在日韓国人の自由度7(兵役義務違反と本国引渡の虚実)

出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)
第二十六条 出入国在留管理庁長官は、本邦に在留する外国人(仮上陸の許可を受けている者及び第十四条から第十八条までに規定する上陸の許可を受けている者を除く。)がその在留期間(在留期間の定めのない者にあつては、本邦に在留し得る期間)の満了の日以前に本邦に再び入国する意図をもつて出国しようとするときは、法務省令で定める手続により、その者の申請に基づき、再入国の許可を与えることができる。この場合において、出入国在留管理庁長官は、その者の申請に基づき、相当と認めるときは、当該許可を数次再入国の許可とすることができる。
2〜4項略
5 出入国在留管理庁長官は、再入国の許可を受けて出国した者について、当該許可の有効期間内に再入国することができない相当の理由があると認めるときは、その者の申請に基づき、一年を超えず、かつ、当該許可が効力を生じた日から六年を超えない範囲内で、当該許可の有効期間の延長の許可をすることができる。

日本の出入国管理難民認定法や国籍法だけ見ても、韓国兵役法の変更があっても相応の対応可能ですので、日本政府が裁量的対応で救済しないのは、もしかしたらヤクザそのた好ましくない不良の在日中心の運用になる可能性があります。
韓国語ができないので韓国の兵役法や国籍法そのものを見られませんので、民団新聞が2日に紹介したようなフェイクまがいの報道をして同胞を不安に陥し入れているとすれば不思議です。
私の国内法理解が間違っているのでしょうか?
法の理解はあっているが運用部門に聞くと、運用上在日に対して二重国籍になる場合に帰化を認めた事例がないし兵役法改正後も運用を変えないということまで調査しているとか?
その前提として12月2日に紹介した「民団新聞により」と言うネット記事が本当に民団新聞の記事を正確に紹介しているのかが気になります。
そこで民団新聞のキーワードでネット検索して民団本部記事で見ると明日紹介する通り在日は適用要件に不安を感じてはいるようですが、それは日本右翼の宣伝に不安を感じた在日からの問い合わせ対応の可能性もありそうなイメージで、2日に紹介したようなネット記事のようにはっきりした整理や説明を書いていません。
さらに検索して民団神奈川のネット記事があったので見て見ると、今回問題の兵役義務免除除外要件が一読して明確になるように表記されています。
まず民団神奈川記事では基本的要件を書いていますので前提要件の理解をスッキリさせるために先に紹介します。
http://www.mindan-kanagawa.com/handbook/heieki/

兵役免除の申告方法
在日同胞など外国出生者、満6歳以前国外出国者は、満17歳の年まで該当国で暮らしその国の国籍や、永住権などを取得していると、兵役義務が賦課されません。また韓国の小・中・高校在学歴が3年以内の場合も免除となります。これを「在外国民2世制度」と言います
以下のような場合在外国民2世とは見なされず兵役義務が生じます。

永久帰国申告(永住権等を放棄して韓国に居住する)をする場合
18歳からの韓国滞在が通算3年を超えた後、1年のうち計6ヶ月以上韓国内に滞在したり、就職したりした場合(94.1.1以降出生者)
7歳から17歳までの期間中に、1年に通算して90日を越えて韓国内に滞在したことがある場合

① 1行目の要件
自発的に日本永住権放棄して帰国した以上は、在外国民特例適用除外が不要になることは当然であり、議論の余地はないでしょう。
2行めの要件
カッコ書きの意味が正確に不明ですが、これを94.1.1前出生者を除くと読むか、以降出生者に限ると読むかで意味が真逆になります。
重要な基準を「カッコ書き」で書くとは?
在日に優しい意味で読むならば94.1.1以降出生者にだけ適用があるとすべきでしょう。
そうでないと過去に4年間韓国勤務していて改正法施行時の数年前に日本本社に帰っていた人が、いきなり兵役に引っ張られることになり不合理です。
これが遡及効がなく穏当な解釈と思いますが、どこかで読んだネット記事では94.1.1前に生まれた在日にも適用の幅を広げて貰えるように運動していくという民団幹部?の変な意見?を見た記憶です。
上記引用文表現解釈問題ですが
「以下のような場合在外国民2世とは見なされず兵役義務が生じます。」
と書いているので「以下各号該当になれば兵役義務が生じる→該当しなければ兵役法改正前同様に兵役義務免除」という意味でしょう。
民団本部幹部意見が正しいとすれば、上記3要件該当の在日だけ兵役免除になるという逆の理解があるようです。
どちらが正しいのか法文自体引用されていないので判断しかねますが、兵役法全体の建て付けから見ると民団神奈川の理解が良いのではないでしょうか?

