西欧と中国接近の終焉3

中国による目に見えない優遇を受けて漸く存続出来ている(と言うのは言い過ぎとしてもかなり恩恵を受けている)独仏等西欧系の企業群は、今後中国の外貨準備に限界が来てしかも中国企業レベルが独仏企業に追いついて来て競合関係になると韓国企業のように細かな嫌がらせを受けるようになって、一気に惆落するリスクが分って来たようです。
韓国のようになって良いのか!と言う脅かしが利いていて中国の気に入らない発言が出来ない状態になっていたのかも知れませんが,中国による韓国の切り離し以降この脅しが逆に利かなくなって来た印象です。
中国が改革解放直後右も左も分からない時点での日本べったりから手のひら返しの反日、次いで利用価値のなくなった韓国の切り放しとなれば、西欧だって次は自分か?と不安を抱くのが普通の智恵です。
中国のゲンキンな態度には西欧も驚いたでしょうし、大言壮語に(半信半疑で?)期待していたものの、中国の底力の程度を知ってしまった・これ以上中国寄りの姿勢をとるのはメリットが少なく逆にリスクが大き過ぎると西欧諸国も方針を変え始めたように見えます。
ウクライナ問題で孤立していたロシアも中国寄りになっていて韓国同様に軍事パレードに出席しましたが、大言壮語の割に何らの見返りもなかったので、中国離れに動き始めています。
習近平の昨年の英国訪問時の無礼な態度を今更言い立てるイギリスに象徴されるように年末頃から、潮目が変わり、伊勢志摩サミットでは、「海洋秩序を守れ」と言う日米主導のサミット声明発表に肝腎の西欧首脳が反対してくれない・・日米の主張に西欧が同調する事態が生じました。
今回のサミットでは対中国批判宣言がいくつも出てしまった・サミット首脳9人中西欧首脳6人も占めているのに、中国支持の発言を出来なかった事実・・中国の札ビラ外交・・非公式優遇による勢力圏引き止め工作の影響力が落ちて来た証拠です。
独仏等に中国支持の発言をさせなかった安倍総理の価値観外交の勝利かも知れません。
日経新聞5月28日朝刊5pには、「フランス政府当局者はこう言い切る」「南シナ海問題で航行の自由を書くのは良いが中国名指しは困る」日本は欧州の空気を踏まえ首脳宣言で名指ししなかった。」と書いています。
ただし今回のサミット首脳宣言には、海洋秩序とサイバーテロや鉄鋼過剰生産問題など名指しこそないものの内容から見て中国批判が4個もはいっていてもう1つは北朝鮮問題です。
名指しさえしなければ西欧諸国が同意するようになったのは、英国訪問時の習近平の無礼が最近大騒ぎになって来たように、中国の魅力が(資金枯渇)薄れて来た現れでしょうか?
この基本記事はサミット直後の28日に書いておいたものですが、その後更に国際情勢が進展し6月5日にはフランス国防大臣が以下の通り踏み込んだ発言をするようになっています。
産經新聞ニュースからです。
http://www.sankei.com/world/news/160605/wor1606050017-n1.html
「フランスのルドリアン国防相は5日、欧州連合(EU)各国に対し、南シナ海の公海に海軍艦艇を派遣し、定期的に航行するよう近く呼び掛ける考えを明らかにした。シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で述べた。」
サミットでは名指し声明に反対していたフランスが僅か1週間後には、EU各国の軍艦まで出すベシと自分から主張する・・推進側になっているのですから、大変な変わりようです。
もしかして伊勢志摩サミットで日本の主張に反対しなかったことで(韓国製電池利用車だけ補助金対象から外したような)すぐさま中国から明からさまな仕返しを受けたので、アタマに来たのかも知れません。
中韓はすぐに仕返しする文化ですし、西欧もすぐに反応するので分りよいレベルです。
国際社会は中国の落ち目を明白に意識し始めた・・伊勢志摩サミットから僅か1週間でこの変わりようです・・「金の切れ目が縁の切れ目」と言うゲンキンな低レベル社会です。
これに対して昨日午前2時頃には尖閣諸島接続水域に、ロシア艦艇数隻がはいったのに乗じて中国のフリゲート艦が侵入したニュースが昨日夕刊に出ています。
今まで軍の払い下げと称して海艦と称する公艦が事実上領海侵犯を繰り返していましたが、現役の海軍艦艇が接続水域に侵入したのは初めてのようです。
軍が領海侵入の前触れとして行動を始めたすれば非常に危険なことですが、ここまで国際的に追い込まれるとこの時点で何かしないと中国のメンツがたたなくなって来たのでこんなことしているのでしょうか?

