先住民運動の背景2(歴博と政治攻撃)

出雲の国譲り神話も見てもわかるように国家形成のどの時点でもって侵略というのか不明です。
歴博の政治意見によれば、家康の天下統一も周辺大名に対する侵略でしょうし、世界中の現在国家はいくつかの周辺部族の統合・侵略でなりたっているのですから何もかも〇〇年の「侵略以降」のイタリアとかスペインと表現することになります。
仮に1609年に島津家の支配に入ったのが今風に言えば侵略に当たるとしても(歴史学会の趨勢を知りませんが)これを漆の文化紹介にあたって書く必要があるかの疑問でした。
政治論争のために歴博が設置されているわけではない・ウルシ文化の客観的分布とその原因を紹介すればいいのですから、「島津の支配下に入って」から・・という単純表現に何故できないか不思議です。
オナガ沖縄県知事の先住民発言を応援するかのような「侵略」という表現を何故繰り返して「国立機関の展示で国民教育しているのでしょうか?
敵対国は相手国の領土拡大を侵略行為と言いたがりますが、自国の領土拡張拡大を「侵略行為だった」と必要もないのに敢えて国家機関自ら言う国はないでしょう。
ロシアは15年のクリミヤ併合を「我が国の侵略後支配下に入った」と自分では言っていないと思います。
まして「侵略」という言葉もないような1609年の自国の行為を政府自から「侵略した」という国がどこにあるでしょうか?
先の大戦で日本が東南アジア諸国に進出しましたが、それを見方によれば侵略とも言えますし、欧米のアジア植民地支配からの解放戦争だったとも言えます。
もちろん日支事変の見方も分かれます。
いずれにせよ、日本政府がなにかで挨拶する都度聞かれてもいないのにわざわざ「先の侵略戦争では・・」と毎回挨拶する必要がないのが普通です。
何か言及する必要があるとしてもせいぜい「先の戦争では大変ご迷惑をかけました」という程度でしょう。
少しでも言葉を婉曲的にすると左翼・文化人が「侵略戦争に対する反省の念が足りなない」と大騒ぎするので、相手国・特に中韓では日本国内でさえ問題になっているのに我が国が黙っていて良いのか!となって中韓等の相手国政府もそれに反応せざるを得ない関係が起きます。
この繰り返しが大きくなったのが慰安婦騒動や靖国参拝などで日本と中韓との感情対立・政治問題の象徴になってしまい、お互いの外交の棘になってしまった原因です。
東南アジア諸国ではこの扇動に乗らないのでうまく行っていますが、中韓両国が対日交渉を有利にするためにこれを利用し(有利にするために左翼をそそのかしていた黒幕かどうか不明)たことが、「千年でも恨みが残る」とパク前大統領が公式発言するほどの長期的禍根を残すタネになってしまいました。
中韓両国が対日友好路線に梶を切替えようとしても、歴代政権が自己の政治権力維持のためには「反日を煽って損はない」という計算で前政権よりさらに過激な主張をする繰り返しで反日教育をして来たために、今更切り替えると政権の命取りになる・・難しくしてしまったのです。
パク大統領が政権当初から反日で突っ走っていたものの、最初は初めて聞いた第三国は「そんなことがあったの!と同情的対応しますが、あまり激しくやったために日本が反撃を始めると結局は事実の方が強いのです。
逆に世界中で相手にされなくなりパク大統領が孤立するようになった結果仕方なしに日韓合意になっわけですが、その途端に国民不満が高まりどうでも良いようなことで国民感情の赴くまま大騒動になって失脚しました。
日韓合意批判票を集めて当選した文大統領は、当選後国家間合意を破るわけに行かず「国民感情が・」と日本への理解を求めるしかない立場です。
そういう感情を育ててきた自分で責任を持って処理するしかないでしょう・これが大人のやることです。
日本との友好復活以外に国の活路がないので、煽って来た徴用工問題その他日韓の棘を前にどうやって良いか、困りきっている状態が見えます。
歴博は日本の国立機関・正式には「国立歴史民族博物館」ですから、漆の解説には何の必要もないのに敢えてそう言う刺激的な説明文を付する必要があるのでしょうか?
学問世界では占領軍に迎合した反日思考が幅を利かせ・今では中韓迎合歴史観でないと出世できないという刷り込みがはびこっているのではないでしょうか?
