消費経験が民度を上げる→外貨準備減少

世界的に資源国や新興国通貨下落が進行している状況下で、ローエンド生産に頼る中国経済の限界を見た世界が、資本流出を始めたのですから、資本取引の規制さえ強化すればどうなるものではなく、ハイテク製品に挑戦する力があるかを世界は見ています。
スマホで言えば、中国企業がアップルに負けない新製品を仮に作って世界を席巻しても、その製品工場として最低賃金で働く工場しか中国に作れないのでは、ベトナム等に工場立地を奪われてしまいます。
このシリーズの関心である・・結局は民度次第と言うことです。
一握りのエリ−ト研究者や資本家だけが潤う社会では、豊富な労働力が売り物の中国の金看板がどうなるか?と言う疑問です。
多くの国民がローエンドからセカンド〜ハイエンド製品生産に従事・参画出来ないと平均を引き上げられません。
13〜14億人と言われる巨大人口を皆ハイテクレベルに引き上げるのは無理でしょうから、これまで「売りもの」であった巨大人口・低賃金労働者が逆に足かせになって行きます。
巨大人口はこれからの時代には足手まといになるだけで、シンガポールのように100万前後のコンパクト人口で優秀人材を集めた方が有利な時代が来ます。
アメリカもニューヨークをシンガポールのような都市国家にして独立した方が有利・・アメリカの格差問題の本質は個々人間の格差に矮小化した砂粒の問題ではなく地域格差・・ニューヨ−クその他の大規模都市国家とその他ローカルの格差でしょう。
これを正面のテーマにすると、もともと民族国家の歴史のないアメリカ合衆国の分裂に結びつくので、メデイアその他文化人が個人問題に誤摩化しているのではないでしょうか?
19世紀から第二次政界大戦までの正義より武力中心の大鑑巨砲主義の時代には、国家組織・GDPは大きいほど有利でしたが、平和=正義が守られる時代になると小回りの利く組織が有利で、今のところシンガポール程度の規模が一番合理的な感じがします。
19世紀型思想に特化したアメリカやロシア中国は、人口を増やし過ぎたので時代遅れの規模の大きさを持て余している・・実は困っているのを格差と称しているように見えます。
この数十年で見てもロシア、中国、アメリカは19世紀型腕力時代の名残にこだわっていて失敗を繰り返しています。
例えばいくらイノベーションを活発化しても・・アップルのように大ホームラン級の新製品開発に成功しても、あるいは金融で大儲けしても、生産の方は賃金の安い中国等の工場でつくるしかないので大量の国民を養うのは無理・利子配当所得しかないから、資本保有しない国民はそのおこぼれに頼るしかない・・寄付や社会保障等の善意に頼る階層が増える一方です・・。
この辺は日本の国際収支の紹介で10年ほど前から書いてきましたが、国際収支の黒字内容が貿易黒字から所得収支に移って来る・・所得収支黒字が基本になると資本蓄積の格差に比例して(利子配当収入のない階層には国際収支黒字は関係がありません)格差が生じて来るのは必然です。
02/11/09 「バブル崩壊後の自己資本比率規制2 05/26/07「キャピタルゲインの時代17(国際収支表2)」前後の連載で、当時の過去10年間の国際収支表を紹介して、この間に貿易黒字の比重が下がり、所得収支黒字が経常収支・約20兆円の黒字の約半分を占めるようになっていること・・海外現地生産拡大で労働による生産収入比率が徐々に下がって行く一方・・利子配当収入比率が上がって来ていると書きました。
当時は約20兆円黒字の半分を所得収支・利子配当送金が占めていることを前提に意見を書いたのですが、18年5月11日(2日前)のコラムに久しぶりに日本の国際収支を紹介しましたが、これを見ると同じく約20兆の総合黒字の内、実に18兆もの、利子配当等の(不労?)所得になっていることが分ります。
こうなると高成長期を経験している間に資本収入層に脱皮出来た階層と資本所得層に参加出来なかった階層との格差が広がるのは当然です。
個人の一生で言えば、バリバリ働ける若い間に資金を蓄えて労働による収入が激減して来る老後には自宅にローンも割り住居費ただで利子配当(民間年金や家賃)収入で悠々自適出来ている人と蓄積して来なかった・アパートの家賃払わねばならない上に預貯金も少ない階層との格差が次世代に及んで来たのです。