西欧と中国接近の終焉2

中韓と西欧の緊密化の原因をどう見るかは別として、結果的にこの数年ではっきりと日米対中韓+西欧の陣営に分かれて来た・・アメリカと価値観共有していた筈の西欧が中国の人権侵害や国際ルール違反には目をつむり陰に陽に中国応援をするようになっていた事実を直視する必要があります。
中国の開放政策採用以降中国自身も日本の教えを請うばかりの弟分扱いは我慢がならない・・卒業を究極の目標にしていたことは当然ですし、ちょうど欧米による日本台頭阻止の底流と合致していたこともそのとおりです。
韓国は言うまでもなく日本に支配されていたことに対する報復チャンスさえあれば飛びつく関係ですし、日本がいなくなれば韓国の対中貿易が大幅に伸びる関係です。
勿論西欧にとっても韓国が日本の穴を埋め切れない高度製品に関しては、日本の穴埋めを狙えます。
関係者みんな良いこと尽くめの対日包囲網が出来上がっていたのです。
(ただしロシアが何故参加したか不明です・・ただどんなときでも弱っているのがいたら付け込みたい民族性だけでしょうか?)
約30年かかって中韓の地力が蓄えられ反日包囲網が完成し、チャンスを待ち構えていたところに親中韓政権が出来、地震が起きた・・未曾有の大チャンスが来たと思ったのでしょう。
中国の西欧や韓国企業優遇については、以下の通り非公式の優遇策が複雑に用意されて来たと思われます。
中国の猛反発にも拘らず、5月27日のサミット宣言になった中国の過剰生産品規制宣言関連記事では、中国では以下の引用のとおり何と鉄鋼だけで44件もの補助金が出ていると報道されています。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20160527.htmlからの引用です。
米国は不退転の決意で臨む補助金で輸出する違法商法
「中国の補助金は、ゾンビ企業を延命させる上で大きな役割を果たしている。この補助金は、国際的に禁じられている輸出補助金となっている。中国の鉄鋼製品では、補助金の種類だけで何と44件にも達するという。」
上記のとおり背に腹を代えられないダンピング認定のための綿密なアメリカの調査力があってこそ、44件もの項妙な補助制度を拾い出せたのでしょうが、西欧や韓国に対する進出優遇策・・土地取得の便宜〜許認可の便宜・・日本企業にはいくらでも手間ひま掛けさせて嫌がらせするなど・・差別化が簡単です。
中国による英独仏等西欧諸国優遇の実態は間接の間接と言う複雑な仕組みにして、簡単には分らなくなっているでしょうが、相当なものがあると想定されます。
お気に入りの国にたいする依怙贔屓的外資優遇策にはダンピング調査の対象にはなりません。
日本企業追い出しのためにサムスンその他韓国企業を複雑な補助政策で応援していた結果、この4〜5年で韓国の対中貿易黒字が巨額に膨らみ,(5月19日に紹介したとおり、12年は628億ドルの黒字=円で約7兆円・・韓国の経済規模にとっては目のくらむような黒字額です)韓国はその圧力で中国の言うとおり・・パク大統領は属国扱いされても恥を忍んで従うしかなくなっていたと想定されます。
折角中国の属国扱いされるほどすり寄っていた韓国に対する中国のご褒美は何だったかとなります。
中国はイザと言うときに北朝鮮に対する何らの影響力も行使出来なかったし、韓国企業と競合が始まると経済原理にそのまま従うだけならばまだしも、逆に韓国が作っている電池だけ優遇から除外するような姑息なやり方で韓国自動車の売上が急減しているなど、韓国に対する露骨な障壁を設けて韓国の対中貿易黒字が急減状態に陥っています。
