フラット化対応2(イギリスEU離脱論)

イギリスのEU離脱国民投票結果が6月24日に出ましたが、(イギリスの国際収支の内容を知りませんがもしかしたら?所得収支トントン〜日立など進出してるので配当金など海外に送金する方の国になっている?)マスコミを通じたイギリスの議論を見るとまさに労賃の国際相場との差額補填資金不足モードに入った現象と言うべきです。
海外からの収入が減って来ている国=資金不足に陥っている西欧諸国・・特に南欧諸国では、補填資金が不足しますので、従来20ポイントの補填していた場合に、これを18〜15〜10ポイントと順次下げて行くしかありません。
財政の苦しい街に入ると道路舗装が痛んだままになっていることや個人で言えば庭の手入れが悪くなって行く状態で、最悪の場合モロに海外市場相場の水準近くまで賃金を引き下げるしか解決の方法がありません。
これを怠っていると南欧諸国のようにいつかは大幅赤字→決済不能・・債権国に大幅カットしてもらうなど悲惨な状況になります。
イギリスは南欧諸国のようにまだ、社会サービスや賃金引き下げまでは必要がないとしても、補填資金不足が近づいている〜現実化しているのかも知れません。
減って来た補填資金を有効に使うには補填対象数の極小化・・人口減が合理的ですから移民で入って来た人たちにまで補填するのでは、先祖の遺産を他人と一緒に食いつぶして早くなくなってしまうのを傍観していられない・・納得しないのは当然です。
移民受入れによって労働者が増えれば良いと言っても,下層に入って来ると需給の関係で賃金アップ圧力を緩和出来るだけのことでしかなく、移民だからと特別安い給与に出来ないので、比喩的に言えば国際市場賃金に仮に一人当たり10〜20ポイント海外収益から所得補填している国では、移民であれ労働者が増えれば増える程補填対象人口が増える→独りあたり補填額が減少します。
世界的サッカー選手のような高額収入の移民だと税を多く払ってくれる(シンガポールはモロにこれに特化した移民受入れ策)ので歓迎ですが、移民の多くは下層労働者ですから税を払うどころか受け入れ国の持ち出しになります・・逆から言えば、母国と同じ組立工で働いても母国の何倍もの賃金がもらえるのが魅力で(言葉が通じないなどの不利益があっても)出稼ぎ労働者が増えるのですカラ利害対立関係です。
いわゆる経済難民増加→拒否論が広がっている理由です。
資源や海外収益に頼る国では、下層人口を増やすと分配を受ける人が増えて一人当たり受益が減るので元々の住民にとっては不利になるのは当然です。
日本でも東北大震災以降は原則として貿易収支が赤字・・すなわち国民の働き以上に国内消費している状態で、不足分を海外での企業収益に頼るようになっているのですから、海外収益が月1兆円〜2兆円あっても配給対象が1億人で分配するよりは5000万人で使う方が一人当たり2倍使える計算になります。
ワザワザ外国人を招き入れて分配する必要性を感じません。
過去何万年も一家の働き手が多い方が豊かな生活が出来てきたので労働者が多い方が良いと今も思う人が多いようですが、(いわゆる人口ボーナス論)資源や貯蓄の取り崩しあるいは海外収益や金融取引収益を労働者に分配している社会になると消費人口の少ない方が豊かな生活が出来ます。
比喩的に言えば、健康な労働者でも生活費不足で半分生活保護を受けているような労働者は、多ければ多いほど社会にとって負担になります。
キャメロン政権が移民に対する社会保障水準差別容認を真っ先にEUに要求したことから分るよう、イギリスに限らず西欧の元大国は原則としては既に海外収益または過去の遺産の取り崩しによる補填社会に入っていてるので、移民受入れによる受益の目減りに対する不満が大きくなって我慢出来ない状態に入っていると見るべきでしょう。
