新型コロナウイルス対応の巧拙10(中国は成功したか?2)

以下のネット記事が出ています。
https://diamond.jp/articles/-/232141?page=3

コロナ対策を中国に学んだイタリアとイランでなぜ感染拡大が止まらないのか
姫田小夏:ジャーナリスト 2020.3.20 5:35
「コロナ発生国」と非難されたが今では世界の「お手本」に
湖北省武漢市では、蔓延の初期段階において医療スタッフや病床の不足に加え、物資が不足して現場は大混乱となった。だが、瞬く間に5万人の医療スタッフが全国から集められ、10日間の突貫工事で病床が増加し、医療資源の不足は一気に解消された。
ウイルス拡散を防止するために中国政府が取った策は、人の移動を制限する「封鎖措置」だった。1棟1棟の集合住宅から1戸1戸の世帯に至るまで、住人を自宅から外出させないという、水も漏らさぬような厳重な管理ぶりだった。
中国の防疫措置の特徴を分析すると、「間髪入れずしてのスピード」と「一刀両断の徹底ぶり」、そして医療現場の人的不足やマスクなど物資不足を補うための「挙国一致の動員力」にある。そのベースにあるのは、移動の自由など人権の議論を許さない一党独裁の政治体制と経済力、そして何よりも、政府の一刀両断を受け入れる「国民の忍耐力」だった。
安倍政権が新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表した2月25日、日本在住の中国人や日本に親族を持つ大陸の中国人から失望の声が上がった。「なぜ積極的に検査しないのか」「企業活動をいつまで続けさせるのか」といった疑問が噴出したのは、すべての力を防疫に注いだ“強制力ある中国式措置”とは異なるものだったからだ。
イラン、イタリアは中国モデルを導入
中国モデルを積極的に採用するのがイランだ。2月19日に新型コロナウイルスの初めての患者が確認されたイランだが、その後も感染拡大が続いた。そこでイラン政府は、3月3日に「防疫措置を中国に学ぶ」と宣言した。
イランは国家動員計画のもと、中国の診療モデルをペルシャ語に訳して公開し、30万の「小組」とよばれる医療グループを組織し、1000万人を対象に各世帯を巡回し感染の実態調査に乗り出した。
イランだけではなく、イタリアもまた中国モデルを手本にした。イタリアは、ローマを旅行中の中国人に初の感染者が確認されると、1月31日に自国と中国の主要都市を結ぶエアラインの運行停止に踏み切った。イタリアで感染者が爆発したのは2月21~22日にかけてだが、新たな感染増加数が60人という段階で、ロンバルディア州の複数の都市を封鎖した。かなり早い段階で、感染拡大を防ぐ措置を採っていたといえる。
中国政府がわずか10日で建設した「火神山医院」を模範に、病院の突貫工事を始めた。住民の外出管理も徹底し、外出のための通行証も必携にした。当局のルールに反すれば「拘留または罰金」という取り締まりも中国モデルに酷似する
他人の処方箋は効き目がない
中国式を手本にし、早期防衛に着手したイランとイタリアの状況がますます悪化していくのはどういうことなのだろうか。
海外の中国人の間でよく読まれている文章がある。欧州在住で4カ国語に精通する中国人女性が執筆したもので、コラムの一部には次のような内容が書かれていた。
「イタリア政府は最大限の警戒感をもって臨んでいたが、かえって封鎖反対の抗議活動やスーパーでの買い占め、監獄での暴動を引き起こし、医療システムを麻痺させるなど国民をパニックに陥れた。イタリア人からすれば、自分の自由を制限されるほど辛いことはない。国情も違えば国民も違うのだ。国家の一声で十数億人を家に閉じ込めた中国はむしろ世界の奇跡だろう」
初期段階での強制措置は、かえってイタリアの人々の心理に大きな不安をもたらしてしまったようだ。文章には「他人の処方箋は、その人と同じ体質でない限り効き目がない」とも綴られていた。中国の感染病の専門家である復旦大学付属華山医院感染科主任・張文宏氏も、「イタリアは早期防衛の失敗例だ」と語っている。
見方によれば、イタリアは中国のように虚偽発表できない・・(普通の肺炎による死亡にカウントし直せないから)増えていることがそのま表面化しているだけかもしれません。
最近の報道ではウイルスの型が、武漢型から変異して行き、中東〜西洋に伝染するころにはそのレベルが上がって凶暴に?なっている・・その結果猛威を振るうようになっていると言われます。
ところで、武漢型コロナウイルスが時代遅れになっているらしく西欧に入ったウイルスはその変異型でより強力になっているらしく・・最近日本に上陸して感染数を増やしているのは西洋からの上陸系ウイルスだそうです。
今後西洋でより一層強力になったウイルスが中国へ再上陸するかも?という段階に入っているらしいです。
そしてアメリカに入ったウイルスはもっと別の強力なものでないか?今はまだ不明という状況らしいです。
3月18日には「戦時下の大統領」というトランプ氏発言もあり、生物兵器による欧米攻撃が本質でないか?などという昔かよくある陰謀説その他入り乱れる状況になってきました。
もちろん私はそういう遺伝子解析の能力・・説明されても、理科学的素養皆無で理解能力もないので噂の噂の受け売りでしかなく合理的批判能力もありません。
いずれにせよ、マスク原料の不織布原料大手が日本企業としても現場を国内にもたずマスクのような軽便な生産品は低賃金の中国生産に依存する・中国次第で国内流通量が限られる国際分業体制のリスクを心配するひとが増えてきたことは確かです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200305/k10012315931000.html首