この10年ほどでまさに親世代の格差が次世代に及んで来たと言うことでしょう。
この辺は親の家に同居出来る(家賃不要の)恩恵や保有アパートなどを相続出来る都市住民2〜3世と自分で新規取得しなければならない都市住民1世の格差・・その他いろんな角度から喩えば、February 5, 2011,「都市住民内格差7」等で連載して来ました・・。
赤字国債を次世代に負担させるのか?と言うスローガンも「国債保有者から相続する人」と負債を相続するだけの人との格差であって世代間対立の問題ではありません。
各種社会保険赤字問題も同じで、世代間対立の問題ではなく富裕高齢者と貧困高齢者の格差を緩和するためにどれだけ社会的負担するか→結局は富裕層の負担問題です。
これがアメリカでその他先進国で格差問題になっている元凶でしょう。
中国はチャイナプラスワンの挑戦を受けるようになって、民度の引き揚げが急務になって来ました。
ローエンド製品の場合、外資の指示どおり作れば良いだけですが、製品開発となると消費者経験がないと、消費者目線での開発が出来ません。
そこで先ずは内需拡大・・消費経験させるのは正しい選択ですが、それは必然的に貿易黒字の縮小赤字体質に変わって行きます。
国民をレベルアップするには営々と積み立てた外貨準備を取り崩してでも、外貨準備のあるうちに何とかなるのでしょうか?
国民が豊かな生活をしないと質の高い商品を工夫出来ないのですから、先ずは良い生活をさせることから始める・・内需拡大の方向は正しい選択です。
ただ土地成金がイキナリ文化的生活を出来ないように、マネーサプライを増やすとバブル・・不動産転がしに走ってしまうのは順序としては仕方がないのかも知れません。
もしも、外貨準備を食い尽くしてバブルで終わってしまうと何も残らない・・少しは文化受容の方に行く人もいるでしょうが、(そう言う人は文化の成熟した国へ逃げ出し)多くの国民には何も残らない可能性があります。
億単位の人が海外旅行出来ただけでも、何か残ったことになるのかな?
安土桃山文化は世界有数の金産出によるバブル景気によるものだったと言い得るでしょうが、この金の輸出による贅沢が、絢爛豪華な文化を生み出したのです。
この担い手は国民全部ではなくホンの一握りであったとしても、後の時代に大きな影響を与えるのですから、それでも良いのかも知れませんが・・。
中国の場合、一握りの影響を受けた折角の人材が海外に逃げてしまう可能性が高いのでそこが心配です。
当面の国力底上げには結びつかないで終わると、バングラデシュやベトナムミャンマーなどと低賃金競争を繰り広げるしかない・・解放前の14億の貧民が残る・元の木阿弥になる可能性があります。
一方で苦し紛れに国威発揚に励む・・軍事力強化・・周辺威嚇にエネルギーを注いでししまうのは長期的にマイナスにこそなれ何の価値もありません。
ローエンド製品レベル〜セカンドエンド〜ハイエンド製品へと経済底上げの必要なときに権謀術数や軍事力に人材投入が偏ると将来性が限られてしまいます。
兎も角今の外貨準備減少は、将来のために貯金を崩しても息子を大学にやるのと同じで雌伏のときとして頑張るしかないでしょう。
これはこれで正しいのですが、ナケナシの貯金をはたいて都会へ遊学させたのに息子娘らが勉強するか、遊びほうけるかの瀬戸際です。
それを決めるのは数千年単位の基礎レベルの問題です。

民度6(イギリスの経験論)

観念論体系にこだわる場合に社会が変化して行くときの現実との矛盾相克に戻ります。
日本では江戸時代に儒学採用後半世紀ほどですぐに矛盾が出たのすが,中国で言えば前漢時代から約2000年以上も延々と採用していたのに,西暦2000年頃まで社会矛盾が出なかった・・余程変化しない・・停滞社会であったことが分ります。
実際には、いろんな矛盾が起きていたのにエリートの教養優位を維持するために,強権で押さえつけて来た結果停滞していた相互作用でしょう。
専制支配社会では処罰の合理的根拠不要なので、赤穂浪士処分のような矛盾相克が起きないということでしょう。
