民度と政体3(新興国2)

リーマンショック以降の輸出急減によって、中国の理想的な支配構造が壊れてしまいました。
中国の高度成長は、内需よりは世界の低賃金工場としての輸出主導経済でしたが、リーマンショックで輸出が急減したのでに慌てて、4兆元と言う巨額財政出動による内需拡大に努めました。
これは、輸出企業・国有企業の急激な生産減・倒産防止・・共産党幹部・・政権支持層の維持を優先するとともに、内需転換出来る企業と関連雇用確保との二兎を追うものでした。
国内インフラ投資やこれに必要な製鉄など重工業系の生産力増強投資から始めたことになりますが、縫製工場などの労働力とは質が違うので、これらの生産急減(失業)に対する救済にはなっていませんし、国民の消費水準引き上げにはそれほど寄与していませんでした。
(これがいつ革命が起きてもおかしくないと言われるほどのジニ係数急激悪化・・格差拡大の原因です)
4兆元の巨額財政支出は国内インフラ産業の成長を促しましたが、需要がないのに無茶苦茶に作ったものですから、数年経過で完成が始まるとその咎めが出て来ます。
ゴーストタウン化したマンション群や、誰も乗らない高速鉄道ばかりではいくら国営企業で採算度外視と言い張っていても困ってしまいます。
さすがにこれ以上作れなくなって過剰生産能力のはけ口として、鉄鋼製品に限らず素材産業全般で出血輸出拡大が続いて、今や世界の大迷惑になってしまいました。
出血輸出・・赤字ではいつまでも続きませんから、国有企業等の生産削減・・淘汰が始まるしかありませんが、そうなると党幹部・太子党・・あるいは国有企業関連で良い思いをして来た一部の人・・地位の高低に応じて大小の利権差がありますが、結構な数です・・政権支持層内の不満が出て来ます。
独裁政権にとっては内部不満が一番怖いので・・これが習近平政権の内部粛正・汚職退治と言う恐怖政治に連なっていると思われます。
今の兵器は半端ではないので、民衆蜂起などいくらあってもその都度残虐な弾圧を出来るので(南京虐殺と言う宣伝は、自分ならば、この程度のことは朝飯前にやれると言う意思表示です)政権は全く気にしていませんが、政権内部の内部抗争は軍事力がいくらあっても防げませんから、これが一番の不安要因です。
生産設備が過剰になっただけではなく、出来上がった設備稼働率を上げる必要・・ゴーストタウンを縮小し鉄道などの利用者を増やす必要が出て来ました。
約2年前から政権維持のためにも皮肉なことですが・・国内需要が必要→いよいよ国民の消費水準比率を引き上げる内需拡大しかなくなって来ました。
消費水準が上がると、これに比例して民衆の政治意識が上がるのは明らかです・・。
国民の消費水準を引き上げるために強引に最低賃金引き揚げをこの数年行なって来たので、却って輸出競争力が落ち込み→工場閉鎖が始まっています。
生活水準向上→政治意識を高める施策でもあるので、意識と民度のバランスが悪いと、言いたい放題・要求ばかりが突出して、社会が混乱してしまいます。
中国がGDPで日本を追い越して世界2位になる(GDP統計の粉飾があるので本当のところは分りませんが・・)と世界中で威張り散らすようになったのは、民度の低さを国際レベルで露呈していることに気が付いていないのです。
これを国内個々人でみんなが札ビラを切ったりして威張り散らす社会を想像すれば分りよいでしょう。
中国では、日本から技術導入で学んでその通りものを造れば良かったので、高度成長期には政治能力も不要で単純でしたが、反日に舵を切ったころから迷走し始めました。
独自政策立案能力がない・・政治を支える国民もそう言う経験がないので仕方がないことです。
国威発揚のためにIMFのSDR指定を受けるのに成功すると、国際的な資金移動の自由化を加速するしかなくなって、資金流出等のリスクが高まるリスクが起きているのと同じで、ここの所中国政府は何をやるにも不都合な結果ばかりが起きています。
反日暴動が外資流入減の引き金になり、国威発揚のつもりの南沙諸島埋め立て強行がアメリカ軍海軍の出動を呼び込んで国際孤立するばかりか、国内的にも格好がつかなくなるなど・・。

民度と政体2(新興国2)

