新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化2)

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化2)

感染症には周期的進行〜収束サイクルがあるので、大邱の方が早く始まってピークがすで来ているとすれば、名古屋や北海道もピークを過ぎ去ってみないと比較が公平でないかもしれません。
合計死者50人としても数ヶ月に一人づつの場合と数ヶ月内に50人死亡・これに比例する重症者大量発生とは社会の受ける打撃が違います。
この違いを分けるのは政策の巧拙・民度です。
昨日引用の井戸端会議の表は感染者や死者等の数字の出典不明で、日本の日々変わる数値をニュースで追いかけて比較しても、統一した日付で比較しないと意味不明になります。
日々数字が動く流動的状態での意見ですので仕方ない面もありますが、約1週間遅れであればデータが出揃うので統一日付けの比較が可能になりそうです。
ヤフーニュースで3月8日現在で統一的に確認します。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200308-00166660/

新型コロナ感染者」が韓国、イタリアと違い、日本はなぜ少ない?
辺真一 | ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

3/8(日) 10:02

世界で2番目に多いコロナウイルス感染者を出している韓国は7日午後4時基準でさらに274人増え、7041人に達した。死亡者も5人増え、49人となった。
日本はどうか。3月7日午後6時の時点で厚生省の発表によると、国内感染者はクルーズ船感染者696人を除くと、前日よりも71人増え、420人。韓国の約16分の1、イタリアの14分の1に過ぎない。
都道府県別別で最も多いのが北海道の82人。続いて首都・東京(52人)、愛知(51人)の順。大阪は15人に留まっている。東京はソウルの約半分、大阪は釜山の約6分の1に留まっている。
日本の死亡者数は6人のままである。これも韓国の約8分の1、イタリアの約38分の1とはるかに少ない。

上記は国内データは厚労省のデータによると書いてあるほか国外分はどういうデータ根拠かいつの日付け分かも書いていませんが、個人ブログと違い、大手ヤフーニュースに出ているので相応の根拠資料に基づいた数字であろうと一応信用して書いています。
(感染者数や死者のデータは累積数がほとんどですので、国内データより国外データが半日〜1日程度遅くても感染者や死者数等が低く出るだけですので、日本の方が少ないという比較においての誤差は、意見の信用性補完にはなっても不信感の根拠にならないでしょう)
GDPや各企業の決算数字などは発表の出揃う期間経過後の比較が正確なのと同じで、日々データ更新される感染者や死亡数は、日付誤差のない1〜2週間程度前のデータ・・政府発表のデータの場合一定期間ごとの発表など区切りがあるので(国家機関の公式データは、厚労書発表はニュースのように日々、あるいは数時間ごとに出るものではありません)10日前1ヶ月前のデータ比較などが有効です。
とはいうものの最新データを見たいものです。
以下厚労省データの通り昨日現在ではなんとイタリアが(高齢化率が高いからか?)死者数で中国を追い越して世界一になっているのは驚くばかりです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10316.htmlに入ってみると3月20日付け発表が出ています。

1.国内の発生状況(3月20日12:00)

3月20日12:00現在、国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は950例となりました。
内訳は、患者841例、無症状病原体保有者107例、陽性確定例(症状有無確認中)2例となります。国内の死亡者は33名となりました。
国内での退院者は、昨日より12名増加し、227名(患者193名、無症状病原体保有者34名)となりました。

【内訳】
・患者841例(国内事例829例、チャーター便帰国者事例11例、空港検疫1例)
・無症状病原体保有者107例
(国内事例97例、チャーター便帰国者事例4例、空港検疫6例)
・陽性確定例2例(国内事例2例)
うち日本国籍692名

 

