日中の制裁合戦6(バブル崩壊7)

カエルが腹一杯膨らませて身体を大きく見せかける寓話がありますが、これが破裂して身の丈に戻る過程が始まったのを世界中がバブル破裂近しと見ているのです。
(破裂すれば本来の能力以下に体力消耗します・・中国で言えば経済が希望観測で膨らみ過ぎていた期待による過剰投資・在庫調整期間はマイナス成長になるだけではなく、実体以上の評価を維持するために国土・国民の健康等安全面に過度の負担をかけていた公害・・土壌汚染等のマイナス効果が出て来ます)
中国経済の現状は国土を食い物にして国土の持続可能性を維持するに必要なコスト負担を先送りして来た結果、公害が表面化して来てにっちもさっちもいかなくなり、他方で適正コスト負担を先送りして破格に安く生産していたにも拘らず、東南アジア等との競争に曝されて貿易で稼げなくなって来ました。
昨日の夕刊で政府による7,45%成長発表にもかかわらず同期間の卸売物価が下がり続けている・・3%下がっている様子が報じられています。
企業は在庫の山で呻吟しているのですから、卸売物価(企業間取引価格)は下がるしかない・・この状態で7%以上もプラス成長って本当?とだれもが疑うでしょう。
公害の測定結果をアメリカ大使館が発表しているのを中国政府が内政干渉だと問題にしていましたが、今や測定しなくとも大気の汚れがあまり酷くなったので隠せなくなりました。
言論統制の結果誰も正面から反対できないとしても、政府統計があまり実態からはなれ過ぎると誰もが信じなくなってきます。
先行きの見込みがないとして外資が引き上げ始めると、当然国内資金が足りなくなってきます。
資金連鎖の最も弱いところ・・シャドーバンキングにこの兆候が現れ始めたということでしょう。
2014-5-4「日中の制裁合戦5(バブル崩壊2)」以来バブル崩壊に話がそれましたが、経済制裁の話題に戻ります。
中国の尖閣諸島周辺への領海侵犯行為の繰り返しと対日暴動以来、経済交流の相互縮小・・最大投資国であった日本による新規投資の急減により事実上の経済制裁が始まっていたことになります。
経済制裁とは大規模な連合体で行なう場合を言うのでしょうが、個々の国同士で言えば「制裁」しなくとも個人が喧嘩してお互いに交際をやめたり縮小して行くと、限定された二国間で同じような結果が生じます。
お互い交流を縮小して行く状態になっているのが、現在の日中関係です。
昨日あたりから国際大問題になっている中越の衝突事件でも、(例によって中国の海艦によるベトナム巡視艇への衝突行為)ベトナム政府は怒って中国との交易縮小・停止を主張し始めています。
中国はこうした行為の繰り返しによって周辺国から嫌われ者なって行くしかないですが、このマイナスを気づかない・・暴力団同様の精神構造で「どうだ、俺に逆らうとこんな痛い目にあうぞ!」と粋がっている様子です。
喧嘩ばかりしていて周辺と交流が縮小して行く結果を見ると、片や日本企業は史上最高益更新の決算企業続出の景気状態ですが、中国の方は経済規模が縮小し始めていろんなひずみが吹き出しつつある状態に陥っていることが分ります。
中国が今年の春先の成長率が7、4%成長と発表していますが、資源国が中国の資源需要の急減で困ってる・・資源輸入量を現状維持さえ出来ない・・減少しているローエンド生産国の中国が、何故プラス成長しているかとなりますので、正確には資源輸入量の減少率にほぼ比例して何%減であるのが正しいでしょう。
5月2〜3日のブログで書いた求人の減少・大卒の就職難もこうした実態経済の苦難の何の一端・現れを表しています。
この数年前まで大量に資源輸入してくれる中国になびいていたオーストラリアが、中国の輸入急減に愛想を尽かして親日国に豹変し、1〜2ヶ月前に日豪の貿易協定が成立していることから見ても実態が明らかです。
鉄鉱石その他資源輸入が何割も減少しているのですが、マイナス幅を誤摩化すならばまだ可愛いものですが、マイナスをプラス成長と逆に発表する中国政府の神経は尋常ではありません。
こんな子供でも分るようなまやかしを続けるしかないのが、中国政府の苦しさを表しています。
このやり方を何十年も続けていたので、(年に1割ずつ水まししていると?)本当のGDPは実質的には、公式発表の半分以下の可能性があります。