折角安定していた社会組織の批判を無責任に煽りまくった挙げ句に、混乱が生じて難民が大量発生すると、これを日本が受入れるべきだと、またまた、人権活動家らしい「立派な」?運動をしています。
人道支援と称して結果的に難民を大量に作り出している活動家がどう責任を取ってくれるのか?と問いたい人が多くなって来るのではないでしょうか?
アラブに限らず、韓国もアメリカの影響で、能力(民度)を超えて民主化したものの、まだ自由な発言を認めると収拾のつかない社会ですから、政権維持のために不満のはけ口としていつも日本批判するしかない状態になっています。
軍事政権から民政に移行してから反日宣伝が目立つようになったのは、そのせいです。
北朝鮮支配方式・・まだ強力な指導者の元で、モンク言わずに従う方が、韓国の民度に合っていると思われます。
中国の台頭・・国際情勢の変化によって、・・韓国の反日攻勢にアメリカが良い顔をしなくなって・しかも内政の方は、経済悪化等で日本批判ばかりしていられなくなって来ると、政権の逃げ道がなくなってモロに内政混乱が始まると想定されます。
中国の場合、独裁体制なので、北朝鮮同様に国民を操縦出来ていますが、中国の言論政治活動の自由化が民度を越えて一定以上に進むと内政の収拾がつかなくり、今以上に対外・・軍事威嚇行為が多くなる筈です。
マスコミは、中国が豊かになれば民主化が進み、民主化が進むと対外膨張・威嚇行為がなくなると楽観論で中国支援に熱心ですが、私は反対の考えを持っています。
価値観共有と日米同盟を賞讃しますが、同盟自体は良いとしても、民主国家なら戦争しないと言う意見は間違いです。
江戸幕府に限らず李氏朝鮮も清朝も世界中どこの国でも、もとは国家は軍事政権で成立していますが、幕府は対外戦争をしていません。
「政権が安定しているときには、対外戦争する必要がない」と言う方が、古代からの鉄則でしょう。
アメリカは民主国家だったかも知れませんが、13州から始まって膨張主義・・大陸をはみ出してハワイ〜フィリッピンその他侵略行為のオンパレードです。
侵略戦争が終わったのは正に中国市場を争った対日戦争が最後だったでしょう。
(沖縄・小笠環環を返したので領土野心を後から放棄したことになります)アメリカは
第二次世界大戦をアメリカは民主主義対軍事政権との戦いであったかのように史実をねじ曲げていてそれをまだマスコミが信奉しているだけです。
戦後、虚偽史実ねつ造によって、もはや植民地戦争を出来なくなりましたが、その代わり世界の警察と言う名分でしょっ中、産軍複合体の影響で戦争ばかりしてきました。
むしろ、政権が弱いと、対外冒険主義に走り易い・・民意の動向に弱い民主主義と戦争は、結構縁が深いのです。
中国の場合、自由な言論を冷静に行なえるほど民度が上がっていないので、豊かになるのに比例して言論の自由を認めると大混乱に陥るのは明らかです。
国民の発言力アップに対抗するために経済力のついた分の多くを治安・取締中心にお金を使うようになっていますし、対外国威発揚用の軍事力拡大に向けるしかないのです。
そこで・・国有企業の設備投資・・特権層に中心にお金を回し、残りの資金は最大限軍事力・公安・権力強化中心に向かいます。
国民生活水準を引き上げれば、その分政府に対してうるさくなるのが目に見えているので、出来るだけ国民の生活水準引き揚げは遅い方が良いと言う政策・・その結果、内需比率が極端に弱かったのが、今になるとこれが経済のアキレス腱になってきました。
国民が豊かになると批判的になるので政権にとっては危険ですが、政府としては党に忠誠を誓う・・あるいは党幹部であることによっていい思いをしている特権グループに限定して、経済的恩恵を与えても、彼らが反政府的になることは滅多にありません。
北朝鮮がいくら貧しくとも国民が不満をあまり言わないのは、この仕掛けです。
中国あるいは独裁政権の場合、党幹部・政権支持層だけ成長の恩恵を受けさせて(非合法な資金蓄積を黙認し、刃向かえば汚職で検挙する脅し)国民の方には、経済成長のおこぼれを僅かに与えて喜ばせる・・裸足で歩いていた程度だった庶民に近代的工場で働かせて1日数十円程度の収入から数百円の収入にしてやれば国民は大喜びするだけで、まだ政治要求までには行きません。
中国にとっては初期の成長段階では、支持層への巨額バックペイ(賄賂黙認)と低賃金労働者の大量輩出が理想的に運営されていました。