世話になった日本を足蹴にして追い出したように、中国は自国企業が韓国との競合品を作れるようになると2年ほど前から、(反韓運動をしないだけで邪魔になればこう言う扱いです)韓国企業閉め出しに動き、13年1年間だけで対中貿易が12%もの縮小です。
韓国の対中貿易黒字と減少幅については5月19日に勝又氏の『朝鮮日報』(11月4日付)の引用記事の引用で紹介しましたが一部再録しておきます。
「13年の628億ドルから昨年は552億ドルへと 12%減少したと指摘。今年1~9月の黒字幅も353億ドルで、前年同期(404億ドル)を13%下回っている。」
属国扱いされても我慢して従っていた韓国も遂に堪忍袋の緒が切れた?中国の機嫌を損なわないために長く受入れに承諾してしなかったアメリカのTHAAD・ミサイル迎撃システム受入れに(但し中国のミサイルを探知出来ない方向しか設置させない?条件付き?)舵を切りました。
ドイツの代表企業フォルクスワーゲンが世界販売の4割も中国に頼っているのですから、韓国のような憂き目に遭うのでは死活問題と思われます。
西欧は中国の言いなりになるか、少なくとも積極的に不利な発言を出来ない状態になっていたと思われます。
上記の韓国切り離しの結果、中韓+西欧の事実上の対日包囲網にほころびが出始めました。

西欧と中国接近の終焉1

マスコミは何故かEUの真似をするようにしきりに宣伝して・・これに反する主張・・移民流入反対論が出ると「極右政党」台頭などと紹介していますが、何を根拠にメデイアが「極右」のレッテル張りをしているのか不明です。
言論の自由を自己の存立基盤とするマスコミが、レッテル張り=気にいらない言論封殺に精出しているのが不思議です。
マスコミの中立性に鑑みるとマスコミ界一致でドイツやフランスの民族主義的政党を「極右」と一方的評価概念で紹介し宣伝すること自体が中立性違反です。
トランプ候補であれ、紹介するならばありのままの事実報道すべきです。
日本国民がマスコミの偏った宣伝に乗らないで新興国からの下層労働力や資本導入を拒んで平均値を上げる努力をしているのはむしろ良いことです。
高齢化現象には若い移民を入れて誤摩化すのではなく、高齢者や女性も働ける・社会参加出来るような補助的道具(ロボット技術)インフラ(各所のトイレ設置やバリヤーフリー化や高齢者の移動負担をなくすなど)の工夫など先進的対応こそが重要です。
昨日中国資本によるイタリアサッカー名門の買収事例を書きましたが、企業買収を受けるのでも自国企業より優れた企業から買収されれば、先端技術を訓練してくれるので自国企業・労働者のレベルアップになりますが、タイやインド中国資本による買収の場合・・自国企業の優れた技術を本国へ持ち帰るのが目的ですから、後進国から買収されても自国企業の技術が流出し駄目になるばかりです。
シャープで言えば潔く解体して、役に立つ技術者は国内企業で再雇用することこそが国益だったのではないでしょうか?
30日に紹介したタタ製鉄その他アジア諸国からの企業買収は正に野蛮国に侵略された国のような結果になります。
先進国に支配されると学ぶことがありますが、後進国の野蛮・暴力だけでで支配されると文化が停滞します。
中国は過去2000年間文化的に劣った五胡(西域)〜モンゴルや清など異民族支配を繰り返し受けて来たから文化。社会レベルが停滞したまま(異民族支配が続くと社会のために尽くす気持ちが失せる・・拝金主義・・目先利益に走る民族性)になったのではないでしょうか?