補填分野としては大まかに言えば、①広場や公園道路・水道などのインフラ維持費や②社会保障分野と③働き以上の賃金給付の3分野が想定されますが、日本を含めて先進国のインフラが充実しているのは、単年度労働による収入よりは過去の蓄積(植民地時代の海外利権・・古都奈良の大仏・京都の庭園など)世界中からの本国送金が多いからコソ可能になっているのです。
東京が他の自治体に比べて突出して豊か・・インフラが充実しているのは、東京人の労働収入によるのではなく、資本収益が東京に集まる仕組みになっていることによります・・。
東京への人口流入が続くのは(移民同様に)東京の住民は住民税以上の資本収益によって立派な本社ビル街やインフラを整備してくれる・社会保障負担もしてくれるなどで、居住者は自己負担以上の高度インフラを享受出来るメリットがあるからです。
東京に限らず人口の大都会集中が世界的に進むのは、東京ほどではないもののある程度の大都市にはその地域に地盤のある企業本社があって資本収益等が集中する関係があるからです。
賃金と社会負担の関係に入りますと、その社会の労働者が自己の労働に見合った(国際賃銀市場相場・・大規模工場の組み立てライン場合、同一労働・同一賃銀の市場価値が分り易い)以上の賃金を得ている場合、給与請求権は自己の働きよるように見えていて、その実その企業の海外からの事業収益・金融収益や原油輸出代金等で補填されていることになります。
海外収益に頼る場合、企業で言えば本社部門が小さいほど(国家で言えば小さな政府)労働者が少ない方が資本効率が良くなります。
キャメロン政権は上記補填3分野の内「社会保障水準だけ移民に差別を認めろ」と言う緩やかな要求ですから、EUもこの程度は仕方がないか!とイギリス特例として承諾した点では大人の対応でした。
この程度の妥協で不満が収まるだろうという読み・・キャメロンだけではなく、EU首脳も読み違えたのですから、キャメロンだけではなく、EU首脳も責任を負うべきです。

フラット化対応1(差額補填1)

元々技術革新の目標は、誰でも労働に参加出来る社会化を目標とするものですから弱者補助道具・・社会のバリアーフリー化拡大→(ジョブズ氏など特別成功するのを否定しないで)結果平等社会化の動きを認めるとした場合、・・格差反対論は大成功者の果実をある程度みんなに分配して20点の仕事している人も60〜80点の仕事をしている人と同じ賃金にせよと言うに等しいことになります。
大成功者の果実収取割合が大き過ぎると言う批判かも知れません。
(例えばジョブズ氏の大成功による莫大な収益を税で強制徴収するかどうかは別としてその成功の果実が対外収益入金によってアメリカに莫大な還流があった場合、税収入として予算化されてから流通しようが、税率が低い結果、大部分が民間に出回った場合、預貯金や株式購入資金あるいはホテル宿泊費・レジャーであれ、国内還流していれば経済の回転資金になる点は同じです。
この考え方を利用して貿易赤字を気にしないで中国や日本の儲けであれ何であれ、アメリカに還流する限り誰の資金でも同じと言うのが、アメリカの貿易赤字のファイナンス思想です。
2016-6-21「過大消費と消費者破綻(資金還流策)」にパナマ文書関連で書きましたが、仮に中国の利にさとい国民の逃避資金として人民元とドルへの両替が増加していてこれに応じるために人民銀行がアメリカに積んだ外貨準備を取り崩していると紹介しましたが、中国政府が公的資金をアメリカから引き上げてもそれと同額の裏金・・裸官等の逃避資金がアメリカに入って来ればアメリカ国内で回転する資金量は同じです。
