中間層の重要性6(テロ・暴動の基盤4)

労働力人口減と失業増の関係ですが、その年の新規参入労働力が全国で仮に180万から150万に減ったとしても、受け入れ側が拡大せずに現状維持であれば150万人分就職で来ません。
まして増加どころか、削減すれば大変な就職難が起きます。
中国の労働力人口減の報道に戻りますと、中国では約365万人労働力人口が減ったとしても、もともとその何倍もの新規参入希望が毎年いたのにその新規参入者がその何割か減ったくらいでは、それ以上の職場拡大が続くどころか縮小して行く限り失業者が増えることに大差ありません。
内陸部の人に対して都市に行くのを禁じた見返りに内陸部に企業を誘致したり、インフラ工事をするしかなくて・・土地バブル発生になっていたことを以前紹介しました。
流入禁止すれば先進沿海部で人手不足になり、賃金が上がって労働者が満足するし、高賃金に対応して企業は内陸部に進出するだろうという良いこと尽くめが政府の思惑でした。
企業が高賃金になったので先進沿海地域から企業が逃げ始めても、他方でその分内陸部に進出すると差引同じですが、そうはうまく行きません。
内陸部・・重慶などでは海岸から約千km単位の距離があるそうですから、輸出入物流距離が伸びるので、高コストになります。
人間が沿海部に動くのは一回だけで済みますが、工場が内陸に行くと無数回・半永久的に物流コストがかかりますから、人間が沿海部へ移動する方が合理的です。
結果として内陸部への企業誘致は成功していませんが、沿海部から海外への企業脱出だけが始まってしまいました。
ところで沿海部で100万人失業しても内陸で100万人の雇用が出来たら数字上は同じようですが、実際には大きな違いが生じます。
22日に書いたように、一旦近代生活を味わった人は失業しても元の前近代的生活に戻れない・・暴動予備軍になるのに対して、内陸の農民が工場労働に参入出来なくとも従来どおり(不満だとしても)前近代的生活をしていれば良いだけです。
工業地帯で数十年働いていた人が失業すれば大変なことですし、内陸の人を一旦工場労働者にしてしまった後で失業させると、これも暴動予備軍になってしまいます。
リーマンショック後職場のない内陸部ではインフラ工事や人の住まない鬼城と言われるマンション工事等を大量にしたのですが、これが終われば失業者になるので、半端なインフラ工事の仕事をさせるとその後に却って治安が悪くなります。
長野オリンピックの後で長野経済がメタメタになった例を想起すれば良いでしょう。
彼らを放置しておけなくなって、昨年秋から再び内陸部の工事が再開されている実情を表しているのが、20日に紹介した蘭州市の無茶な・鬼城(ゴーストタウン)工事の様子です。
いつまでも無駄な工事は続かない・・企業が進出しないままですと最後は内陸部の人たちが失業者になるしかないとすれば、これが暴動予備軍として大問題になってきます。
人口減が始まってからでも10〜20年程度汎用品生産を従来どおり続けられていれば、この間に国民も給与が安いとしても少しは蓄積も出来るし、人口が減っている分失業増大圧力が緩和されて少し楽だったことになります。  
成長速度を焦って・・あるいは背伸びし過ぎて、まだまだ近代化の恩恵が国内に行き渡らない・・内陸部ではまだ白物家電でさえ行き渡っていない状態ですから、沿海部の賃金引き揚げを焦る必要がなかったのです。
高賃金政策によって成長が止まり始めた不満解消のために、反日暴動を煽ってみたところ、これを契機にしてさらに経済が縮小する大変な事態を迎えてしまいました。
日本の海外投資は、今回の暴動以降明らかに中国から東南アジアにシフトし始めています。
まだまだ年率8%以上の新規労働者の受入れ拡大の必要なときに、逆に既存労働者が失業する事態が始まってしまったのですから、大変な事態です。
これから大量に出て来る汎用製品向け労働者の失業者の受け皿(1月19日に書いたように中国では親世代が失業者の受け皿になれない・・)が当てにならないとすれば・・食い詰めた都市労働者は根なし草・・砂漠の民同様になります。
その行く先は・・テロ・暴動群発?予備軍ですから、そのエネルギーをどうするのかが、中国新政権の正念場です。
ただし、アラブやアフリカ産油国のようにテロ社会になるよりは、中国の場合集団暴動頻発→次第に大規模化して来るでしょう。
(秦漢の時代から中国歴代王朝の崩壊はいつもこれでしたし、現共産党政権自体この発展形態・匪賊の親玉として天下を握ったものです)
ちなみにアラブやサハラ諸国でテロが多く、アジア諸国・・中国やタイ、インドネシア等で暴動になる違いは、人口の稠密度・・抵抗側の大量動員能力の差に関係します。

