社民党の来し方行く末2(教条主義1)

社会党は民意を肌で感じる議員より観念論で凝り固まった?党員発言力が圧倒的に大きくなりすぎた政党だったので民意遊離が進んだというべきでしょう。
たまたまマルクス・レーニン主義という錦の御旗があるので、この傾向を教条主義者と言われますが実態は党全体が地道な政治活動をしない結果、世間で揉まれない一人よがり思考肥大化という環境要因による点では、いわゆる世間知らずの書生論が幅を利かす全学連執行部の過激化と相似形です。
世間知らずとは文字や映像、メデイアを通じて世間を知れば良いのではなく現実生活を通じて得る幅広い体験に根差した体験知不足のことです。
一般的に言われる「理屈はそうかもれないが実際には難しいものだよ!」というファジーな総合値の重要性を知らないのでメデイアで覚えた過激な言辞を連ね相手は辟易して(バカにし?)黙っていると言い負かしたつもりになっている未熟な若者同様の状況です。
この後で短期間メデイアが持ち上げていたシールズの活動を紹介しますが、未熟な学生レベルの未熟な単語をガナリたてていればそれが党内言論を支配してしまう変な党(学生自治会レベル)になっていたのではないでしょうか?
一般党員の発言力が大きいといかにも足元重視の民主的イメージですが、日常的民意汲み取り作業・こまめな庶民のお世話活動をしない政党の場合、民意の洗礼を受けない観念的グループの支配に堕する副作用の方が大きかったようです。
社会党では一般党員(官公労中心の組合活動専従者・プロ活動家)がいわば党のオーナーで、議員はその代弁者?という位置付けだったように見えます。
当時「議員政党」というメデイア・有識者?の批判が流布していた印象(50年前後前の記憶ですのでどの時点で流布していたか不明)ですが、メデイアの振り付けに頼る社会党ではメデイアの正論そのままに議員は上部構造であって、「草の根の党員こそが主体であるべき」という意識が強く支配するようになっていたようです。
テレビに出る有識者(その頃出てくるメデイア好みの有識者と言えば多くは一党独裁社会を暗黙のうちに理想モデルとする傾向)の意見では、代議員は党が推薦するもので一般国民の支持を受けていないので党員の代弁者になるのが民主主義的?で良いのですが、民主社会においては思想の自由市場・選挙の洗礼を受ける議員こそ民意に最も近いグループです。
商人で言えば本社企画課の人よりも店舗販売最前線で働いている人に当たるのが議員であり、小売店に売り込む営業マンに当たるのが日常活動で民意を吸い上げる役割を果たすのが党員であり、この両輪が機能することによって民意対応できるのです。
これがうまく機能していれば、一般党員と議員との意見がうまく噛み合うのですが、社会党の場合、官公労大規模労組に票田を頼るようになっていったので、議員も党員も大規模労組への営業?活動に特化していったので一般国民意識の吸収システムがなく、民意と大幅に遊離して行ったように見えます。
本来の営業の場合、得意先の意向を必死に把握しようとする結果自ずと顧客の求めるところを吸収するのですが、社会党や共産党上層部と労組の場合、上から目線・・蒙昧な下部組織・現場労働者を教育する使命感で現場「学習会の講師になってきてくれた先生」なので、末端は中央の方針に従わせる教化対象であって組合員・現場から学ぶシステムではありません。
〇〇思想や、毛沢東語録その他偉大な領袖発言の学習会が盛んでした。
(論理的でないから)難解な左翼用語を、学習会で繰り返し耳にしているとわかったような気持ちになるのか?おべんちゃら的「裸の王様よろしく」教化に来てくれた先生に擦り寄る一定数が生まれ、それが組合中堅幹部等に上がって行く・中央から講師になってきた先生は分かったような気がする現場幹部と意気投合して「君らはよく理解しているようだが、あいつはまだまだだもっと教育しないとな!」などと意気投合して帰っていくのでしょうか?
囲い込んだ組織内でしか通用しない思い込みの激しい造語・・左翼用語の刷り込みに頼っている弊害が表面化した分岐点・・象徴的事件が国民人気のあった江田三郎氏の失脚・・脱党でしょう。
江田三郎氏に関するウイキペデイアの記事からです。

政界進出
1946年に日本に引き揚げ、日本社会党に入党。左派の活動家として頭角を現す。1950年に参議院議員に初当選し、1951年の左右分裂後は左派社会党に属した。
江田ビジョン」と構造改革論
1960年総選挙の頃より、江田は構造改革論を社会党の路線の軸に据えようとした。これは、日本社会の改革を積み重ねることによって社会主義を実現しようとする穏健な考え方で、これまで権力獲得の過程が曖昧であった平和革命論を補強しようというものであった。しかし、労農派マルクス主義に拘泥する社会主義協会がこれに反発し、江田ら若手活動家たちの台頭を恐れた鈴木茂三郎・佐々木更三らも構造改革論反対を唱え始める。
1962年、栃木県日光市で開かれた党全国活動家会議で講演した際、日本社会党主導で将来の日本が目指すべき未来像として
アメリカの平均した生活水準の高さ
ソ連の徹底した生活保障
イギリスの議会制民主主義
日本国憲法の平和主義
を挙げ、これらを総合調整して進む時、大衆と結んだ社会主義が生まれるとした(「江田ビジョン」)。これが新聞報道されると話題となり、江田は雑誌『エコノミスト』にこの講演をもとにした論文を発表し、世論の圧倒的な支持を得た[6]。
1977年の党大会では社会主義協会系の活動家たちから吊し上げられる。この結果、江田は社会党改革に絶望して離党しようとしたものの、離党届を受け付けられず、逆に除名処分を受けた。