相 生産拠点の国内回帰を後押しする考え
2020年3月5日 20時20分
新型コロナウイルスの感染拡大で中国からの電子部品などのサプライチェーンへの影響が懸念される中、安倍総理大臣は会合で1つの国への生産依存度が高い製品は生産拠点の国内回帰を後押しする考えを示しました。https://www.bcnretail.com/market/detail/20200331_164248.html
アイリスオーヤマは3月31日、新型コロナウイルス感染症の影響で品薄状態が続くマスクを日本国内で生産すると決定した。宮城県角田工場の一部を改修し、マスクの生産設備を導入する。6000万枚/月のマスクを新たに生産できるという。同社はこれまで、大連工場(中国・遼寧省)と蘇州工場(中国・江蘇省)の2拠点で24時間フル稼働でマスクを生産し、8000万枚/月を日本国内に供給してきた。今後は、合計1億4000万枚/月を日本に供給できる体制になる。

新型コロナウイルス対応の巧拙9(中国は成功したのか?)1

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202003/0013191562.shtml

2020/3/14 05:30神戸新聞NEXT
新型コロナ80歳以上の致死率21・9% WHOなど調査、中国の感染者
2月16日から同24日にかけ、WHOが中国政府と合同で5万5924人の感染者などを調査した。日本語版は39ページにまとめられ、WHO神戸センター(神戸市中央区)のホームページで公開している。
同センターと厚生労働省で翻訳。感染者の典型的な症状は、発熱(87・9%)や、痰(たん)の絡まない空ぜき(67・7%)などで、風邪やインフルエンザと似通っているとする。多くの感染者は軽症だったが、呼吸困難などの重症者(多臓器不全などの重篤者含む)が19・9%おり、インフルエンザの重症化率1%未満を大きく上回る。
致死率は3・8%。ただ、1月1日から同10日に発症した人の致死率が17・3%だったが、医療体制の強化に伴い、2月1日以降は0・7%に抑えられた。
基礎疾患がない人の致死率が1・4%だったのに対し、心血管疾患の人は13・2%、糖尿病は9・2%、慢性呼吸器疾患は8・0%など、持病がある人の致死率は相対的に高かった。
以上によると死亡者中で基礎疾患のない人の比率は100分の1、4ですから、98、6%は、なんらかの基礎疾患を持っている人=超高齢者の多い国では死亡率が上がるということでしょう。
高齢化率の高い点で言えば、日本は世界で最も死亡率が高くてもおかしくない人口構造になっています。
日本は4月7日ついに緊急事態宣言を発するなど今後のことは不明としても、今までの経過で見れば日本は感染が始まり1月から約3ヶ月間経過した現在でもなお、人口比低死亡率でなんとか医療崩壊前の状態で持ち堪えているのは官民対応能力の高さによることしか、言いようのない結果でしょう。
致死者は感染後20に平均とすれば20日前の感染者数の遅行しすが、厚労省データです。

・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと4月7日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 81,740 3,331
香港 915 4
マカオ 44 0
日本 3,906 80
韓国 10,331 192
台湾 373 5
米国 364,723 10,781
カナダ 16,653 323
フランス 74,390 8,911
ドイツ 102,453 1,735
イタリア 132,547 16,523
英国 51,608 5,373
ロシア 6,317 47
スウェーデン 7,206 477
スペイン 135,032 13,055
ベルギー 20,814 1,632