中国バブル崩壊6と公害・違法物の拡散2

日本の消費者が危険でも安ければ良いと選んでいるのではなく、国民に分り難い形であれば、業者が「少しでも安いものを」と大量に輸入するので中国から野菜に限らず毒餃子等食料品の輸入が増え続けています。
業者にとっては毒餃子事件のように直ぐに被害が生じれば企業リスクがありますが、(水質汚染や土壌汚染の場合は水俣病のように直ぐには分らないので)10年続けて食べれば危険という程度ならば、どこのファーストフード店で食べたのが原因か、どこの企業の仕入れた食材かも不明になるしホーレンソーが悪かったのか大根・人参が悪かったのか誰にも分りませんので、企業リスクがないから(違法食品の疑いがあろうがなかろうが、)1円でも安い食品輸入を続ける姿勢になるのでしょう。
外食を続ける怖さはココにあります。
ココで違法の疑い・違法食品という意味は、(高官に対する賄賂・コネ等で形式的には法規制をクリアーしているとしても)実質的違法(潜脱)状態を意味して書いています。
中国にも一応知財保護規制や公害規制があるし、土壌汚染規制や食品衛生基準があるでしょうが、これを守らない・・守らなくとも政府にコネがあれば取締を受けなかったり合格してしまう社会であるから、実質違法コピー製品・食品が溢れる社会なっている実態を書いています。
違法コピーが法で公認されているのではなく、規制法があるものの事実上野放し状態が世界中で問題になっているのです。
公害も規模が巨大になって、海を隔てた日本にさえもPM2、5が飛来する時代ですし、重金属汚染下で生育した野菜を食べた豚肉等が日本に知らぬ間に大量に輸入される時代ですから、「汚染された食品でも労働環境無視や環境破壊下での製造も、中国人民が健康被害を受けるだけだから良いか」と言う時代ではなくなっています。
今後は世界基準あるいは最低日本基準の公害規制適応認証や労働環境等認証等を受けたもの以外は、盗品同様に買わない・買っては行けないという運動や規制が広がれば、人権侵害や公害の広がりも防げるしデフレ脱却の道筋が着くでしょう。
中国の経済成長は国民生活水準引き上げのための経済成長ではなく、国民・環境を犠牲にして国威発揚・自慢するためのハリポテ成長ですから本末転倒ですし、(裸の王様がいつかは風邪を引くように)いつかは無理が出て来ます。
消費税増税のための駆け込み需要や補助金政策はこの間に将来の需要を先食いする弊害が知られていますが、中国の場合、目先の利益のために国民の健康や・国土汚染による健康被害発生等の損害発生を先送りして来た政策です。
目先の金銭欲にくらんだ先送りの付けが回り始めたのです。
中国に将来性があるどころか、国土や人民を食いものにした先食い政策でしたから、今後その付け(公害の蓄積が限界)が回って来て大変な事態が待っています。
既に中国ではガン村という地域があちこちに発生していますし、(水俣病等で明らかなように)重金属汚染効果が出るには長期間かかるので、まだ現実化していない予備軍的地域がその他一杯あることになります。
低賃金による輸出攻勢が出来なくなり、公害対策コストを惜しんで国土を極限まで痛めつけて来た結果国土が荒廃してしまった現在・・中国政府にはどのような打つ手があるのでしょうか?
大気汚染は時間の経過で他国へ拡散して行きますが(日本は大迷惑)、何のためらいもなく汚染し続けた結果の土壌汚染は簡単に隣国に拡散して行きませんので、自国内で責任を取るしかありません。
重金属汚染土壌は短期間ではどうにもなりませんから、何を作っても恐ろしくて食べられません。
日本の場合重金属類の工場廃液が(工場は原則海岸線に立地しています)海に放出されて重金属類を蓄積した魚介類を食べた人(最下流域と水俣湾)に発生したのですから、基本的に土壌汚染の影響は軽微でした。
中国の場合内陸での希土類の採掘や内陸部の工場廃液の垂れ流しその他による土壌汚染ですから、これが徐々に大陸内を下流域に浸透して行く(・・まだ上海等沿海部大都市に効果が出ていないので政府対応が鈍い)のですから大変です。
もしかして国を棄てて日本へ移り住もうという計画があって、日本攻撃の準備しているとすれば迷惑な話です。

