民意に基づく政治12(未熟社会とテロ5)

中韓では反日ならば何をしても良い・・犯罪にならないとなれば、そのうちに国内同士の争いでも気に入らない政敵がいれば、自分あるいは所属党派の考える正義のためならば、テロ・暗殺に走る障壁が軽くなって行くでしょう。
対外帳簿に不正がある企業あるいは北海道警察本部事件での簿外資金でもそうでしたが、企業内や組織で簿外処理が増えると関係者の私的使い込みも激しくなって来るのが普通です。
アラブ以外で現在暗殺が流行らないのは、宗教や人種対立に根ざした不満ではないからでしょうか?
フランス大革命時のジャコバン党に始まるテロも、元はと言えばカトリックによる新教徒へのテロに始まると言われてます。
中国では民族間対立も激しいようですが、それでもテロ・暗殺等に走らない様子ですから政府は安心して弾圧出来ます。
元々農業社会では集団行動が原則であるのに対して、アラブ等では個人プレーが原則という違いがあるからでしょうか?
指導者さえ暗殺すれば、相手の指導力が急激に落ちてしまう遊牧民の歴史に関係があるかも知れないという意見を12月1日に書きました。
政敵を葬るための暗殺は義挙でなんでもなく単なる殺人事件です。
集団間のテロの応酬も、正規軍の戦いではないと言うだけで一種の戦国状態・無秩序状態です。
戦国時代はそれぞれ領域があってその版図の取り合いですが、テロの応酬ははっきりした版図がなくお互いに出入り自由でイキナリ襲撃して殺し合うのですから、言わば暴力団の「出入り」に似ています。
テロの応酬はお互いに画然とした支配地域を持てない状態・・一定地域内ならば安全という場所を持てない状態です。
暗殺は指導者目当てが普通ですが、最近の自爆テロ等は、宗教施設やバザール等の庶民の集まりめがけて爆弾を仕掛けるのですから、集団抗争の一態様になっています。
国内対立による暗殺のスパイラル・・アラブ諸国やアフリカ諸国の部族間対立の手段になっているのでは、正義感での行動というよりは政治能力の未熟さにしか原因がないことになります。
韓国や中国の場合、身近に日本があるので内部対立を解決能力不足の回避策としての避雷針として反日を掲げて誤摩化すことが可能です。
反日ならばアメリカの覚えもいいし便利だったからです。
政治的対立による混乱が続く社会で、たまに強力な指導者が生まれて漸く乱世を統一しても、そうした政権は錯綜した勢力をつかねる能力に長けていても、平時の経済運営能力が低いのが普通です。
まして韓国では自分で乱世を統一したのではなく、日本敗戦→アメリカによる棚ぼたで政権獲得ですから、自力で統一した実績すらないのです。
「創業と守成いずれが難きか?」という問いが有名なように創業と守成は才能の方向性が違います。

貞観政要
貞観十年、太宗謂侍臣日、帝王之業、草創与守成孰難。
尚書左僕射房玄齢対日、天地草昧、群雄競起。攻破乃降、戦勝乃尅。由此言之、草創為難。
魏徴対日、帝王之起、必承衰乱、覆彼昏狡、百姓楽推、四海帰命。天授人与。乃不為難。然既得之後、志趣驕逸。百性欲静、而徭役不休。百姓凋残、而侈務不息。国之衰弊、恒由此起。以斯而言、守成則難。
太宗日、玄齢昔従我定天下、備嘗艱苦、出万死而遇一生。所以見草創之難也。魏徴与我安天下。慮生驕逸之端必践棄危亡之地。所以見守成之難也。今、草則之難既已往矣。守政之難者、当思与公等慎之。

権力奪取者はイスラム原理主義的思想あるいは共産主義思想で国内を縛ることは可能ですが、原理主義と(現在の経済思想を前提にする限りですが・・・)経済運営能力とは反比例的関係と思えます。

民意に基づく政治11(未熟社会とテロ4)

