調査主体による世論調査の傾向差3

世論調査は中国のGDPや各種統計発表を日本のプロは一定の修正を施して、解釈しているような関係です。
日本の報道機関各社は信用維持のために各社の(新聞界の押し紙慣行同様)、悪しき慣行を正す必要があるのではないでしょうか?
報道機関による世論調査の結果差は以下引用する通りで、時事ドットコムでは自民党支持率24%台と立憲3、5%しかないのに、NHKでは32、5%台と5%代に大幅に上がります。
朝日では、立憲は9%代で推移する表が出ています(引用省略)。
他政党との比率も毎回変動するのではなく、政党別支持率の比率傾向が調査主体ごとに毎回同じ比率で変動しているのが不思議です。
※確かな野党の社民や共産の支持率はどの調査主体でもあまり変わりません。
積極的贔屓をしているメデイアがないということでしょうか?
最新世論調査結果の具体例です。
https://www.realpolitics.jp/research/による調査期間別の政党支持率の5月平均です。

上記のように自民支持率は朝日、毎日が27、5〜28%しかないのですが、他は概ね30%台後半です。
アトランダムにかけたはずの電話応答者がたまたま偏った人に当たったのではない証拠にその前からもほぼ同じように朝日毎日とその他では大きな差が毎回ついている点をこのシリーズでは問題にしています。(「朝日が」という意味ではなく、読売の場合自民党支持率高めなどの調査主体でも)下請け現場で発注者向け忖度操作が行われていたのでないかの疑いです。
推移を見ていきます。
“https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-politicalparty”
時事ドットコムニュース【図解・政治】政党支持率の推移


記事などの内容は2020年3月13日掲載時のものです
以下のNHKの7月の表を前記https://www.realpolitics.jp/researchの5月平均と比べれば傾向は同じです
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu
7月10日(金)~12日(日)
各政党の支持率 NHK世論調査

政党名
自民党 32.2
立憲民主党 4.9
国民民主党 0.7
公明党 2.8
日本維新の会 3.0
共産党 2.2
社民党 0.4
れいわ新選組 0.6
その他の政治団体 0.5
支持なし 45.5
わからない、無回答 7.2

調査主体別世論調査の傾向差2

その気で考えると国勢調査に始まり消費者物価指数その他各種調査は全て現場作業・機械的な単純作業に委ねているので、誰の味方でもない一般人がありのまま記録しているだろうとの信頼・・信仰でなり立っているようです。
家消費支出動向調査なども、レシート添付などのルールがあるのでしょうが、滅多に現物照合してチェックなどできないでしょうから、モニターになる主婦の鉛筆加減によります。
やらせ記事や報道が有名になりましたが、発注者がその気になれば街角景気でもなんでも数字は意のままになります。
弁護士間交渉の場合、お互いに別の業者に価格査定を願いするのが一般的ですが、本来発注者ごとに結果が微妙に違うものと一般に考えているからでしょう。
選挙の場合厳正に行う必要があるので、立会人の目の前で開票作業を行い、しかも1テーブル4〜5人で各人がABC候補別の(例えば10枚)束を作り,その束を順繰りに回して別の候補が混じっていないかきっちり10枚かの再確認していきますので、最後までA候補の票をB候補の票に取りちがえるようなミスは滅多におこりません。弁護士会である問題に関するアンケートを取った場合の例(私の知っている限りですが)では、みんな忙しいので委員会の中で誰かに集計作業をお願いして、次回委員会でその結果を表にしてもらって議論するのが普通で原票を確認し直すようなことをしたことがありません。
お互いこれといった利害がなく、実務上どういう事例があるかの問い合わせ・・を知りたいだけですので、改ざん動機がありえないからです。
その点、契約の成否に関わるデータや、世論調査等では調査依頼者の欲しい情報傾向があらじめ決まっているので、(集団自衛権や秘密保護法反対、森かけ騒動など、主体的に報道していたメデイアにとってはその影響が大きく出て欲しいでしょうし、反対の論陣の方は影響がないと言いたい気持ちがわかります)その意向に迎合した結果になり易いリスクがあるので、選挙開票作業のような厳格な監視をするか、社会コストから考えてそういう厳格な手続きは無駄だという視点で、「あのメデイアの調査結果はそんなもの」という諦めの目でそれぞれ贔屓の媒体の調査結果を見て、「あそこがこういう結果なら・」というバイアスで解釈している社会が良いかです。
対象企業から費用をもらって格付けすることが知られていますが、その程度の信用で良いといえば言えます。
なにかあるとテレビがよくやる街角の意見といっても、実はほぼヤラセというのが定説のようですし、世の中みんなそういうものと思って生きていくしかないのでしょうか。
この事件発覚後朝日新聞では当社はコンピュータAI処理しているので、恣意的操作が入る余地がないと発表していますが、A党支持のばあい① のボタンを押して下さいB党支持の場合②のボタンを押してください式の場合自動的にパソコンが記録できるでしょうが、電話かけ子が大勢で手分けして電話しているコールセンターの光景を見ると、口頭での応答が先行しているようですが、電話相手が世論調査にOKすると、以下自動記録手続きに移るのでしょうか?
データ処理のプログラムがどうなっているかの検査は高度な技術がいるのでしょっちゅう専門家によるチェック検査結果公表が必須ではないでしょうか。
企業帳簿で言えば「会計士がやってるので正確です」というのと同じで、不正が分かりにくくなっているだけということもあります。
専門の検査機構を抱えていたエンロンに始まって世界企業の巨大な不正経理がしょっちゅう発覚しています。
このため会計監査法人が特定企業を継続担当していること自体に問題がないかの議論すら起きているのが現状です。
「利益」のためにやったとは、電話料金ケチる意味ではなく、目に見えない大きな利益か?意味慎重な動機報道ではないでしょうか?