西欧は日本排斥してその代わりに日本の部品を利用した中韓の疑似技術品輸出で満足しているのは、言わば中国人が握っている寿司を日本のすしのつもりで喜んでいるようなもので、本物を知らない状態です。
中韓が頻りにドイツの反省?を引き合いに日本非難するのは、約30年にわたる排日姿勢で共通していたこととこの間の経済交流を通じて欧州との排日意識一体感形成の自信・・陰で西欧の支持があると読んでいるからです。
企業の発展と退歩の歴史を見ると、政商・・政治的配慮による優遇政策に頼るようになると却って自由競争下での品質向上能力が損なわれてしまうのが普通です・・EU諸国企業で言えば、域内外を隔てる防壁による優遇・政治利用による中国での優遇で正常な競争がないまま売上が伸びると、どうなるかの実験です。
15年の中国の国内クルマ販売数が世界の25%程度しかないのに、フォルクスワーゲンの中国での販売数が世界販売の4割も占めていることを19〜20日ころの新聞記事で紹介しましたが、中国市場だけで何故4割も売れるの?と言う疑問です。
ちなみに、https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_usa_2016によれば今年4月のアメリカにおけるワーゲンのシェアーは僅か1、8%です。
アメリカで特別嫌がらせを受けているのかどうか分りませんが、世界企業が特定国で突出しているのは政治的思惑で優遇してくれないよその国で競争力低下し始めたと評価すべきでしょう。
中国国内の日本企業の力を殺ぐためと国際政治で西欧が反中国の動きに同調しないように、韓国や西欧各企業は目に見えにくい優遇を受けて来たと想定されます。
中国による南シナ海での覇権主義的行動に対する日米の批判に韓国政府は一切同調しませんでした・・フィリッピンなどの「海洋秩序を守れ」と言う要求にASEANの中で中国から援助を受けているラオス・カンボジアが同調しない・・声明に反対するのと同じスタンスを守り切っています。
次期ASEAN会議の議長国として5月にサミットの拡大会合に招待されたラオスが「当事者による話し合いが重要」と言い張りつい日米の主張に同調しませんでしたが、西欧首脳にもこれを期待していたのです。
中国は、元々EUの反日姿勢に迎合し救済的資本投下に協力して来たうえに自国内で西欧系企業を優遇して来た中韓が、自分が反日を始めたときには当然EUが応援すべきと言う気持ちだったでしょうし、昨年夏の上海株価暴落あたりまではこの癒着関係が何とかなっていました。
そのうちに中国企業のレベルアップによって西欧系企業と競合するようになり、合わせて中国が経済合理性に反した面倒を見る資金余裕がなくなると西欧商品は用済みになるリスクがあります。

少子高齢化と移民増の功罪

マスコミは日本への外資進出や外国人利用が少ないとしきりに宣伝していますが、優秀な人材活用してこそ意味があるのであって、下層労働者導入では平均値が下がるしゾンビ企業救済のために資本を入れても意味がありません。
今朝の日経新聞3pには選手強化に失敗し低迷しているイタリア名門サッカ−チーム「インテル」が中国資本を受入れることになったと報道されています。
買収側は、自分の抱えている中国チームとの交流を通じて中国チームのレベルアップやブランド(知名度)アップしたいと言うので合理的です。
被買収側は新たにはいる資金で選手強化が出来ると新聞が書いていますが、・・その資金は売り主=元の株主の懐に入るのであって(チームにははいりません)その株主はうまく売り逃げただけのことではないでしょうか?
