異文化尊重と人権6(国内法の国外適用2)

金融規制や環境、衛生労働時間規制等は国によって違うのは当たり前でしょうが、生命・身体の自由に関しては「人類」としての低基準があるはずです。
権力支配に不都合→法輪功信者や政敵や異民族というだけである日突然連行され無制限収容される→生死も家族らにわからないことから臓器摘出してしまうなどの残虐なことが国家公認で許されるのでしょうか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20181218-00108064/

中国当局、100万人を強制収容所に-新疆ウイグル自治区での「民族抹殺」、生還者らが告発

上記には、彼がたまたまカザフスタン国籍も持っていたので同政府の外交努力で収容されてから8ヶ月で、解放されたのでその8ヶ月間の赤裸々な体験が述べられています
中国の拉致→臓器摘出については以下の通りです。http://news.livedoor.com/article/detail/15719786/

どうすれば止められるのか 中国の臓器収奪 英国で民衆法廷スタート
2018年12月10日 17時45分 大紀元

中国が国家ぐるみで無実の囚人の臓器を移植ビジネスのために利用しているという人権団体・中国での臓器移植濫用停止ネットワーク(ETAC)の申し出を受けて、民衆法廷は「開廷」する。国際法や人権問題に詳しい有識者が陪審員役に就き、医療関係者や被害者が証言者として出廷する。
以下省略

「無実の囚人」とはいわば或る日突然つれさられる法輪功信者や政治犯?(チベットやウイグル人等の少数民族)公式の刑法犯ではないという意味?らしいです。
正規の司法手続きによらずあるとき突然問答無用で連れさられるので、その後彼らの生死不明・・闇で生きたまま臓器摘出されていてこれが闇市場に出回っているというもっぱらの噂ですが・・中国では公式臓器提供数に合わない大量の臓器移植手術が可能になっていることから真実性が高まっているようです。
中国としては
「主権国の自由・・国によっては100万人単位のウイグル人収容や臓器摘出程度の人権蹂躙をしても良い」
と反論をするのは流石にむりがあると思ったらしく、こういう特に開き直り弁明をしていませんが、収容施設が大規模(衛星でも把握されているらしいです)すぎて収容の事実を否定しきれないと判断したのか?大量収容を認めながらも、これを違法だからと止めるのではなく、逆に強制収用に法的根拠を与えたようです。
(無言の)開き直りでしょうか?

今後は主権国家の制定した法に従った執行だと言うのでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20181013-00100313/

中国はなぜいま少数民族の弾圧を加速させるか―ウイグル強制収容所を法的に認めた意味
六辻彰二 | 国際政治学者
2018/10/13(土) 11:56
中国政府は10月10日、これまで存在を否定していた、少数民族ウイグル人を収容する事実上の強制収容所である「再教育キャンプ」を、社会復帰を促すための「職業訓練センター」として法律に明記したことを明らかにした。

ウイグル人だけ無料で教育を受けられるならば優遇ですが、強制「収容」されるとなると何の教育か?となります。
イスラム教を否定することのようですが・・。
中露あるいはトルコ等の強権支配国家は、一方で内政干渉を許さないことを基調としてオブラートに包んで「グローバリズム(画一的価値基準強制)反対運動」を起こすようなネット意見流布に努めるようになったように見えます。
この洗脳のおかげか?私もいつの間にかこのシリーズ・・他国政治への干渉の行き過ぎはやめようという意見を持つようになっています。
政治の世界はどの程度を超えたら「怖い国」という(NGOによる煽り?炎上によるのではなく)冷静な評価を受けるかの判断でしょう。
日本国内でもこのころ日米戦争はアメリカの謀略だったとか、占領支配批判の意見が急速に増えてきましたが、その発信元スポンサーがどこの民族か不明・・日本語としてもどこかおかしな表現で一方的録音垂れ流しの見るからに怪しい宣伝・意見が増えてきました。
このコラムでは以前から米国の対日戦争犯罪など糾弾してきましたので、同様意見が一般化するのは心強いとは思うものの、ロシアや中国筋による日米分断目的の宣伝活動によるとすると安易に喜んでばかりでいられません。
12月22日ころに戦後安保論争で書いたように、アメリカの戦争犯罪や占領政治批判不満があるということと、日米離間して残虐な中国支配下に入って良いかは別問題です。
ネットで氾濫している米国批判の思想傾向は、ロシアの策謀という印象の主張中心でいわば見え見えの拙い表現です。
これがアメリカだとなぜ成功し、唆しに応じてピザ店だったかを襲撃する人が出るか?ですが、(単細胞が多いだけではなく)直感的に言えば言語環境の違いも大きそうです。
https://www.gizmodo.jp/2016/12/gunman-arrested-at-dc-pizzeria.html

