中国ロシアの脅威3(自衛力の必要性)

「私は暴力を振るいません」と言うだけで安全ならば、女子や子供が夜道を一人でむやみに歩きまわらないと言う常識・不文律が世界中である訳がありません。
非武装平和論の女性が、深夜人通りのない道を一人でそぞろ歩きをしたり自分の娘や子供に安全だからと独り歩きを勧めているのでしょうか?
都会地の場合、大して強くない男でも同行していると相応の自衛力があるので、襲った方も相応のダメージを受ける・・その上時間がかかると警察などが来る・逃げても傷を負っているとアシがつき易いなどのことから、むやみに襲ってこないのです。
このように自衛力は襲ってきた相手に勝つほどの力がなくとも一定の抵抗力さえあれば、そのうち誰かが駆けつけて応援してくれる仕組み・・治安力整備・市街地であればこれがなりたちます。
これが成り立つ社会を治安の良い社会というのです。
日本のように婦女子が一人で夜道を歩いていて、しかもすぐに警察が駆けつけることのない場所でも被害にあわない社会は、超安全社会というべきでしょう。
誰も見ていなくとも悪いことをしない・・これが大災害で治安力が弱っても略奪が起きず逆に助け合いが活発化する日本社会の現状です。
クリミヤ併合や中国による南シナ海での埋めて強行→軍事基地化の現実を見ると、国際社会ではまだ一定の自衛力を持つことで身を守るしかないのが現実ですので、この仕組みを国際的に応用しているのが相互防衛条約〜集団自衛権と称するものです。
戦後我が国の非武装論は世界で突出した武力と経済力を有していたアメリカが平和を保障してくれている限り意味がありました。
言わば強力な護衛兵に守られている場合に、政治家や貴婦人が自分で拳銃や刀を持っている必要がないのと同じです。
護衛兵役のアメリカが守りきれないので、お客(日本)の方もある程度の武器を持って一緒に戦って頂けませんか?あるいは補給程度は協力していただけませんかと言われるようになったのが最近の国際情勢です。
海賊対策として護衛艦5隻あれば万全だが、2〜3隻しか一緒に行けない場合、不足分を商船隊の方も一定の商戦に大砲の一門くらいを備えて一緒に戦ってくださいとなるのが普通です。
砂漠の隊商などはこの方法・商人自身武器を取って戦う外護衛武人の食料供給をするのが昔から普通でしょう。
話題がそれてしまいましたが、裸の暴力ではなく道義攻撃から守るには、日米安保はもともと役立ちません。
アメリカは、対日戦開始に向けた謀略〜戦争犯罪その他に後ろめたい面が多々ある結果、将来的に日本から報復を受けないように半永久支配の道具として軍の駐留を続ける名目に日米安保条約を押し付けたに過ぎないので、もともと(敵対国占領支配の継続意識で)日本を真の同盟国と認めていませんでした。
本来の同盟であれば同盟国が強く信用がある方がいいのですが、日米安保は日本を弱くしておくために縛りをかけるための同盟関係でした。
だから表向きの同盟国でありながら日本の足を引っ張ることがあれば内心歓迎・・アメリカの意図を汲んだ国々が、率先して慰安婦問題や南京虐殺その他のでっち上げ批判に走ったのです。
いじめっ子がいると、そのお先棒担ぎをする子がいるような関係です。
裏から見るとアメリカの意図を汲んで行動する韓国を見れば、アメリカの真意やユダヤ系の巧妙に隠された価値観を読みやすい便利な面がありました。
アメリカが今後日本を頼りにすることが増えていくとアメリカのお先棒担ぎ的な露骨な日本批判は今後へっていくと思いますが、今後はアメリカの威信に挑戦する中露の動きが活発化するとそのお先棒担ぎ・国内呼応勢力が増えていきます。
この数十年は次第に日本寄りになっていくアメリカのご機嫌とり的お先棒担ぎとこれから日本を敵視していく中露の先棒担ぎが競合していた時代でした。