もしかすると中国では、「義」という概念の重みが、春秋戦国終了以来徐々に低下して長い間に消滅してしまったようにも見えます。
少なくとも今の中国人の行動を見ていると守銭奴という表現がピッタリ・・お金になるかならないかだけが価値基準の民族になっていますが、これはイキナリ出来上がるものではありません。
後漢のころから「義」などと青臭いことを言っていても意味がない社会になってしまい、次第に現世利益重視・守銭奴化して行ったのではないでしょうか?
日本では時代の進展にあわせて武士道のように命がけで守るべき道義が確立されて行きましたが他所の国では逆に道義が退廃化する一方のようです。
ある建築会社から事務所宛に毎月送って下さる情報誌が12月3日に届いたのですが、そこには日本の教育勅語が掲載されていました。
その現代語訳と言うか口語翻訳が素晴らしかったので、事務所内で話題になりました。
教育勅語については09/28/03「明治維新と学制改革(教育勅語)6」前後で連載しましたが、その中に現在人の価値ある行動が一人その人の価値を高めるのみならず先祖の名誉に関わるというくだりがあります。
もう一度紹介しておきましょう。

教育ニ關スル勅語(明治二十三年十月三十日)
朕惟フニ我力皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我力臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ済セルハ此レ我力國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ
是ノ如キハ獨り朕力忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我力皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

善良の行為をしていればその行為をしている人だけではなく、その先祖まで偉かったと思われるようになると言うのが以下の1文です。

「獨り朕力忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾(なんじ)祖先遺風ヲ顯彰スルニ足ラン」

現在人を見て、古代中国人の行動基準が守銭奴でしかない・・「義」のために動く人などいたの?と言う評価が広まっていますが、現在中国人を見て祖先の人品骨柄が推定されるのは仕方がないことでしょう。
チベット族も中共政府にどんなに抑圧されても焼身自殺したり抗議するだけで「義」に感じて抑圧者の暗殺や敵対民族への集団テロには走りません。
集団テロはロシアやアラブ・アフリカ諸国特有の現象なのでしょうか?
朝鮮族の場合、短絡的直情的ではありますが、これも暗殺に走るような傾向はこれまであまりありません。
「あまり・・」という意味は、ミンピ暗殺事件や安重根による伊藤博文に対する暗殺行為が有名だからです。
現大統領朴槿恵(クネ)は、安重根の顕彰碑を自国どころか外国である中国国内にまで建ててくれと首脳会談で迫ったということですから、現在の(暗殺をテロと言う)欧米式基準ではテロ支援国家性を世界に公言したことになります。
反日無罪・・、欧米の言うテロでも何をしても良いという一線を越えた政府トップの政策が公言されて、欧米の言うテロ賞讃政策が中韓で激しくなると、必ずこれが国内価値観に影響して来ます。

韓国民の行動様式12(虎の威を借る狐5)