私自身歴博の政治批判がどうなっているのか知りませんが、事実を積み上げていく研究レベルが高いこと・・地元千葉県にあって簡単に行けることをありがたく思っていますが、漆の説明をするのに侵略によるかどうかを買う必要があるかどうか不明な事柄で歴博が政治評価にをなぜ頭を突っ込む必要があるかの疑問を抱いて帰ってきました。
気になってネットでちょっと調べて見ると以下の騒動があったことがわかりました。
https://blogs.yahoo.co.jp/nipponko2007/36816912.htmlからの引用です。
産経ニュース(2010.4.7 19:08)
沖縄戦の展示内容を再検討 抗議殺到で歴博 千葉
瑞慶覧長敏衆院議員は2009年の総選挙で自民党を破った民主党議員。政権交代の 後遺症がこんなところにも現れている。
結局、一部市民団体(プロ市民)と沖縄サヨク議員の抗議を呑んで展示内容の変更を決定。
その後の様子を産経記者が伝えた。
産経ニュース(2010/5/23)
【日本の議論】評価定まらぬ「現代史」 国立博物館はどう展示しているか?
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100523/edc1005230701000-n1.htm
ところが、昨日、更に抗議を受け容れて「軍人の指示があった」と明記するに至った。
読売新聞(2011/1/6)
沖縄集団自決、軍人の指示明記 歴博が説明変更
衆参議員で総数700人以上もいる中で 一人二人の左翼政治家がねじ込めば、学者が学問の自由を言わずにすぐに国民支持率わずかな左翼系政治家の主張にすぐに応じるのが不思議です。
国民大多数の支持を受けている政治家がうっかり苦情を言うと「学問への干渉だ」と大騒ぎして抵抗する学者やメデイアの偏頗な方向性が不思議です。
この事件以来沖縄に関する表現を全て左翼系の希望する方向に変更している歴博の基本方針がか固まったのか?この習慣が漆の紹介文にさらっと出たのかもしれません。
国民の知らぬ水面下でこんな地道な学問分野でまで、この種の思想定着運動がシコシコと浸透していたことが分かり驚きました。
左翼・文化人は人道主義の名の下で日本は侵略国家・そもそも沖縄や北海道は日本の固有領土ではないというイメージ流布に骨折っているように見えます。
こうした水面下の浸透作戦を国内外(国連を含め)で着々と浸透させているようですが、彼らは日本を本当に愛しているのでしょうか?
歴博館長であった平川南氏が朝鮮・韓国関係重視?で右翼の攻撃を受けているとの噂がありますが、(どういう理由か知りませんが・・)少なくともこうした歴博の基本姿勢が背景があるようです。
ネット検索してみると以下の記事が出ました。
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1013465999.html
 2) 国際シンポジウム「『韓国併合』100年を問う」
  2010年8月7・8日の両日,東京大学弥生講堂一条ホールで「国際シンポジウム「『韓国併合』100年を問う」が開催された。主催は国立歴史民俗博物館,共催が「『韓国併合』100年を問う会」,後援に岩波書店,朝日新聞社。このシンポジウムには1000人超える聴衆が参加した。
このシンポジウムは「植民地主義を克服し,問題解決の転換期に」という狙いのもと,2日間で4つのセッションと特別セッションが開かれ,27人の学者・研究者らが幅広い視野・視点から講じ,「韓国併合」100年について問題提起と発言をおこなった。」
国立歴史民俗博物館の平川南館長は開会のあいさつにつづき,韓国の成均館大学校東アジア学術院教授の宮嶋博史があいさつに立った。同シンポの意義について「『韓国併合』にまつわる諸問題がいまだ解決していない状態のまま,101年目を迎えてはならないという思いからこのシンポを開くこととなった。この問題解決の転換期になれば」と述べた。
そもそも日韓併合後の政策を欧米の過酷な植民地支配と同視する議論じたいに批判がある中で、上記のようなテーマを掲げて公費を投じてシンポジュームを開くこと自体が偏っていると言う批判がありうるでしょう。
内容が紹介されていませんが、概ね日本の「植民地支配」を「否定する人がいるのは困ったものだ」「反省が足りない」的な主張が圧倒的に支配する会合になっていて、この運営に関して批判を受けているのかも知れません。

トランプ(取引)政治の不安定さ2

習近平氏の出方待ちのイメージで就任後抑制していた米海軍の航行の自由作戦を南沙諸島で再開しました。
5月〜7月2日の短期間で連続ですからかなりボルテージが上がってきました。
その上、電話会談予定の数時間前というのですから、これにぶっつけたことは明らかです。
http://www.bbc.com/japanese/40477371 2017年07月3日