嘘ニュース信者が卓球ピザ屋をライフルで襲撃
2016.12.07 18:28
「ヒラリー・クリントンが選対本部長と卓球ピザ屋で児童人身売買のシンジケートをやっている!」という、大統領選中の虚報を信じ込んだ男が日曜、店に自動小銃を持って押し入り威嚇発砲しました。
調べに対し男(28)は、「真相を究明してやろうと思った」などと供述しているとのこと。最後は手をあげて投降したため、けが人は出なかったんですが、恐ろしいですねぇ…。

米大統領選挙時のフェイクニュース関連では、上記襲撃事件とは関係ないかもしれませんが、マケドニアだったかの青年が小遣い稼ぎでやっていたような動画が流れていましたが、日本に長年居住している中韓人や欧米人の流暢な日本語と言っても、「テニオハ」がおかしい人が普通です。
その程度のおかしな日本語でも、日本人はある程度理解できるので普通に対応しますので、本人や同国人は完全に日本語ができるようになっていると誤解しているのでしょうが、同国人同士では本当の日本人との違いが分からないからでしょう。
米国の場合移民出身者が多い結果、ある程度単語の間違いがあっても気にしないし、出身国別の米語のトーンや発言がおかしい程度では気にならない環境があると思われます。
表現方法も日本人ならこいう露骨な言い方はない・・「婉曲な表現にする」など細やかなニュアンスの違いがありますが、ちょっと日本へきたことがある程度の外国人には高度な表現方法が簡単に身につきません。
ロシアによるフェイクニュースの援助で、当選できたと思われている(だけで真相は闇ですが・・)トランプ氏が逆に大手メデイアをフェイクニュースと罵って罵倒しているのは真逆の印象ですが、嘘も100回言えば本当になるという実験でしょうか?

異文化尊重と人権5(国内法の国外適用1)