政体と民度2(新興国1)

リーマンショック以降の輸出急減によって、中国の理想的な支配構造が壊れてしまいました。
中国の高度成長は、内需よりは世界の低賃金工場としての輸出主導経済でしたが、リーマンショックで輸出が急減したのでに慌てて、4兆元と言う巨額財政出動による内需拡大に努めました。
これは、輸出企業・国有企業の急激な生産減・倒産防止・・共産党幹部・・政権支持層の維持を優先するとともに、内需転換出来る企業と関連雇用確保との二兎を追うものでした。
国内インフラ投資やこれに必要な製鉄など重工業系の生産力増強投資から始めたことになりますが、縫製工場などの労働力とは質が違うので、これらの生産急減(失業)に対する救済にはなっていませんし、国民の消費水準引き上げにはそれほど寄与していませんでした。
(これがいつ革命が起きてもおかしくないと言われるほどのジニ係数急激悪化・・格差拡大の原因です)
4兆元の巨額財政支出は国内インフラ産業の成長を促しましたが、需要がないのに無茶苦茶に作ったものですから、数年経過で完成が始まるとその咎めが出て来ます。
ゴーストタウン化したマンション群や、誰も乗らない高速鉄道ばかりではいくら国営企業で採算度外視と言い張っていても困ってしまいます。
さすがにこれ以上作れなくなって過剰生産能力のはけ口として、鉄鋼製品に限らず素材産業全般で出血輸出拡大が続いて、今や世界の大迷惑になってしまいました。
出血輸出・・赤字ではいつまでも続きませんから、国有企業等の生産削減・・淘汰が始まるしかありませんが、そうなると党幹部・太子党・・あるいは国有企業関連で良い思いをして来た一部の人・・地位の高低に応じて大小の利権差がありますが、結構な数です・・政権支持層内の不満が出て来ます。
独裁政権にとっては内部不満が一番怖いので・・これが習近平政権の内部粛正・汚職退治と言う恐怖政治に連なっていると思われます。
今の兵器は半端ではないので、民衆蜂起などいくらあってもその都度残虐な弾圧を出来るので(南京虐殺と言う宣伝は、自分ならば、この程度のことは朝飯前にやれると言う意思表示です)政権は全く気にしていませんが、政権内部の内部抗争は軍事力がいくらあっても防げませんから、これが一番の不安要因です。
生産設備が過剰になっただけではなく、出来上がった設備稼働率を上げる必要・・ゴーストタウンを縮小し鉄道などの利用者を増やす必要が出て来ました。
約2年前から政権維持のためにも皮肉なことですが・・国内需要が必要→いよいよ国民の消費水準比率を引き上げる内需拡大しかなくなって来ました。
消費水準が上がると、これに比例して民衆の政治意識が上がるのは明らかです・・。
国民の消費水準を引き上げるために強引に最低賃金引き揚げをこの数年行なって来たので、却って輸出競争力が落ち込み→工場閉鎖が始まっています。
生活水準向上→政治意識を高める施策でもあるので、意識と民度のバランスが悪いと、言いたい放題・要求ばかりが突出して、社会が混乱してしまいます。
中国がGDPで日本を追い越して世界2位になる(GDP統計の粉飾があるので本当のところは分りませんが・・)と世界中で威張り散らすようになったのは、民度の低さを国際レベルで露呈していることに気が付いていないのです。
これを国内個々人でみんなが札ビラを切ったりして威張り散らす社会を想像すれば分りよいでしょう。
中国では、日本から技術導入で学んでその通りものを造れば良かったので、高度成長期には政治能力も不要で単純でしたが、反日に舵を切ったころから迷走し始めました。
独自政策立案能力がない・・政治を支える国民もそう言う経験がないので仕方がないことです。
国威発揚のためにIMFのSDR指定を受けるのに成功すると、国際的な資金移動の自由化を加速するしかなくなって、資金流出等のリスクが高まるリスクが起きているのと同じで、ここの所中国政府は何をやるにも不都合な結果ばかりが起きています。
反日暴動が外資流入減の引き金になり、国威発揚のつもりの南沙諸島埋め立て強行がアメリカ軍海軍の出動を呼び込んで国際孤立するばかりか、国内的にも格好がつかなくなるなど・・。
内部抗争の結果、政権の危機が来るたびに対外冒険主義行為が増え、経済力に比例して軍事力が大きくなっていることから、今後の中国は世界にとって危険性が増す一方の存在になります。
原油価格下落による経済危機乗り切りのためにロシアが始めたウクライナ危機、あるいは習近平成権の政権危機に発した対外冒険主義の動きを見れば内政危機があると安易に対外行動に結びつける傾向が明らかです。
韓国の場合、軍事力が及ばないから、日本の悪口、宣伝活動に精を出すしかないのですが、その根っこは同じです。
中国は改革開放政策以降、低賃金労働を基礎にした大量生産工場を世界から引き受けて輸出に頼って来たのですが、リーマンショック後輸出だけではどうにもならなくなってきたので仕方なしに内需拡大に努めましたが、国内インフラ投資や生産力増強投資に注力して消費水準引き上げには注力してきませんでした。
(これがジニ係数急激悪化・・格差拡大の原因です)
この1〜2年前から、ヤミクモな生産力増強投資に無理が来た・・過剰設備に苦しむようになったので、いよいよ国民の消費水準比率を引き上げる内需拡大しかなくなって来ました。