3.国外の発生状況

・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと3月20日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域感染者死亡者
中国809673248
香港2084
マカオ170
韓国865294
台湾1081
シンガポール3450
ネパール10
タイ2721
ベトナム850
マレーシア9002
豪州6816
米国14250176
カナダ7369
フランス10995372
ドイツ1099920
カンボジア370
スリランカ600
アラブ首長国連邦1400
フィンランド4000
フィリピン21717
インド1944
イタリア410353405
英国3269144
ロシア1990
スウェーデン142310
スペイン17147767
ベルギー179521
エジプト2566
イラン184071284
イスラエル6770
レバノン1573
クウェート1480
バーレーン2781
オマーン480
アフガニスタン220
イラク19213
アルジェリア879
オーストリア20136
スイス310329
クロアチア1051
ブラジル6216
ジョージア400
パキスタン4542
北マケドニア480
ギリシア4186
ノルウェー15526
ルーマニア2770
デンマーク12256
エストニア2670
オランダ246076
サンマリノ11911
リトアニア360
ナイジェリア80
アイスランド3300
アゼルバイジャン441
ベラルーシ510
ニュージーランド280
メキシコ1181
カタール4600
ルクセンブルク3354
モナコ70
エクアドル1993
アイルランド5573
チェコ6940
アルメニア1150
ドミニカ共和国342
インドネシア31125
アンドラ530
ポルトガル7853
ラトビア860
セネガル310
サウジアラビア2740
ヨルダン690
アルゼンチン973
チリ2380
ウクライナ162
モロッコ632
チュニジア391
ハンガリー731
リヒテンシュタイン280
ポーランド3555
スロベニア2861
パレスチナ440
ボスニア・ヘルツェゴビナ630
南アフリカ1500
ジブラルタル(英領)30
ブータン10
カメルーン130
トーゴ10
セルビア1030
スロバキア1230
バチカン10
コロンビア1020
ペルー2340
コスタリカ690
マルタ530
パラグアイ110
バングラデシュ171
モルドバ491
ブルガリア943
モルディブ130
ブルネイ750
キプロス670
アルバニア642
ブルキナファソ331
チャンネル諸島(英王室属領)10
モンゴル60
パナマ1091
ボリビア120
ホンジュラス120
コンゴ民主共和国140
ジャマイカ151
トルコ1923
コートジボワール90
ガイアナ71
ガーンジー(英領)10
ジャージー(英領)50
ケイマン諸島(英領)10
キューバ111
トリニダード・トバゴ90
スーダン21
ギニア10
エチオピア60
ケニア70
グアテマラ91
ベネズエラ420
ガボン10
ガーナ110
アンティグア・バーブーダ10
カザフスタン440
ウルグアイ790
アルバ40
ナミビア30
セーシェル60
セントルシア20
ルワンダ80
エスワティニ10
キュラソー30
スリナム10
モーリタニア20
コソボ20
コンゴ共和国30
セントビンセント及びクレナディーン諸島10
中央アフリカ10
ウズベキスタン230
赤道ギニア60
プエルトリコ50
リベリア20
タンザニア60
グリーンランド20
ソマリア10
ベナン20
バハマ30
モンテネグロ30
バルバドス(英領)50
キルギス30
ザンビア20
ジブチ10
ガンビア10
モーリシャス30
フィジー10
エルサルバドル10
チャド10
ニカラグア10
モントセラト(英領)11

新型コロナウイルス対応の巧拙6(周期的変化1)

昨日紹介のhttp://vox.hatenablog.com/entry/2020/03/13/174636
の続きです。

画像:人口100万人あたりの新型コロナウイルスによる死者数

韓国(全土): 1.31人
テグ(大邱): 19.7人
韓国(テグを除く): 0.39人
韓国(テグと慶北を除く): 0.06人
日本: 0.12人
イタリア: 16.8人
韓国の新型コロナによる死者数はテグの死者数によって全体的に大きく引き上げられています。テグ広域市と慶尚北道での死者数を除外した韓国の人口100万人あたりの新型コロナによる死者数は 0.06 人です。
この数値は3月9日時点の日本と同じですから、ムン・ジェイン大統領が強気な姿勢を示す理由も理解できなくはないと言えるでしょう。
イタリアは3月6日の時点で「人口100万人あたりの新型コロナによる死者数」は 3.25 人でした。それが1週間ほどでテグの水準にまで達してしまったのですから、医療崩壊が起きているのは確実です。
新型コロナウイルス感染者への対応に医療リソース(人員・病床・機材など)が取られたことで他の疾患への治療に支障が生じるのが医療崩壊です。

