デモと民意

漸く安保法案が国会通過しましたので、今日は割り込み記事です。
健全な議論を避けるために、戦争反対とか平和主義と言う訳の分らないスローガンばかり叫んでいて、長期間国会審議に応じないで終わったのは、国民のために不幸な結果でした。
今朝の新聞を見ると民主党の枝野幹事長かな?意味不明な長広舌で不信任案理由説明に1時間44分も演説を続けたと書いています。
これでは言論権の濫用でしかありません。
意味のある言論を戦わすのが立法府です。
権利の乱用とは権利・権力を持っている方が濫用するものですが、最近では弱者を標榜する方が濫用する傾向が目に余ります。
数十年前から弱者保護が進むと、エセ同和がはびこり問答無用式に役所を脅かす「ゴロ」が目に余るようになり、この対策が進んで来ました。
その他少数民族と言えば、おおきな利権があるので、この方面でも悪質なエセ少数民族がはびこっていると言われます。
デモ行進も同様です。
佐倉宗吾郎のように命がけで已むにやまれず決起するときには、そこまで追いつめられている無言のバックがあります。
中国の場合も同様で、臓器を取り出されたり殺されるのが分っていて暴動を起こすのは、その何十倍〜何百倍もの不満をバックに抱えていることの証明です。
学力テストや一定資格試験も、資格取得に必要な何万と言う知識の一部の抜き取りテストで、これを知っているならばその何百何千倍もの知識があると言う想定でやっています。
この場合出第を知っていて、その答を覚えて来る人ばかり受験すると、テストの意味がなくなります。
失業率も、見栄えを良くするためにカウントの仕方を変えれば良いし、(韓国の場合大卒が中小企業就職を断ると、失業率にカウントしないと言われていて、新卒の就職率がもの凄く低いのに、・・売春婦は勿論失業率にはいっていないでしょう・・失業率に反映しないことが知られています。
GDPも同様です。
中国が国力を簡単に見る物差しに粗鋼生産量やGDPが使われていると知ると、需要無視してドンドン生産してしまい工場内に野積みされている製品が山のように積んでいる始末→今や出血輸出で世界中が困っています。
鉄道であれ何であれ、クルマ生産で言えば、日本やアメリカを追い越すことが目的となれば需要無視で工場を造って行きます。
今になると鉄道車両工事の赤字受注競争に走っているようです。
以前書きましたが、GDPは正常な状態・・需要に応じて生産しているとすれば、それは国力比較になりますが、国費投入で需要無視の生産をしているとした場合、生産力は何のプラス基準にもなりません・・むしろ何年か先に必ず到来する過剰生産能力整理のマイナスコストとして評価されます。
このマイナス評価が・・食べ過ぎの結果、当分食事制限・・薬が必要と・・世界中が考え始めたのが上海株暴落前後の中国経済です。
民主国家での、デモの場合はどうでしょうか?
命がけどころか、社会的地位にマイナス効果が全くありません、一定組織・グループに属している場合、デモに行って来たり過激な発言することで組織内の地位・立場が上がる関係です。
えせ同和の背後に数千人困った人がいるのではないのと同様に、似而同和と同じにするな!と叱られそうですが、そう言う意味ではありません・たとえ話です・・ピッタリした喩えが今すぐに思いつかないだけです・・関係ないたとえ話だと思う方はそのように否定的にお読み下さい。
今のデモは・・噂だけで統計があるのどうか知りませんが・・プロ活動家と言われる人が中心になっていると言う評判です。
分り易い例で言えば、全学連何とか派牛耳っている大学の場合、その大学の学生全部を代表して政治活動しているかと問えば、100%の人がそんなことはない筈と答えるでしょう。
早稲田や中央、法政等の何%の学生が、学生自治会の政治活動を支持しているのでしょうか?
先進国では今の時代、1万人のデモがあればその背後には、数百倍の支持があるのではなく、せいぜい1、何倍くらい・・多くても2倍程度が限度かも知れません。
今朝の日経新聞朝刊には、難民受入れに消極的な英仏では、1万人規模の受入れ要求の人権団体のデモがあると報じていましたが、英仏両政権は受入れ消極的姿勢を崩さないと書いています。
その理由は、移民による弊害を主張する勢力の方が強くて受け入れを表明するとかえって政権基盤が損なわれる心配の方が強いからだと言う解説がついていました。
今や先進国では政治活動を活発にやるグループもいるし、活発でないグループもいるので、デモの数だけでは、世論を読めない時代がきていると言うこと・・私の意見の証明です。
英仏ともに何千万と言う人口の国で、1万や2万のデモでは、ホンの少数意見の代弁に過ぎないと言う考え方です。
安保反対デモはマスコミによれば、1万人前後連日集まっていたようですが、ほぼ同じメンバーが繰り返し行っているプロ集団中心で飛び入りは僅かのようですから、・・マスコミは如何にも飛び入りがいるかのような報道をしていますが、(どこそこから初めて来たと書いていて如何にも実在人物のような記事ですが・・)匿名ですので普段からしょっ中やっている「やらせ」延長可能性が大です(文字に書くだけなので、創作可能でやらせの必要すらありません・・・)一億数千万の人口のうち本当に何人が反対しているかマルで見えません。
日本マスコミだと1万人前後参加でも、BBC報道だと5千人程度しかないなど数字も多めに書いていていい加減・・信用性が乏しい状態です。
報道写真を見ても、歩道を歩いている人だけで万単位にもなるのかな?と言うのが素朴な疑問です・・元々東京の場合一般の通行人もデモのために歩けないで滞留している人も一杯います。(5分も人の流れが止まったら大変な数です)
やはり法案反対運動ならば成熟した民主国家の一員として、スローガンで誤摩化したり、時間だけ稼ぐような内容のない長広舌を振るったり、憲法違反と言うだけでなく、内容のある反対論を展開して欲しいものです。
具体的な意見を聞きたいのですがさっぱり聞こえて来ないのが残念・・私の頭が悪いだけと言う批判もあるでしょうが、弁護士が理解出来ないような状態では一般国民が理解出来ないのは当然・・スローガンばかりで内容を理解できないようにしておいて「国民の理解が得られていない」と言う変なマスコミ報道が衆議院議決後にありましたが、さすがに(私がこのコラムで批判したのが効いたのか?)最近この種の報道が減りました・・そのうち国民の方が何のために野党政治家がいるのかな?と呆れるのではないでしょうか?

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