上記のとおりぼろ儲けの九割を税でとろうが3割しかとらなかろうが、裏金で入って来ようがその国に儲けた金が入ってさえ来れば(ジョブズ氏がタンス預金していない限り国内で回る資金になる点に変わりないので、税率は本当は関係がないことです。
国家として重要なのは国内消費持続能力・・国際収支の内容実質の問題です。
日本の場合税で取れていないので国家財政上は赤字ですが、国家全体では世界ダントツの純債権国である所得収支黒字として巨額資金が入って来ていますので、国内で資金がダブついている結果金利を払ってまで借りる必要がない・・超低金利になっている・・だからこそ「有事の円」になっているのです・・。
支払原資が、税収か国際売却収入によるかは別として払い能力・・日本の支払持続性を世界が認めているので「有事の円買い」になるのです。
国際経済では税収によるかどうかよりは国際収支の中身が重要です。
日本の国際収支を見ると資本収支は海外投資が多くて赤字になっていますが、これが時間経過で海外からの(投資した金の配当が始まり)収益送金原資になるのですから前向きの支出・この赤字は価値のある赤字です。
(中国や新興国の場合日本等からの投資資金の流入超の結果増えた外貨準備が多いことを自慢していると書いてきましたが、これは毎年収益送金しなければならない一種の債務ですし、送金利益が出なくなればいつでも逃げられます・・新興国通貨が有事・・景況感悪化に弱いのはこのせいです)
所得収支は文字どおり現時点での海外での儲けの国内送金の数字ですが、日本の場合これが何十年も大幅黒字が続いています。
この所得収支黒字を使って、国内社会保障やインフラ投資が潤沢に行なえているので実質格差解消になっているのですから税で賄っているか国債で賄っているかは大した違いがありません。
日本では、潤沢な資金を利用して資源収入や知財・金融収入等も税収に反映し、その資金が高度なインフラ新設や維持資金になって殆ど税金を払わない階層もその利用を出来て恩恵を受けていますが、(これも消費面でのフラット化の1面です)格差是正論はそれに留まらない・直接底辺層に対する現金給付を増やせと言う要求になります。
国費補助によって無償あるいは市場価格以下で施設などを利用出来るだけでは落ち着かないから直截現金給付・・市場価格よりも賃金を上げろと言う意見は妥当でしょうか?
同一労働同一賃金・・同じ仕事をしていても日本人であると言う理由だけで20ポイントの仕事で60〜80ポイント貰う権利があると言うのは背理ですし、働き以上の賃金では国際競争から脱落し結果的に日本経済が破綻してしまいます。
世界的賃金水準平準化・同一労働同一賃金の原理に近づくのは人類平等の精神から見て正しいことですし、日本人だけ高給化を要求することに正義はありません。
市場原理に反した高賃金を強制すれば企業は海外に逃げてしまいます。
正義の形あるいは国際競争の観点から言えば、「20の仕事には20の賃金しか払えないが、資本収入(海外からの送金)があるからこの資金で別途国民に40〜60ポイント配給(一種の生活保護)せよ」と言うことになるのでしょうか?
これは賃金ではなく社会保障の分野ですから、現在既に結果的に似た状況・・社会保障費が国家予算の半分近くになっている現実がこれを表しています。
イギリスは戦後【揺り籠から墓場まで」と言われる高福祉政策をとりましたが、これは新興のアメリカに負けて行く産業界・・労働者の賃金低下に対する穴埋め政策であったと理解出来ます。
この穴埋め資金に苦しみいわゆる「イギリス病」に悩まされていましたが、北海油田収入によって息を吹き返したものの油田が枯渇して来て又苦しくなったことを大分前に書きました。