消費水準が上がると、これに比例して民衆の政治発言力が上がる・・このとき発言力と民度のバランスが悪いと、言いたい放題になって、社会が混乱してしまいます。
国威発揚のためにIMFのSDR指定を受けるのに成功すると、国際的な資金移動の自由化を加速するしかないので、資金流出等のリスクが高まるのと同じです。
今の兵器は半端ではないので、民衆蜂起などいくらあってもその都度残虐な弾圧出来るので(南京虐殺と言う宣伝は、自分ならば、この程度のことは朝飯前にやれると言う意思表示です)政権は全く気にしていませんが、政権内部の内部抗争は軍事力がいくらあっても防げませんから、これが一番の不安要因です。
内部抗争の結果、政権の危機が来るたびに対外冒険主義行為が増え、経済力に比例して軍事力が大きくなっていることから、今後の中国は世界にとって危険性が増す一方の存在になります。
原油価格下落による経済危機乗り切りのためにロシアが始めたウクライナ危機、あるいは習近平成権の政権危機に発した対外冒険主義の動きを見れば内政危機があると安易に対外行動に結びつける傾向が明らかです。
韓国の場合軍事力が及ばないから、日本の悪宣伝活動に精を出すしかないのですが、その根っこは同じです。
中ロや韓国あるいは新興国の経済力がついても、これに比例して急激に民度が上がることはなく、その力・エネルギーが内政にむくと混乱が待っているだけですから、エネルギーの発散には、軍事力や対外攻撃に転嫁するしかないので、対外冒険主義のリスクが高まるだけです。
何回も書いていると思いますが、日本の明治維新が成功したのは、江戸時代には庶民レベルの民度が高かったことによります。
新興国の場合、先進国が順次発展して来た生産技術や社会技術を同時的一斉の導入ですから、経済成長が急激である分に反比例して、人間的成熟が追いつきません。
外部から設備導入による(自力開発部分が少ない)借り物経済の場合、民度が経済成長に比例して上がる訳がありません。
まして意識の変革には、何世代もの世代交代が必須です。
借り物技術による急成長は目覚ましい分に比例して、急激に金持ちになったいわゆる成金体質でしかありませんから、文化・政治経験・・総合力としての民度が追いつきません。
(法制度もいろんな経験による修正の繰り返しで成熟して行くものですが、後進国が経験もなしにその結果だけ真似してもうまく行きません。)
上記の結果、中国などは新興故国は急激な生活水準引き上げが始まると不満だけは一人前になりますが、社会能力や政治的妥協能力が低いので政治不安定になるのは必至です。
北朝鮮のように成長しないで貧しいままの方が、政権が安定します。
中国のように一旦国民がある程度成長の恩恵を受けてしまうと、経済失速に不満が出るので輸出低迷期に入ると、経済規模縮小よりは内需拡大して経済規模を維持するしかないのが苦しいところです。
(国民が豊かになると批判的になるので)政府としては党幹部だけ成長の恩恵を受けて国民の方は貧しいままでいるのが落ち着きがいいのですが、輸出が駄目になってからも続けて来た国内インフラ・・無駄な投資が一巡してこれ以上出来なくなると、国有企業等の生産削減・・倒産が始まると党幹部・・あるいは国有企業関連で良い思いをして来た一部の人・・結構な数です・・の不満を無視出来ません。
急激な不満をなくすために国内インフラ生産に転嫁して何とか誤摩化して来たのですが、その仕事もなくなる・・ソフトランデイングさえ出来なくなってきたので、そのインフラを利用して国民に商品を買わせる・・貧しくて乗れない庶民でも、地下鉄や高速列車に乗せるしかない→国民所得を上げるしかなくなったのが最低賃金引き上げラッシュの原因です。
これをやると国民の政治発言力が上がって大変なことが始まりますが、経済面では低賃金生産工場の魅力がなくなってしまい、輸出が更に減るだけではなく、資金流入が減るだけではなく逃げ出すジレンマに陥ってしまいました。
その次に思いついたのが昨年末以来の株暴騰の演出でしたが、実態を伴わない腕力相場ですからこの8月でポシャってしまいました。
(この相場を利用してプロの外資は売り逃げ出来て、経済実態を知らない庶民が高値づかみした結果になっているでしょう)
文化人・マスコミは頻りに、中国を豊かになるのに協力すれば、民主化が進んで対外冒険主義がなくなると言う宣伝をしています。
彼らは、もしかして歴史を知らないか、または世界征服の野望を遂げたい中国の意を受けた国際プロパガンダに精出している過ぎません。
民主化に適合する民度に至っていない中国の場合、野望があろうとなかろうと、豊かになればなるほど内政が難しくなる一方ですから、この不満をそらすために軍事力強化・・近隣国を威嚇するようになる一方と見ておくのが妥当でしょう。
今ではまだアメリカが出て来るとどうにもなりませんが、その内アメリカの軍事力と拮抗して来るとアメリカもリスクが高くなるので、おいそれとは出て来られなくなります。
今は、通常戦力ではまだ日本海軍の性能や練度には中国軍は叶わないといわれていますが、これも中国が経済力上昇以上に軍事力強化に努めていると、その内に日本を追い越すこともあり得るでしょう。
そうなるとフィリッピンやベトナムに対するのと同様に、日本など歯牙にもかけない傍若無人ぶり・・白昼公然とあちこちの離島を占領するようなことが行なわれるでしょう。
こうなって行くのを座して見ているかどうかの覚悟が、日本と周辺国に問われています。