「米海軍は2日、南シナ海で中国とベトナム、台湾が領有権をめぐって対立する島々の付近の海域を通過する「航行の自由作戦」を実施した。
米海軍の駆逐艦「ステザム」は西沙(英語名パラセル)諸島のトリトン島から12カイリ以内の海域に入った。
中国はこれを受け、「深刻な政治的かつ軍事的挑発」だと批判し、「国家主権と安全を守るためにあらゆる手段」を取ると述べた。
作戦が実施された数時間後には、事前から準備されていたドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席との電話会談が行われた。
トランプ大統領が就任した今年1月以降で、「航行の自由作戦」が実施されるのは2回目。5月には駆逐艦「デューイ」が南沙諸島(英語名スプラトリー)で中国が建設した人工島から12カイリ以内の海域を通過した。
ジェームズ・マティス国防長官は数日後、中国が人工島を軍事化するのを米国は容認しないと述べた。」
トランプ氏は台湾への武器売却もセットで発表しています。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6245219
【ワシントン、北京時事】ロイター通信によると、中国の崔天凱駐米大使は29日、トランプ米政権による台湾への武器売却と、北朝鮮問題で中国企業を制裁対象としたことについて、「そうしたすべての行為、とりわけ台湾への武器売却は、相互の信頼を損ない、(4月に)フロリダ州で行われた中米首脳会談の精神に逆行するものだ」と批判を展開した。(時事通信)
4月の会談で習近平氏は口先だけで何らの内容もなかった点を・・会談直後にトランプ氏は「まだ何も結果を得ていない」(約束だけだ)と繰り返していた記憶です・・「いつまで待たせるのだ!」というトランプ氏の怒りについて習近平は頬っかむりのままです。
最近ではついに中国に対する不公正貿易国認定の調査命令に署名したとも報道されています。https://mainichi.jp/articles/20170813/k00/00m/020/151000c         
   対中制裁へ通商法301条調査 北朝鮮対応迫る
「・・・米企業が保有する知的財産権の侵害や、中国進出時の技術移転の強制について調べ、「不公正行為」があると判断すれば、中国製品に高関税を課すなどの制裁措置を発動する方針。制裁に向けた手続きを進めることで、中国に北朝鮮への圧力強化を迫る狙いもあるとみられる。」
中韓共に約束を守る気持ちなどテンでない民族であることをトランプ氏も知っているから//騙されたことで余計腹が立つのでしょう。
日本にとっては、米中の取引がうまくいっているよりは、関係がギクシャクしている方がありがたいのですが・・。
それにしても、トランプ政権がもうちょっとしっかりしてほしい気持ちの人が多いのではないでしょうか?
トランプ氏の要求は先が見え透いているから分かり良すぎる・却っていつドンデン返しがあるか知れない・・先が読めない不安定さの基礎です。
目先で動く人はその場の損得で動くので中長期的動きを読めない・・幼児のご機嫌をとるのは簡単ですが、その代わり半年先の約束が成り立たないのと同じです。
取引外交では、その場その場での相手との取引で、従来の日本との過去の約束を破っても、目先の取引を進めた方が得と思えば目先の有利な交渉に乗ってしまうとすれば、アメリカとのどんな約束も意味がなくなります。
アメリカにとって日本が何の利用価値もなければ黙って日本にこれと言った要求をせずに、日本素通りの米中結託になりかねないので・・信用がないと言うに帰しますが・・それが一番日本にとって困ったことです。
トランプ氏に対するこのような不安は米国に頼ってきた諸外国が抱いている不安です。
アメリカ相手の外交では強力・無茶な要求があったときには国難と捉えるべきではなく、交渉解決出来るチャンスと見るべきでしょう。
企業で言えば狙い撃ちされたときにこれを後ろ向き・危機と捉えずに,懐に入って成功する事例が多いことも外交の基本として参考になります。
昔からアメリカの鼻息を窺う外交が世界の主流でしたが、今後4年あるいはトランプ氏失脚がない限り鼻息を窺う度合いが高まる・・世界中とアメリカの関係が専制君主に対するような露骨な変な関係になると、中国政治家の方が専制君主に対する対応と権謀術数では経験豊富ですから今後有利になる可能性があります。
現在トランプ政権とロシア関連がメデイアで報道されていますが、メデイアへのロシアの食い込みが半端だから騒がれているだけで中国の方が幅広く浸透している可能性さえあります。
ちなみに戦前戦後を通じてロビー活動(資金をつぎ込んで食い込むアメリカ的表現)等で食い込んで来た結果、(例えば蒋介石の妻宋美齢のルーズベルトとの関係はよく知られている通りです)日本は痛い目に遭いましたが、戦後も成功体験を踏襲しているのが中韓政府です。