中国の開放政策以来、先進国はおしなべて新興国の生産活動参入によりどこも賃金下落に悩まされその補填に苦しんでいますが、補填するべき企業利益を上げるのに成功している国(多分日本だけでしょう・・アメリカはいわゆる資金環流策によってファイナンスして来ただけと言うのが私の意見です)では・・海外からの収益送金やアップルやユニクロや孫正義などの巨額収入者が生じるので格差問題となり、格差補填出来ない国→海外展開事業成功の少ない国→もしかして海外送金の方が多い国)では、補填もしてくれないので自暴自棄的いらつきの対象に弱い移民反対論・・スケープゴート探しが盛り上がる状況になっています。
アメリカは基軸通貨国の地位を利用して資金環流でファイナンスし、イギリスは金融市場・シテイの場所貸しで何とか凌ぐ構図でしたが、場所貸しでは大した資金が入りません。
ホテルやレストラン林立する街よりは、高級ホテル・レストラン利用者の住む街の方が一人当たり税収が多く入ります。
いつも書いていますが観光で成り立っている街はホテルなどの経営者以外ベッドメイキングや掃除など(スターバックスが大繁盛していても従業員の大多数は最低生活者になるでしょう)の末端底辺労働者の街になってしまいます。
いわゆるウインブルドン現象の本質です。
アップルの成功と言っても99%?は中国の工場や日本台湾などの部品業者が潤っているのであってアメリカの恩恵は株式配当益でしかない点が、国内部品産業等で健闘している日本との大きな違いです。
米英共に結果的に金融資本的利益に頼る点は同じですから、反ウオール街騒動やとランプ現象・・EU離脱論の昂揚になったようです。

精神障害者と宗教1

精神障害者がある日突然暴れるのは、特定の制度に不備があるからではなく、兎も角社会不適合による全般的な不満・・ムシャクシャの発散でしかないのですから、どんな制度にしても、何回破壊しても満足することはなく、破壊意欲がなくなることはありません。
ISはバラバラに孤立していた精神障碍者を世界的にブラックホールのように吸い込んでイライラを煽って破壊行動に誘導し、使い捨て戦士化して、緩いグループ化して・末端で勝手にテロをやるように煽動して通常人の住む世界を攻撃しようとする組織のように見えます。
(元々ドロップアウトしたグループに対する武器使用に方法の再教育ですから、きっちりした組織に組み込むのは無理があるので使い捨てが合理的なようです)
精神的に鬱屈して社会で孤立している人間を利用して、社会そのものを敵視する方向へ不満を振り向け破壊行動に駆り立てれば、自爆テロの供給源はいくらでもあるし便利です。
彼らを利用する限りにおいては、破壊のための破壊にしかなりませんし、利用している方は政権を痛めつける目的を達したので「もうこれで打ち止め」と思ってもそうは行きません。
彼ら精神病者は本来孤立して社会のお荷物意識で自己を卑下し、小さくなっていたのですが、ネットによる勧誘が容易なのと爆発物等の入手容易化によって、(その内簡易携帯型原爆を使える時代が来るかも?)少人数でも大きな効果を出せる時代が来たので、テロ活動情報交換を通じて一定の連帯が生まれ自信を持って一人歩きし始めます。
これの原始形態が、アフガンでアメリカが養成したゲリラ組織の現在の姿であり、ISはその進化した姿です。
したがって、こう言う方面に精神病質者らのフラストレーションのはけ口として誘導するのは、邪道ですし悪魔の手法です。
ISが、精神障害者を社会に対する破壊活動に煽動するやり方は世界を破滅に向かわせることになり兼ねません・・この動きが、がん細胞のように世界に広がれば、正に悪魔の宗教になります。
宗教に悪い宗教と良い宗教があるとしたら、精神不安者を破壊活動に向かわせない方法は、やはり良い宗教に頼るしかないのでしょうか?