国民の自発的協力を得る地味な努力こそが民度の高い我が国の取るべき体制でしょう。
論者によっては「安倍政権は無策のままだ!国民にお願いするばかりで政府は何もしない」と批判をする意見が目立ちましたが、非常事態宣言して刑事罰付きの全面的市街の封鎖・あるいは企業・学校の強制閉鎖、食料等必需品以外の商業活動の全面禁止(イタリアなど)等々をする国の真似が良いというかのようです。
そういう批判する政治評論家に限って、政府が少しでも強制力を行使すると人権がどうの・・と鬼の首でもとったかのように騒ぐのでしょう。
幕末日本に来たハリスだったか?日本人召使いは命令するということを聞かないが黙っていると頼まないことでなんでも進んでやってくれると驚いた記述があったようですが、日本人の多くは命令されたり「お願いします」と言われる前でも、その気持ちが分かれば進んでやるものです。
小中学校の休校要請も周囲の助言もなしに独断で決めたとか、如何に国民が迷惑を受けているかばかりが批判論の基本でしたが、今や世界中で小中学校の全面休校は普通です。
トランプ氏は早くから10人以上の集会禁止などしていますが、日本のように要請だけでみんなが守る国の方が世界中では少ないからでしょう。

新型コロナウイルス(軽症者施設の必要性2)

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法と略称します。)19条は指定医療機関等に知事が「入院を勧告することができる」とあって、都知事には同法による勧告をしないで都独自施設に入れる自由がある代わり、その費用負担をどうするかの問題が生じます。
公立小中学校に行かず私立に進学するのは自由ですがその代わり入学金授業料等が自己負担になるのと同じです。
保険外治療を求めれば、100%自費負担になるのと似ています。
指定医療機関へ勧告に従って入院すれば、同法39条以下によって患者の自己負担ゼロですが、同法を利用しないホテル等の借上げの費用やその間の医療費負担がどうなるか見えません。
感染症法適用しても勧告でしかなく強制力がないので、患者の自己負担のままだと勧告に従う人が減るので、(勧告に従わず近所の医師にかかる場合、保険・自己負担3割です)感染症法では自己負担ゼロスキームが整備されているのです。
感染症法の勧告をしないで、都道府県独自施設へ入院?勧告した場合に、これに応じた人の負担がどうなるかの制度設計とセットでないと実効性がないでしょう。
帰国者の2週間公共交通機関利用自粛や外出自粛要請が、その間の空港周辺ホテル等の費用負担とセットでなかったので民族愛だけではどうにもならない例がありました。
家族のマイカー送迎期待できない沖縄の人が、成田から(公共交通自粛と言われても沖縄までタクシーで帰れというのか?)の乗り継ぎ便で沖縄に帰ってしまった報道がありましたが、よほど資金力のある人以外帰国してすぐ成田で2週間宿泊して下さいと言われても資金が続かないでしょう。
本題に戻りますと、観光客の途絶えたホテルや空き宿舎等の有効利用が合理的なのはわかりますが、そこへ誘導するとホテル等の借り上げ費用(予算根拠)をどうするか、患者(ホテルの客)に費用負担をさせない法的根拠をどうするかにすぐ行き着きます。
この費用負担の合法化に悩み感染症法の入院勧告したことに?ならないかの相談?が今回の厚労省の態度批判の背景ではないでしょうか?
この場合の対処方法としては以下の二種類が考えられます。

①  軽症者用特化施設を新増設し指定医療機関指定を受ける
②  ホテル等の新施設は指定医療機関の指定を受けずに、指定医療機関に入院したのと同じ費用負担スキームを利用できるように厚労省にお願い

上記②は医療法無視で無理があるので、①の要望だったのでしょうか?
ニュースで出ている日本財団や愛知県等の病床新増設は①のパターンにぴったりですから、重症者向けの施設を含む病院の重装備が無駄なので、特定治療らしい医療もなしに一定期間の健康管理・外部出歩き自粛を求める職務特化した簡易病床向けの医療機関の設置基準変更(緩和)が必要なことは理解可能です。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000180940.html
ベッド不足解消へ大型テント1万床を整備 日本財団[2020/04/03 22:19]
アパホテルや5輪選手用宿舎の転用はどうでしょうか?
もともと職種が違うので、ちょっとした設置基準手直しで済むのか?の疑問です。
もともとホテル業の本質は商法の場屋提供業・業法的には旅館業法ですので、サービスを主体にした料金体系ではありません。

商法(明治三十二年法律第四十八号)
第五百二条 次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、又は労務に従事する者の行為は、この限りでない
1〜6略
七 客の来集を目的とする場屋における取引

医療は外来を見れば分かるように場所貸しに基本がなく、医療行為のためにその場所(入院設備)を使うだけですので、料金は診療報酬です。
結局はアパホテルが医療法人新設してその法人がホテルを賃借する方式になるのでしょうか?
医療法人は出資金の配当ができないので株式会社の子会社では無理があるので、都の借り上げとの報道があったりするので、都がアパホテルなどから一定期間借り上げて都の公営医療機関とし、その医療機関を厚労省が感染症対応指定医療機関とするのでしょうか?