東南アジアその他西洋の支配下に入った地域で植民地本国の傀儡となる少数民族支配を免れた国が殆どないことを見ても、戦争で完敗した直後の我が国でアメリカの策謀を跳ね返せたのは,まさに2000年以上続く民族の智恵の結晶・・大した智恵でした。
朝鮮人が米軍の後ろ盾で暴れても大した反抗をせずに、軍事弾圧・・後記の朝鮮軍による自国民保護/侵略の)の口実を与えなかったのです。
このときに朝鮮人が日本の支配階層になり損ねた恨みが、今でも何とかチャンスさえあれば日本を侵略したいというドス黒い欲望の源になっているのでしょうか。
米軍が日本支配の道具に朝鮮人を使おうとしていたことは、かなりの多くの人が(公式発令するようなものではないので公文書では残りませんが)事実上知っていることですが、最近これに加えてこれもネット情報に過ぎませんが、朝鮮戦争勃発の原因は李承晩による日本侵攻作戦の実施計画にあったと言う意見も出ています。
これによると彼は日本が完全武装解除した機会に侵略したくてウズウズしていて、軍を日本侵略に向けて出発させるべく集結させてまさに出航しようとしていた・・この結果南北国境沿いに備えていた北向けの軍を殆ど空にしていた隙をついて・・金日成軍が大挙南北境界線を越えてなだれ込んでん来たので無防備・・ほぼ空になっていた南軍は何の抵抗をするヒマもなく半島の南端まであっという間に占領されてしまったことになります。
北の軍は殆ど無抵抗な平原を行くがごとく半島南端まで短時間で占領してしまいます・・これは公表されている事実です。
北と南の軍隊はともに、日本敗戦後にわかに立ち上げた軍隊である点は同様ですし、民族・民度も同じで経験年数や戦力がほぼ互角であった筈なのに、一旦戦端が開かれると南軍は殆ど互角に戦えずに圧倒的な差になったのが不思議に思っている人が多いと思います。
元々北への備えを怠って北へ背を向けて日本侵攻のために軍を集結して出港寸前だったとすれば、背後を襲われた南軍は北朝鮮軍に抵抗するヒマがなかったので、半島南端まで殆ど全部占領される壊滅的打撃を受けたとすれば理解可能です。
李承晩軍はそもそも日本敗戦後アメリカの肝いりでイキナリ編成されたもので装備から普通の鉄砲の弾薬に至るまで何の自前生産すら出来ないし、アメリカ軍支配下の日本を侵略占領するなどの軍事行動を起こすには,当然アメリカ軍の(暗黙の)事前承諾がなければ出来ないことです。
アメリカ軍の承諾なしに出来る訳がないから日本侵攻計画に関する噂は事実無根と言って否定するか、逆にアメリカの承諾の元に軍事行動を起こそうとしていたかのどちらかです。
勿論承諾は文書で残すのではなく、暗号解読していながら真珠湾攻撃を不意打ち攻撃だと言い張って卑怯だと日本を追いつめたのと同様に、阿吽の呼吸で李承晩軍が上陸するまで気がつかなかったとする予定・・偶然アメリカ占領軍が九州地域をカラにしていたなど李承晩軍に配慮することだったことになります。
その上で国際社会の反応を見て国際社会の反応が厳しければ李承晩の責任を追及する(と言っても撤退を求めるだけ・・その条件に日本に対する何らかの譲歩・例えば壱岐・対馬だけの領有を認めるなど)し、反応が大したことがなければずるずると占領を既成事実化するような計画だったのでしょう。
如何に日本が無防備でも日本全土を占領するには、出来上がったばかりの李承晩軍では量的に無理ですから、さしあたり九州占領を目指して既得権益にしようと計画していたと言われます。
李承晩ラインの大型判です。
現在でも韓国軍は北からの侵攻に備えると称しながら、北朝鮮向けには不要な兵器・・長距離用海軍力増強にこだわっているし、日本攻略・・一度は日本人を奴隷支配したいと言う欲望を公言してやまない原型がココにあります。
朝鮮民族特有のハン・・恨みの文化と言っても、そのまま内心恨んでいる分には何らの害悪もありませんが、これが妬みの心と複合しているのが民族の不幸です。
日頃負けていると思っている相手(恨み・妬みの対象・日本に限らず国内でも医師やアシアナ航空機事故を起こした機長、企業家、政府高官など)が弱い立場になると、国を挙げてこの機に乗じて嵩にかかって責め立てる最低の道義(道義に反した行動基準)をもって、韓国人はハン(恨み)の文化と自称して悦に入っていることになります。
自分が仮に相手より強くても弱い者イジメをする人は最低ですが、相手が弱った隙につけ込む・・しかも韓国の場合自分が強いのではなく、トラの威を借りて自分より強い相手を捕まえて「弱い者イジメ」をどれだけ多くやったかを自慢する社会になっています。
レベルの低い個々人の行為なら、どこの社会にも犯罪者がいるように一定率卑劣な人間がいますのでまだ分りますが、国家を代表する大統領が率先して世界に発信する国って世界中どこにもないでしょう。
こういうことを自慢しても、世界最低の道義国家であることを世界中に宣伝することになるマイナス点すら分らないとすれば、道義の基準すら分っていない民族と評価されます。

「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや!」

は我が国では親鸞の教えとして知られていますが、韓国朝鮮族は善悪の基準すら知らないのですから、言わば善人で(だから国際社会で恥ずかしげもなくドンドン実行する)自分の悪行の意味すら理解出来ない相手ですから、度し難いことになります。

 モラール破壊12(司法秩序の内外1)