監査人、監査法人の交代制度について

監査法人の交代について
公認会計士法によれば、公認会計士は7年で担当企業を代わらなければなりません。
しかし、同じ監査法人が監査を継続できる期限は定められていません。
日本公認会計士協会としても、会長以下、主要な役員は大手監査法人の在籍者で占められているため、積極的に交代を制度化する意思は毛頭ありません。
ただ、数社程度ですが、日本の上場企業の中には、定期的に監査法人を交代する企業もあると見聞きします。
他方、欧州各国では、上場する大企業や金融機関に対する監査法人の交代制を来年から導入します。監査法人が連続で担当できる期限を原則10年とし、期限後の4年間は同じ企業の担当を禁じるものです。

継続関係だと発注者の意向を忖度する傾向が起きやすいのが普通ですので気になるところです。
コンピューターをどのように管理して誰がチェックしているかまで発表すべきでしょう。
ほぼ同時期でしかも調査方法がほぼ同じと言うのに、以下紹介するように調査主体によって毎回一定の傾向比率で大きな差が出る不思議・・イカサマ性に多くの人が気が付いているのではないでしょうか?
素人的な共通的理解・・・「ああ、そこの調査結果でそれくらいなら・・・」という受け止め方・・実態が正しいのではないでしょうか?
そんなことするわけがないと思いたいのが人情ですが、(請求書が来れば契約していない客が驚くし、問題になれば、客の声でないとすぐバレる)相手のある契約でさえデータ改ざんする手口が横行している現状を見ると、苦情を言う相手のいない世論調査委託のコールセンターだけどうして信用力が高いと言えるかの疑問に答える必要があるでしょう。

調査主体別世論調査の傾向差1

消費者事件が多発するようになってから企業は顧客に電話をかけて契約内容の確認をするようになっていますが、訴訟等ではその電話記録が提出されると原則として正しいものとして採用されています。
これは企業人が電話で聞き取ったことをそのまま記録しているものとする信用で成り立っているものです。
その録音記録原本まで提出を求めることは滅多にありません。
これをいいことにして、留守だったのに会話したことにしていても、保証人になった身に覚えのない方は、4年も5年も前に確認の電話があったかどうかなど・・なかったと言えても具体的会話を覚えていないのが普通です。
以下の事件のように直後のことでも高齢者の事件では問い合わせている息子の方は、録音があるなら、「おじいちゃん「お願いします」と言ったのでないか?忘れてるのじゃないか?と企業側の言い分を信用して終わってしまうのが普通です。
契約関係は相手があるので苦情が起きいざとなれば「録音自体を聞かせろ」となりますが、世論調査の場合誰の録音かの特定がないので、誰かの声と突き合わせることが不能で、改ざんする気になれば自由自在でしょう。
世論調査の場合、個別会話なく番号回答方式ですので、原始記録の書き換えでなく、電話を聞き取りながら右手で該当番号を丸していくスタイルの場合、当初から相手の回答が②なのに③であるかのように片手で丸していくことが可能なので書き換える前の原記録自体が存在しません。
録音自体がない・電話をかけなかったですませば、真相は藪の中になります。
電話をしていないのに担当者が好きなように政党支持の回答を作っていたとすればどういう基準で作っていたのか?こういうことも調査報道すべきではないでしょうか?
最もありうる調査結果は、正式に聞き取りした回答比率に合わせて配分したということでしょうが、そんな面倒なことをするくらいならば、実際に電話を掛けた方が手間暇かからないので「利益のためにやった」というのが正しいとすれば、発注者の期待に応える一定方向への色付け報告の意図があったのではないか?の疑念を払拭できないでしょう。
折から東電関連電話記録改ざん事件が発覚したばかりです。
このようなことが内部で普通に行われている疑いが起きて、世論調査についても内部調査が始まって今回判明したのではないでしょうか?
https://www.asahi.com/articles/ASN6D6VR0N6DUTIL01W.html