新型コロナウイルス対応の巧拙8(軽症者施設の必要性)

致死率の意味に関係しますが、以前から書いているように人口比致死率ではなく感染者と公式把握した総数に対する致死率ですので、検査数拡大に応じて致死率が低下する宿命です。
検査数と検査精度という国別に違う数字に依拠する比率は、あまり意味がないことを周知すべきです。
極端な話、最貧国で死亡者だけ検査すれば致死率100%となる理屈です。
当面は人口比どれだけ死者が出てるかで大雑把な推計を言うべきでしょう。
死亡分類も基礎疾患の多い人の重篤化・致死率が高いので、基礎疾患での死亡にしてしまえばほぼゼロに出来る・・ゼロでは幾ら何でも信用がないので鉛筆なめながらこの程度の数字発表にするか?というデータ操作常習国の数字は全く信用できません。
中国の数字をほとんどの国が信用していないのは、過去の統計発表実績が影響しています。
信用は1日にしてならずです。
日本のように系統的検査・・濃厚接触者や症状発生後検査を求める人中心の検査の場合には重症化率も致死率も高いし、死亡者拡大が始まって手当たり次第?ドライブスルー式の簡易検査(精度も低いので実は陽性ではなかったものが半分程度含まれる?)を急拡大すれば感染者数が急増する割に重症者致死率が低く出ます。
米国の場合、無症状が半分を占めると言われる所以です。
東京や千葉県が収まれば他の都道府県でクラスターがボコボコと発生し、もぐらたたきのような状況がいつまでつづくのか?
ワクチン開発までは収束する時期が見通せないまま、1年以上もずるずる続くのでしょうか?
その間に国民全般に抗体が普及?して新型コロナウイルスが普通の風邪ひき程度のレベルに下がっていくのでしょうか?
中国武漢の感染者や死者激減の秘策は何か?
まさか、統計に載せないだけというのではないでしょうが、どうやって激減させたのかの秘策が聞こえてきません。
2〜3週間厳重隔離していても、治療薬がないので隔離した分拡散を防げるだけで、周辺の感染者がいなくなったわけがないのにいきなり重症者が減り新規感染もゼロ近くになることがあるのでしょうか?
具体的エビデンス・・科学論文の信用性は再現可能な説明ですが、中国はこの説明なしに急激な感染者減少しているという結果の主張だけなので、従来の統計信用性の低さと相俟って国際信用がイマイチです。
日本全体では今後も新たなクラスター発生で一時的に増えることもあるでしょうから、一直線の縮小期待はできませんが、東京の大規模拡大さえ沈静化成功すれば、大きな流れが見えてきます。
昨日のデータでは東京だけで482名もの感染発生ですので、東京を中心にまだまだ増える一方の印象ですので文字通り瀬戸際状態が続いています。
ついに厚労省も軽症者未発症者全員入院ルールを見直す方向ヘカジを切ったようです。
メデイア論調は厚労省の腰の重さ批判イメージが強いですが、法律家視点でみれば法の規定がどうなっているか?政省令マターなのか?法改正マターなのかの問題でしょう。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
(平成十年法律第百十四号)

(定義等)
第六条 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう。
11〜12号略

13 この法律において「特定感染症指定医療機関」とは、新感染症の所見がある者又は一類感染症、二類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者の入院を担当させる医療機関として厚生労働大臣が指定した病院をいう。

上記を受けて

※ 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第38条第2項の規定に基づく厚生労働大臣の   定める感染症指定医療機関の基準(平成11年3月19日厚生労働省告示第43号)=「指定基準」

があるようです。
この指定病院になるには厚労省によるさじ加減が効いているのでしょうが、その前に指定「医療機関(病院)」である必要があります。

(入院)
第十九条 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者に対し特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。