人口比死亡率を見るのが合理的という意味では上記グラフの提示は合理的で、私の考え方にもあっていて目についたので引用したのですが、グラフ表示と文字解説・主張が一致していないような気がするのは残念です。
点線グラフが大邱の死亡率と表示されているにもかかわらず、韓国全体のグラフより低い数値を表すグラフになっている不合理性で頭がついていけない点と図面に19、7の数値表示場所さえないので、韓国全体と大邱のグラフ表記が入れ替わった単純ミスでもなさそうです。
そこで19、7がどこから出た数字か気になったものの、グラフ作成をどの資料に基づいてしたかの説明がついていません。
読者・私のような素人には大邱の人口と日々の死者数データを簡単入手できないので何と何を組み合わせて19、7になっているか、何月何日時点の数字かも検証不能です。
結果的に残念ながら、グラフに基づく解説あるいは主張としては意味不明になっています。
それらを措いて・・グラフでなく文字意見を前提にするとしても、論旨には以下の通り疑問があります。
井戸端会議の筆者は、韓国のデータからテグと慶北を除けば日本と比率が同じだから韓国全体では問題がないかのような説明ですが、日本でもっとも感染者の多い北海道を除けばとか言い出せばきりがないので、比較するなら同じ基礎条件・・日本全体との比較の場合は大邱周辺を含めた韓国全体数字で比較すべきでしょう。
日本全土対韓国全土で言えば、上記主張・解説によっても韓国の死亡率は日本の約10倍以上ですし、都市間比較ならば同規模都市同士で日本の最大感染率の都市と大邱市を比較するのが妥当でしょう。
国内最大感染率かどうか不明ですが、同規模都市として名古屋市・愛知県の感染報道が多いのでこれを比べてみます。
名古屋市の感染関連では、たまたま3月8日のニュースが出ていました。https://www.asahi.com/articles/ASN383FRRN38OIPE008.html

名古屋市は8日、市内在住の80代男性が7日に死亡し、直後の検査で新型コロナウイルスの感染が判明したと発表した。男性は別の感染者との接触があり、6日夕まで目立った症状がなかったが容体が急変したという。愛知県内で感染者の死亡が明らかになったのは初めて。
男性は7日午前8時ごろに県内の病院に救急搬送され、救急隊の到着時は心肺停止状態だった。離れて暮らす遺族からの聞き取りでは、6日夕の段階では発熱はなく、食事もとっていたという。

上記によれば日本国内で感染者数が伸びていて要注意になっている名古屋市でも、3月8日時点で初の死者が出た状態です。
14日時点では、以下の通り愛知県では増えています・このようにいつの時点かの特定がないと比較になりません。hhttps://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3929338.html

新型コロナウイルス、名古屋市で男性2人死亡
名古屋市は、これまでに新型コロナウイルスに感染していることが確認されていた男性2人が死亡したと発表しました。
名古屋市によりますと、1人は今月10日に感染が判明した90代の男性で、新型コロナウイルス肺炎で死亡。さらに、これまでに感染が判明した高齢の男性が死亡しましたが、年代や死因は明らかにされませんでした。
・・・愛知県では感染者が114人、死者は10人となりました

これらのニュースが正しければ、冒頭引用した井戸端会議が、なぜ大邱のデータと名古屋市あるいは愛知県とを比較しないかの疑問が膨らみます。
しかも3月8日の死亡者は前夜まで自宅で元気だったのに一晩でいきなり急変したものですから、仮に日本で希望さえあれば無制限検査できるようにしていても防げなかった事例です。
次に札幌で見てみると札幌の数字が直接出ないので北海道で見ると以下の通りです。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/402615

新型コロナ、札幌の80代女性死亡 道内死者5人目 感染4人増の148人に
03/16 11:36 更新

3月16日現在でも北海道全部で死者5人にすぎません。

新型コロナウイルス対応の巧拙5(医療崩壊3)

