を図る」となっていますが、要は(株式化すれば返済義務がないから)返済を免れようとする方向へすり替えて行く魂胆であることが明らかです。
その後の経過はを見れば合理的再編・起業淘汰を計るどころか1昨日紹介したとおり、ゾンビ企業延命のために社会融資総量の激増になっているのですから大変です。
韓国も、ここ数年の成長率鈍化打開のための金融緩和が模索され少しずつ実行されていますが、金融緩和すると国民の反応が良過ぎて?債務が増え過ぎる・将来へのリスク拡大が心配される状態・・日本の国民のように金融緩和しても返す当てもないのにお金を借りない自律性が低い点が懸念されています・・中国同様に借りられるなら借りておこうとする点では同じ体質でしょう。
以下は、http://www.data-max.co.jp/280218_ry02からの引用です。
  日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
「日本のようにローンを組むことによって金融機関の審査を通るのではなく、契約金だけを用意できれば、まず住宅購入ができるようになっているため、これが後で負債として負担になるケースも多い。現代は、昔のように一斉に不動産が上がるような時代ではなくなったので、値上がりを見込んで無理して購入した住宅が値下がりし、融資残額にも満たないことでハウスプアになったりしている。
 とくに現在の朴謹恵大統領時代になって、不動産を活性化させて、内需活性化の呼び水にしようという狙いで金利を下げ、不動産の規制を緩和したところ、政府の予想を上回る急激な不動産過熱が発生し、その期間中に家計負債は急増してしまった。政府では「お金を借りてでも住宅を買いなさい」と奨励した覚えはないと否定しているが、いずれにせよ、家計負債が膨大に膨らんだことは紛れもない事実である。」
政府が煽ったかどうかは別として国民が簡単に借金に飛びつく体質である点では日本との大違いです。
国民をたぶらかして大儲けする中韓の企業や政府と国民の方がしたたかな日本社会との違いでしょうか?
日本のバブル崩壊を大騒ぎしていますが、急上昇した高値で売り抜けた農民や旧地主が不動産屋等が大幅値下がりで損をしたのと同額を儲けている・・国内での資金移動に過ぎないとう意見を連載したことがあります。
中国の場合企業家(日本からの投資家を含めて)から地方政府(共産党幹部)に所得移転したことになります。

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