中国バブル崩壊5と公害・違法物の拡散1

中国は欧米の要求に従って知財保護など法規制を作るものの、過去30年間にわたって実際に法規制無視の操業を黙認して来たことが道徳意識を退廃させる一方で、水質や土壌汚染ひいては大気汚染等マイナスをもの言わぬ国土に負担させてきた咎めが表面化し始めて来たことになります。
技術革新の結果中国が従来の相場である100を60に下げるならば世界にとってプラスですが、公害垂れ流し、安全無視、あるいは設計・知財の剽窃や人権侵害の結果による低価格実現では世界が迷惑です。
違法操業等による適正コスト無視の無茶苦茶な低価格輸出によって、世界はデフレ経済に落ち込んでいて世界中がどうやってデフレ脱却するかの処方箋に悩んでいます。
日本の長期デフレの元凶は中国からの破格に安い価格製品の流入によることは明らかであって、これは金融政策の失敗によるものではありません。
金融政策で一時的にデフレマインドを変えるなどの対処が必要であったかどうかは別ですが、原因ではありません。
紙幣大量供給や公共工事で需要喚起すれば太陽光発電設備の大量輸入になるように、適正コスト負担しない中国から破格に安い製品が流入するのでは、尻抜け状態でいつかは金融政策の原資が枯渇します。
世界のデフレを止めるには中国が適正なコスト負担して物を作るようにならない限り無理があります。
比喩的に言えば、法令基準に違反し盗品を10分の1の値段で横流ししている企業と適正コスト負担している企業とが価格競争しているのでは正常な競争になりません。
日本の伝企業カイがサムスンに負けたのはサムスンが日本企業から技術者を引き抜いて技術の剽窃をしているからだと言われていますが、(真偽は分りません)長年かけて研究して製品化した成果を日本人技術者にちょっと高給を払って盗み取れれば、こんなぼろい商売はありません。
サムスンは日本の最先端技術を盗み切った結果、(競合分野から日本企業が撤退した結果)サムスンはもはやこれ以上盗めないので今後の発展性がないと言われていますが・・。
劣悪環境で働いて中国人だけが苦しむだけならば、まだしも中国人の勝手だと言えますが、公害垂れ流しの規模が巨大になって西風に乗って日本列島にまで押し寄せて来るほどの規模になって来ると日本も被害を受けます。
汚染水を垂れ流し悪臭を放ち、有害空気を拡散する・騒音振動を気にしない工場経営では、働く人さえ我慢すれば良い・・労働環境が悪いだけではなく、近隣に住む人も迷惑を受けるような関係です。
現在では違法操業によるデフレ輸出(食品の場合健康被害)と公害の迷惑がダブルで日本に中国から押し寄せて来る状態になっていますが、日本人自身が中国人が劣悪な環境で生産している結果安く出来たものを喜んで買っているから、その効果を受けているとすれば、自業自得と言えるのかも知れません。
この後で書きますが、大気汚染は目につき易いし短期滞在の外国人も直ぐに(目にしみるとか喉がイガイガするなど)影響を受けるので大騒ぎになりますが、水質汚濁や土壌汚染は深く静かに進行していても居住者でさえ水俣病のような被害が出るまで分らないことが多いものです。
土壌汚染で育った食材で飼育した豚肉や中国野菜等を誰も食べたくないでしょうが、国民個々人は買い物では中国産は怖いと選別できますが、弁当や外食・出来上がった総菜では中国製が入っていても、その表示もないので消費者は選べません。
5月6日の日経朝刊21ペーには、TPPで焦点になっているアメリカからの豚肉輸入が多い理由が書かれています。
これによると和牛などは食べれば直ぐに違いが分るので、消費者に知られずに輸入品を売るのが難しいので牛肉輸入が限られているとのことです。
それでも牛丼店では狂牛病問題でアメリカ牛の輸入禁止で大打撃を受けたことが知られているように、国民がいやがっても輸入品は業者加工に多く使われる傾向があることが明らかです。
豚肉はハム等への加工に限らず直接食べても消費者には違いが分り難いことから、牛肉とは違い業者が大量に輸入している実態が紹介されています。