党再生の切り札と目された希望の星・・江田三郎氏を教条的左派が強硬に葬り去ったのち、社会党は誰にも相手にされない長期衰退過程に突入していきました。

社民党の来し方行行く末1

話題を社民党の将来に戻しますと、世論調査は調査主体によって支持率に大きな差が出るとしても、(朝日、毎日はどちらかといえば旧社会党の後援会みたいな報道機関でしたが)贔屓目データが出るはずの両社の調査でも1%以下です。
もしかしたら次の総選挙では2%獲得は無理ではないでしょうか?
そうなると他党から国会議員をかき集めて、(現在の立憲民主や国民民主両党中堅議員以上の輩出母体・・元実家ですので、本家の一大事ということで一人や二人の勧誘は可能でしょうか)5人いれば良いので数字合わせ可能でしょうか?
立憲も国民も結党時から見ると支持率は(毎日の調査を除けば)半分以下に下がっています。
立憲、国民、社民、共産を全部合わせても各調査の平均値で10%の支持率にも行かないのに、何かある都度国民の声とか市民の声を・・無視するな!と高みから演説しているのですが、国民の声や意見を無視して支持を減らしているのは、自分らの方ではないのでしょうか?
北朝鮮のようにこういう決まり文句ばかり、言い募っているから支持する人が減っていくのに気がつかないのでしょうか?
国会での見せ場といえば、肝心の政策論争をしないで週刊誌ネタ的なゴシップ探しや政府の揚げ足取りばかりだから支持率が下がり続けているように見えます。
社民党が選挙の都度得票率が下がり続けて、政党交付金受給資格がなくなると資金源をどうするかの問題に直面します。
元しばき隊への沖縄闘争参加日当支払いがネット上で噂されていましたが、社民党が払っているのではなく、「のりこえねっと」とかいう組織が出しているらしいとの意見が定説化しているようで、社民党自体そんな資金力がないことがわかりました。
「のりこえねっと」に関しては、設立当初の短期間の報道ばかりですので、その後組織活動が続いていないようなイメージです。
のりこえねっとに関する本日現在のウイキぺデイアです。

沖縄への「市民特派員」へ5万円支給
カンパで募った資金をもとに、本土から沖縄への交通費にあたる5万円を支給し、沖縄の現地の様子をツイートする「市民特派員」を募集した。2016年9月から12月まで16人を派遣している[3]。チラシに「往復の飛行機代相当、5万円を支援します。あとは自力でがんばってください!」と書かれている[4]。
ガジェット通信によると、2016年ののりこえねっとの講演で、辛淑玉が、高江ヘリパッドの反対デモへの参加予定者に対し、「私は稼ぎます。若い者には死んでもらう。爺さん婆さん達は嫌がらせをして捕まってください。山城博治には『病気で死ぬな。米兵に殺されるな。日本の警察に殺されるな。私が殺してやるから』」などと講義している動画がアップされ、過激な内容ではないかとネットで話題になっているという[5]。

派手に組織を立ち上げて沖縄の反基地闘争に資金を出すなどした上に上記のような過激な檄を飛ばしていたようですが、その後資金が続かないのか?辛淑玉氏が、(韓国や北朝鮮への逃避でなく?)ドイツへ生活拠点を移したようで(事実不明です)事実上休眠状態になっているように見えます。
同氏の発言内容をウイキペディアで見ると口を極めて日本批判していたようで表現のどぎつさや個人攻撃・訴訟等で人目を引いたと思いますが、以前ちょっと書きましたが、在日社会は着実に日本社会に溶け込んで固い地歩を占めているので好んで日本社会と対立したい人の方が少ないでしょう。
在日の総意は在特会等の挑発に反応して派手に突っかかって行くと却って不利と見て賢明な立ち位置を取っているように見えますので、しばき隊を含めたこういう跳ねっ返り行動は迷惑だと言う評価になってしまい、資金が集まらないのではないでしょうか?
非合法活動を陰で支援するだけでも問題なのに社民党の顔ともいうべき元党首が現場で違法行為の一部でも自分で行うようになると、旧全学連のように消えて行くしかないはずです。
非合法活動とは、その社会構成員のためにこれが良いとして民意で作られた秩序破壊するという意味ですから、民意を根底から否定する非合法活動を標榜して日本社会=民意の支持を集めることは不可能です。
こういう集団は一般国民から浄財が集まらないので、どこかの集団を乗っ取って食い物にするか(特定労組や大学の自治会を乗っ取って労働組合や学生自治のための活動をしないで反社会活動にその費用を流用する)他国からの闇ルートによる資金援助しかあり得ないでしょう。
この種の乗っ取り競争が目に余ってくると大学自治会費の強制徴収制度が減っていくし各企業の労働組合組織率が激減していきます。
弁護士会の強制加入制度が議論されるようになってきたのは、(ただし私自身弁護士会が特定集団に乗っ取られているとは思っていません・・)この延長で理解すべきでしょう。
強制加入や強制徴収制度があると、その組織を非民主的手段による乗っ取りに一旦成功してしまえば、反主流派が組織内で頭角を表すのが非常に困難になるので(国連各機関で中国による人脈浸透が大きな問題になっているのがその国際版です)一見民主的に選任されるはずの国連機関や政党運営が事務局等の振り付に従うしかなくなっていくようになります。
旧社会党では、一般党員というプロ活動家・社会主義協会派の発言力が強くなり彼らが党大会を牛耳るようになっていたので、彼らに批判されると国民人気のあった江田三郎氏が党を離脱せざるを得なくなったように国民や市民等に直接選ばれる議員はお飾りになっていたようです。
芸能人・タレントがテレビ局に干されるとおしまいになるような役割です。

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