一般重症患者・ガン患者、脳梗塞や心疾患その他の病気で、急性期脱却後(手術後1週間前後で)一旦退院して、術後のデータチェックのためなどで通院・・自宅療養となり、通院予定外の日でも「急変したらいつでも連絡してください」というのが現在の医療方式です。
こうして一定比率で病院に戻って来り退院する患者比率を前提に、集中治療室の規模や一般病棟や機器医療スタッフ等のローテーションがなり立っているので、ここに一挙に大量の患者が殺到するとどうなるかの問題です。
通常の通行量前提の道路に一斉に避難民が殺到すると生活道路がパンク状態になるのと同じで秩序立って避難した方が結果的に多くの人が早く避難できます。
一般の病気療養中の人が自宅で容態急変してイザ病院に連絡したところ、(大病院の場合一定率で日々こういう人が発生しているからこそ、一定数の看護師や酸素吸入器などの利用率が上りペイしているものです。
電話するとコロナ型患者殺到により病床が満杯で、担当医師も手一杯で往診にいけないと言われるとどうなるかの問題・・これこそが地域医療崩壊と称すべき状態でしょう
大多数の重症患者の急変事態には、バイタルサイン悪化の最後は呼吸困難になる人が多い・・呼吸困難等の集中管理室対応症状が一般的ですが、イタリアの場合人工呼吸器不足で対応できなくなる現象も報告されているなどから分かるように救急医療と機器的に競合する面があります。
コロナ型患者も本当に酸素吸入が必要な患者の場合、一般患者を優先にする必要はないでしょうから、病院としては受付順対応になりますが、不要不急の患者が押しかけて本来の救急患者の救急治療を妨害しているかどうかです。
救急治療室の空きあるいは、酸素吸入機の余裕がある場合、いずれも緊急にするほどでなくとも患者の強い希望があれば、「マアいいでしょう」と拒否しきれない場合も出てきます。
本来の救急患者(と言っても退院後再入院の場合は救急車でなく家族の送迎中心)は、前もって並ぶ余地がないので大挙押し掛けて並んでいる人がいるとこの人たちが事実上優先権を確保してしまいます。
公共施設・・コミュニテイセンターなどの利用申し込みで団体枠とフリー枠を別に設けないと半年〜1年前から予定の決まっている団体が1年先まで全部申込んでしまうので、一般市民がふらっと、ピンポンやテニスなどしたいと思って立ち寄ってもいつも予約済みで利用できないのと同じです。
検査機器の感度と的中率が問題になっていますが、陽性を見落とすリスクよりも陰性を間違って陽性という結果にして念のため丁寧対応しておいて悪いことはないという方向になりがちです。
パニック状況に押されて行う全量検査の場合、本来の機器精度が低い問題だけでなく、擬似陽性を皆陽性扱いする問題と言っても良いかもしれません。
大事を取る分には問題がないという日常の姿勢が医療関係者の気持ちに染み込んでいるので、いわゆる濃厚・過剰診療の問題が競合してきます。
この倫理観というか保身術自体は医療システムのキャパに余裕あるときには合理的ですが、大災害等で一時的に医療施設不足が起きた時点では、悪しき倫理になります。
事故や脳梗塞等で救急で運ばれて来る人あるいは退院後自宅で療養中の人の容体悪化で再入院する人は救急車でなくマイカーでの入院が多いですが、いずれも寸刻を争う本当に緊急治療必要な人たちです。こういう人と、大事をとって三sの吸入しますか?と医師が仕方なしにやる場合が一緒に並べば、医師は本当に緊急性のある方を優先するでしょうが、先に病床を埋めてしまっていると、病室を追い出したり始めたばかりの酸素吸入機を外す勇気まではないでしょう。
昨日紹介した韓国の記事
「・・もともと疾患を持つ高齢者らが自宅で亡くなるケースも続出している。
という報道はまさにコロナ型以外のその地域で日常的に一定率で発生している救急患者等の一般病人が行き場を失って、そのまま自宅で息を引きとることになっている状態・いわゆる医療崩壊現象が出ているようです。
交通事故や脳血栓その他緊急治療すれば助かる人がせっかく救急車に乗っても引き受ける病院がなくなれば落命することになります。
こういうことによる死亡者は新型コロナウイルスによる致死者に含まれませんが、新型コロナ型ウイルスが検出されると重症者限定せずにドシドシ入院させることによる被害です。
コロナ型ウイルス騒動の収束後に、コロナ型ウイルスの出た死亡者に限定せずにその時期の人口比の死亡率がその前後で上がり平均寿命が下がったかなど疫学的統計で国・地域ごとの成績を決めるのが合理的です。
以下によると大邱周辺で医療崩壊が起きているだけで韓国全体平均すると感染率が日本と大差ないという主張か?が出ています。
東北大震災が日本全体で起きていないから問題がないというような意見かな?

