香港とドイツ繁栄の相似

現在の香港人の殆どはイギリス領香港になってから移住してきた人たちの子孫です。
中国に関係ない遠隔地のシンガポールにイギリス領になってから移り住んだ人たちと同じ境遇です。
シンガポールがいきなり中国に占領されてあるいは割譲されて中国支配下に入るのと同じような関係と見れば香港人が本土との一体化に嫌悪感を抱いている気持ちはわかる気がします。
元は同じ地域出身であっても、違った成長を遂げて違った価値観を持つようになった一団の人々が出来上がっているのですから、外部の力関係で元の団体と合併しろと言われても無理があるでしょう。
西欧で言えば元は同じ人種的ルーツが同じ?でも、長い間に民族ができ上がって別の国に分かれてきたように今の中国人民と、ベトナム人、シンガポール人は元は中国大陸から流れてきた人が多くても今更中国と合体したいと思う民族はほとんどないでしょう。
香港が中国本土と切り離されて、まだ200年経ちませんが、その間に価値観で言えば一方は共産主義から独裁主義=不自由主義で他方は自由市場主義の権化みたいに変貌してまさに180度逆方向を向いてきました。
価値観において水と油のような関係になっている香港の中国一体化は、香港住民の祖国復帰の願望によったものではなく住民意思と無関係に決められたものです。
例えば、リトアニアがドイツ支配下にあったとした場合、ソ連とドイツの取引によって今後はソ連領になったと言われたようなものといえば言い過ぎでしょうが、英国領と中国領のどちらがいいかについて住民意思を無視したまま決められた点に大きな問題があるようです。
先進地域の高度な生活に慣れた香港人やシンガポール人が、後進国中国人民と同じ待遇を強制されるのは喜ぶどころか嫌でしょう。
戦時中空襲等の危険から避けるために東京の子供が田舎に疎開して地元の子供と同じ生活をするのが大変だったことが知られていますが、命がけなので仕方なかったのですが、(受け入れる方も大変だったでしょうが)これです。
進んだ都会で田舎の子供を預かると田舎の子供は大変な思いをしても、進んだ都会の生活・都市文化を身につける進歩の喜びがありますが、豊かな生活から数十年以上遅れた非衛生な生活習慣を強いられる方はたまりません。
目に見えないものですが、自由の雰囲気あるなしも重要指標です。
農村の嫁不足が一時期大きな話題になったことがありますが、その一因として田舎の生活は窮屈だというものがありました。
窮屈とは何かですが、田舎の人はうるさすぎる・・着ているもの一つでもあんな格好してとかケチをつける?これがイヤだというのですが、結局は不自由ということでしょう。
11月末頃に環境等の数値を含めた社会価値の向上力でいうと中国の過去のGDP上昇率は、何分の1になり日本上昇率は何倍かに変わったと紹介されていましたが、その中に自由な表現のできる国かどうかの指標はなかったでしょうが、生活豊かさ指数であれば大きく影響がある項目でしょう。
同じ生活水準ならば、表現自由度が高い方が、気持ちが良いものです。