近年の慰安婦像設置等宣伝活動資金も(韓国政府自体が資金を出せません・・民間活動だから言論の自由という立場ですから多段階資金洗浄しているでしょうが、実質資金比率は中国系の豊富な裏資金が基礎になっていると言われています・・南京大虐殺などはもちろん中国資金です・・これからは従来以上にもっと中国に有利な時代が来るかも知れません。
何しろトランプ氏には正義の基準がなく、その場その場でより有利な条件を出す方に飛びつく単純論理ですから、勢い裏資金の跋扈が激しくなる宿命です。
日本が愚直に正義の基準だけに頼っているとルーズベルトによって日米戦争に引きずり込まれたように再び大変なことになるリスクがります。
日本はこの点では痛い目にあった経験済みですから、この2の舞だけは避ける知恵・・これが安倍総理がイの一番にトランプ新大統領と面会した動機ですが、企業利益の基準を併せ持つしたたかさが必要です。
上記はアメリカが今後も世界の覇者であり続ける場合のことであって、これまで書いてきたようにトランプ氏の出現はこの地位を転げ落ちるきっかけになる可能性が高い・・アメリカの本来の民度レベルに戻るだけのことですが、・・・過去の実力に見合った格式を維持するのが難しくなったことの始まりでしょう。
トランプ氏就任後半年以上経過で、彼が実現しそうな政策として何が残っているかですが、最大のテーマであったオバマケアの改廃はほとんど絶望的になってきましたし、北朝鮮政策も何を生み出しどう言う結果を導くつもりなのかよくわかりません。
確かにこれまでの微温的政策は北朝鮮を増長させるだけでしたが、それは他に取るべき方法がないからそうなっていたのですから大統領が変わっても取るべき方法がない点が変わることはありません。
日本で言えば、普天間基地移設先は多種多様な選択肢の中からもっとも被害の少ない現実的な場所として決まってきた経緯があるのであって、その対案を示さないまま「少なくとも県外へ!」と言うスローガンで政権を取ってみたら県外移設への下準備もなにもしていなかった・・八ッ場ダム工事中止とその後の撤回も同様です・・いろんな分野で野党時代の主張は根拠のないものであった結果・・ほとんど何も出来なかった鳩山政権と似ています。
この辺は五輪準備を約1年間先送りした結果に終わった小池都知事の築地市場移転見直し騒動も同類に評価されるべきでしょう。
(今はメデイアが小池劇場を煽る方向性が激しいのでその種の批判・マイナス意見は表に出ませんが・・何を報道するかは編集権だというでしょうが・・)

トランプ(取引)政治の不安定さ1

経済原理に合わない強行政策は、市場の反発を受けるだけでなく、当然相手国の対抗を生みます。
自国へのX国からの輸出に45%もの重税をかけて規制すると,相手の方もアメリカから輸入品に同率課税を・報復をしかけるでしょう。
それだけでなくアメリカへ逆輸出出来ない企業の自国国内進出・・企業誘致に努力するどころか,それ相応の嫌がらせ対応をするでしょうから、海外進出自体が難しくなり競合国に負けてしまいます。
経済原理によれば,高級仕立ての店舗(インフラ)を維持したまま商売するならば値下げ競争よりもより高級化して行くしかないのと同じです。
「キミの名は」のようなアニメを作ったり、少量でおいしい料理・果物を開発したりする方向へシフトし努力するのが合理的で,ストレス発散的ヒステリック対応はクニを誤らせます。
それには・・ノーベル賞級学者を大勢雇うのではなく,庶民の底上げ,民度を上げない限り無理ですが,欧米では千年単位でガバメントと切り離して民衆・ピープルを大事にして来なかったので、この回復には相応の時間がかかります・・1〜2世紀では無理でしょう。
日本は江戸時代の浮世絵、落語,都々逸その他の庶民芸術の隆盛を見ても分るように、古代から庶民レベルが高い・・大事にして来たからレベルが高いのか,レベルが高いから大事にするしかなかったのか不明ですが・・兎も角みんなのレベルが均質的に高いクニです。
トランプ氏の狙い撃ち的個別恐喝的言動・政策は,時間経過で無理に直面するのは時間の問題ですから,新しい時代に対応出来る唯一のクニ・日本に対し、その内トランプ氏は理不尽な何かを要求(恐喝)するしかなくなる時が来ると思われます。
またもや、日本が戦争引きずり込まれるような非常に難しい局面があると思いますが,先の他ルーズベルトの策謀に酷いメにあった経験があり日本も少しは利口になっていますし,世界も今は欧米の一方的論理ばかりではなくなっています。
強力な要求をするには背後に困っている事情がある・・弱みですから,必ず落としどころがあるので,(トランプ氏得意の裏取引の期待)この局面を利用して日本も決裂させないで利用出来ます・・交渉の切り札に使えます。
トランプ大統領職就任直後には(対中裏取引きをするために)対中台湾カードなど出して強迫を始めていましたが,米中蜜月の開始になるための始まりの印象があるので私は警戒していました。
当然台湾現政権は安易に喜ばずに警戒を強めていました。