私は、アメリカ式精神科医を増やし薬漬けにする方法は無理があると思っています。
戦後の混乱期には創価学会・立正佼成会その他新興宗教が伸張した結果、・・ヒロポンが蔓延しかけたこともありましたが、結局麻薬系に頼る人も減るなど・・日本社会の大混乱期の精神安定化に大きく寄与して来たと思われます。
戦後の新興宗教の新規吸収力が衰えて来たときに、オーム真理教と言う一種の宗教組織による吸収が始まっており、ISは、イスラム原理主義によっているのは、一応本籍として宗教が必要な点を暗示しています。
いつの時代にもいろいろな精神不安が起きてきますが、敗戦ショックのように一斉大量の画一原因で起きた不安発生とは違い、個別事情によるので、大量吸収方式は無理がでます。
戦後の新興宗教は大量吸収方式で勢力を伸ばしましたが、高度成長期以降、一定の高学歴高収入がありながら精神的に不安を抱える人が出て来ると、彼らの吸収装置としては個別対応が必要ですので、大規模組織で対応出来なくなりました。
この隙間・ニッチをついて、いろんな変わった事件も起きてきましたが、(オーム真理教事件以降では酒気薔薇事件など)全て単なる猟奇事件としてマスコミを賑わす程度でした。
オーム真理教はこの隙間産業的に受け皿として登場したものです。
マスコミや、文化人は馬鹿の一つ覚えのように格差拡大リスクを煽りますが、(伝統的に貧富格差の大きかったインドやその他後進国で反乱が起きなかったし、現在でも、格差の大きい中国や北朝鮮で反乱が起きていません)オーム真理教的顧客・・お金持ちの息子・高学歴層だってこの顧客になり得るのですから、格差問題を唱えるだけでは解決出来ません。
世間でまだ知られていなくとも、オーム真理教的受け皿がドンドン生まれている可能性があります。
人間の身体では、日々無数のがん細胞が生まれては死滅しているのに似ていますが、いつか大きなガンに成長することがあります。
精神病質者は、具体的に社会制度をどうすれば良いと言う合理的目的がない・・人間社会との付き合い方が分らないのですから、社会そのものが敵です。
労働条件を改善すればいい運動などとは、本質が違いますから、政治運動するのでは解決になりませんが、上記のとおり組織・制度変革で解決出来ない病者を集めているのに、社会組織破壊を目指していた点では、オーム真理教は悪魔の宗教になります。
どう言う宗教が吸収すれば社会が安定するかと言えば、我が国中世のように念仏を朝晩何百回も唱えたり踊って歩くような宗教・・陶酔系が合理的です。
お祭りをしょっ中やってダンジリを引き回したり、マラソン大会もその時点の陶酔感を満足させるだけではなく、次に備えた準備などで継続的受け皿になっているでしょう。
先進国で何万人を集めたショーやサッカー(フーリガンの破壊活動はその現れです)音楽のイベントなどで、興奮・陶酔させているのもその一種ですが、受け身である点では、ショーと次のショーの谷間の受け皿になりません。
ISテロ拡大の原因論はこの程度にするとしても、彼らを勧誘している組織構成員そのものは一定組織マネジメント能力の高い人材です。
彼ら幹部は、昔は海賊や流刑者や無頼漢を利用してトキの強者に挑戦していたのを、ネットの発達を利用して精神病質のグループに供給源を見いだした点に新規性があるだけです。
明日から新たなテロ組織に対応する法制度のあり方について話題を戻して行きます。

憲法問題と変革対応

今回の大変革のうねりは、(・・非嫡出子の相続分部差別違憲論のように)日本社会の内部変化によるのではなく、周辺国の軍事大国化・侵略意思の明確化・行動に対して、どこまで対応必要性が生じたか、どのように対応すべきかの判断です。
幕末に英国によるアヘン戦争・・香港割譲事件に国家的危機を感じた騒動に似ています。
今回は中国による南沙諸島や尖閣諸島の侵略で、習近平氏による意趣返し的(中華帝国の栄光復活=19世紀に受けた屈辱の仕返しを基本思想とする)行動ですが、方向こそ違え、周辺安全保障環境が激変している点は似ています。
幕末にも開国が祖法(憲法)に反すると言って反対した教養人?攘夷勢力が重きをなしていましたが、結果的に開国が正しかったことを歴史が証明しています。
攘夷とは言いながら(これは方便であって)本音は徳川政権を倒したいだけの勢力でしたから、徳川政権が倒れるとすぐに開国に舵を切っています。
当時の弱肉強食の世界情勢に適応するには、幕藩体制のまでは無理があったことから開国が正しかったとしても、幕藩体制変革の必要があったので、結果的に明治維新は成功しましたが・・・。
今回は現在の民主主義体制を別の体制(中ロのような独裁性?)に変える意図を持っている人はいないでしょうから、単純に国の安全を守るのにどこまでの準備が必要かと言う程度の意見相違です。
集団自衛=他国の協力が必要と言う意見と、そこまでの必要がないという意見に分かれていると見るべきでしょう。
それだけのことに憲法違反かどうかを先に議論して行く必要があるかどうか疑問です。
目の前の必要なテーマをどうしてキチン議論しないか不思議です。
先ず集団自衛の必要性の有無を討論してどの程度までなら必要かなど順次議論して、その結果ここまで必要となったときに憲法上どうなの?と言う順序で良い訳ですが、必要性の論議に入るのをいやがって入口で憲法違反かどうかの空中戦で勝負しようとしているのって自由な議論をさせたくない意図・・戦略の成功を感じます。
後生大事にしていた攘夷ならぬ非武装平和論で国を守れるかの議論が先ではないでしょうか?