1000万円の年収入が800万円に減る程度で済むなら人に使われるより独立したいのが人情と言われる所以です。
リストラ→M&Aによる企業や営業譲渡契約では雇用維持を決めるのが普通ですが、労働条件というものは経営環境に応じた変更は避けられません。
老舗企業がジリ貧で買収される場合は概ねぬるま湯的好条件職場が多く、買収する方はハングリー精神で脇目も振らずに猛烈型で頑張ってきた企業が多いと、契約で雇用維持を決めても買収された方の従業員にとっては労働環境が厳しすぎるので歯が抜けるように出て行く傾向があります。
香港のように地域丸ごと・施政権譲渡の場合、50年間経過措置があるとしても香港と大陸の生活・文化・自由度等々の格差が縮まらない限り、完全統合した場合かなり厳しい結果にならざるを得ないでしょう。
ここで11月17日「都市国家2」の続き・都市国家と周辺地域住民関係に戻ります。
都市国家そのものではないですが、ドイツと西欧内の経済的関係では、香港と中国本土、シンガポールとマレー半島の関係に似ています。
ドイツは欧州内で日本の東京や大阪、名古屋のような地位を占めているのに他国(日本で言えば地方)へ所得再分配しないママ・・経済的な矛盾放置がEUの弱体化(不満)につながっていることをEU関連コラムで書いてきました。
西洋社会は古代都市国家形式の地中海・ギリシャ・ローマの歴史をモデルとしているので、都市を囲繞する城壁外の土着民との一体感がない支配被支配の対立構造が基本です。
(イギリスの場合ノルマンコンクエラーを歴史で習うので多くの人が知っていますが、西欧全体が支配者と現地人とは民族が違う社会です)
ドイツと南欧諸国とは都市国家と周辺住民関係そのものではないですが、異民族対応・異民族の面倒まで見る必要があるか?という意識の点で類似です。
地中海で発達した都市国家(正確には国家とは言えないでしょうが、利害共同体の単位のことをここでは書いています)では土着民は城壁内の市民とは明確に区別されている野蛮人・未開人扱いでした。
現地土着民は城内・市場取引を取り仕切るボス=中国では「王」発行鑑札を持っているいわゆる出入り許可のある者だけが出入できる仕組みでした。
市民とは「市場取引参加資格のあるもの」というのが語源だと思いますが、日本と違い異民族地域に商人が進出した当初は、船から降りない船上取引だったようです。
(車での行商がほぼ決まった日時に特定場所を巡回するようなもの)
そのうち、現地小屋掛に似た拠点が固定されるようになると襲撃を避けるための柵と城戸(木戸)が発達します。
臨時駐屯所が、年中所在する常設になると単なる砦から市場取引に参加する商人の日常生活に必要な食事準備や衣類等々の世話する者や、倉庫等々の関連人員が住み着くようになりその時代に必要な自給自足的生活を賄うに必要な程度の人口集落になります。
こうなると本格的な城壁が必要となり城門ができてきます。
この段階に至れば、いわゆる都市国家の原型でしょう。