民度と政体(人権活動家の役割)1

少数者の人権救済のために努力し・・個別救済を続けて徐々に社会意識が向上して大きな制度発達に繋げるのは意義があります。
しこしこと積み上げて行く程度では満足出来ずに、功名心に駆られるのか?その地域のレベルに応じて機能している組織を非難して、伝統的組織破壊を目指して運動するグル−プもあります。
成果が出れば華々しいのですが、デモや騒乱で政権を取ったグループには社会運営能力がないので、社会混乱が始まり、結果的に何十万〜百万単位の難民・不幸を作り出してしまうことが多いのが現実です。
隣の新しいビルの方が格好良いからといって、自分が最新式ビルを建てる能力もないのに「こんな古いビルを壊してしまえ」と壊してもその先が続きません。
解体業者は素人よりはビルの構造に詳しいかも知れませんが、ビルを新築するのは無理があると言えるでしょう。
国民の苦難など全く気にしないで、旧組織を壊してしまうことに自己満足している集団は、結果的に社会秩序破壊に熱心なテロ集団と大差ないと思われます。
日本の場合、民主党が政権担当経験がない・・運営能力欠如で大混乱になる前に、自民党に政権交代したので助かりましたが・・。
エジプトやタイの場合、軍事政権化して漸く落ち着いている状態です・・軍事政権ならば「悪」と決めつける方がおかしいのです。
日本の歴史で言えば、折角戦国社会を統一した信長や秀吉、徳川政権の時代に、仮に民主化の進んだ国があった場合、これを軍事政権だからと外国勢力が介入して、元の戦国時代に戻して良い訳がないでしょう。
世界では日本の戦国時代以前程度の段階の国が一杯あるのです。
戦国時代まで行かない・・蘇我氏と物部氏の争い程度の段階の国の場合却って先進国の制度を強制・移植するのが簡単です。
その国の実情・・民度に応じた政体が必要なのです。
最近の例では、ミャンマーのスーチー氏の政権担当能力が今後試されます。
スーチー氏の人脈は運動家中心で実務経験がないので、彼らの論功に頼り切ると大変です。
政敵だった意見有力者取り込み(取り込みと言うと聞こえが悪いですが、協力関係)に成功しない限り、うまく行かないでしょう。
人権活動家は、人権尊重と言うだけで具体的政治経験がないので、政権を倒した場合にマトモな運営が出来ずに、混乱が待っているのが普通です。
日本のように官僚機構が完備していても民主党政権では、大混乱になりました。
「官僚の振り付けどおり動いているだけで政治家の役割は大したことがない」とマスコミで言われていましたが、実際に民主党が政権を運営して見ると要所での判断が効かない・・政治家の役割の大きさを痛感させられたものです。
人権活動家は地道な国内政治改革による積み上げによる改善ではマドロッコしいので、(国連ではこう言っていると・・)国内政治活動を有利に運ぶために?外部勢力を頼む傾向があります。
その分現実遊離・・もしも成功すれば画期的と言えば言えますが、結果的に国内政治の実態を無視することになってしまうので、彼らの運動がうまく行くとこれに比例して、社会混乱要因になってしまうことが多いのです。
自分は良いことをしているつもりで良い気になっていますが、どちらかと言えば、個と全体の区別がつかない・・大小の区別がつかない困った人たちの集まりではないでしょうか?
人道支援と称して大量に食糧支援を続ければ、その地域の食糧連鎖を破壊してしまいちょっとした気候変動があると都度飢饉が発生し易くなります。
本当の人権活動は食糧不足ならば、その土地で耕地を作り出す地道な支援等であって、簡単なことではありませんが、実際に個人でやっている人が結構います。
人権活動家の行動はパフォーマンス中心で、既成秩序をぶちこわしてその結果どうなっても構わないように見える点では、アラブの大義さえ叫んでいれば後はどうでも良いようなテロリストと結果的に大差がないと思う人が増えて行くと思いますが・・・。
自由平等博愛・人道主義の本家・・シリアに余計なおせっかいをして大量難民発生を作り出した元凶の地パリで、対抗テロが頻発するようになったのは、正にこの本質を衝いているように見えます。