井戸端会議・瓦版

2020-03-13
新型コロナウイルス(covid-19)への対応で「積極的な『PCR 検査』の実施」をした韓国で医療崩壊が発生しました。ただ、それはテグ(大邱)での話あり、韓国全土で医療崩壊が起きたのではありません。
しかし、大阪市(人口274万人)や名古屋市(人口232万人)と同規模を人口を持つ都市で医療崩壊が起きたのです。この点は「問題ない」とは言えないでしょう。
「人口100万人あたりの死者数」で見ると、韓国・テグ(大邱)の深刻度が浮き彫りになる

グラフと筆者の解説は明日の引用とします。

新型コロナウイルス対応の巧拙4(医療崩壊2)

新型コロナウイルスは感染しても8割は軽症で普通の風邪とほぼ変わらず、死亡率は1〜2%と言われていますので、それほど恐れる必要はないので爆破的拡大を防ぎ制御しながら受け入れていく・・免疫力を高めるのが合理的です。
・・ただし現在進行中の新型ウイルスのために統計がまだ揃わないのでこれは予測に過ぎないでしょうが・・。
確かなところをこの時点で確認しておきます。
https://www.lireclinic.com/column/新型コロナウイルス

新型肺炎・コロナウイルス感染の致死率、症状、免疫などの情報
コーヴィッド19
WHOから、コロナウイルスの致死率は2%程度との見解がありました。
*致死率=死亡症例数/感染症例数
決して人口の2%の方がなくなるわけではありません
(致死率:SARS 9% MERS 10%)インフルエンザの致死率は国によって異なりますが1%未満程度です。
日本では抗インフルエンザ薬が多用されており致死率が0.1%(高齢者0.3%若年者0.01%)と諸外国より低いとされています。

上記によれば人口比ではなく症状が出て統計対象になっている人に対する死亡率のようですから人口比ではもっと低いのでしょう。
感染していても軽くて医療機関に行かないで治ってしまった人は分母に含まれていないことになります。
逆から見れば、軽症者(無症状や感染度合いの低い人?)をどんどん無制限検査して感染者にカウントして激増させれば治癒率も上がるし致死率がぐっとさがる仕組みです。
一般的な風邪ひきの場合、少しだるいかな?発熱等の症状があって、4〜5日様子見しているうちに放置できないとなってから勤務先に遅刻連絡して近隣クリニック等で受診するのが普通のパターンですし、治癒率や致死率とは、こういうフィルーターを通して選別された受診者の統計比率です。
新型コロナウイルス等大騒ぎすればするほど普通の場合受診しない程度の軽微な症状者の受診率が高まるので、放置してれば受診行動に出ないうちに治ってしまうレベルの人も感染者にカウントされるので、統計上治癒率が上がり、致死率が下がる方向に作用します。
ちょっと風邪っぽい程度の人はその何倍もいるし、感染に気付かない比率が高いとも言われるので感染者中の死亡率としても実際の死亡率はものすごく低いことがわかります。
統計の宿命ですが、・・小売販売額統計もデパートスーパーだけの統計でなくネット販売等の統計を組み入れないと実態を表さなくなっているように、調査対象をどこに置くかによって実態反映率が変わっていきます。
大規模検査の効率性判断の客観指標とすれば、国によって大量検査する国と厳選して検査する国のばらつきがある場合、人口比死亡率が最も客観性がありそうな気がしますが・・。
死亡に至る呼吸器不全の場合、この時期原則的新型コロナ感染可能性をチェックするために事前胃呼吸器障害の症状がない人を含めほぼ120%?死亡後検査しているようですから死亡数を基準にすれば統計漏れがないでしょう。
例えば名古屋市での死亡者に関するニュースです。
https://www.asahi.com/articles/ASN383FRRN38OIPE008.html

名古屋市は8日、市内在住の80代男性が7日に死亡し、直後の検査で新型コロナウイルスの感染が判明したと発表した。
男性は別の感染者との接触があり、6日夕まで目立った症状がなかったが容体が急変したという。愛知県内で感染者の死亡が明らかになったのは初めて。男性は7日午前8時ごろに県内の病院に救急搬送され、救急隊の到着時は心肺停止状態だった。離れて暮らす遺族からの聞き取りでは、6日夕の段階では発熱はなく、食事もとっていたという。

日本ではこういう人も死後検査してウイルス検出されると新型ウイルス死亡者にカウントしているので死亡者絶対数を「人口比で見るのが客観性があります。
そこで韓国の大規模検査が死亡率低下に役立ったのか?逆に医療崩壊させて(コロナ型ウイルスに限定せず)地域全体の死亡率を高めたかの疑問に入ります。
20年3月3日現在の記事です。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020030301017&g=int