男子国民は一定年齢の幅範囲で全員兵役の義務があり、その例外として病者障害者や、その他の免除対象列挙の中に長期在外国民の免除規定がある体系と聞いてきました。
(条文自体を見ていないので根拠ありません)
在外国民でも、例外的に本国で一定期間以上生活している場合、(日韓間系緊密化に伴い在日2世が韓国で事業成功する人が増えてきた・・約1時間あまりで日韓往復可能です)韓国で稼いでいるのに兵役免除必要がない・・濫用でないかの議論が起きてきて改正機運が生じたという理解をしてきました。
こうした流れを前提とすれば、在外2世の定義を動かさずに本国滞在期間を基準に2世の中で義務免除から除外する要件を定めた=民団神奈川の基本的枠組み理解の方が正しいのではないかと思っています。

在日韓国人の自由度6(兵役義務違反と本国引渡2)

反日政策激化→板挟みになっている在日の日本帰化選択の退路を断った上で反日運動強化すれば、その負の効果を同胞であるはずの在日に押し付ける冷酷無残な政策となります。
親心どころではありません。
日本の左翼・文化人がよく使ういわゆる「棄民」思想・文化の面目躍如というべきでしょうか?
11月30日紹介したように韓国政府は戦後から現在まで日本からの犯罪人強制送還を拒否してきた歴史でした。
悪く悪く言えば、違法入国やヤクザ行為し放題にしてくれと言うのと同じでした・・。
これの基本政策を180度転換して韓国人が日本への帰化を希望しても帰化を認めない・・事実上困難化したとすればその目的は何か?でしょう。
昨日紹介した民団の説明(が正しく紹介されているとすれば)によれば
① 韓国法では兵役義務未履行者は国籍離脱の権利がない
② 日本は二重国籍を認めない制度設計になっている
③ 法改正まで国外長期滞在者は兵役免除対象だった=在日2〜3世に兵役義務を課せばほぼ全員が兵役法違反状態となる。
①+②+③=今後在日は兵役義務を果たさない限り帰化できない
かのような説明ですが、②の制度設計という意味を国籍法で確認すると、原則という意味のようです。
以下民団解説と称する解説内容・について日本国内法部分が正しいかのチェック・吟味してみました。
国籍法によると以下の通り例外的帰化制度が用意されています。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000147

https://open.mixi.jp/user/9931310/diary/1964717210
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)
最終更新: 平成三十年六月二十日公布(平成三十年法律第五十九号)改正
第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
三 素行が善良であること。
四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。
五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
2 法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
第六条 次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
二 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
三 引き続き十年以上日本に居所を有する者
第七条 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するものについても、同様とする。
第八条 次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