04/10/05「不平等条約改正に対する日本政府と清朝の違い(漢承秦制の思想と社会の停滞)」のコラムで中国人学者の書いた論文を紹介したことがありますが、秦帝国成立前の貴重な諸子百家の思想のうち、専制政治に都合の良い限度でしか思想の自由を認めない=本当の正義が何かの議論すら許さない・・「権力の決めたとおり生きてれば良い」と言う体制で二千数百年も経過しました。
(孟子の立派な思想も日本に輸出して終わりになり、中国人には君主に都合の良い言説しか知られていないのでしょう・・善悪に関する思想に限らず、美術工芸品も見るべきものがないのは、自由な発送が許されず型通りのものを造るしかない時代だったからです)
専制君主制しか知らない中国や韓国では、正義と不正義・犯罪処罰の基準が人倫の道に照らして正しいかどうかで決まるのではなく、権力者の意向・・それもその時々の政治権力に都合が良いかどうかで決まる社会でしたから、真っ当な正義感が育たないどころか逆に阻害されます。
中韓では正義の物差しがはなく、権力の決めた命令に従うことが第一でその次に権力の決めた基準に反しない限度で当面自分の利益になるかどうか・・この行動をするのには、嘘でも何でも主張してでも権力の気に入るような目的達成すれば良いという社会になってしまいました。
(いつ理不尽な首チョッパー・失脚があるか分らないので、いつでも遠くへ逃げられるように頼りになるのはお金だけという心情が生まれ、現在では権力の及ばない海外でのお金の蓄積に励みます・・これが家族まで海外に逃がしておく裸官がはびこる基礎思考です)
権力すり寄りが第一の基準ですから、今の「世界強国のアメリカに迎合して日本批判して何かを要求すれば良い」価値観で行動しているのが彼らです。
そしてアメリカの判断基準は、超法規的価値基準がなく、自国の利益になるかどうかであり、その判断を左右するのは資金力・・ロビー活動次第になっています。
こうして作り上げたルールも国内向けだけで対外的にはどんな卑劣な手段を弄しても許される・・国を挙げて世界に向けて事実に反した虚偽宣伝していると、これを見て育つ国民もそうなるのは当然で、国内道義が乱れて亡国の道を歩むことになります。
ところで、独裁政権の中国でも今では一応事前に決めた権力者の決めた法があり、その基準に合うかどうかを判定する裁判所がある以上、事前に制定された法・基準による生活さえしていれば良い筈ですが、共産党の利害に関連すれば・・司法秩序外の超法規運用・弾圧がまかり通っています。
明治憲法で「臣民の分際に反しない限度での基本的人権」という論争がありましたが、今の中国は「共産党支配」を侵害しない限度という枠内で法治国家になっているに過ぎません。
共産党の命令による拘束の場合・(天皇制否定のような明白な基準すらなく)超法規的に拘束されると共に、司法手続きから除外されてしまい、党内規律違反という意味不明の基準でヤミからヤミに葬られます。
共産党の何の規律に反したかさえ明らかではなく、共産党の命令ならば、何ら基準も要らないよう・・外部公表されない結果、仮に基準があったとしてもないのと同様です。
・・法輪功の訴えでは、どこかへイキナリ連行されると生きたまま、内蔵摘出されてヤミ市場で売買されている状態と言われています。
(法輪功関係者の主張の受け売りですから真偽不明です・・ただし、正式な臓器提供数と実際の手術数がまるで均衡していないことは事実のようですから、法輪功に限らずヤミで処罰された人の臓器や人身売買による臓器が市場に出回っていることは確かなようです。) 
今回の薄煕来事件自体その後ヤミに入ったままで、彼が生きているのかどうかすらまるで分っていません。
(対外的に検挙したことにして、実際にはどこかで優雅に暮らしてるのかもしれず、逆に今頃は誰かの内蔵に化けているのかも知れない不気味さです。)
妻の谷開来氏の事件は、イギリス人が被害者であることから公開裁判があったようです。
アメリカの場合、法治国家であると主張していますが、テロリストであれば司法秩序外で処理されても仕方ない仕組みになって来たようですし、(グァンタナモ基地での拷問が無制限・自由に行なわれて来たことは周知のとおりです)対外的行為・・アフガン等では戦闘員がテロリストと見れば自由に殺していて彼らに法の保護はありません・・こう言う非人道的なことばかりしてるからアラブ諸国ではアメリカに対する憎悪が蔓延しているのです。
古代ローマでは市民権があったのは市民だけであるように、アメリカで法の保護を受けられるのは、(当初黒人が除かれていましたが)アメリカ市民権を持つ人のみであり、今では諸外国(主として非白人)が埒外です。
このようなご都合主義的な二重基準(背信性)が、2013-5-31「強者の論理3とモラール破壊5」で書いたように、国民の価値観を分裂させないでは置かないでしょう。
我が国では外国人と同居したいと思う人は少ないものの、具体的生活での人種差別はありません。
欧米では法や思想面だけ人種差別反対で、日常生活ではもの凄い差別意識で生活している・・言わば虚言・偽善社会です。
この偽善道徳に自分が縛られてしまい、アラブやアフリカ諸国の移民をドンドン受入れるものの本音ではもの凄い差別意識があるので、結果的に移民が不満を持って人種騒動を起こす原因なっています。
我が国では、学校教育で「万物の霊長」という西洋の思想を知って先ず天地がひっくり返るほど驚きますが、人種差別以前にどんな動植物も我が子のように大切にする社会です。
私などは、自宅の花壇の植え替え時期が来るとまだけなげに咲いている花を引き抜くのにためらいがあって、何日も迷います。
しかし,植え替え用に購入した次の苗を放っておけず、アハレと思いつつ遂に全部引き抜くことになります。