韓国も「反日無罪」の論理で国内的には一貫できる点は専制支配の現在版ですが、安倍氏に国際合意にされてしまった結果(慰安婦像設置と国際合意の相克)国際ルールとの関係をどうするの?と言う矛盾に今頃になって初めて気が付いている状態です。
韓国では民主国家になったと言っても精神レベル、民度が専制支配状態のままですから、君主専政の代わりに人民が激昂すれば論理・正義無視でなんでも出来る社会意識でやって来ました。
何かある都度興奮して大集会を開いては特定人物を糾弾する・・・大統領を失墜させるなどを繰り返して来た精神風土です。
専制君主一人の無茶苦茶から、飛行機を止めたピーナッツ事件で分かるように財閥親族の横暴や個々人では弱い人民でも大集会開催まで成功すると同じく論理無視の無茶が通る社会に変わった・・マスコミの応援があれば無茶をみんなが言えるようになっただけです。
民主主義社会には一定の民度がない社会ではタガが外れると衆愚政治→大混乱になりかねないと書いて来ましたが、個人の弱い社会では被害者と(マスコミに)公認されるとイキナリ怖いものなしのモンスターに変身する・・集会激昂主義もその一態様でしょう。
国内的には無茶苦茶でもその都度興奮してちゃぶ台がえしをするのも民族の勝手でしょうが、対外約束をしてしまった慰安婦合意も国内集会さえ派手にやれば反故にできると誤解した結果が表面化したチャンスを逃さずに安倍政権がスワップ交渉中断等を発表したので、韓国は国際社会で一人前に生きて行ける民度レベルに達していないことが国際社会に露呈してしまいました。
これまでいつも日本が折れてやって尻拭い的にカモフラージュしてやっていたからこそ,一人前であるかのような顔を出来ていたに過ぎないコトが露呈しました。
日本では、綱吉から家宣父子の時代・・10数年を経て、吉宗の御定書シリーズで紹介したとおり、観念的儒学では実務処理出来ないコトを理解し・実生活に即した判例集の編纂・・判例主義・・薬学その他実用学問奨励へ傾斜して行きます。
そして儒学は朱子学の高尚な哲学から・実践倫理である陽明学の「知行合一」(幕末の大塩平八郎の乱で知られるとおり現実重視)に移って行きますが、朝鮮半島にも陽明学が先に入ったのにその後朱子学中心になってしまい,衰退して行く点では日本と進行が逆です。
(ローマ帝国が一神教のキリスト教を国教化してからダメになって行ったのと似ています)
朱子学オンリーに固定化したから・・社会が停滞したと言うよりは,硬直化する下地があった・・日本では約50~100年経過で重視されなくなったのと比較すると社会構造・・実態社会が日本と違っていたからでしょう。
実学中心に日本人の知的営みを変えて行った吉宗は,(旧思想界からは「御文盲に御座なされ・・」と室鳩巣に書かれるほど伝統文化・・和歌などを軽視していましたが)日本の知識・思想界主流を実学的・近代合理主義社会へ変えて行った大功労者ですし、古来から連綿として変化し続ける社会の要請があったからと言えます。
ウイキペデイアの引用です。
「室鳩巣が、吉宗の教養について「御文盲に御座なされ候」といい、6代家宣の正室天英院の父・近衛基煕も「和歌については尤も無骨なり。わらふべし〃」と酷評しています。」
文化発展に戻しますと,立派な観念論体系が完成した社会または先進社会から導入した社会では・・有り難いものの解釈学中心人材・・老舗大企業で言えば新規事業や・製品開発能力よりは,有能な秘書向き能力ですが・・こう言う能力ばかり重視する社会では,別の観念体系・・枠を越えた自由な発想が育ち難くなり、企業で言えばジリ貧になりますしクニも同じです。
現在でも,後進国が先進国の知財輸入または剽窃利用する社会では,導入技術の解読が中心作業になります。
既存観念の解釈学が幅を利かす社会では,専制・絶対支配に馴染み易い・・これが中国朝鮮の歴史であり現在の状況であるのに対して,日英のような経験論・実務に即して工夫して行く社会は無理な論理一貫性を強制しない分,大陸の観念体系が入っても参考にする程度で発想の自由性があります。
日英でも既存枠内の整合性を追及する解釈学も当然必要ですが,それ程重視されない程度差がありますが,社会内には観念にこだわる・原理主義者も一定数いても,主流にはなり得ません。