労働力人口と国力

中国の問題は措くとして、一般論として労働力人口減の開始が日本や中国経済のマイナス要因という見方・人口ボーナス・・人口オーナスを唱える経済学者の意見には、私はAugust 4, 2012「マインドコントロール2( 人口ボーナス論の誤り2)」その他で反対してきました。
人口さえ多ければ発展するし少なければ衰退するというのは、歴史事実に反していることなど書いてきました。
企業でも図体・製造装置や社員数さえ多ければ余計売れるワケではありません・・売上が伸びるから設備投資するのであって売れない・技術の劣る製品を増産しても倒産するだけです。
人口や規模に関係なく国際競争力がなくなれば(技術が劣れば)衰退するときはします。
中国や日本では・・(あるいは欧州でも・・)むしろもっと早く人口減にするべきであったというのが、私がこれまで繰り返し書いて来た少子化賛成・人口論です。
日本で言えば、グローバル化が10〜20年遅ければ、(逆から言えばもっと早く少子化が進んでいれば)その間にもっと蓄積出来たし、高度化対応に人材シフトする時間があったし、汎用品向け労働人口を減らしておけたのでもっと楽だったと言う意見を書いてきました。
中国の場合で言えば、まだまだ農村や奥地に多くの余剰人口が残っていて近代化の恩恵・汎用品用の低賃金工場労働収入を得る恩恵すら受けていない人口が膨大・・低賃金でも工場で働きたい希望者が一杯いる・・もっともっと汎用品工場の拡大・受け入れが必要な状態です。
従来中国では「8%成長以下になると大変なことになる」と言われていたのは、この辺の実情・・毎年毎年の余剰労働力参入圧力の大きさを表しています。
流入圧力が大きいのは現状の低賃金でも地方で農業しているよりは魅力のある職場ということですから、トータル人口の増減の問題ではなく、魅力を感じる新規参入者が多いか少なくなるかの問題です。
ある職種の賃金・待遇が他の職種よりも高いときは、転職による参入圧力が高まる・・参入障壁さえ低ければその職種にはいくらでも人が集まるので、総人口が同じあるいは減少しているかに関係がありません。
日本で言えば昭和30年代に地方から金の卵と言われる集団就職がありましたが、まだ就職したい人が地方に一杯いる時代・・比喩的に言えば年間200万人の新卒があるときにその6割=120万人が農業後継者になるよりは都会で働きたい状態から、少子化の結果新卒・新規参入者が150万人に減るとどうなるでしょうか?
仮に150万〜120万人に減っても、企業に受け入れ能力・需要さえあれば、労働条件をアップすることによって他の職種へ流れているあるいは農業・就職先がないために軍人等にとどまっている職種から奪い取ることによって、必要人員を確保出来ます。
トータル人口が150万人に減っても他業種よりも有利な条件を提示出来て都市進出希望者を従来の6割比率から8〜9割に引き上げられれば、工場労働者数自体を維持出来ます。
逆に賃金が上がり過ぎて(あるいは同じ賃金でも総合力で割高になって)競争力がなくなるとどんなに大量の労働者の参入希望があっても生産を縮小するしかありません。
国力の消長は、人口の増減ではなく、企業競争力次第ということです。

中間層の重要性5(テロ・暴動の基盤3)