反対論者が、政府案と反対論を比較して反対論でどのようにして国を守れるかと言う利害得失を説明するのが、建設的議論ではないでしょうか?
単に安倍総理はナショナリストだから・・と言うレッテル張りや憲法違反と言うレッテル張りで勝負していることに、言論封殺的・・民主主義に対する危険な方向を感じます。
政治運動には何らかの実利の裏付けがある筈で観念論は意味がないのですから、その裏には、反対運動するに足りる本音がある筈ですが、これを表に出さずうまくやるのが政治そのものと言えば、言えますが・・。
国民は主権を行使するためにはムードやマスコミ宣伝に惑わされずに運動体の本音・・何のために政治運動しているのかを知り嗅ぎ分ける必要があります。 
国民が正確な判断をするには、前提事実・・情報提供が重要であって、そのためにマスコミの重要性があるのではないでしょうか?
マスコミがやるべきことは、ナショナリストとか憲法違反かどうかの報道紹介よりも政府案だと「このようになり」反対論だと「どうなる」と言う事実の正確な情報です・・。
憲法違反かどうかの観念論の宣伝では、国民を惑わす効果しかなく、法案成立による利害が国民に分かりません。
全ての法案は利害の落ち着くところを見れば国民がどちらに味方したら良いかがすぐに分ります。
本当の利害が分ると困る勢力が、これを知られないように誤摩化そうとしているのです。
現在は幕末とは違い、その法案が憲法(祖法)に違反するかどうかを決めるのは、法律が成立してから裁判所がきめる権限・・三権分立していますから、代議士・国会(幕末で言えば諸候重臣)がこれに反するとか、反しないとか勝手に決めて審議に応じないことは逆に憲法・祖法違反で許されません。
国会の機能は、法案内容実質の妥当性(今回で言えば集団自衛が必要な国際情勢になって来たか否か)議論し議決するべきであり、憲法違反かどうかを議論するべき場ではありません。
国会の権能外のことに対して、国会議員もその職責がないだけではなく、職務外の憲法論を優先して肝腎の本案内容の吟味を怠っているとすれば、立法作業に関与すべく選出されている代議士の職務怠慢です。
「憲法違反の法律を許すな!と政治家が言っても、そもそも違反かどうかの決定権を国会が持っていません。
憲法論は国会の権限でない以上は、国会で立法作業を行うべき代議士の職務でもないでしょう。
職務外の行為に精出しているのって不思議な光景です。
ある法律が憲法違反かどうかに付いて議論するのは代議士の職務ではなく、代議士は自己の信念でこの法律はこの点が良くないから変えるべきだと言うのは・・そのためにどの部分が国民にとって良くないと力説するのはまさに職務行為です。
仮に人種差別法が制定されようとしている場合を考えれば、憲法違反かどうかを言うのではなく、(そう言う意見は法律家に任せて)このような差別法は許されないと、自己の価値観で話すべきです。
自分の価値観と関係なく憲法違反だから反対とか、憲法枠内だから賛成と言うような主張は法律家に任せておくべきであって、代議士の職務ではなくそんな観念論しか言えない代議士は要りません。

高度化対応の限界1

2012年2月末から3月初めにかけて高度化限界のテーマで書きましたように、製品高度化と言っても結局は単価の問題に帰します。
5月25日紹介したパナソニックの太陽光発電の例のように競争相手よりも0、何%歩留まりが良いと言うだけでは、相手国よりも何倍も高い人件費や公租公課負担では競争になりません。