人民と棄民の親和性(香港騒動と米国人権法)

中韓思想大事の影響を受けた日本人権活動家は、30年ほど前、改革開放後残留孤児大量帰還が始まった時に頻りに「棄民政策」という用語を使っていました。
聞きなれない熟語に当時ピンと来ませんでしたが、今になるとこれは中国〜韓国の人民思想を日本に当てはめた借り物概念だったように見えます。
文化大革命当時メデイアを通じて「造反有理」などのスローガンを氾濫させた再現のつもりだったかもしれません。
中国や朝鮮では古代から歴史では、支配被支配の2項対立社会ですから、被支配者は支配・政治の対象でしかない・牧畜業の家畜や企業で言えば商品みたいな対象です。
不要な商品を廃棄するような社会では人口が多過ぎれば口減らしのために国外に吐き出す・・棄民がぴったりの表現でしょうが、日本は満州へ同胞をゴミのように捨てたわけではないでしょう。
満州へ開拓団として赴いた青年らは、お国のために出かけたものですし、送り出した方も、満蒙開拓団員として出ていった子供を心配しない親兄弟はいなかったでしょう。
棄民政策とはあまりにも先祖を卑しめる表現です。
ゴミのように国民・同胞を海外に捨てる思想は我が国の現実に合わない・・中国社会の説明を鵜呑みにする主張が多すぎるので左翼系は信用をなくすのではないでしょうか。
日本政府は棄民したのではなく不可侵条約破棄によるソ連軍の突然の侵攻によって在留日本人家族が逃げ遅れたし、兵隊さんは無条件降伏→武装解除するとシベリアに連行されて文字通り奴隷労働を強いられたソ連の蛮行を覆い隠す便利なスローガンだったのでしょう。
敗戦後日系米人等の移民が日本本国人より豊かにしていてもやっかむような話を聞きませんでしたが、中国や韓国では政府の人民圧迫が強く苦しい毎日を送っているから、幸福そうな人を見ると妬み等に苛まれる・政府も人民の政府に対する不満をそらすために自害同胞に対する妬み心をそそるので余計そうなる面があるのでしょう。
韓国では世界一自殺率が高いほか、国外脱出願望の高さや国外売春婦輸出の多さなどなど、不幸指数というものがあれば世界ダントツというべき国ではないでしょうか。
19年11月23日まで中韓国民の不幸度を書いてきましたが、以下はその続きになります。
今回のノージャパン運動で困っているのは韓国人観光客特化によって潤ってきた韓国系資本のホテルや在日の経営する土産物店、韓国経営航空会社中心(対馬の現状を紹介してきました)が実態です。
(韓国客が減ってもトータル観光客が増えているので日本人経営のホテルや日本の航空会社も観光関連業界・対馬のように韓国客に偏った地域が部分的に困っているものの日本全体では増加傾向です)
にも拘らず韓国側では、ボイコットジャパンで成功していると思っているような強がりを言っているのは、日本人に対するより在日や対日投資で儲かっている本国企業に対するやっかみの方が強い・・歪んだ心理が本音にあるからかもしれません。
香港の誇る自由がなくなりそうな危機に際して、「香港でさえ言論の自由がなくなれば明日は我が身にもっと厳しく及ぶかも?」と本土人は香港人と懸念を共有する気がない・・応援する気になれない報道(メデイアによる情報操作でないとすれば)は、韓国人の在日に対するのと似たようなゆがんだ心情があるからでしょう。
中国政府は、中国本土での人民監視や締め付けを厳しくすればなるほど、中国領土として自由に往来できる香港でも自由を締め付けないと本土人との格差が大きくなりすぎて本土人民に示しがつかないから、香港に対しても締め付けが厳しくせざるを得なくなってきたようにも見えます。
本土では表現行動の自由の締め付けが日々強化される中で本土の人民にとっても香港の自由がなくなるのは重要な利害がある筈ですが、連帯の心さえ持てないほど、本土人民と香港人には相互反感の歴史があるのかもしれません。
中国は国際社会で香港書店主の拉致事件報道があっても無視・・問題にしないフリでしたが、やはり香港でも合法的身柄拘束できた方が良いので、本土への拉致合法制度化・犯罪人引渡し条例の立法を公然要求するに及び、さすがに香港市民の危機感が募ったのでしょう。
中国政府の気に入らない発言・思想表明すれば好きなように拉致されていたのが、今後合法化されてしまうのでは、言論の自由の形骸化どころではすみません。
身近に思想統制の網が広がってきた危機感で一般市民も怖くなって黙ってられなくなったようです。
ウイグル族が百万人近くも収容され、思想改造教育を受けていると知っても遠くの事件だったでしょうが、今度は自分たちの番になって、思想改造収容所にいれられたのでは、叶いません。
香港市民が最後の踏ん張りを見せたのは、今回に限りちょうど米中対決下で米国の応援が期待できる国際環境にあったことも影響しています。
米国としては、対中対決の材料として遠慮なく中国批判し、関税攻撃だけでなく人道批判攻撃(だけでなく、自由市場としての香港の経済価値を死滅させる脅迫)手段も手に入れたことになります。
11月28日のニュースでは米国で香港関連のいわゆる人権法が大統領署名により成立したと報道されています。
香港人は本土の同胞?の連帯表明よりは、米国や国際社会の連帯の方が重要と見ているいるようです。
本土と香港人は同族の連帯感などあてにできない、異民族関係同様の心情になっていると見るべきでしょうか?
中国では人民の抵抗など幾百万あろうとも戦車で簡単に蹂躙できるので気にしない政治体制・・抑止力は国際政治圧力しかないと冷厳な事実を知っているようです。
香港の場合本土と隣接しているので誤解しますが、元々の住民がほとんどいないところに華僑流入でなり立っている点ではシンガポールと成り立ちが同じです。
香港が英国から中国に返還されたと言っても、香港人は清朝時代から香港に住んでいた人たちの子孫ではありません。

周辺無視の都市国家5(香港の場合4)