韓国は両天秤で少し中国寄りに傾斜しすぎて失敗したのです。
アイヌ先住民論や沖縄先住民論は・・「日本だってやっているじゃないか」・・いう欧米の道義的反撃材料に使えるだけではなく、ロシアの北海道侵略意欲・中国の沖縄侵略意欲が背景になっているとすれば、従来型欧米の日本叩きの意図が背景にはないものの新興勢力?ロシアや中国が背景にいるので、アイヌや沖縄先住民論の応援団がなお世界規模で強力です。
中国の南京大虐殺運動・反日教育も、チベットやウイグル族の弾圧に対する欧米の批判に対する目くらまし効果を狙っているだけではなく尖閣諸島侵攻→その先の沖縄切り離しを狙っている意図を中国は隠していません。
隠すどころかこの意図を明らかにすることによって、日本に対して「尖閣諸島を手放さないと沖縄まで取ってしまうぞ!」と言わんばかりの脅迫です。
幕末〜明治にかけて西欧諸国が中国のあちこちを虫食い的に租借できたのは、その程度の妥協に応じないと本体が潰れてしまう恐怖心に訴えた結果でした。
明日以降紹介するロシアの対馬上陸事件は対馬藩が租借に応じないと対馬全島を占領、または荒らし回るゾ!という無言の恫喝が背景にあってのことです。
欧米にとっても大市場に育った中国市場で最大競争相手の日本が中国といがみ合う関係がいくら激しくなっても構わないどころか願ってもないチャンスです・・ドイツはこの隙に大々的中国進出成功していますし、サード配備決定前の韓国も同様でした。
慰安婦騒動も日本国内でこれに呼応して捏造文書を書く人(いわゆる吉田調書発表)がいて、一方でこれを大々的なニュースに仕上げるメデイアと合体で問題が大きくなったものですが、内部結束さえ強ければ外の敵はそれほど大きな問題になりません。
慰安婦騒動は米国が策源地ではなく韓国による自主的お先ぼう担ぎによるとしても、アメリカが日本敵視・日本弱体化政策をやめて真の同盟国として必要となる・・日本との協力関係が今後ますます必要になることから、自然に収束に向かうしかないでしょう。
韓国としては慰安婦問題を激しくやってもアメリカのご機嫌が良くなるどころか、逆に大事な同盟関係を壊すのか!とアメリカに疎まれマイナスに作用し始めたからです。
アメリカの逆鱗に触れて驚いた朴槿恵大統領は、やむなく180度方向転換して日韓合意になったのですが、「不可逆的」という前代未聞の恥ずかしい前提条件をつけられた上に内容的にもわずかに10億円での決着ですから、100%の完敗でした。
日本の要求でアメリカの高官が立ち会った上での国際合意形式自体が、韓国を一人前の国と認めない異例の形式でした。
続けてアメリカの強い要求に応じてサード配備を決めたことで、中国が激怒して今の韓国が中国から嫌がらせを受ける関係になっていることは周知の通りです。
要するに韓国は強いもののお先棒担ぎをしていた結果、却って二進も三進もいかなくなってしまった哀れな国です。
アイヌと沖縄の先住民族運動に戻します。
中国の沖縄侵略意欲は多くの人が知っていますが、日本敗戦時に火事場泥棒的に北海道占拠に失敗したソ連〜ロシアは北方4島を日本に返すどころか、今でもチャンスさえあれば北海道自体の占拠支配の野望を捨てていない可能性に留意しておく必要があります。
ソ連〜ロシアはもともと相手が弱いとなれば、なんの恥ずかしげもなく問答無用で露骨に実力行使してくる・強盗みたいな国です。
数年前のクリミヤ併合や敗戦時の満州侵入〜何十万将兵が強制連行されたのは突然行われたのではなく、昔からそういう体質の国です。
例えば幕末にロシア軍が一時対馬に無断上陸して駐留を始めたことがあります。
ロシア軍の対馬での実力行使事件について明日以降紹介します。

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