韓国感染者、5000人超 大邱で病床不足深刻―新型肺炎
2020年03月03日19時32分
韓国保健当局は3日、新型コロナウイルスの感染者が計5186人に達したと発表した。
死者は31人となった。感染者は連日急増しており、過去10日間で約10倍に膨らんだ。保健当局は現在、3万5000人以上に対し、感染の有無を検査している。
死者も大邱や慶尚北道に集中しており、同地域では感染者の急増で病床不足が深刻化。大邱では感染が判明しても、医療機関で治療を受けられずに自宅待機している感染者が2000人に達し、もともと疾患を持つ高齢者らが自宅で亡くなるケースも続出している。韓国紙は「医療体制の崩壊」(毎日経済)などと政府の対応の遅れを批判している。

それほどの重症でないものが列をなしてこれの対応に忙殺されて重症患者の診察順番が来ないとか、先着の中〜軽症者にベッドが占領されていて肝腎の重症者が入院できない弊害がいわゆるトリアージ問題ですが、社会全体の問題としてみれば新型コロナ型患者内の順位争いにとどまりません。
地域社会での医療崩壊・・日常的医療を受けられるシステム崩壊が起きれば深刻です。

新型コロナウイルス対応の巧拙3(医療崩壊の有無1)

医師の過剰労働時間が社会問題になっている現状で分かるように医療機関は日常業務で手いっぱいが普通で、余剰人員を抱えている医療機関は滅多にないでしょう。
この状態で日常業務を中止して検査業務にかり出しっぱなし(1〜2日の休日返上でなく1ヶ月規模の連続業務になると)にすると、日常的に行ってきた病人に対するケアがおろそかになる・一般病人の死亡率が上がるマイナスとの兼ね合いです。
グランドプリンセス乗員4000人弱の一斉検査に際しては、緊急に全国から検査要員を集めたのですが、船内閉鎖空間での長期担当は検査担当者の受感染リスクが高まるので2〜3日での交代ローテーションにしていたらしいのですが、担当終了後2週間の隔離期間を置かないと元の医療機関に復職できないので、感染学会からの各医療機関への人員提供呼びかけにほとんどの医療機関が(病院業務がその間維持できないので)応じられなかったという裏話が出てきました。
限られた医療資源有効活用のためには、クラスターになりそうな大型イベントあるいは中小の集まりを縮小してもらう一方で、個別対策としては濃厚接触者その他一定の疑いのある限定者に対する具体的必要に応じた検査に限定すべきで、根拠なく全国民一律に行うのは医療システム破壊リスクの方が大きくなります。
大規模災害時におけるトリアージ原則再確認の必要性です。
もともと大量の負傷者がいる場合、その場で重軽傷等の分類し限られた医療資源投入の優先順位を決める思想です。
食料も洋服や移動手段、教育のコースやエンターテーメントなどなど多様な要望に応じてどれだけきめ細かく用意できるかが豊かさの指標とすれば、これを災害現場に持ち込んだともいえるでしょう。
災害現場への食料寝具等の供給も、老人子供女子その他多様な避難者に応じたきめ細かい配布が要望されるようになっているように、細かなニーズ無視でどーんとトラック何百台分同じものを送ればいいものではありません。
きめ細かく運用するのがこの20年前後注目されるようになった傾向です。
地震/災害時に一斉に車が道路に殺到すると道路が渋滞してパンク状態になって、結局みんな逃げ損ねることや、みんなが一斉に不要不急の携帯発信するとその地域の通信機能がパンクしてしまいます。
検査して陽性になってもこれといった治療ができるわけでなくただ隔離して他への感染拡大防止程度の効能しかない程度の水際作戦→国内感染者がいない初期段階での入国者全員検査なら意味ありますが、国内で経路不明の感染者が散発的に増えてくると、やみくもに全員検査するのは医療資源の無駄遣いです。
警備担当者が、特定警備敷地内に入ろうとするものを入り口で全員チェックするのは合理的ですが、やみくもに通行人全員〜半径数キロの通行人全員の職務質問に駆り出してしまい、肝腎の門番や敷地内の衛兵がいなくなるようなものです。
入室前の手洗いや自分で機器に手をかざす程度に検査機器が簡便化して自動判定できて数十秒で入室できるようにすれば検査精度が低くても合理的ですが、専門機関に出向いて検査を受け結果が出るまで1週間かかるのが2〜3日〜数時間に短縮する程度では不便過ぎて意味がありませんし、検査判定に動員される人的資源の無駄→日常医療業務麻痺になり通常の病人が治療を受けられなくなるリスクが起きます。