昨日紹介した香港騒動に対する中国本土人の反応の冷ややかさ?に戻ります。
香港の一人当たりGDPは中国本土平均を何倍も上回っているのは香港人には自慢でしょうが、香港人が本土の巨大市場バックに良い思いをしてきたという本土人のやっかみ気分が大きな影響を与えているのでしょうか?
上海や深圳の場合、改革開放の成果・儲けの一部を(日本大都市のように)国内地方経済底上げのためにに供出させられているはずです。
例えば長大な辺境地の防衛費や巨大な軍事力の維持費、利用者の少ない地方への長大な高速鉄道敷設コストも、国威発揚のための無駄な国外投資資金等は沿海部の収益が当てられているはずです。
香港の場合、冷戦構造下でショーウインドウ的機能・繁栄を見せびらかせることがあってもベルリンの壁ほどではないまでも周辺中国人にその分配をしないで済んできた点で、本土大衆が香港人に対する妬み・反感を持つ様になっていても不思議がない歴史です。
これを煽れば、国民の香港市民に対する連帯意識が盛り上がらないので、中国政府を強気にした面があるようです。
そういう視点で見れば、中国個々人のウイグル人に対する不満というか、「どうしょうもな奴らだ」という侮蔑・悪意の表現・・これこそがヘイトスピーチがネット上で飛び交う社会のようですが、政府の周到な情報操作があるのでしょう。
英米得意の離間の策を国内で実践している・・国内融和より国内対立を煽った方が、政府にとって内政が安定する変な国です。
日本の小学校や企業内等閉鎖社会で自然発生的に起きるいじめっ子事件を、中国の場合いじめる対象民族に焦点を当てて、国策としてヘイトをおこなって国民不満をそらしてきたようです。
反日暴動もこの一種だったようにも見えます。
当時暴動参加者の本音は、政府に対する不満が強いがその表現行動は怖くてできないのでその代償作用として政府公認の反日なら遠慮なく暴れられるので安心してやっているという解説が一般的でした。
いわゆる反日無罪という運動でした。
ただし、暴動の勢いが強まり政府の計画動員を超えて自発的反日運動になって、本来の反政府不満・反政府運動に点火すると収拾がつかなくなるリスクがあるので、政府は国民が興奮しすぎない程度に収めるしかないので心配がいらないと解説されていましたが、本当に政府の計画した松下の工場等の標的攻撃が一段落するとピタリと治まりました。
政府ややめ!と号令しても聞かなくなると本当の暴動になるリスクが高いから政府の弾圧が厳しくなります。
日頃の鬱憤を吐き出せてよかったと喜んで暴れていたこれを知っている民衆はすぐにやめるしかないのでしょう。
政府とすれば「どうだ!俺さまの威力はこんなものだぞ!中国政府に楯突くと怖いぞ!とヤクザのセリフみたいな威勢を日本に示したつもりでしょう。
中国は政権を取ってから、紅衛兵の運動でも知られるように、一種のいじめっこ対象を作り上げてはしょっちゅう集中攻撃してきた歴史です。
チベット併合?あるいは占領後ダライ・ラマのインド亡命を経て、数十年単位で抵抗するチベット民族がいじめ対象でしたし、この10年くらい(ダライ・ラマの高齢化があってその先はしれていると安心したのか?)チベット族統治が軌道に乗ってくると今度はウイグル叩き、それが軌道にのると香港叩きと矢継ぎ早です。
このシリーズのテーマである収益率重視経済で見れば、都市国家ほど効率の良い政体はないでしょうが、公害・・ゴミ捨て場であれ何であれ負の影響を周辺国に負担させる関係であれば、持続可能な関係ではありません。
香港が東京ほどではないにしても少しでも周辺への利益還元をして連帯意識を育成していれば、(本土の人たち自身監視社会化の進行には困っているが声を上げられない状態とすれば)この機会に香港の自由を守れ!という無言の連帯意識が盛り上がり、政府も無視できなかったでしょう。
実際には政府の方が先に反香港感情を植えつけてから「準備やよし!と起こした行動なので先手を取ってしまった印象です。
香港は周辺への還元が少なかったので政府の情報操作が成功して、逆に香港人への反感になっている(金持ちに対するやっかみはいつでもどこでもあるものですが・中国政府の情報操作の可能性があるので真偽不明)とすれば、これまでの香港人の対応が悪かった・自分が儲けるばかりだったからではないでしょうか?
日本では一定の成功を収めると自分の懐に入れるばかりではなく、個人に限らず企業も何らかの社会還元を心がけるものですが・・・。
戦後日本企業の海外進出が増えてくると進出先の現地に根付くように地元貢献に精出すのが普通になっています。
中国の反日暴動の時にも日系企業従業員が誠心誠意企業防衛に協力してくれている情報がありました。
4〜5年前の米国でのトヨタたたきの仕掛けの時に、途中で収まったのは企業側の対応が良かっただけでなく、トヨタが地元貢献に努力してきたので工場所在地の州政界がバックアップしてくれたという噂でした。
出世成功すると古くは神社仏閣に寄付したりお祭りには分相応の寄付をするなど・・。
香港人は占領された敵国?の支配地に職を求めて流れ込んだ人たちの子孫ですから、当初から周辺との一体感がないのでそんな気持ちになれなかったでしょう。
こういう関係にこそ気を使うべきなのですが・・。
食うや食わずの流民として英国に奪われた香港に入った彼らは、本土の人たちから見れば、もしかしたら民族の裏切り者的な評価を受けていて、侮蔑の目で見られていたでしょうから、「一生懸命に儲けて周囲の人らを見返してやる」という気持ちになった人も多いでしょう。
鉄のカーテンで厳しく東西対立してきた冷戦時代には、香港は西側経済のショーウインドウとしての役割もあって、自由貿易都市としての利点を満喫し、繁栄を謳歌してきました。