中国にとっては持続的外資導入のためには、成長持続が売り物ですから、これまで人口オーナス論に見向きもしなかったし、その意を受けた日本マスコミ・マスコミに出る学者も一言も触れない状態でした。
ところが、中国政府は方針を正反対にしてイキナリ労働力減少数を多めに(労働力人口は従来15〜60歳以下人口統計だったのを59才に引き下げてまで人口減を多めに)発表したので、慌てて1月19日の日経新聞朝刊で報じざるを得なかったように見えます。
翌20日には19日の大きな記事に続けて社説でまで書くようになった慌てぶりは異常です。
中国政府の意を受けて中国市場の際限ない成長を宣伝していた日本マスコミ界にとって、中国政府自身によるこのような発表は日本の頭越しに米中和解したのと同様の衝撃だったでしょう。
労働力人口減のマイナス影響論を逆手に取って従来基準よりもさらに1年分労働期間を減らして計算して減った人口を多めにイキナリ発表した政府の意図は何でしょうか?
失業増大による社会不安拡大の憶測否定・・「職場が減っても人口がこんなに減っているから大丈夫」というアナウンスがその目的でしょう。
そこまでしなければならないほど、対日暴動時点よりも更に失業増大が進んで余程追いつめられていると見るべきです。
習近平氏がトップ就任最初の訪問地に広東や深圳方面を選んだことをもって、日本マスコミは鄧小平の南方講話を引いて路線継続意思表示と賛美していましたが、実は当地では工場閉鎖続出で大変なことになっていたからではないでしょうか?
19日の報道ではこの1年で365万人程労働人口が減ったと言うのですが、確かに5000人規模の(日本では)大規模工場が10個や20〜30個バタバタと閉鎖してもそれだけ労働者が減っていれば数字上では関係ないと言えば言えます。
しかし、まだまだ工場労働に押し寄せる貧窮農民層からの圧力が毎年何千万とある状態ですから、全国で労働力人口が数字上300万や400万人減ってもその圧力が減った訳ではありません。
まして20日にテロや暴動の供給源について書いたように、もともとの農民が苦しくなっても食えなくなるまで命を捨ててまでテロや暴動に参加しません。
(新規参入者である農民工が雇ってくれなければ田舎で従来どおり貧しく生活しているだけでテロリストにはなりません)
ところが、一旦都会に出てしまった労働者が職を失うと帰る家もなく(19日に書いたとおり郷里には受け皿がありません)先進国のようにセーフティーネットの未成熟な中国ではマトモに食いはぐれます。
毎年何千万と発生していた新規参入者が365万へったと言うだけで、既存労働者の50万〜100万単位の失業がそのままになっているのでは大変です。
中国の場合新規参入仕損ないも実は大変なことです。
・・田舎からギリギリの仕送りで卒業した大卒が就職出来なくとも郷里に帰れないのは同じで、ネズミ族、あり族になっているのが有名です。
日本で言えば、仮に50万人失業者を出すにしても中高年者を失業させると影響が大ききいので、新規参入を抑える(新卒の就職難)政策をずっと採用してきました。
日本では親世代が豊かなので就職出来ない新卒・若者は親の家にとどまることが多いので、親に寄生している限り社会不安が起きません(草食化するばかりです)が、中国では深圳特区等早くから開けた工業地域に多い既存労働者(中高年齢層)の失業や大卒の就職率低下は、その受け皿がない分深刻な社会問題になっている筈です。
中国では親世代が貧窮状態ですから、中高年齢層が失業したり田舎から出て来た大卒が就職出来ないときに今更極貧の郷里に帰れませんので、砂漠で路頭に迷っているテロリスト供給源と同じ状態に陥りますので、(根なし草としては砂漠の民と同じです)数字のゴロ合わせでは解決しない社会不安・・暴動予備軍が生じます。
北アフリカ諸国では、近代化以前の裸足で槍をもって獲物を追っていた生活に戻れないので、失業or就職難→テロリスト供給源・予備軍になり勝ちなのと同じです。
新興国や産油国では半端な近代化が、もともとの原始生活に後戻り出来なくしてしまったから、成人しても職がなかったり一旦職を失うと命がけにならざるを得なくなっているのです。
中国の若者が高度産業の受け皿もないのに大量に高学歴化してしまい、行く場所を失ってアリ族に転落している・・今更内陸の農家に戻れないのも同じ構図です。
GDP統計同様に数字発表の操作が中国では大好きですが、失業による困窮度は国民が肌で知っていることですから、この発表が外国(中国べったりの日本向け)メディア対策にはなっても、現実に失業している国民の不満がなくなる訳ではありません。
折しもネット上では、中国のあちこちで大型商店の突然の廃業・閉店がニュースで流れていますが、失業増大で消費が落ち込み始めたことが分ります。
中国政府は本当は困っているのでしょうが、実態に合っていなくとも政府に都合の良い数字を発表しておくしかなくなったのでしょう。
ソ連時代もそうでしたが、共産党政権では、実態にあっていようがいまいが、計画経済・官僚の書面上の辻褄だけが尊重される伝統が開放・自由主義経済化?した現在でもそのまま踏襲されています。
情報規制しているから、裸の王様の寓話が(国民は信じていなくとも)そのまま、まかり通っていることになっているのでしょう。
(したたかな中国国民は信じていないので)虚偽宣伝報道がそのまま、まかり通ってるのは、これをそのまま有り難がって報道してくれる・・洗脳される日本人だけかも知れません・・。