契約認めたように…東電委託先、通話記録文書も改ざん
北沢拓也、久木良太 2020年6月13日 5時00分

不正な編集は、りらいあ社の鹿児島センターで行われた。2019年3月~12月に44件の音声データを改ざん・捏造し、東電EPに提出。契約を拒んだ顧客を契約成立にするなど、強引な勧誘実態を隠すことが目的だったという。
このうち東京都江戸川区の男性(85)は19年1月に勧誘の電話を受け、数日後に申し込み完了の書類が届いた。男性は「契約したつもりはない」と驚き、妻(77)と一緒に長男(51)に相談。長男はりらいあ社につながった電話で、高齢の父親は内容を理解せずに契約させられたと訴え、通話記録の提供を求めた。
その後、男性宅にA4用紙5枚にまとめた「通話内容」が郵送されてきた。長男は契約を了解したように見えるやり取りを確認。契約は継続したという。

ところが実際には録音自体が改ざんされていたことが発覚したという事件のようです。
朝日のニュースではその後の事実関係は有料記事になっていて見られませんが、時事ドットコムによると以下の通りです。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061100399&g=eco

不正を行ったのは、りらいあコミュニケーションズで、今年1月に内部通報で発覚した。東電などによると、電力・ガスの小売り販売の勧誘業務で、2019年3~12月に東電が提出を受けた71件の音声データのうち44件で不正が見つかった。顧客とのやりとりの一部を削除したり、顧客に成り済まして会話を偽造したりしていた。

録音自体改ざんされていると消費者には簡単に暴けませんが、(朝日の例では顧客の方が渋々認めるしかなかったようです)内部通報があって録音自体改ざん(なりすまし録音)されたものであることが判明したようです。
世論調査と違い顧客が特定されているので顧客と付き合わせれば声の違いなど判明します。
そういう場合でも「録音自体を聞かせろ」というクレームが少ないので「なりすまし」録音する誘惑が起きたのでしょう。
この場合契約を取りたい・・営業成績に関わるメリットに関係しますが、世論調査の場合、どういう利益と引き換えにしていたかの真相解明こそが重要です。
調査主体の思想傾向がよく知られている場合、迎合して一定率で電話かけ子が電話記録する時に電話相手の応答と違う箇所に丸バツすることも可能です。
どういう手口で何を不正入力していたか不明ですが、電話をかけていないとすれば、白紙状態に現場の意見をそのまま入力できそうです。
各種調査機関の委託先現場担当者がサジ加減入力しているのが常態化しているとすれば事前予想・世論調査と実際の選挙結果が大違いになるわけです。
数十年以上前ですが、環境アセスメントが始まった頃だったかに、橋梁工事前の河川敷等で野鳥等の生態調査をしている人と会話したことがありましたが、彼らのオフレコの話によると「だいたい合っているけど、「調査委託団体の意向に合わせて数字を作っていかないといけないので・・」環境保護系調査の人は苦しそうでした。
言われてみると、実際飛び交っている野鳥の数などどうやって数えているのか?その証拠保存は不明ですし・・・鳥や小動物の糞の数や営巣数などは写真添付するが周辺の草などちょっとイジれば別の巣にできると聞いたような記憶ですがうろ覚えです・・念のため。

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