反日からニーハオへ(強硬策の裏)2

中韓の技術移転渇望については、Oct 20, 2019 11:00 am「技術移転を求める韓国1(被害者ビジネス・慰安婦)」の頃連載しました。
中国が成長の限界にぶち当たり、そこまでしないと政権が持たない危機感・・弱みの裏返しと見れば韓国と同じ発想です。
ハリネズミのように過剰警戒心の権化になった中国は対外的には国威発揚のためにやらなくてもいいような強引な政策を次々と繰り出すようになりました。
南シナ海の不法占埋め立てや、尖閣諸島海域での公船連日出没は経済面で見れば・ものすごい経費・浪費でしょう。
・・日本の海上保安庁の巡視艇1〜2隻に対して中国公船はその10数倍群がる印象ですから、コスト的に日本の何倍もかかる計算です。
この辺はフィリッピンやベトナムに対する大量公船出動による威嚇も同じでしょう。
国際政治的意味ではこのような海賊的威嚇行動はマイナス効果しかない・嫌われる国・外敵を増やすばかりでしょう。
大金を使って嫌われることに精出す動機を合理的に推論すれば、内部の政治基盤が弱いところにあると見るしかありません。
ロシアのクリミヤ併合〜ウクライナ侵攻も金を使うばかりで何も得るところがない・・国際孤立を冒してでもやるしかないほど(原油相場低迷によるロシア経済の低迷)プーチンの内部的支持基盤が空洞化してきたから・・と見るのが普通です。
習近平氏の主席就任と同時に内部固めのため独裁政治強化・・汚職摘発名目での粛清を開始し、政敵一掃が一段落すると主席任期制廃止など終身化の道を開き、共産党内の体制整備が終わったように見えますが、その分内部不満が相当蓄積している可能性が高いでしょう。
現政権は内部権力闘争強化と少し遅れて党外の人民大衆に対する統制強化に乗り出していました。
大量の蟻族利用のネットチェックに始まり、膨大な監視カメラ設置等、AI駆使による国内監視網が完成に近づいたところで、外延・・外地ともいうべきウイグル族の強制収用・思想改造に精出し、同じく外延である香港の民主主義諸制度形骸化=実質支配に乗り出した螺旋状の拡大戦略のようです。
香港〜ウイグルの完全支配が終われば次は台湾への直接武力圧力行使→占領という段取りでしょうか?
思想統制に対する批判者を次々と本土へ拉致する事件が相次いだのは、ウイグル族相手のように香港内では強制収用所まで設置できない苦肉の策であったでしょうが、これを香港人が批判を世界に流布するのが困るので、合法的につれ去ろうとしたのが今回の犯罪人引渡条例です。
独裁制の重圧下にあるはずの本土中国人にとってガス抜き的存在だった香港の自由がなくなるのは、対岸の火事ではなく重要な関心事・香港の自由を守ってほしい心情があったはずと思いたいのが人情ですが?
その割にそうではない・逆に香港人は思い上がっているという批判的受け止めかたの方が多いという報道です。
(政権側のフェイク・・情報操作の可能性がありますが・・)
報道が事実とすれば一般の人にとっては食えればいいのであって、メデイアが言うほど監視・不自由社会に対する不満がないのかな?
中共政権はそれをよく知っているから、経済力さえしっかりしていれば何をしようと心配ないと言う改革開放路線以来の高成長による自信につながっていました。
金の力こそ全てという世界戦略・札ビラ外交で・・例えば、南シナ海で対立するフィリピンを黙らせるためには特産品バナナの輸入手続きを遅らせてバナナが税関通過時点でほとんど腐ってしまう事態となり、せっかく国際司法裁判所での勝訴判決を得たにも関わらずフィリッピンの大統領が領海問題棚上げで北京に走りました。
棚上げとは、中国の不法埋め立てやフィリッピン漁船追い払いを黙認することにしたことになりました。
札ビラ外交で貧困国を味方につけ、高利貸し的手法で相手を債務不履行に追い込んでは港湾等の管理運営権を取得し世界に事実上の軍事基地を広げる戦略を実行してきました。
反日暴動による二系企業撤収の動きの穴埋めを兼ねて欧州諸国の企業進出を優遇し中国の横暴には見て見ぬ振りを求めて成功してきました。
この間メルケル首相の中国訪問が約10回に対して訪日はわずか1回・それも半日〜1日程度という頻度差に現れています。
この辺はメルケル氏訪日時のコラムで書きましたが正確な記憶がないので回数等はうろ覚えの意見です。
リーマンショック後内部蓄積のバラマキにより過去の蓄積を使い果たして?今や中国は過重債務にあえぐ状態になってきました。
経済力下降に直面してくれば、これまでの札ビラ外交の逆回転(貸し剝がし)が始まり(半月ほど前のアセアン首脳会議では、中国の札ビラ外交の前に沈黙していたフィリッピンが、対中南シナ海問題で最強硬意見を主張していると報道されていたのが、この象徴です。
米国の大統領も副大統領国務長官も出席せず軽量級出席の結果、(いわゆるアジア軽視の態度表明)中国の発言力が強まり、結果的にゆるい声明に終わったようですが・・。
https://jp.reuters.com/article/asean-summit-china-idJPKBN17Y11N