シャープ買収で言えば株式相場の下落が止まって株主が助かり、元々貸していた銀行が回収出来た→ホンハイの保証で新規事業をするための融資に応じてくれる可能性が出たのと同じです。
シャープに資本がはいる安心感で人材確保出来るどころか人材流出が始まっているように新たなスポンサーの信用で選手強化出来るかは未知数ですが、後進国からの買収側は買収先企業のトップ技術層がいなくなっても中堅層の半分でも自陣営に囲い込めれば良い・・チ−ム運営のソフト吸収などのメリット・・技術格差があるのが普通ですからそれでも充分に元が取れます。
買収される方は中国チームから学ぶものはないので、優秀な選手から順に他所に引き抜かれて却って没落が早まるでしょう。
これを経験的に証明しているのが西欧の全般的惆落です。
アメリカの場合、国内資源が豊富で資源収入があるほか資源メジャーの利権収入で補充しているので資源関係では超巨額収入がありますので、平均化されると一人当たりGDPが上がり平均所得が上がっていて、(資源保有に関係ない多数労働者との内部格差が酷くなっています・・この矛盾・・誤摩化しの不満が吹き出しているのです)国別統計では分り難いだけではないでしょうか?
アメリカもアフリカから大量の奴隷輸入し・・その後もヒスパニックなどを主とした底辺労働力大量流入によって国力維持に努めて来た、移民流入の咎め・・結果的に国民平均レベルの低下を来たしています。
私が物心ついたときに学校で習ったときアメリカの人口は1億半ば程度の記憶ですが、今では約2倍になっています。
自然増で2倍になる訳がないので、この差は移民とその多産によると推測されます。
日本の少子高齢化進行が世界最速かのようなマスコミ報道ですが、元からいる人だけ見れば欧米の方が日本より早く進んでいると見るのが普通でしょう。
正確な統計が出れば、保育所さえ増やせば良いと言う意見の間違いが分って来ます。
保育所があっても豊かになれば子供を多く持ちたがらない生物本能がある・・これが正しいのですから、保育所を増やすことによって出産増加するのは底辺所帯への誘導策・・底辺労働者増加政策と言うべきです。
所得階層別の出産数や保育所利用者の所得分布を調査公表すべきです。
多産社会にするには国民に貧しい生活をさせる・生存の危機・苦難を味あわせるのが一番ですが、それを目的にするのはおかしいでしょう。
少子化を受入れて、一人当たり生産性を上げる努力こそが王道です。
移民を増やせあるいは国内の底辺層の多産誘導政策は、貧しく社会不適合の人を絶え間なく増やば、多産者が増えるだろうと言う期待政策です。
欧米は労働力不足を移民流入で誤摩化して来ただけのことですから、正確な報道をするためには3代以上、2代目1代目かの区別による人口構成の正確な統計による報道をする必要があります。
日本人は比較的高齢者でも健康な人が多いのは元々の日本人が多いからであって、アメリカ人もエリ−ト層は70歳になってもかくしゃくとしている点は同じです。
アメリカのエリートの家と日本の中間層の家と比較してアメリカはすごいと言う誤った報道が多かったのと同じで、比較対象を敢えて取り違えて虚偽報道しているに過ぎません。
大雑把な統計になると欧米ではしょっ中底辺層の流入があるので、少子高齢化の進行が緩和されて見えるだけです。
3代前から住んでいる人だけで、あるいは年収800万円以上の階層だけでの少子高齢化進行を見れば、日本と大差ないのではないでしょうか?