良い気になって反中共主張を強化し過ぎると,いつ米中取引成立によってはしごを外されるか分らない危惧があるからです。
この辺はトランプ氏就任直後の1月に書いていたものが先送りになって一旦March 13, 2017,「素人政治の限界6(プロの流出)」〜「政治と信頼1(意思表示の責任)」等で書いていたものですが、このようにトランプ氏のいわゆる「取り引き外交政策」は本来の味方すらも疑心暗鬼にさせる・・信用出来ない関係を自ら作り出していることが分ります。
トランプ氏の取り引き外交はアメリカに頼るしかなく、絶対に裏切る心配のない同盟国まで僅か1ヶ月先も見通せず安心出来ない疑心暗鬼状態に追い込んでいるのですが,こんなことで国内政治運営だって出来るのか?と言う政治の基本になって来ます。
最近側近・・政府要職高官の更迭がはげしくなる一方・・後任の広報官がわずか10日で再更迭されるなど・・次々と内部混乱が起きていますし、各部門高官の任命すらままならない状態が起きているなど、・政府の体をなしているかの疑問・・まさにこのコラムを書いていた1月ころの予想どおりになってきました。
政治における信用の重要性を、トランプ氏のおかげで今更ながら勉強出来たところです。
専制支配下では皇帝の気分次第ですから、官僚が行動すべき基準不明(これを理由に専制支配というのですからあたり前)で,うっかり果断に動けない・・結果的に様子見ばかりになって行き社会・政治が停滞します。
これが中国が約2000年間、ざん言や密告に明け暮れて停滞し続けた基礎原因ですし、李氏朝鮮長期停滞の原因です。
この基礎原稿を書いていた後に安倍総理がトランプ氏就任後に諸外国首脳に先駆けて真っ先にトランプ大統領と会談し大成功に終わりましたが、その後の中国との首脳会談での取引成立次第でいつ対中蜜月にな る・南沙諸島は黙認する尖閣諸島も暗黙の同意を与える・・かすら分からない不安が残ります。
安倍訪米の約3ヶ月遅れでようやく習近平氏の米国訪問が実現しましたが、緊迫中の対北朝鮮関係での協力と巨大貿易赤字対策について4ヶ月だったか100ヶ日だったかの猶予期間を貰って習近平氏がなんとか格好つけて帰りました。
明白な取引こそ成立しませんでしたが、いわば100日内に提案された取引次第で米国トランプ政権はは取り引きに応じる基本姿勢を示したことになります。
中国が猶予期間内にトランプ氏の期待する成果を出せるかどうかだったのですが、その後緊迫の度を増した北朝鮮関係で、中国は一種の2枚舌で何の具体的対応も示せずに(対北朝鮮貿易を停止・縮小せず)ズルズルと来た上に対米貿易黒字が急上昇しているので、トランプ氏がついに怒っている態度表明・・中国の銀行に対する制裁を発表しました。
http://jp.reuters.com/article/china-trade-balance-idJPKBN19Y0P3
北京 13日 ロイター] – 中国税関総署が13日発表した6月の貿易統計は、輸出入ともに市場予想を上回る伸びとなった。6月の対米貿易黒字は254億ドルで、5月の220億ドルから増加。2015年10月以来の大きさとなった。
また、1─6月の中国と北朝鮮の貿易額は25億5000万ドルと前年比10.5%増加した。
トランプ氏が中国の銀行制裁発表を韓国文大統領訪米時にぶっつけたことから見ると、同大統領の北朝鮮に対する融和姿勢に対する「半端な怒りではない」という強い意思表示でもあったのでしょう。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/06/29/2017062900656.html  朝鮮日報
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日午後、ドナルド・トランプ米大統領との首脳会談のため米ワシントンD.C.に向け出発した。
文大統領はトランプ氏から詰め寄られる前に自分から進んで「早くサード配備する」と言わされてしまったとも報道されています。
会談模様を見るとトランプ氏の表情は、終始不機嫌な様子のままで一方的にFTA再交渉・貿易赤字に対する不満やその他の要求をぶつけられた様子でしたが、ついに正式要求をつ突きつけらたのが以下の記事です。
http://www.sankei.com/economy/news/170713/ecn1707130016-n1.html2017.7.13 08:41更新
米、韓国にFTA見直しを正式要求
ワシントン=小雲規生】米通商代表部(USTR)は12日、2012年に発効した米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉を韓国に対して正式に要求したと発表した。米国の対韓貿易赤字の削減が狙いで、近くワシントンで両政府の代表による合同委員会の特別会合を開くよう提案している。」
一方で対中強硬策が出始めました。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017063000189&g=prk