中間層の重要性4(テロ・暴動の基盤1)

資源収入に頼る国・・産油国では分配対象(一定金額の収入・生産に要する必要人員)が少なくて済む(労働分配率が殆どない)ので、貧富格差が飛躍的に拡大します。
これが資源輸出に頼る国・アラブや北アフリカ諸国では政治不満が起き易くテロ組織が勢いを増す構造です。
ちなみにテロ組織の隆盛・事件頻発は、アラブとかイスラム教に特有の関係ではなく、国家経済が資源収入に頼る割合が高い→利権種入を得る王族や支配者の外におこぼれに預かる関連従事者が少なく分配対象者が少ない→貧富格差の拡大進行によるものです。
アラブ諸国の中で、エジプトのみが(今回の騒乱まで)長年安定していたのは、資源輸出に頼る割合が殆どない(不労所得としては、スエズ運河収入くらいですが特権階層がいないこと)、もともと農業国で主として国民の労働に頼っていた・・所得分配が広く薄く出来ていたことによるでしょう。
また湾岸首長諸国やサウジ王国が安定を保っていられるのは、産油収入が多い割に人口が少ないので、王族だけが裕福ではなく一般国民にまで気前よくバラマキを出来るからです。
アメリカのシェールガスやオイルが出回ってアラブ・北アフリカ産油国の売上が減少して国民への分配が減ってしまうと、昨年のチュニジュア〜リビヤやエジプト、今回のマリ共和国内戦〜アルジェリア等と同様の騒乱が始まるリスクが高まります。
中国等近代工業化に離陸したアジア新興国では、産油国の王族同様に経営者や共産党幹部等、利権収入を得る特権階層がいる点は同じですが、工業化による場合は非正規雇用中心であっても多くのヒトを使うので産油国よりも多くの人に薄く広く所得分配出来ることが重要です。
一般人に殆ど仕事のない産油国・・砂漠の民等と違って、給与が安くても、身分が不安定でも日々の収入さえ継続していれば政権に対する不満がその分緩和され・・命がけで暴動する人が出ません。
昔から農民が如何に貧しくても、食えている限り農民が暴動を起こしませんし、流民化しません。
リビヤのカダフィ大佐の私兵同様に、中国の場合も共産党の私兵である人民解放軍や公安警察による強権による締め付けによって政権維持しているのですが、これは締め付けがうまく行っているからではなく、多くの工場労働者の存在・・一応分配出来ていたことによります。
ただ、これが大量に失業するようになると、リビヤ等と同じ問題・・軍や公安の力だけでは抑え切れなくなるでしょう。
従来中国沿海部と内陸の格差がマスコミで報道されていましたが、地域差ならば(目の前の人が皆同じく貧しいのですから)それほどの不満が起きません。
対策も単純で財政出動さえすれば(日本でも地方過疎地への公共工事で誤摩化してきました)何とかなりますが、都市に入り組んだ非正規雇用者の失業増大・生活困窮となると一筋縄では行きません。
日本でも地域差の問題ではなくなって来た結果、地方政府や企業補助等の間接的財政出動ではなく、個々人への直接バラマキが必要になった背景事情として「都市住民内格差1と選挙制度」January 21, 2011のコラムその他であちこちで書きました。
1月19日の日経新聞朝刊では蘭州市で、山を崩して巨大ニュータウンを作る工事写真が出ていました。
汎用品生産工場中心で離陸発展した中国では、人件費高騰のあおりで反日暴動以前から外資に逃げられつつあったのですが、住む人もいない新市街・鬼城(ゴーストタウン)を作る工事によって、当面の失業対策・GDPアップ効果になっているという記事です。
こんな無駄な工事(鉄道工事や幽霊マンションの大量建設もその例です)を繰り返して苦境に陥っている経済実態を糊塗しているのが現在の中国経済ですが、こんなバカなことがいつまでも続く訳がありません。
中国賛美記事の多い日経新聞では珍しい現象です・・・こんなことはずっと前から分っているのに国民を騙すために報道していなかっただけ(だからこそイザとなれば1日で現地写真を出せたのでしょう)ですが、これはこの後で書くように中国政府発表に驚いてマスコミも慌てて追随しているのでしょう。