TPP12とアメリカ支配4(一体化と本社機能1)

TPP参加国では、関税が基本的になくなり製品規格やルールも共通で完全な自由競争・・国内都道府県間競争のようになるとどうなるでしょうか?
大都会と一定の距離(これこそが障壁です)があることによって独立的経済圏を維持していた地方都市が、交通の便がよくなることによってストロー化現象に見舞われるのと同様に、弱小国はアメリカに吸い取られるばかりになるのでしょうか?
最近までアメリカの庭と言われていた中南米諸国では、アメリカの覚え目出たい独裁軍事政権とその下で貧困に苦しむ民衆・・まさにこれと言った産業が育たないまま貧困化が進む一方でした。
独裁政権はアメリカに地位の保障してもらう代わりに、国内産業育成のための抵抗をしないで来たからです。
この傾向は中南米に限らずアラブ産油国の王族等に共通の立場でした。
これに反発する民族主義勢力・・ナセルによるエジプト革命やパーレビ王制打倒、リビヤのカダフイ大佐の革命、イラクのフセイン政権樹立になって行ったのです。
アメリカは日本の朝鮮半島支配を批判しながら、自分はフィリピンを植民地にして支配していましたし、日本が解放したインドシナ半島では、フランスの再植民地支配の応援をし、フランスが撤退するとその後に自分が南ベトナム政府を作って中南米やアラブ諸国同様の傀儡軍事政権を樹立しましたが、所謂ベトナム戦争で敗退しました。
このように見て行くと戦後アメリカは直接的な植民地支配の代わりに傀儡軍事政権を作って間接支配して来た地域のあちこちで、ほころびの連続であったことになります。
日本進出地域では全て近代工業化に離陸して行くのに、アメリカの関与する地域では全て極貧化が進むのは何故かと疑問に思う方が多かったと思いますが、これは上記のとおり19世紀型直接植民地支配の形を変えた現地搾取の構造だったからです。
日本の朝鮮・台湾支配に関しては、欧米が自分がやって来たことを日本もやったに違いないと想像して搾取奴隷化を前提に非難しますが、誰でも知っているように日本の朝鮮支配は現地進歩に少しでも協力しようと搾取どころか持ち出しばかりの歴史でした。
ご存知のようにソウル帝国大学は、国内の大阪帝国大学よりも先に設立されています。
女学校その他も国内設備よりも立派なものが出来ていますし、植民地人が学ぶための設備を本国よりも立派な設備で先に作るような国がどこにあったでしょうか?
この精神が戦後の東南アジア進出でも連続していて、日本の関係して来た国は全て豊かになっています。
アメリカ型の傀儡政権支配はどこでも行き詰まっているので、今度はTPPに取り込んで・植民地支配の再構成・ストロー化してしまおうという魂胆ではないでしょうか?
一体化・・これは軍事支配によらない自主的参加です・・懐に入ってしまえば、日本のように近代産業分野でアメリカを逆に攻略出来るような国は殆どないでしょうから、彼らは実質アメリカの属州・支配下になるのを覚悟で参加しているのでしょうか?
マトモな先進国と言えるカナダやオーストラリアでも、これと言った強い近代産業があるとは聞きませんし・・その他ブルネイ・ニュージーランドなどはマトモに戦えるような産業があるとは思えません。
ただし、現在有力企業が存在しなくともアメリカと一体化することによって、大きな市場で起業するチャンスをつかんで成功するニュージーランドの青年が出ないとは言い切れません。
しかし、地方出身者が大きな舞台で成功すれば本社をアメリカ等の大都会に置く・・移転することが多いので、アメリカとしては国内企業の入れ替わりに過ぎず全然困りません。
日本の戦前の例で言えば、九州の田舎で成功すれば福岡に進出して九州全体の企業になり、次いで大阪に進出して関西方面の大手になれば本社を大阪に移し、日本全体でも大手大企業になればその多くが本社を大阪から東京に移してしまう・・このように販路の拡大に応じて本拠地を移して行くのが普通でした。

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