【ワシントン時事】米財務省は29日、国連などの制裁措置にもかかわらず、マネーロンダリング(資金洗浄)など北朝鮮による不正な金融取引に関与したとして、中国の丹東銀行(遼寧省)を制裁対象に指定すると発表した。また、北朝鮮との取引に絡み中国人2人と中国の海運会社1社も制裁対象とした。北朝鮮問題をめぐり、中国企業に対する独自制裁はトランプ政権下で初めて。
トランプ氏は中国は何も役に立たない「中国に業を煮やした」というところですが、権力闘争中の習近平氏にとっては、ここでアメリカとうまくいかないのでは、国内で格好がつかない困った事態です。

政治と信頼2(ルール違反・実力行使)

直ぐ見える単純利害レベルでは・・アメリカが日中対立に関わって軍事支出が増える・人命損がはっきりしている割に、目に見えるメリットが少ないのでこれを対中密約で譲る可能性を否定出来ません。
日米安保がアメリカのサボタージュにより実効性がないとなれば、アメリカの世界的信用下落その他複雑・間接的影響は大きいものの、複雑系に弱いトランプ政権のレベルからすれば、サボタージュのレベルを外見上分り難くして誤摩化す程度の裏取引がありそうです。
結局はアメリカ国内の鉄鋼業界救済・進出済みの自動車業界等救済のために、日本を売る・・アジア安保を(裏で)放棄することになる可能性があります。
その上、中国(との裏約束を言わないで)も45%の関税その他の要求を中国が飲んだのだから、日本も相応の高関税または輸出制限をのんでくれと言う要求に使って来るでしょう。
これを防ぐために安倍総理はトランプ氏の懐に飛び込んだのですが、彼はいくら約束してもその場の目先損得で動く・・これを行動原理にしていますから実は信用出来ません。
長年掛けて成立して来たWTOの約束を簡単に踏みにじることも厭わないと言い、アメリカ自ら推進して来たTPPを何の根拠もなく反古にすることを何と思わない人物です。
WTO違反を問題にしないと言う意味は、その前に実力行使してしまった方が勝ち・訴えられてもそのときのことだ・・アメリカは強いんだぞ!と言うことでしょう。
反日暴動時の中国によるレアアース禁輸も同じ論理・・日本がWTO違反と訴えても結果が出るまで数年以上かかる・・その間日本が持ちこたえられなければ、屈服するしかない・・訴え取り下げを強要出来るだろう」と言う読みによる実力行使でした。
戦国時代に小さな城が何故あるかと言うと簡単に占領されると応援部隊もどうにもならない・・互角に戦えないまでも、少なくと応援部隊が来るまで持ちこたえられる程度の防衛力が必要とされていたからです。
戦国時代の物語では、応援部隊が間に合うと双方大軍同士のにらみ合いでちょっとした小競り合い程度で一定期間経過で双方退陣する流れですが、応援軍が到着前に城が落ちてしまうと、応援軍はなす術がなくそのまま帰ってしまうパターンです。
双方が主力軍の激突を辞さない覚悟のときには川中島の合戦や長篠の合戦みたいになりますし、イラクのクエート侵攻のように勝負がついた後でも米軍がこれを奪い返しました。
そこまでやる気がないと、ロシアのクリミヤ併合のように、既成事実を作ってしまった方が勝ちです。
このように、日米同盟と言っても米軍到着まで日本が一定期間自力で持ちこたえるのが原則です。
WTO違反で訴えるにしても裁定が出るまでの間、自力抗戦能力がないと絵に描いた餅になります。
フィリッピンは折角国際司法裁判所の判決で勝っても、勝訴の効果を主張出来ないほど弱いことが明らかになりました。
たとえば、レアース禁輸時の時間軸・帰趨を書いておきます。
.中国レアアース禁輸に関するhttp://www.h-yagi.jp/00/post_231183.htmlの記事からです。
「WTO(World Trade Organization:世界貿易機構)紛争解決制度は3月26日、中国がレアアース(希土類)の輸出に課している関税や割当量制限を「不当」と認める裁定を下しました。
日本や米国,EU(European Union:欧州連合)は平成24年6月に中国へ共同提訴。日米欧勝訴の正当な裁定が下されましたが、中国は裁定を受入れるか、控訴するか中国商務部は裁定内容を評価中。フィナンシャル・タイムズ紙は「今回の判決で片付きそうにない」と評しています。」
「スマートフォンやHV(ハイブリッド)車に欠かせないレアアースは、中国が世界をほぼ独占状態の生産量で日本は中国からの輸入に約9割も依存。平成22年9月に尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を機に中国は,対日経済制裁ともとられる一方的なレアアースの禁輸措置をとりました。」
「中国のレアアース禁輸措置を受け、米国やオーストラリア、太平洋の海底など鉱床開発が進められ生産は広がり価格も下落。さらに、日本では先進技術でレアアースに頼らない技術も開発するなど、中国は自らの行為で立場を弱めた結果となりました。」