大量検査よりクラスターになりそうなイベント縮小の方が、患者を急激増加させない効果が大きいでしょう。
アメリカでは50人以上の集会禁止〜10人以上になり今朝の日経新聞朝刊では、今朝の日経新聞朝刊では、イタリア全土で12日から、生活必需品のスーパーが開いているが、小売店喫茶店など全面営業禁止が報じられ、続いてフランスも同様の措置に入ったようです。
検査しても治療法がない以上は、全面的体制としては人の移動制限が伝染阻止に有効でしょう。
検査動員で医療従事者が疲弊してしまい医師看護師など要員の病欠等を増やす・・いわゆる医療崩壊を起こすよりも、濃厚接触の疑いのある人・感染症と確定している人の同居人だけ検査し、全面移動制限できない社会では、ある程度熱があっても大した負担のない元気な人は、出歩かないで自宅に止まるなどの協力お願いが合理的か?という問題です。
今回の新型コロナ型ウイルス騒動以前・・ちょっとした風邪をひいたかな?と思った場合、早めに帰るなど負荷をかけないで様子を見る・・4〜5日経過で早めに寝る程度では治りそうもないと思ってからクリニックに行くのが普通でした。
今回の新型コロナ型ウイルスの場合も、無症状で終わる人については統計の取りようがないので不明ですが、症状の軽い人は風邪ひき程度の症状で終わる人が8割(高齢者や病人を除けばほぼ100%?)というのですから、普通の風邪気味同様に周りに感染させないように気をつける程度のマナーをより厳重にする程度の対応が合理的でしょう。
マスク着用や外出後入室前に入り口で必ず手洗いするなど、できる程度のことをして自分を守るより周囲の人に自分が感染させない目的のマナー遵守が重要です。
普通の風邪の場合仕事を休まない程度の軽い症状でも(自分の健康を守る目的だけなら無理して出勤を続けるかどうかは自己判断ですが)今回は蔓延を防ぐための観点が重要ですのでちょっとでも疑わしいと思ったら早めに仕事を休むなど・・「企業も風邪によるお休みを取り易くしましょう」という程度のことではないでしょうか?
濃厚接触の心配のない人でもいつ濃厚接触したか不明なために、(クラスターとなった市川市のフィットネスクラブ〜さっぽろ雪まつりや大阪のライブなどもともと元気な人が集まったもので、当時その中に無症状の?感染者がいるとは知らなかったでしょう)そういうリスクを減らすための大規模イベントや学校などの閉鎖空間での集団で長時間一緒になるのを自粛してくださいとなったようです。
日本国民は冷静(政府・地域共同体への信頼性が高いということでしょう)ですので、大震災や津波その他非常事態が起きてもパニックになりにくい社会です。日韓は対中人的交流が大量且つ密ですが、いきなりの全面出入国禁止をしなかったのは、相応の対応力をもっているから制御可能という対応だったのですが、韓国の場合大邱での大規模発生を受けて、擬似的先進国?である韓国民の本性が吹き出してパニック化したようです。
政府は大邱の特定宗教団体をスケープゴートのした上でパニックを抑えるために無駄な大規模検査実施に踏み切るしかなかったのではないでしょうか?
以下のとおり急激な政府批判の噴火がおきていました。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200228/for2002280004-n1.html

韓国・文大統領“弾劾”請願に120万人超が賛同 新型コロナの1日の感染者数「世界で最も多い国」に
2020.2.28

アメリカも大災害があると軍隊がまず展開する必要のある民度です。
トランプ氏は非常事態宣言をしたり、大量検査システムが整っていると政府発表していますが、合理的に行動できる国民レベルでない弱点を表しているにすぎません。
これと言った防疫能力のない国では、大量の軍動員による中国の武漢の物理的封鎖に倣ってロシアに始まりモンゴルや北朝鮮・フィリッピン等は直ちに対中全面国境閉鎖しましたが、これしかない国はこれが最良の対処策と言うことでしょう。
国境閉鎖どころか、国内でも特定地域を閉鎖して孤立させる強制力行使が一般的ですが、こうした乱暴な施策を必要とする国は本来の民度レベルに比例していることになります。
いわゆる独裁国家や民主国家といっても乱暴な政治をするしかない社会は、相応の社会実態が背景にあるのであって、政府がきめ細かい対応をするには国民もこれに見合った相応のレベルが必要です。

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