フィリピン外務省高官は首脳会議について、南シナ海の問題を強く訴えたり、人工島の建設や軍事拠点化について言及したりする動きはなかったと説明し「首脳はむしろASEANと中国の関係改善を強調した」と明らかにした。

フィリッピンは質問に対し主張が通らなかったという露骨な表現を避けていますが・・。
不満が外側から広がるのと違い内部不満は目に見え難いですが、国内不満も同率で蓄積しているでしょう。
統制強化だけ見ると一見強い政権のように見えますが、内実は逆で内部統制のタガの緩み対策・統制強化に必死になっている姿と見るべきです。
中韓の技術移転渇望については、Oct 20, 2019 11:00 am「技術移転を求める韓国1(被害者ビジネス・慰安婦)」の頃連載しました。
中国が成長の限界にぶち当たり、そこまでしないと政権が持たない危機感・・弱みの裏返しと見れば韓国と同じ発想です。
ハリネズミのように過剰警戒心の権化になった中国は対外的には国威発揚のためにやらなくてもいいような強引な政策を次々と繰り出すようになりました。
南シナ海の不法占埋め立てや、尖閣諸島海域での公船連日出没は経済面で見れば・ものすごい経費・浪費でしょう。
・・日本の海上保安庁の巡視艇1〜2隻に対して中国公船はその10数倍群がる印象ですから、コスト的に日本の何倍もかかる計算です。
この辺はフィリッピンやベトナムに対する大量公船出動による威嚇も同じでしょう。
国際政治的意味ではこのような海賊的威嚇行動はマイナス効果しかない・嫌われる国・外敵を増やすばかりでしょう。
大金を使って嫌われることに精出す動機を合理的に推論すれば、内部の政治基盤が弱いところにあると見るしかありません。
ロシアのクリミヤ併合〜ウクライナ侵攻も金を使うばかりで何も得るところがない・・国際孤立を冒してでもやるしかないほど(原油相場低迷によるロシア経済の低迷)プーチンの内部的支持基盤が空洞化してきたから・・と見るのが普通です。
習近平氏が主席就任と同時に内部固めのため独裁政治強化・・汚職摘発名目での粛清を開始し、政敵一掃が一段落すると主席任期制廃止など終身化の道を開き、共産党内の体制整備が終わったように見えますが、そのbん内部不満が相当蓄積してイルカの牛が高いのでしょう。
内部権力闘争に少し遅れて党外の人民大衆に対する統制強化に乗り出していました。
大量の蟻族利用のネットチェックに始まり、膨大な監視カメラ設置等、AI駆使による国内監視網が完成に近づいたところで、外延・・外地ともいうべきウイグル族の思想改造に精出し、同じく外延である香港の民主主義諸制度形骸化=実質支配に乗り出した螺旋状の拡大戦略のようです。
香港〜ウイグルの完全支配が終われば次は台湾への直接武力圧力行使→占領という段取りでしょうか?
思想統制に対する批判者を次々と本土へ拉致する事件が相次いだのは、ウイグル族相手のように香港内では強制収用所まで設置できない苦肉の策であったでしょうが、これを香港人が批判s世界に流布されるのが困るので、合法的につれ去ろうとしたのが今回の犯罪人引渡条例です。