上記記事は2014年4月1日の記事ですが、平成22年の禁輸措置=2010年のことですからWTO裁定まで約4年かかっており、しかもWTOは2審制ですから、控訴して最終決着までには更に数年かかかってしまいます。
(最近最終決定が出たように記憶していますが、最早ニュース価値が低いからかネットですぐに見つかりません)
南沙諸島を巡る領土紛争を有利に進めるためのフィリッピンに対する中国のバナナ輸入規制等の嫌がらせでは、フィリッピンは簡単に屈服しました。
折角国際司法裁判所で完勝したのに、ちょうど政権交代があって就任したばかりのドウテルテ大統領はこの効力を主張しない・・屈服を選ぶしかなかった印象です。
レアアース問題が実際に解決したのは、WTOの裁定によるのではなく輸入の9割も中国生産に頼っていた日本が新技術開発に成功したことによって、中国の方が禁輸を続けられなくなったことによります。
国際関係は戦国時代がちょっと良くなった程度・・正義が貫徹する社会はありません。
日本は充分な在庫があり素早く技術革新出来たので、逆に中国が在庫増加に困って勝負がつきましたが・・。
ついでに同サイトの[2013.9.30」の記事もお浚いをかねて引用しておきましょう。
中国当局:尖閣領土問題でレアアースの日本輸出を制限

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日中関係の悪化は平成22年、尖閣諸島での中国漁船衝突事件から始まり、当時弱腰だった民主政権は海上保安船へ衝突させた中国人船長らを逮捕するもののあっけなく釈放。領土問題が勃発し中国当局は、ほぼ独占輸出品であるレアアース(希土類)の対日輸出を制限しました。
日本企業は、代替国からの輸入や技術の力で代替品、リサイクル技術の向上で中国産レアアースのニーズを急減させました。結果、昨年の中国のレアアース生産量は、ピーク時の平成18年の16万トンから半減。日本への輸出量は平成22年からわずか2年で4分の1に減少しました。日本の技術革新が中国の外交カードを打ち消し、中国当局にとっては大きな誤算となりました。日中関係の冷え込みが続くなか、中国を代表する金融グループや通信企業のトップら11人が9月25日、首相官邸を訪れ菅官房長官を表敬訪問。中国のトップらは、「日中の企業同士での交流を深め、日中関係を良くしたい」と述べ、民間交流の重要性を強調しました。
チャイナリスクを痛感!技術革新こそが日本の外交力
昨年(この記事は23年9月です)の尖閣諸島国有化では、相変わらず中国当局の嫌がらせは続くものの外交カードは切ってきません。外交カードを安易に用いたことで日本企業にチャイナリスクの恐ろしさ知らしめ、その対抗策に技術革新が日本の外交力であることを気づかせました。」

日中関係悪化の影響:貿易は1割減、中国への投資は3割減
JETRO(日本貿易振興機構)によると、今年上半期(1月~8月)の日中貿易は、前年同期比10.8%減の約14兆5,290億円。4年ぶりの減少を記録しました。中国向け直接投資も同31.1%減の約4,900億円まで落ち込みました。中国経済の需給バランスは日本企業の影響だけでも痛手となったはずです。」

政治と信頼1(意思表示の責任)

不確実性とは何か?要は相手が何をするか分らない・・下の者は何をすれば良いか分らない不安・信用出来ないと言うことです。
昔から政治には周辺者の支持が必須ですが、その支持は約束を守る信頼の上に成り立っているモノで、これ形式化・・「見える化」したの中国古代の韓非子・法家の思想であり、西欧近代の法の支配です。
現在で言えばマニュアル化でしょう。
法とは、国家・為政者の支配・命令の意思表示ですが、仮に一方的に制定されたものであっても、この命令に従った者に相応の恩賞を与えたり、処罰出来ない(罪刑法定主義)など君主自身の行動も縛られる・・国民との約束です。
国家が個別国民と個々に約束出来ないので、公布と言う形式で国民全部が拘束される約束・対世効があるのが「法」であり、個別意思表示でも相手方に対して法律効果が出る・・守らねばならないのでこれを法学用語で「法律行為」と言います。
民法
第五章 法律行為
    第一節 総則
(公序良俗)
第九十条  公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
(任意規定と異なる意思表示)
第九十一条  法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。
(任意規定と異なる慣習)
第九十二条  法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。」
「法」とは国民が守るべきモノと言う意味であり、個人の意思表示に法律効果があると言うことは、意思表示したことは守るべき義務・責任が生じると言うことです。