国外犯処罰の刑法原理を殺人等の重大犯に限定せず「主権国家の自由勝手」という主権絶対論によって、自制心なく金融取引法違反その他の法令違反にまで徹底すれば世界が成り立ちません。
タイでのワイロ要求に応じた企業社員が不正競争防止法違反で検挙された事例を年末(12月26日)に紹介しましたが、枢要な国策に限定すべき範囲が広がりすぎたのが最近の風潮ではないでしょうか?
人権を守るためには相手の人権も尊重する必要があって、人権とさえ言えば絶対的効力があるものではありません。
道路は自由に往来すべきものですが信号で譲り合いスピード制限も必要ですし、車は危険なので一定の性能保持や運転技術が必須です。
表現の自由といっても相手にも表現自由があるので、ののしる(誹謗中傷名誉毀損の)自由は制限されます。
「人権運動家は自分の主張が唯一絶対なもの・・」と言いたがる傾向・・・自制心が足りないのではないでしょうか?。
世界中がアメリカの真似をして同じような法適用をしたら、「万人の万人に対する闘争」と同じようになり兼ねません。
自分がどこかの国と貿易しないと決めるのは勝手ですが、それを世界中の国に強制する・上記のように他国間取引にまでアメリカ法の適用をする・・のは行きすぎでしょう。
トランプ氏は、TPPに始まってこれまで積み重ねてきたいろんな国際協調をかなぐり捨てて「アメリカンファースト」というのですが、自国権益を守るために敵対国との貿易をやめるだけではなく周辺諸国に協力を求めるならば、協調に対する仁義を守らないとどこの国も協調したくはなりません。
しかたなしに強制力行使に頼るとすれば、むき出しの暴力に頼る暴力団と変わりません。
「国際ルールを守らない国に対しては自分も守らない」と宣言するのは合理的です。
話せばわかるといっても銃乱射するような相手には、こちらも銃で反撃するしかないこういう人や集団が来た時のために警察力・自衛力・いざという時の防災準備は必須)のと同じですが、(頭にきたから)「俺も周辺の誰彼無しに無差別銃撃する」と宣言すれば自分も銃撃犯と同レベルになります。
中国の国際ルール違反をとがめ立てるペンス副大統領の意見は至極もっともですが、これを実践するべきトランプ政権の行動を見ると、国際慣習法や道義を守ってきた国相手にも、これまでの国際協調枠組みを守らない?で対中国同様の高関税脅しをかけるようになるのでは、銃撃犯同様で正義の基準がありません。
これでは米国ヘゲモニーの挑戦者として浮上してきた中国たたきをしているに過ぎないとしか、世界から見えないでしょう。
ペンス副大統領の演説はトランプ氏の拙劣さ(エゴ丸出し)を正義の装いで取り繕うためのものでしょう。
トランプ氏の言動を見ていると新たなルール構築する意味ではなく、自分も海賊や山賊の仲間にはいるという宣言でしかなく、これでは世界は無法状態に陥ります。
アメリカも中国も自分の国の法律を守るようによその国に強制するが「よその国の法律は受け付けない」という身勝手な主張です。
いわば「属国になれ」というに等しいでしょう。
そもそもグローバル化反対論が勢いを増したのは、ソ連崩壊後アメリカ一強になったのに気を良くして、アメリカのゴリ押しが進みすぎたのを見て、ロシアや中国が正規軍では勝てないので(サイバーテロ等により)裏口から、国連人権委員会等への浸透工作をかけてアメリカの「綺麗ごと」PCの逆利用を図ってきたことによります。
先進国の綺麗事・人権運動を逆利用してユネスコや人権委員会等を根城にして逆に先進国批判を進めるようになった結果、先進国自体が綺麗事の自縄自縛に陥り始めた不満が出てキア長に思われます。
18年12月26日頃に紹介したように国外犯処罰の法原理は枢要な国策違反だけでしたが、どこの資金によるか不明ですがNGO等により枢要な法令違反か否かではなく、労働法規、環境基準、衛生基準にまで先進国基準を機械的に当てはめ先進国基準違反摘発運動が広がった結果・・(中国企業は問題にならず、先進国企業だけ批判されてしまうなど・・)むやみなお節介をしすぎたとがめ・逆利用されるようになった不満です。
いわばこれまでアメリカが、CIAなど諜報機関を利用して違法に相手国の世論工作をしてきたことをロシアや中国がサイバーテロ方式で大規模にやり返したことに対する不満です。
ロシアによる米国世論操作の実態が次々と暴かれているように、「近年のグローバル化批判は強権国家による先進国の世論分断の試みが成功しているもの」と評価することが可能です。
中国によるサイバー攻撃も半端ではありません。
いずれも民主主義国家に批判される強権支配国家ですが、彼らにとっては自国内政批判ほど怖いものはありません。
国内強権=人権蹂躙批判を繰り広げる米国民主党政権を倒すために、選挙に向けていろいろなフェイクニュースを繰り広げてきたことが分かってきました。
ただし、私の知識源は大手メデイアによる一方的宣伝を前提にしたものですから、真相は歴史判断によるしかないでしょう。
そのつもりでお読みください。
12月24日日経新聞朝刊6pオピニオンでは元米国安全保障局長などを歴任した人物によると、

「中国よるサイバーテロの1方法として、「環境先端技術を持つ米企業のシステムに侵入して受注事業の施工に必要な資材発注を15%s苦なく操作し、極端に数字を低く改ざん生産計画を狂わせた。
この会社の株価が大きく下落した時に買収を仕掛け、安くその技術を手に入れた」