以下省略

上記のように日本国籍法には過国籍離脱できない場合でも例外規定がいっぱいあって、ネットで大騒ぎするほど帰化妨害にはならないようです。
例外にたよる場合法務大臣裁量の幅が広くなりそうで帰化できるかどうかの不安が高まる方向になるのは確かでしょうが、その程度のことです。
特に5条2項が韓国の兵役制度改正→国籍離脱障害化によって影響を受ける在日に対する救済条項になりますが、この場合、二重国籍承認になりますのでその具体的効果に解釈の必要があって当事者には不安定な状況になります。
例えば韓国籍が残っているので兵役拒否による逮捕状が出た時に日本国民には韓国での兵役の義務がないから、「日本の法律では犯罪ではない」と日本政府が拒否できる(日韓引き渡し条約第2条)ように考えられますが、日本国籍を先に取得していないとダメでしょう。
この点が心配なら徴兵の通知が来る前に早く帰化申請すれば済むことですが、もともと犯罪歴があるなど帰化条件に合致しないので申請しなかった在日にとっては、韓国の兵役法改正によって帰化できなくなったというネット主張の流れと関係ないことです。
昨日紹介の民団新聞解説によると日本では軍役経験者は帰化が認められないとありますが、国籍法にそのような条文がなく運用上そうなっている意味かもしれません。
運用によるとしても軍役経験者一律不許可の合理的根拠不明・裁量権逸脱可能性が高そうですから、運用の解説としても拡大・尾鰭のつけすぎ?曲解・邪推の類でしょう。
さらに、上記説明によると1年内の再入国期間が過ぎると再入国できないと書いていますが、出入国管理難民認定法を見ると永住権資格などの資格に応じた再入国期間があるので在日2〜3世のように永住資格のある人は、再入国期間が1年に限定されません。
※みなし再入国期間は1年ですからみなし再入国制度を利用した場合は解説通りですが、みなし制度を利用しないで正規再入国許可申請手続きすれば良いのではないでしょうか?
しかも特別事情があれば6年以内の延長可能なようですから、仮に兵役期間中で帰れないならばこれに当たるでしょうか。
何れにせよ兵役に服しても再入国にはほとんど問題がなさそうです。
以上のようにネット検索で簡単に分かる日本国内法を見ただけでも事実に合わない主張が多すぎることになります。

在日韓国人の自由度5(兵役義務違反と本国引渡1)

どういう場合に兵役義務違反になるのでしょうか?https://open.mixi.jp/user/9931310/diary/1964717210

在日の徴兵免除は廃止された!
以下は民団新聞より↓
2014年6月より、在外国民は、「海外旅行者(長期国外旅行者)」です。韓国(朝鮮)籍の在外国民で「帰化(日本国籍の複数国籍者)・2重国籍(両親のどちらかが韓国籍)・特別永住・一般永住」の皆様、全てです。
大韓民国兵役法第70条によると、例えば1988年生まれの大韓民国国籍の男性のうち、24才以前に韓国を出国後、継続して国外に滞在している者は、2013年1月15日までに必ず 兵務庁からの国外旅行許可を得なければならないとのこと。
万が一、許可なしで国外に滞在したり、許可期間内に帰国しない場合は、兵役法第94条によって告発され、旅券発給制限等の行政制裁を受け、外国での滞在を認めないとのこと。つまり、対象者は韓国政府発行のパスポートが発券されなくなり、パスポートがない在日韓国人には、在日特別永住者証明書が無効となる。

上記をまとめると、以下となる。
① 兵役法違反の在日韓国人は、「韓国籍旅券発給制限等の行政制裁で外国での滞在を認めない」。つまり、韓国政府発行のパスポートが発券されず、韓国籍のままで日本国での永住又は滞在は違法扱いになる。
② 韓国の法律では、徴兵に応じないと韓国籍を捨てられない。
③ 日本の法律では、外国籍を捨てられないものは帰化できない。
④ 日本の法律では、軍隊経験者は帰化できない。

ところが、在日韓国人男性の大半は、大韓民国兵役法第70条並び兵役法第94条違反に該当しているとのことだ。
1)改正韓国兵役法 第8章 第60条&第64条で、「長期旅行者」の徴兵免除は廃止。
2)改正韓国兵役法 第14章 第86条で、逃亡・潜匿等をした者は1年以上の禁固刑。
3)日韓犯罪人引渡し条約 第2条で、「どちらかの国で犯罪」であれば引き渡し。
4)兵役忌避の在日は韓国本国に引き渡され、懲役1年以上に加えて兵役2年。合計3年以上韓国に滞在。
5)新在留管理制度のみなし再入国許可による出国なので、1年以内に再入国しないと在留資格を喪失。
追)改正韓国兵役法では「良心的兵役拒否」は認められていない。