企業が消費者の意見を聞かずに一方的に示す(民主的手続がなくとも)約款やレストランのメニューであっても予め示した取引条件・意思表示に企業自身が不特定多数の顧客に対する効果が出る・・縛られるのは「法」と個別「意思表示」の中間的場面です。
一方的命令・・通告であっても実効性を持たせるには、命令・ルール通りにしたことが褒められ、処罰されない・・しょっ中変えない・安定性・信用が重要です。
店舗も定休日や執務時をその都度変えると、せっかく行ってもお休みだったら困るので、客は安心てその店に行けません。
約束は守るが自分に不都合になると朝令暮改では、いつ変えられるか心配で国民や相手は安心出来ません。
議会制民主主義とは君主が勝手に国民に命令・約束出来ない・・側近に諮問していたのを民選の議会で作るようになった内部手続の問題であって、これを経ていない時代でも公布したり命令した途端に国民や官僚に対する約束になる点は同じです。
政治が機能するには、国民が法(政府の約束)に従っていれば大丈夫・政府を信用出来ることが大前提です。
「綸言汗の如し」言われて来た所以です。
これを世界規模に及ぼすと国際合意の重みです。
世界の覇者が法・・過去の国際合意を好き勝手に変更するのでは、民(世界の弱小国)は何を信じてよいか分りません。
アメリカは近年国力の衰えが見えるとは言え、今なお世界最大の強国ですし、アメリカの大統領は世界最高の権力者です。
この最高権力者がアメリカ主導で決めて来た過去の国際合意を自国都合で一方的に変更すると宣言しているのですから、今後アメリカ主導の国際合意をしても彼の気持ち次第で一寸先が見えないとなると、国際合意の価値が減少します。
トランプ氏は、「過去の合意をちゃぶ台返しするが、自分がした合意は守る」と言うのでしょうが、彼の任期は最長でも8年しかありません。
国際合意は長期間の行動指針ですから、大統領が変わる都度変更になるのでは、安心して長期的関係を築けません。
合意だから変更要請を断れば良いかと言うとそうは行かない現実があります。
アメリカの圧倒的影響力があって、高関税や輸入禁止、日米安保ももっと費用負担しないと撤収すると言われれば、日本は拒み切る力を持っていません。
戦前日本がアメリカの不当な要求に次々と屈服・受入れて来たのに対して最後にハルノートを突きつけられて遂に妥協の限界が来て日米戦争になりました。
戦後も自由貿易と言いながら繊維交渉、電気交渉、鉄鋼・半導体・プラザ合意などなどその他全て無理な要求全部受入れて来た歴史です。
日本は無茶な要求されれば、大方飲まざるを得ない弱い関係・・変更交渉に入れば思うままに変更出来る日米の力格差があります。
合意の変更を求めると言うのは一見公平そうですが、力関係に格差がある場合、強い方が言い出すのは一方的変更になり勝ちです。
これを横で見ている韓国がアメリカのように、日韓条約や過去の合意をスキなように反古に出来ると思うようになったように見えます。
韓国の主張や動きを見ると、オブラートで包んでいるアメリカやユダヤ系の本音をそのまま言って来る便利な存在です。
世界中が(3月11日に書いたように中国はかなりの抵抗力がありますが・)一強のアメリカから過去の合意変更を強要されると日本同様に拒み切れない関係ですから、過去の合意を変更したい・アメリカが高関税を掛けると言われるとみんな困ります。
関税を一方的に上げれば報復合戦になるとメデイアは言いますが、日本はとても報復する力を持っていません。
企業で言えば社長が変わる都度、弱い下請けに対して前社長時代の合意を下請けの不利な方向へ変更してくれと言って良いのかと言うことです。
世界最高権力者がこんなことを言い出せば、折角時間をかけて合意してもいつ変更してくれと言って来るか分らない・・権力者への信頼が失われます。
言わば事実上の強制ですから一方的に約束を破るのと結果が変わりません。
政治・権力は支配下の信頼によって成り立っているのですから、横紙破りの一方的なことを宣言すると一見権力誇示で強そうですが、アメリカ自らの世界支配構造をぶちこわす方向へ働くことになります。
国益・・王権維持のために王様は無茶しないのが鉄則です・・勇ましく荒っぽいことを主張すると一見強そうに見えますが、ヤクザがすごむのと同じでそのときの被害者一人に対しては強権を振るえますが、多くの人が眉をひそめる・・結果的に多くの信頼を失う結果になります。
アメリカにとっても長期的には損することですから、アメリカのメデイアは、国益を守るために政権の足を引っ張る方向よりは、政権を軟着陸させる方向へ協力すべきでしょう。
日本にとってもっとも危険な想定・・南シナ海や尖閣諸島問題放任政策への転換は単純レベル・アメリカンファーストの応用編でいえば、トランプ政権にとってあり得る選択肢です。

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