独裁制の重圧下にあるはずの本土中国人にとってガス抜き的存在だった香港の自由がなくなるのは、対岸の火事ではなく重要な関心事・香港の自由を守ってほしい心情があったはずと思いたいのが人情ですが?
その割にそうではない・逆に香港人は思い上がっているという批判的受け止めかたの方が多いという報道です。
政権側のフェイク・・情報操作の可能性がありますが、本土で言論自由が全くないので、本当の気持ちは応援暴動でも起きない限り外部からはわかりません。
報道が事実とすれば一般の人にとっては食えればいいのであって、メデイアが言うほど監視・不自由社会に対する不満がないのかな?
中共政権はそれをよく知っているから、経済力さえしっかりしていれば何をしようと心配ないと言う改革開放路線以来の高成長による自信につながっていました。
金の力こそ全てという世界戦略で札ビラ外交で・・例えば、南シナ海で対立するフィリピンを黙らせるためには特産品バナナの輸入手続きを遅らせてバナナが税関通過時点でほとんど腐ってしまう事態となり、せっかく国際司法裁判所での勝訴判決を得たにも関わらずフィリッピンの大統領が領海問題棚上げで北京に走りました。
棚上げとは、中国の不法埋め立てやフィリッピン漁船追い払いを黙認することにしたことになりました。
札ビラ外交で貧困国を味方につけ、高利貸し的手法で相手を債務不履行に追い込んでは港湾等の管理運営権を取得し世界に事実上の軍事基地を広げる戦略を実行してきました。
反日暴動による日系企業撤収の動きの穴埋めを兼ねて欧州諸国の企業進出を優遇し中国の横暴には見て見ぬ振りを求めて成功してきました。
この間メルケル首相の中国訪問が約10回に対して訪日はわずか1回・それも半日〜1日程度という頻度差に現れています。
リーマンショック後内部蓄積のバラマキにより過去の蓄積を使い果たして?今や中国は過重債務にあえぐ状態になってきました。
経済力下降に直面してくれば、これまでの札ビラ外交の逆回転(貸し剝がし)が始まり(半月ほど前のアセアン首脳会議では、中国の札ビラ外交の前に沈黙していたフィリッピンが、対中南シナ海問題で最強硬意見を主張していると報道されていたのが、この象徴です。
米国の大統領も副大統領国務長官も出席せず軽量級出席の結果、(いわゆるアジア軽視)中国の発言力が強まり、結果的にゆるい声明に終わったようですが・・。
https://jp.reuters.com/article/asean-summit-china-idJPKBN17Y11N

フィリピン外務省高官は首脳会議について、南シナ海の問題を強く訴えたり、人工島の建設や軍事拠点化について言及したりする動きはなかったと説明し「首脳はむしろASEANと中国の関係改善を強調した」と明らかにした。

フィリッピンは質問に対し主張が通らなかったという露骨な表現を避けていますが・・。
不満が外側から広がるのと違い内部不満は目に見え難いですが、中国国内不満も同率で蓄積しているでしょう。
統制強化だけ見ると一見強い政権のように見えますが、内実は逆で内部統制のタガの緩み対策・統制強化に必死になっていると見るべきです。