上記は民団新聞よりと書いているのですが、何年何月の民団新聞からの引用かも不明で、本当に民団新聞によるのか不明ですが一応引用しました。
従来長期外国滞在者(主に在日でしょう)は兵役免除だったのが、12年法(施行は14年から)でその制度が廃止された結果、在日男子の大半が兵役義務未履行=国籍離脱不能となる仕組みのようです。
在日2〜3世代になっている現在いきなり兵役免除制度を廃止して徴兵に応じなければ懲役刑というのはいかにも乱暴ですが、韓国法については、職務上必要な時には大使館等に問い合わせて取り寄せなどしますが、いつも書くようにこのコラムは手の空いた時に思いつきで書いているのでそういう職務でやるようなことまでしていませんので、韓国法のチェックはできません。
この数十年間日韓関係が悪化の一途になっているのは、在日の日常行動に責任があって生じているのではなく、韓国政府の反日政策シフトに原因があることは明らかです。
右翼系ネットでは、在日の敗戦時の悪行をあげたり現在の在日の多くは朝鮮戦争で逃げて来た人が中心であるなどいろいろ言いますが、要は現在の日韓関係悪化の原因ではなく悪化したので旧悪を掘り起こしている逆の関係です。
日本ではヘイトスピーチが人権保護上の大きなテーマになってきたほど「いつまでも日本に帰化しないで外国人参政権の要求などグダグダ要求ばかりするな!→在日特権を許すな!と大合唱になっている状態です。
この種批判は人道的に問題があるとは言え、もしも右翼がいうほど帰化が容易でないから帰化できないで今になっているとすれば、在日も気の毒です。
本国政府が日本政府に対して帰化の許可運用緩和を申し入れる・交渉ごとにはギブアンドテイク的引換条件提案が筋でしょうが、反日強化一方の状態で同時申し入れしたのではまとまるものも纏まらないでしょう。
そこで反日運動緩和するよりは開き直ったのが、日本右翼に追い込まれている在日の帰化選択という退路を断つ戦略でしょうか。
韓国の表向きの立場は在日の帰化運用緩和など求めていない(日本に弱みを見せられない)という開き直り・・強気政策でもあるでしょうが、兵役法改正や住民登録制度など総合施策を見ると本音は在日に対する影響力強化政策にあると見るべきでしょう。
本国が反日運動中なので、日本での居心地が悪くなると思う在日は早く国に帰れと言われても、2〜3世世代になると言葉も通じず習慣も違ってきているので無理があります。
民族とはもともと文化・生活習慣〜価値観が一体化したものとすれば、もはや2世3世ともなれば現地民族に同化していることになる以上は、「帰ってこい」と強制するのは人道的に無理な要求です。
韓国では兵役中のいじめのすごさが有名ですが、韓国語もまともに話せない在日がいやいや入営した場合のいじめのすごさが想像されて99%の在日が兵役に服すための帰国など考えることもできないのが現状でしょう。
兵役義務免除廃止(が本当とすれば)の酷さは、これは自分の子供が外国居住が長くなり、生活手段もすべて外国にあるのを考えれば親の介護のためであろうとも職を捨ててすぐ帰れというのは無理なのと同様ですぐに分かることです。
同胞保護をするのが本国政府の責務とすれば、在外国民がその地に溶け込み2〜3世になってその国に永住したい人が増えればめでたいことと応援すべきでしょう。
めでたく帰化できれば、滞在国が仲間として受け入れてくれたことに対してお礼の一言があってもいいくらいですが、これまで見てきたように、逆に在日の帰化妨害制度を国内法で新設した上で、反日政策をより一層強化したとすれば文字通り逆張りあるいは開き直り行為です。
帰化するには本国に睨まれて徴兵対象にされないように心がけるしかないとすれば、在日が本国の要求を拒否できないし、本国を見捨てて逃げられないだろうという逆の発想によるとする右翼の曲解的宣伝も一定の合理性がありそうです。
反日政策を露骨に推し進めれば進めるほど、在日の肩身が狭くなり居場所がなくなる・右翼のいうとおり「日本に帰化しようかな!と在日の気持ちが揺らぐのを見越して、「兵役義務未履行者の国籍離脱不許可制度+在日兵役義務免除廃止」→帰化妨害効果になりそうです。

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