最先端社会に生きる7(中間層の重要性2)

日本より後発の韓国では日本とは違い中間層の形成期間が短くこれと言った蓄積を出来ないうちにアジア通貨危機に見舞われてしまい、中間層がナケナシの貯蓄を失い、その後国民の多くが非正規雇用の時代に突入しています。
漢江の奇跡と言われる高成長は、日韓条約による巨額円借款によるものがスタート台ですが、スタートから数えてもアジア危機までは僅か30年しかありません。
まして円借款と同時に経済成長したのではなく、この借款でインフラ整備してこれがそろってから日本企業の進出があって成長軌道に乗ったのですから、年収1万ドルになった時期から見ればホンの僅かです。
なにしろ、1人前の収入になったと認められてOECDE加盟(96年)の翌年には、アジア危機に見舞われてIMF管理に入っています。
僅か1年たらずのアジア危機で再び1万ドル割れして最近漸く2万ドル前後・・日本の約半分になっているところです。
以下のグラフで見ればアジア危機後1万ドルになったのはおよそ2000年過ぎのことですから、現在時点で漸く約10年経過したところに過ぎず、蓄積の薄さが分ります。
一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳
出典元URL
http://ecodb.net/exec/trans_weo.php?type=WEO&d=NGDPDPC&c1=KR&c2=JP

アジア危機以降上記のとおり、GDPこそ上昇していますが、アジア危機によって殆どの企業が欧米資本に買収されてしまった結果、利益・金融収益の殆どを海外に吸い上げられていることから、韓国では、GDPを一人頭で割っても実際の生活水準を計れません。
韓国や中国の貿易依存率が無茶に高いのは、国内消費水準が低い・・国民の購買力の低さ・・GDP上昇の恩恵が正当に国民に還元されていないで海外流出していることに原因があります。
(中国の場合、外資による収益の海外流出のみならず裸官・ラカンと言って政府高官・富裕層が保身のために海外へ不正蓄財資金流出させていることにより加速されています)
これが現在韓国で大財閥のみ栄えて、国民が悲惨な状態にある原因です。
日本の場合、企業の海外生産比率が上昇する一方です・・ここ10年以上貿易収支の黒字よりも海外収益の還流の方が大きかった原因です。
日本のような高齢化社会では労働収入よりも金融資産(年金を含めて)家賃等の収入の方が多くなっていますから、労働収入比で貧困率を計っても意味がありません。
この逆張りで中国や韓国では逆に外資に持って行かれるばかりですから、GDP・企業利益を基準にしても国民の福利状態・豊かさの指標にはなりません。
国際化時代には、GDPは1つの指標にしか過ぎなくなっています。
例えば中国の生産の半分〜3分の1を日本企業が担っているとすれば、その収益が日本に持って行かれるし、しかも日本企業が他所の国に立地変更すれば中国は困ってしまうので、GDPと国力との関連性は薄まっています・・時代遅れの指標です。
中国は反日暴動で底力を見せ付けたつもりですが、中国国内の売上が半分以下に減ったトヨタが皮肉にも昨年世界一の販売量を奪還して好調に沸いています。
日本は中国の成長が頭打ちならば好調な東南アジアや、北アメリカにシフトすれば済みます。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。