現在社会では競争が熾烈で、どんなに優れた企業でも競争相手よりも何倍も歩留まりの良い製品を作れるようなことはあり得ませんので、結局はインフラを含めた総合コストが勝負になってきます。
研究開発は少人数で出来ますが、その結果を製品化する現場は大量人員を要しますので、もっとも多く係わる階層の人件費の格差が大きいとやって行けません。
結果的に生産現場労働者の賃金格差は、理論上数%を超えることは殆どあり得ない・・これを放置していればドンドン海外競争に負けて行くしかないことになって行きます。
仮に日本とマレーシアの賃金が数%の格差・・ほぼ同じならば、インフラなどの整備が進んでいる日本の方が工場立地に有利ですが、5〜10倍も賃金差があるとインフラ整備に多少資金がかかってもマレーシアに行った方が良いとなってしまうのでしょう。
こんなことを繰り返しているうちにマレーシアの方がインフラも充実して来るので、(後から作った方が最新式になり先進国のは旧式の設備になります)20年後に同じ賃金になっても2〜30年前の旧式の日本のインフラよりもマレーシアで立地した方が安上がりという時代が来るかも知れません。
ところで、希少原料である希土類でさえも、(中国でしか取れない希土類でも)中国が尖閣諸島問題で日本に圧力をかけるつもりでイキナリ輸出制限したことによって、価格が暴騰してしまいました。
その結果日本では僅か1年で代替商品の工夫が進み、(他方諸外国でも生産が始まり・・)今では中国が自ら貴重な輸出資源の価値を毀損してしまった印象です。
中国にしてみれば「どうだ!」と威張ったつもりだったかも知れませんが、世界中に対して「中国に頼ると怖い・・」と印象づけてしまったマイナスに気がつかないのが中国です。
代替性のなさそうな芸術・絵画や・演技力でもギャラや商品の価格差は品質の差に比例するのがやっとで、その比率以上に高く要求すると客は2番手3番手に流れてしまいます。
演劇を見に行くとき、トップスターの舞台と2番手の舞台が(どちらも時間の都合が良い)場合、チケット価格差が1〜2割差ならどちらに行こうかとなりますが、10  倍も価格差があると二の足踏むのが普通でしょう。
食べ物もウマいものになれば、価格の問題ではないとは言っても、煎じ詰めれば価格次第であって法外な値段になれば別の料理店に行ってしまいます。
2月末に高度化の限界として連載しましたが、現在社会では、(新自由主義経済か否かにかかわらず・・)すべての分野で世界的な価格競争に収斂して行かざるを得ませんので、如何に技術を高度化してもそれによる賃金や公租公課の負担格差が長期的に容認されるのは微々たるものに過ぎません。
と言うことは、我が国の国際比較での10倍単位の高賃金を早期に是正しない限り、国内産業の空洞化は早まる一方になります。
今回シャープが台湾企業の鴻海に資本参加を求めるようになりましたが、技術力が劣っているからそうなったのではなく技術は高度ですが、採算ベースに合わなくなってシャープが参ってしまい、その技術欲しさに低コストで生産出来る鴻海が手を出した構図です。
シャープの例は、空洞化・・労働者の失業どころか海外企業に身売り・・経営陣や本社高級社員の多くまでが入れ変わらねばならなくなり始めた話です。

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