日本人の識字率・民度2

識字率という概念自体も違っています。
多くの国での識字率は、日本と違って自分の名前が読めるか否か程度で今でも判定基準にしていますが、日本では江戸時代の最低の庶民でもいわゆる読み書きそろばんが基本的能力判定でした。
その結果、一定階層以上・・町民でも一定の文化・俳諧や川柳・小唄端唄など文化をたしなむのが普通の社会になっていたのです。
日本の町民・・正確にはブルジョワジーのことらしいですが、そこまで行かないその日暮らしの職人らの生活する長屋の管理人をしていた大家でも一通りの和歌程度を知っているものでした。
実態を表しているかは不明ですが、有名な落語・・「千早ぶる神代も知らず・・・」と言う和歌を訳知り顔で講釈するやり取りが流布していたことからも明らかです。
太田道灌の故事に有名なように,片田舎のあばらやに住む娘でもちょっとした古歌くらい知っているのが普通のたしなみでした。
庶民レベルの高さ・・社会システムが、1450年ころの太田道灌から日本では世界最先端で進んでいたことが分ります。
我が国文化人が現実直視しないで西洋の図式を当てはめようとする傾向は、現実直視だと折角西洋の文化を学んだ自分と一般国民とを差別化出来ないことによるのではないでしょうか。
実態を見ない点では、ヤンパン思想に毒されて誇大妄想的歴史を空想している韓国文化人と似たり寄ったりで韓国ばかりバカにできません。
どこの国でも、書斎にしかいない文化人と称するものの地位が高すぎると現実遊離になり易いということです。
上記のとおり、日本の識字率が昔から高率ですので、誰もが言わば知識人であり文化人でしたから知的エリートとの差が低いことから指導者・エリートという概念が我が国では育ちませんでした。
日本の指導者の資質が低いとマスコミが自虐宣伝しているのは、庶民の多くが文字も読めない欧米式社会を前提にした間違った意見であると、このコラムで何回も書いてきました。
明治以降、舶来知識を振り回せば優越出来た時代が続き、戦後もアメリカではこうだという意見が幅を利かしたのは、この時期に限定して欧米との知識差(文化力の差ではありません)が大きかったからです。
しかし、欧米に対する情報格差があっても我が国では古代からそれほど能力差のない社会ですから、現実遊離した意見を鵜呑みにする習慣がありません。
研究者も現場にいる人の工夫を大事にする習慣・恊働作業によって、(現場を知らない大学の研究よりは企業研究の方が世界先端技術の開発に向いているのはこの帰結です)現在日本社会の高度化が成立しています。
米軍が日本を占領して現実の日本人の多くに接してみると、日本精神は日本の学者や西洋の研究者が理解しているように上からの命令で愛国心が出来ているものではなく、キャップの天皇制を廃止さえすれば良いものではないことが直ぐに分ったと思われます。
何十万(最大で43万の将兵プラス軍属)という大量の将兵が日本に上陸したことによって、マスコミや文化人のでっち上げた情報ではなく、多くの将兵が日本人とジカに接することになりました。
日本人と多くのアメリカ軍人・軍属がジカに接するようになると、日本国民の精神は「万物を慈しむ心」誠実さに満ちあふれ、アメリカでルーズベルト大統領によって宣伝されているような天皇の命令で極悪非道なことをするような人ではないことが多くの将兵に直ぐに分った筈です。
近年、中韓両政府がロビー活動で大金を使って欧米の政治家を籠絡し、マスコミを抱き込んで日本に対する悪宣伝に努めていたのは、アメリカや西洋では(庶民レベルが低くて)マスコミや指導者さえ抱き込めば国論が決まる社会だからある程度有効性があったからです。