例が紹介されていました。
政権維持のためには民族丸ごとシベリヤ強制移住させたソ連や現在中国のように犯罪者でもないのに、法輪功信者という理由やウイグル族を異民族というだけで収容所に送り込み、収容者から販売用臓器摘出などが横行している社会と言われます。
日本の人権団体は、日本大手企業の中国下請け工場の先進国基準の労基法違反や、衛生基準以下の摘発などよりも、こうした重大人権侵害こそ(国ごとに違って良い基準をはるかに超えています)告発すべきですが中国の人権侵害には無関心のようです。

徴用工訴訟と国内法論理(米中対決相似形?)6

勝又氏のブログに出ている韓国事情です。https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20190518.html

2019-05-18 05:00:00
韓国は、ウォン相場の下落と反比例して、日本への評価が高まっている。この理由は、2つあるようだ。
その一。ウォン相場急落=通貨危機という切迫感である。日本にSOSを打ち、救援して欲しいという潜在意識。
その二。徴用工問題をめぐる日韓関係の悪化である。韓国で日本企業の資産を売却した場合に起こる日本の報復懸念に基づく。仮に、韓国で通貨危機が起こった上に日本の報復を受けたら、韓国経済は立ちゆかなくなる。その恐怖感が、「反日」から一転して「親日風」にさせているのだろう。現金なものだ。
『韓国経済新聞』(5月16日付け)は、「『メード・イン・ジャパン』なければ生産困難な製品多い」と題する記事を掲載した。

韓国、「日本様々!」メード・イン・ジャパンなければ、経済「保たない」
『韓国経済新聞』(5月16日付け)は、「『メード・イン・ジャパン』なければ生産困難な製品多い」と題する記事を掲載した。
世界最高の競争力を持つ韓国の半導体、スマートフォン、ディスプレー製造業者は依然として日本の装置と素材、部品メーカーの技術力に依存している。日本企業がなければ「メード・イン・コリア」製品をまともに生産するのが困難なほどだ。
(1)「 世界のメモリー半導体業界で1位と2位のサムスン電子とSKハイニックスは半導体工程に使う高純度フッ化水素をステラケミファ、森田化学工業など日本企業からほとんどを輸入する。フッ化水素は半導体製造核心工程であるウエハーの洗浄と蝕刻に使われる。ソルブレーンなど韓国企業がフッ化水素生産に乗り出しているが、歴史が100年を超える日本企業の技術力には追いついていないと評価される」
(2)「 スマートフォン用有機ELパネル生産に必須の蒸着装備も日本製が大部分だ。キヤノン子会社のキヤノントッキが世界市場の90%以上を掌握している。大型ガラス基板に薄い膜を均一に形成する技術力を保有しているためだ。機器1台当たりの価格が1000億ウォンを超えるのにサムスンディスプレー、LGディスプレーなど韓国の主要ディスプレーメーカーが装備を購入するため列を作って待つ」
(3)「昨年、韓国が日本との貿易で出した赤字は、240億ドルで世界1位だった。輸入半導体装備の34%、高張力鋼板の65%、プラスチックフィルムの43%を日本から輸入した。日本企業に対する過度な技術依存度が韓国看板企業のグローバル競争力を損ねるという懸念も出ている。

上記のような記事が韓国内報道で出ると嫌韓派には気持ち良いでしょうが、これに慢心していると足元をすくわれる危険があります。
対日依存度低下論は、韓国の対日批判の背景について日本側の推測記事・意見であって、韓国人が「もう日本には世話になりませんから言いたいことを言います」と主張しているわけではないのに、日本の勝手な憶測をもとに頭にきて?強硬態度に出るのは行き過ぎです。
法律相談で、自分の意見が通らないと、貧乏人は死ねというのか!とか、弱いものは泣き寝入りするしかないのか!などと感情的反応する人がいたり、企業の相談でも客が何を要求してもお店の方は何でも言う通りにするしかないのか!など、時々短絡反応する人がいますが、あなたのやり方はやり過ぎで許されないが、そこまでやらない中間に多様な方法があるという説明の前に、一足飛びの結論を出したがる人がいます。
デュープロセス・物事には手順があるという程度のことですが、相談事例やトラブル事例の多くでは、一足飛びの反応がトラブルになっていることが多いものです。

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