上記の通り特定感染症判明した場合感染者に対して「都道府県知事は・・勧告することができる」だけであり勧告義務がありません。
知事は症状や医療施設のスペース等に応じて勧告したりしなかったりする裁量権があります。
厚労省の許可不要ですので、知事の政治判断で行うべきことです。
同法の勧告しないで放置した場合の取り扱い・・ホテルなどの中間的な処遇をした方が良いかどうかは知事の政治判断分野ですから、ホテルその他空き施設活用の方が良いと思えば都知事判断でどんどん進めれば良いことです。
ホテルや空き宿舎利用をどんどん利用するについて厚労省が文句いう権利がありません。
報道では「地方自治体が積極的だが厚労省の腰が重い」ようやく全員入院させなくとも良いという通知が出たというようですが(4月4日経新聞朝刊)なぜ厚労省の腰が重いと批判報道されるのでしょうか?

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化3)

感染が始まった以上は一定経過で収束するにしても急拡大させない・・管理・制御可能な形で一定期間経過で収束パターンに持ち込めるかが腕の見せ所です。
周期的変化の過去事例では以下のグラフ2例が出ています。
https://bungeishunju.com/n/n143f2c336728#T852a
新型コロナウイルス「致死率2%」でも“医療崩壊” 最悪のシナリオとは?
2020/03/13 08:00

/文・岡田晴恵(白鷗大学教授・元国立感染症研究所研究員)
大勢の感染で医療崩壊
この数週間、場合によっては、この1〜2週間で(本稿執筆時点=2月28日から見て)、対応を誤れば、新型コロナウイルスがあっという間に各地で大流行し、高齢者を中心に多くの犠牲者が出て、経済的にも大きな損失が生じる可能性があります。
なかでも医療現場が混乱し、流行や院内感染の拠点となり、医療のキャパシティーを超えるほど重症患者が発生し、他疾病患者の診療や治療も麻痺するといった“医療崩壊”すら生じる可能性があります。
・・・「スペインかぜ」です。これは、当時の「新型インフルエンザ」で、世界人口が約20億人であったところ、5000万人以上もの死者を出しました。

致死率2%でも甚大な被害・・略
セントルイス市長の英断
地域の行政機関の対応次第で、被害に天と地ほどの違いが出てきます。現在、中国における新型肺炎の致死率は、武漢だけが突出していますが、スペイン・インフルエンザの際にも大きな違いが見られました。
米国の都市セントルイスとフィラデルフィアの死者数の推移(1918年9月下旬から12月にかけて)を比較したグラフがあります。

使用_本誌4月号_グラフ_スペインかぜ_pages-to-jpg-0001

この間、フィラデルフィアの死亡率が0.73%なのに対し、セントルイスは0.3%で、他の大都市と比較しても、最低水準に抑えられました。これは、セントルイス市長のリスクも伴う英断によるものです。
市中の発症率がまだ2.2%の早期に「集会規制・行動規制」を実施した結果、セントルイスでは、グラフが示すように、大流行のピークが生じず、患者発生数は平坦なカーブを描いて、医療サービスや社会機能の破綻も起こらず、最終的に犠牲者も少なくて済みました。

上記のように医療崩壊が起きて大惨事になったフィラデルフィアの方が収束までの期間が短いのです。
短期間に収束すれば成功したことになるのでなく、地域医療資源対応力範囲内で治るかどうか重要です。21世紀に入って以降グローバル往来の拡大(国内地域間出入りも増えています)が半端でないので、地域内政策の巧拙だけで結果が出るとは限りません。
3月21日の厚労省記事から・・千葉県新規感染部分を千葉県のデータで前日の新感染者の内訳を見ると20日正午基準のデータ・・新規感染者5名のうち、オランダ経由入国者(入国検疫に引っ掛からず約1週間自由に動き回っていた)2名が占め、もう一人は都内居住者が千葉県内医療機関で感染判明ということです。
都内居住者の場合都内感染者と3月8日に接触後19日感染判明→20日正午までの厚労省報告→21日厚労省発表データですから、約11日間自由に動き回っていたことになります。
国際間あるいは地域間移動による感染拡大が始まっていることが分かります。
今回は波状的に海外からの感染者流入→国内感染が発生するので、出入国制限・・あるいは入国後2週間の隔離政策なしに短期収束は難しいでしょう。
2日ほど前に兵庫県と大阪市の移動制限が必要という政府要請がニュースに出ていましたが、国内地域間も移動自粛のギリギリの局面に入っているようです。
千葉県のデータは以下で見られますので関心のある方はご覧ください。
https://www.pref.chiba.lg.jp/shippei/press/2019/ncov20200318.html

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