中国バブル崩壊4

5月5日の日経朝刊4ページによると、過剰投資の結果、多くの分野で約3割の過剰設備を抱えていると書かれています。
(以下括弧内は私の意見ですが、過剰投資は生産設備ばかりではなく鬼城・ゴーストタウンで有名なように住宅や鉄道その他あらゆる固定資産投資に当てはまるでしょう)
過剰設備約3割をあらゆる分野で抱えている状態では、新規投資が停滞する・前年比マイナスになるのが普通ですが、中国政府はなお今春の成長率が前年比7,45%もプラスであったと(虚偽)発表しています。
国内景気の実態は国民が肌で知っているので虚偽発表しても誤摩化せないのですが、それでも権力の力で虚偽を強制して(ネットチェックして)批判を許さない状態です。
専制支配の経験しかない中国では、目の前の現実でさえ虚偽を強制できるのですから、忘却の彼方の歴史などはどのようにでっち上げようと権力の自由自在という思想で約2000年間やって来たことが、最近では架空の南京大虐殺の宣伝工作に猛進している行動原理となります。
日本の投資が東南アジアに向かうようになると、中国はローエンド製品・低賃金競争では後発の東南アジア諸国に叶いませんから、輸出用国内生産が落ち込む一方とならざるを得ません。
5月6日(今朝)の日経朝刊ページには、「中国輸出失速一段と」という見出しで5月5日に終了した春の広州交易会の成約率が昨年同期比12、6%減であったと報じています。
特に新興国向け/東南アジア向けが18、3%減ブリックス向けが13%減、欧州向け9、4%減、日本向けは4、7%減となっています。
貿易統計上(政府発表)では1〜3月の実績が前年同期比3、4%減だったので(政府発表は誰も信用していないことを前提に)「実勢がどの程度か注目されていた」と書いています。
大手マスメデイアは政府発表を正面から批判できないものの、最近では事実上信用していない姿勢を上記のように表すようになってきました。
輸出産業の生産低迷・縮小分のメッキがはげ落ち始めたのが、成長鈍化どころか(政府はなお7、5%前後のプラス成長発表を続けていますが)実質マイナス成長に陥っている原因です。
中国の過剰設備→赤字操業→出血輸出をする結果、世界中の製品価格の値下げ・デフレの元凶となってます。
同記事では、アルミの例として3年前には1トンあたり2600ドルが今では1700ドル台に下がっていると書かれています。
2600ドルの売値を基準に原料や人件費その他コスト計算していたとすれば、大赤字になります。
数日前の別の記事では、日本にも中韓からの低価格の鉄鋼製品輸出が増えていると報道されています。
日本の製鉄業は高品質品中心ですのであまり影響を受けていないが、韓国ポスコなどでは大変な影響・・値崩れ損害が生じていると報じられています。
中国は鉄鋼に限らずいろんな分野で赤字輸出強行しているのに、今春の交易会では上記のように大幅減ですから今後もっとダンピングが強化されるでしょう。
そうすれば、貿易収支としては黒字がまだ続くのでしょうが、内容が悪過ぎます。
100で売る予定の製品原料輸入額が半分の5割で国内付加価値が50の場合、この輸出額を60に下げるとまだ10の黒字が残りますが、国内に保留されるべき40が10に減りますので、国内経済は疲弊します。
中国にも知財規制や公害規制や労働環境規制はあるでしょうが、緩い取締で事実上違法操業容認をしてきたのですが、この場合マイナス効果が大分先に出て来るので、目先の出血輸出奨励に繋がっています。
個人で言えば、寝る間も惜しんで若い頃にしゃにむに働くと4〜50代で病気が出て来るのと似ています。