イギリスがローマから見て辺境の地にあったことが幸いして,ローマ法やキリスト教ドグマの浸透が緩かったことを書いて来ました。
勿論これに加えて海洋民族性が,大陸的強固な神学大系に違和感があった面が大きかったでしょう。
ローマとの関係が緩かった・これが絶大なキリスト神学の権威を低めて自民族意識・習慣にあったコンモンローの発達促進に効果があったと思われます。
コンモンロー裁判制度はノルマンコンクエラーで知られる異民族支配の結果,却って同族による裁判の要請・陪審制が発達したと言われています。
陪審制とは庶民による裁判保障・・あるいはいわゆる人民裁判・吊るし上げ制度ではなく、異民族による裁判拒否、自民族による有罪の支持がないと処罰出来ないとする制度です。
ローマから遠かった結果、成分法体系(ローマ法の解釈ではなく)よりは実情に応じた解決・・漸進的判例法の発達を促し、更に法解釈ではどうにもならないようなときのために別途「衡平法裁判所」と言うものが生まれて来ました。
このように独自の法制度が成立する土壌があってこそ,ヘンリイ8世のわがまま・無茶苦茶?に端を発したとは言え,ローマンカソリックからの国教会独立を容易にした原因でもあり,(異民族王朝・・抑制が必要な歴史があったのにイキナリ王権神授説で権力を振るったので反発を招き易かった)絶対王政を倒し,自由な発想が保障されていた英国で先ず産業革命が始まった基礎でしょう。
英国は大陸との関係では,我が国と地理的条件が似ていますが,我が国の場合思想統一になる科挙制度を古代から意識的に除外して来た点が英国と一歩どころか何歩も違っています・・念のため・・。
英国はEUに一旦参加していましたが、ついに気が合わずに離脱方針を決めましたが、日本人にとっては一旦でも中国と合併したいと思う国民は100人に1人もいない・・その違いです。
この違いの基礎は、日英の海洋民族性に関する濃度の違いではないでしょうか?
日本人のルーツは南洋諸島や東南アジアの諸島からはるばる流れ?て来た海の民が祖先の大多数でしょうが,(DNA研究によれば大陸からの移住者はごく少数らしいですから気が合わないのです)英国の場合,周辺・・南方にこのような人口供給源になるような諸島がありませんし、海の幅・対馬海峡とトーバー海峡の差もあります。
結局は大陸からの移住者中心社会である以上は,大陸の人と元は人種的には同じになります。
長年、英国人は島で暮らしていた結果徐々に生活習慣の違いが出て来た程度に過ぎないのですが、日本の場合大陸の人たちとは,ルーツからして違っている点が大きな差です。
話題がそれましたが,ついでに韓国で文学芸術系で何かあるかを念のために調べてみると以下のとおりです。
ウイキペデア(対して信用性がないとしても・・)で「朝鮮文学」で検索すると,いろんな物語があったらしいと言う想像的書き方ばかりで、具体名があるのをクリックしても多くは「編集中」で全く具体性・根拠がありません。
最も古そうな人名でさえ下記のとおりです。
『春香伝』『沈清伝』ともにその発祥は定かではないが、申在孝(1812年‐1884年)が『春香伝』『沈清伝』を基にパンソリの台本として『春香歌』『沈清歌』を作ったとされること、様々な文献に『春香伝』『沈清伝』の原型が見られることから、古くから伝えられている説話である//」
以上のとおりで1884年までの作家の名が初めて出て来ますが、それさえも,「・・が作ったとされる」と言う程度で伝説的噂の域を出ていません。
19世紀中期〜末頃でこれですから、源氏物語などのある日本に比べて上流階級は何をしてたの?と言うレベル(文化を楽しむ・顧客層が一定数が育たないと文化人が育たないでしょう)・・清や明から来た外交文書を理解出来,返書を何とか書ける程度で満足するエリ−トだったのかも知れません。
ただし朝鮮人の名誉のためにちょっと書いておくと、李氏朝鮮での朱子学の解釈学はそれなりに進んでいたようですが,繰り返し書くように解釈だけいくら掘り下げてもその先がありません。