しかし、大量の中韓両国人や日本人が世界中に進出して居住する時代が来ると、マスコミや政治家を抱き込んで虚偽宣伝している中韓両国人の日常行動と日本人とを具体的に比較出来具体的に知るようになってきました。
今では、現実の中韓両国人と日本人を直接知っている時代になっていますから、マスコミ宣伝よりも現実体験に基づく庶民情報(ネット)が重要になって来たので、韓国による虚偽宣伝の有効性に疑問符がついてきました。
この結果、韓国が大統領が前面に出て宣伝しなければならなくなるほど、焦って大騒ぎを始めたように思われます。
ネットの発達で情報独占がなくなったこともあって、今後は日本だけではなく世界中の文化人・指導者・マスコミの地位が大幅に下がって行くでしょう。
米軍の占領政治に戻りますと、日本人の道徳観や自然観は草の根からわき上がっている民族の心であって、上からの押しつけではありませんから、神道を非難し天皇制さえぶっつ潰せば道義の基準が変更出来るものではありません。
そもそも神道の精神は、ルーズベルトが宣伝していたような「悪の教え」ではなく誠実さ・万物を愛する心ですから、悪の帝国と宣伝されて信じ込んで日本を占領してみたら、その善良さに多くの将兵はびっくりしたでしょう。
日本民族は古代から自然の営みを細かに観察して愛して来たのですが、その片鱗の1つとしてやや牽強付会の感がありますが、万葉集の一首を紹介しておきましょう。
この時代から、春の方が良いのか秋の方が良いのかを歌合わせで楽しんでたことが分ります。
口角泡を飛ばす激論ではなく和歌を歌い合って競っていたのですから、我が国は古代から優雅な社会です。

万葉集
巻第一・16 額田王が春秋の優劣を論じた歌

 冬こもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど 山を茂(し)み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 黄葉(もみち)をば 取りてぞしのふ 青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし 秋山ぞわれは

額田の大君は天智天皇と天武天皇の両方の愛人として有名ですから、西暦660年前後の歌ですが、その約600年程後の後鳥羽院のころまでには侘び寂び思想が発展していて  「秋は夕暮れ」という評価が定まっていました.
これを逆転の発想で春の夕暮れも良いじゃないかと歌ったのが、新古今和歌集所収の後鳥羽院の歌です。

 「見渡せば山本かすむ水無瀬川夕べは秋と何思いけむ」

更にこの歌を下敷きにして室町時代の宗祇らによって、承久の乱で隠岐の島に流された後鳥羽院の250回忌追善するために水無瀬三吟百韻(1488年(長享2)正月22日)が巻かれています.
我が国では、秋が良いか春が良いかのテーマが千年単位でずっと続いていたことが分ります。
私も春というより新緑(額田の大君の歌も茂みがあって入って行けないと歌われているので今の春というよりは新緑を前提にしている感じです)も好きですし、紅葉も好きですからどちらかキメロと言われると迷いますね・・。
ただし、1488年の水無瀬三吟では「雪ながら山本かすむ夕べかな」で始まっていて2月の情景です..,。

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