日中の制裁合戦6(バブル崩壊3)

中国人総体のレベル以上の宣伝・評価によって外資が次々と参入したことによって、実力以上のあぶく銭の所得を得ていた・・バブルと言えば不動産価格ばかりに目がいきますが、国・人民全体に対する評価がバブル(粉飾)だった・・中国の輝かしい未来と言う虚像・バブルがはげ落ち始めました。
内政での手詰まり打開のための軍備拡張と対外威張り散らし行為でしたが、まだ実力差があることと国際関係の制約で戦争に打って出ることが出来ません。
威張り過ぎたので経済面ではジリ貧が進むばかり・・・やることがないので昨年から韓国同様に世界中で対日批判宣伝に精出し始めたと解釈すべきでしょう。
低賃金を売り物に企業を引き入れたので、多くの投資(資金流入)が集まり景気が良かったのです。
例えばトヨタその他の日系企業や台湾半導体受託製造工場等が進出するには、ドルを元に両替した大金を投じて土地を買ったり借りたりして、工場設備工事を行ないますので、ゲンキンが中国国内で溢れ(人民元をドルに変えるために元紙幣の大量発行が起きます)、同時に両替したドルが大量に中央銀行に流入します。
この資金が巨額外貨準備になって行ったのであって、貿易黒字によるばかりではありません。
日本の高度成長期に近郊地主が工場用地等等として土地を貸すときに巨額保証金を預かって預金しているようなもので、中国の外貨準備と言っても言わば他人の金ですから、資金引き上げが始まるとこの外貨準備を取り崩す必要があります。
中国への投資は短期資金が少なく工場設備等資金ですから、日中対立が生じたからと言って日系企業は株式のように叩き売りすることが出来ません。
この辺を中国は有利と読んで対日暴動を仕掛けたのでしょう。
日本は資金を引き上げることが出来なくとも、じっと我慢でじりじりと売上回復を待ちながら新規投資を縮小できます。
これが現今の日系自動車メーカーの売上漸増(この間欧米系や現代自動車などに差を付けられましたが・・)に繋がっています。
その代わり投資先を東南アジアに変更して中国の輸出市場を奪い始めました。
バングラデシュ等では、低賃金の魅力で大規模縫製工場が繁盛して中国輸出産業の打撃になっています。
現在の社会では新規投資=技術革新ですからこれがとどまると負けですから、ファミレスやコンビニであれアパレルであれ、製造業であれ、大手企業は常に新規投資して新陳代謝を計っていますので、既存設備を叩き売りしなくともカントリーリスクの高い地域に新規投資しなければ、その地域の産業は旧モデルのママですからジリ貧になります。
充分に日本に投資させたからもう用がないと言う程度の理解で・・この辺の機微が中国には分っていなかったのではないでしょうか?
中国の場合他国より優れた技術があって世界の工場になったのではなく、低賃金労働者が多数いる・・貧しいことを売り物していたのですから、カントリーリスクが高く低賃金の魅力がなくなれば(この約10年で賃金が約3倍になったと今朝の日経新聞朝刊4ページに出ています)現地消費分の需要以外に外資にとって魅力がありません。
対中紛争を抱える日本に限らず、欧米資本も新規縫製工場としては、中国ではなくバングラデシュ等他のアジア諸国へ新規投資している現実を見れば明らかです。
今後巨大人口を目当てに(賃金が3倍になれば消費力も3倍になります)現地消費用の投資がまだ続くでしょうが、最早世界の輸出工場としての投資は期待出来ません。
ドイツやアメリカからの投資が日本の投資減少に代替していると報道されていますが、主として中国国内市場向けの工場(現地販売用車製造工場やスーパーなど)中心です。
今後急激に国際競争力を失い、貿易収支が悪化し始めると輸出で儲けていたからこそ高級品を買えた・・輸出製造工場で働いていた人が失業者になって来ると今のところ旺盛な内需すらも近いうちに失速する時期が来ます。
従来如何に中国投資が魅力的かの報道を熱心にしていた大手マスコミも、上記記事のとおり最近では実態を無視出来なくなって来たようです。

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