比喩的に言えば「韓国人は日本人より何故優れているか?」「歴史が日本より古い」「日本技術の解読」と言う予め決めたテーマの研究中心社会では,発展性がありません。

国家経験と行動パターン1

ルールや運用が統一化されたり今後統一化が期待されているのは何万という分野の中の基礎になる僅かな分野あるいは国際基準にし易い知財等だけです。
その他は国ごとの細かい前提条件が違うので・・例えば食品や保健衛生の許可基準や耐震基準を見ても国や地域によって独自性を認めるしかないのが現実です。
例えば、もしも日本以外の国の非衛生な水質基準・生活水準を前提に国際統一食品ルールになっていれば、日本の刺身等の生食文化は危険なものとして早くから禁止されてしまって、今では存在できなかったでしょう。
捕鯨禁止・クジラ食問題も同様の問題を抱えています。
イスラムの豚食禁止は、当時の衛生水準を基準にしたものと言われています。
中国料理では豚を食べますが、その代わり何でも油で炒めるようになっているのも当時・当地の衛生基準によるものです。
我が国は生水をそのまま飲める世界でも稀な国ですが、この清潔な水があってこそ水で洗っただけでナマ魚をそのまま食べる文化が育ったのです。
海の近くならば、新鮮な魚はどこの国でもありますが、水が汚いと日本みたいに生では食べられません。
話がそれましたが、ウクライナ問題に戻ります。
近年の世界政治を見ると、軍事攻撃は一時的な短期間の損特には結びつきますが、数年以上の単位で見れば、経済効果がどうなるかの見極めの方が国家や社会にとって重要です。
個人で言えば怒りに任せて大声で怒鳴れば、相手をその場で瞬間的に威圧できるでしょうが、その代わりその相手との円満交際が今後難しくなります。
個人ではその効果を知っているので、幼児以外には対人関係で怒鳴ったりするのはヤクザまがいの人しかいません・・却ってトータルで損することを知っているからです。
韓国や中国・ロシアが未だにドタキャンや恫喝外交や虚偽宣伝に徹している・あるいは相手が弱ったらその隙につけ込むようなやり方は、国家としての歴史が浅過ぎて大人の智恵がまだ身に付いていないことによります。
人の陰口を言っていると長期的に信用を失うという大人の智恵がまだ身につかないのです。
個人としての経験年数はホモサピエンスとして元は同じですから、世界中どこでもそうは変わらない筈ですが、団体行動になると団体としての経験知が必要になります。
この辺の違い・・人間と組織の歴史経験・国家の歴史とそれを構成する人間の歴史は違うという意味で「政府と国民の違い(中国人との付き合い方)」February18, 2013以下で連載したことがあります。
上記連載で書きましたが、韓国は戦後成立ですし、中華人民共和国成立は1949年ころ、ロシアはまだ20年前後で、仮にソ連時代をプラスしてもまだ100年に足りません。
アメリカは約250年経過していますので、新興国の中では老舗ですからある程度大人に近いと言えますが、短く見ても壬申の乱以降連綿として継続している日本から見れば何となく子供っぽい行動が多いのは、国家としての歴史経験の違いです。
オバマ大統領の行動パターンがゲンキンで分り易いと評判ですが、まさにこれを象徴しています。
その例はこれまでいくらもあるでしょうが、最近では4月23〜25の日本訪問が決まってからも、それまでにTPP交渉が進んでないときには晩餐会に遅れて来る予定になっているなどと、嘘か本当か分りませんが分り易い行動パターンがいろいろ揶揄されながら語られる状態です。
中国や韓国も何かあると不快感を示すために?日本訪問や日本高官との会談をドタキャンします。
今回中国が海軍観艦式に日本だけ招待状を送らないという荒技を披露しましたが、アメリカにボイコットされて格好が着かなくなって遂に中止を決めたと昨日のニュースで流れてました。
予測不可能な行動をするのも信用をなくしますが、あまりにもゲンキンで分り易いのは安っぽく見えます。
どんな人間も動物も相応の目的を持って行動するものですが、行動から目的が見え透いているのが物笑いの種になっています。

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