反日からニーハオへ(掌返しの中国の信用)1

これに加えて米中対決が始まったこともあって、いよいよ日本大事になってきたようです。
現在の日系自動車販売環境は、反日騒動時に日本車に乗っているだけで被害を受けていた状態から言えば、反日暴動が何だったのか?嘘・夢幻だったかのような現状になっています。
中国は今ニコニコしているとはいえ、手のひら返しが常套手段の国はいつ何時また反日の風が吹き荒れるかしれない危険な国で信用がなりません。
この数年では日本車の伸びがドイツ車の伸びを上回っていて、日系が追いついて来たのはのはこのせいです。
反日暴動によってその穴を埋めて急激に対中貿易で躍進した韓国車のシェアーはサード配備決定以降嫌がらせされるようになり、トックに日系に逆転され(シェアー日本の半分以下で)今や昔日の勢いは見る影もなくなっています。
このように中国はしょっちゅう自分の威力誇示のために相手を突いたり引いたり気に入らない国に対して露骨に観光客を急減させたり(底が浅すぎます・・)するのは自国の力を誇示しているつもりかもしれません。
韓国は中国尊崇の精神風土ですから、早速この真似をして日本への観光客を絞りまこみ、さらに軍事情報協定(GSOMIA)破棄(更新拒否)を通告してきましたが、日本は、情報を与えるばかりの持ち出しですから、なくなっても何ら困りません。
日本にとってはせいぜい友好国の証程度でしたが、北朝鮮の脅威を抱える韓国にとっては北朝鮮のミサイル発射等の人工衛星による情報は本気で防衛するならば必須情報です。
(韓国はまだ人工衛星打ちげに必要なロケット技術がありません。)
文政権の本音は従北・北の支配下に入るのを望んでいることを、日本との軋轢を口実に実行しようとしているかのようにも解釈できます。
こういう底の浅い戦略?行動は、国際信用をガタ落ちにするマイナス効果の方が大きいことに気がつかない点は、ヤクザが凄んで相手が怖がると「どんなモンダイ!」と悦に入っているレベルです。
韓国は中国に大事にされて舞い上がってしまい一時の夢に酔ってしまってこれだけコケにされても今だに夢が冷めないのが不思議と言えば不思議ですが、中国風コワモテ政治への憧れがあるからでしょう。
韓国は戦後事実上の米国の保護下に入っていたのでいわゆる「事大主義精神」発露として民主主義やキリスト教を喜んで取り入れましたが、借り物思想で落ち着きが悪いのが本音で、最近この本音が表面化してきたようです。
待ちかねた中国の台頭で喜び勇んで中国に擦り寄り過ぎた朴政権が、米国の踊りに負けて米側陣営に引き戻されて結果、日韓慰安婦合意や長年渋っていた日本との軍事情報協定を結ばされ、北朝鮮対策のサード配備も受け入れざるを得なくなって国民が俄然、朴政権引き摺り下ろし運動が白熱しました。
この騒動で任期途中で弾劾→刑務所入りとなりそれを受けて成立した文政権が、反日反米一辺倒になっているのは民族感情として理解可能です。
日韓情報協定延長を求めて米国高官の韓国入りが報道されていましたが、同時並行して在韓米軍費用負担に関する米韓交渉が決裂したという劇的な事件が起きました。
この種の交渉が決裂とは前代未聞のことですから、もはや米軍駐留不要という開き直りに入ったと見るべきでしょう。
米国に対してさえ、ここまで強気の態度となれば、こういう状態を見れば、日韓情報協定不必要という韓国の決意は明らかです。
その決意の背後には、自分らは中国陣営に入りたいし、中国に認めて欲しい民族の悲願?でしょう。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2018

国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

2018年12月 2018年1-12月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 97.96 43.87 -24.27 997.99 42.09 -7.99
日系 41.50 18.58 10.20 444.63 18.75 5.74
独系 44.15 19.77 10.04 508.05 21.43 4.76
米国系 20.01 8.96 -39.64 247.79 10.45 -18.48
韓国系 16.01 7.17 -8.62 118.05 4.98 3.14
仏系 1.59 0.71 -71.61 30.70 1.29 -32.65

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/57449cdc408b6808.html

2018年の中国の新車販売台数は28年ぶりのマイナスとなり、2019年に入ってからも厳しい状況が続いている。
全体市場が大きく落ち込んでいるにもかかわらず、ホンダとトヨタは2桁の伸びを続けており、6月には日産や三菱自動車が前年同月を上回るなど、日系各社は総じてプラスを維持している。

このように中国の成長が下り坂に入ったのが鮮明になって来たにも拘わらず、開き直り精神か?却って、国内では独裁性を強化し、国民の日々の行動を監視して対外的にも強硬策一点張りの硬直政治に転じたのが習近平政権でした。
外資には知財の提供を強制するようになるなど、最近の政治はもはや強盗国家的になりました。
韓国が技術移転を求めて次からへと対日要求するようになった(韓国の場合強盗的強制するほど強くないので、言いがかり国家程度です)ことを書いてきましたが、その大型版というべきでしょうか。

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