もしもそうとすれば、多産社会化を主張する意見は「年収を下げろ」と言う主張と結果が同じになると思います。

西欧の長期的衰退7と中国接近9

EUで言えば、共同体設立など囲い込み拡大ばかりに精出していた(・・戦前の植民地単位でやったブロック経済の再構築・・)結果、→日本企業の進出阻止に成功したとも言えますが、内容の悪い国(企業)同士合併を繰り返して規模の大きさを誇っていたような印象です。
EU成立後世界規模の関税引き下げ交渉が停滞し(ウルグアイランド失敗)、FTAなどの日本外しの個別交渉に移って行ったのはこの結果必然です。
以下年号的に並べてみますと、日本が超円高を強制された結果急激な輸出停滞→内需刺激→モガキにモガイた挙げ句にバブルに突入し、失われた20年(ただし私は酷い目に遭わされたとしても結果的に力をためるチャンスだったと解釈していますが・・)に突入するロケット発射台になったのが「プラザ合意」でした。
中国は開放にあたって、これを研究し尽くしていると言うか日本のアドバイスで?日本の轍は絶対に践まない・・為替自由化には応じない国是?になっているとの報道解説が行なわれていました。
アメリカは自由貿易の旗手と自慢しながら実際には、じぶんの弱い分野では日米繊維交渉・電気その他自由貿易原理に反する(スーパー◯◯条)輸入規制の連続でしたが個別分野の規制では間に合わない(・・自由貿易・自由主義国の看板に傷がつく)ほど日米競争力格差が開いて(欧州とはもっと開いて)来たので、日本の基礎的競争力低下を目指したのが為替の急激な引き揚げ・・日本にハンデイを負わせる仕組みの考案でした。
各種スポーツで日本選手が勝ち進むと直ぐにルール変更が相次いでいましたが、為替の強制は個別ルール変更しない代わりに日本人は片足または左手だけで戦えと言うような仕組みです。
プラザ「合意」と言われますが、会議に行くと欧米首脳間でお膳立てが決まっていて(承諾しないならもっと急激な円高誘導し輸入制規制する・・合意すればこの程度の段階期的円高で許してやると言う脅し)合意するしかなかった状況(欧米包囲網・・戦前理不尽な多数決の横暴に反発して国連を脱退したような孤立の道を歩む選択肢はもはや日本にはありません)が当時の交渉経過として知られています・・。
この前後は中国の改革開放政策の開始・ソ連崩壊前夜などが相次いでいて、欧米には主敵がなくなり日本だけが正面の敵であり、その側面攻撃に中韓を利用する世界戦略が進んでいたのです。
排日基本方針の欧米基準を知らされていた中韓がこの頃から(「もう日本は駄目だと言う宣伝を強め)自信を持って反日攻勢を強めるようになった原因です
  1984年 欧州連合設立条約草案を欧州議会可決
  1985年9月22日、G5プラザ合意(超円高開始・失われた?20年開始の基礎構造)
  1985年 シェンゲン協定が調印(人の自由化→どこかで移民を入れればその後の移動は自由)
  1986年 単一欧州議定書調印

元々EUは、経済一体化=内部自由化=対外防壁の目的で設定されていたことを隠していませんが、経済防壁である以上は守るべき相手があり・・より強い競争相手=日米に対するものでした。
日米のうちで特に勃興して来た対日競争意識で作られているので、成立直後から日本には何かと関税その他で厳しくあたってきました。
元々対日輸入規制のためのEU結成ですから、FTA交渉でも対韓国等では気楽に応じますが対日では厳しい条件をつけてそもそも締結したがりません。
放射能その他何かあると対日では、世界に率先して規制し、規制解除も最後まで応じない傾向です。
しかし弱者連合で競争の激しくない社会では域外輸出ではジリ貧・・資本不足になって来て、中国韓国系企業の資本や商品輸出には比較的規制が緩い政策運用が続いてきました・・昨日まで紹介したようにフランスに中国やインドタイなどの資本進出が意外に多いフランスがどの大統領になっても日系企業への非関税障壁がきつい・・日系企業はEUへの進出も輸出も振るわない原因です。
アメリカは何系だろうと効率の良い企業が国内にあることは良いことだとして一応自由貿易の原理を曲げない・・日系企業を受入れてきましたので、今や日米の経済一体化が欧米間よりも進んでいるようになりました。
これが→日米同盟強化の基礎ですが、本来競争力のある日系企業に学ぶよりは日本を敵視し、日系進出や輸入をEUが排斥して来たことが逆にEUの発展を阻害した・・惆落の原因のように見えます。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC