男の再婚に話を戻しますと、養育費等を送り続けながらではマトモな再婚生活費を出せませんので、(再婚後また子供が生まれたら両方の子供の生活費が必要ですから大変です)結婚が女性の子育て・経済支援に目的があるとすれば、前妻に搾り取られていて生活能力のない男などをマトモな女性は相手にしません。
まじめに送金していれば、日常のホンのちょっとした蓄えも出来ず、老後資金などは全くないままで孤独に人生が終わってしまう人が殆どです。
みすぼらしいアパートで孤独死していて、元の妻に連絡を取って娘さん等に引き取ってもらうことがあります。
この苦労に対して、母親から「とんでもない父親だった」と刷り込まれて育った子供からは何の感謝もしてもらえず単に敵意しか生んでいないとしたら、送金を続ける熱意が萎えてしまう人が出るのは当然です。
養育料支払が滞った場合、無責任だと非難してこの取立を容易にする方向・・逃げればいいだろう式の人を逃さないように強制執行法を改正したり政策面で取立ばかり工夫(思想教育もその一つです)していると、逃げられそうもない公務員等マトモな職種の人たちは結婚したがらない(女性にとっては最も安心出来る結婚相手でしょうが・・)結婚しても友達感覚での淡い関係以上に深まらない・・子供は要らないと言う男が増えてくるのではないでしょうか?
ま、不貞行為で離婚の場合は仕方ない・・自業自得と言うか不義理なことをしなければ良いだけですが、性格の不一致で離婚請求されるのは防ぎようがない感じです。
この後に書きますが、男の方は妻がどういう不満を持っているか気がつかないままの人が結構多い(・・気がつかないこと自体横柄な態度が身に付いてしまっているとも言え、却って救いがたい面があります)ので、ある日突然性格の不一致を言われて慌ててしまうのです。
妻のご機嫌を取り結び、離婚したい等と言われないように気をつけるしかないのですが、これでは鈍感な男にとっては何に気を付けて良いかも分らないのでリスクが大きすぎます。
現に結婚まで行った場合でも淡白な夫婦関係・・お互い少しずつ生活費を出し合って、その他の懐具合はプライバシーとしてお互い教えない・・携帯メールは当然相方に見せないし見られたくない・同棲期間と実家に帰ってる期間はどちらが多いか分らないほどお互いに頻繁に自分の実家にそれぞれが帰る(一緒に行かないのです)・・が増えている兆しがあります。
今の若者では夫婦の住まい・マイホームと言っても言うならば、デート用に共同でホテル代わりにアパートを借りたりマンションを購入しているような感覚に近いのでしょうか。
婚姻制度を重たくしすぎると借地人の保護が進み過ぎた結果、土地を貸す人が皆無になってしまったようなことになりかねません。
(新設借地が成立出来なくなって定期借地権や定期借家権制度が創設されましたが、結婚も定期結婚制度が創設されてくるのでしょうか。)
離婚すれば絶望的境涯・・取立を逃れるためには住民登録もしないで逃げ回る生活しか出来ない状態に追い込んでしまう制度を、トータルの政策として強行して行って良いのかを考える必要があります。
養育料負担がいやなら、浮気せず身を慎みどんなに気が合わなくとも離婚だけは思いとどまればいいだろうと言う意見もあるでしょう・・。
この意見の方向に進めば離婚率が減少してめでたい限りですが、その期待は今どき無理な想定です。
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コラム
養育料5と婚姻率
我が国の養育料支払の現実に戻しますと、離婚後も男がまともにローンや養育料を払っていると再婚する程の経済力がなくなるのが普通・・再婚して2所帯を養うのは困難なので一人みすぼらしいアパートで独身を続けて苦労して送金を続けている結果(そういうまじめな男も結構います)になります。
平均的労働者・・月収3〜40万円の夫婦が、35年ローンを組んだ状態で40歳前後で性格の不一致を理由に追い出されて、男の方が単身用の安いアパートを借りて生活する場合の経済負担をちょっと想定すれば、男の生活水準の悲惨さが分るでしょう。
数ヶ月前に債務整理の相談に来た事例では、離婚ではなく結婚している小規模運送会社の運転手の男性ですが、早朝(午前2時前後)出勤のために自宅からの通勤が少し遠いので会社の寮に泊まり込んでいるので、経済的には別居(単身赴任)状態ですが、彼は30万円ほどの手取り給与から寮費2万円と自分の生活費4万円だけ現金で猶予をもらい残りは給与振込(平均24万)になっていて、妻がその預金を管理していて10歳の一人息子(一番お金のかからない年齢です)と自宅に住んでいると言うのです。
奥さんはパートで月10万円ほどの収入があって、自宅の住宅ローンは月7万円と言います。
男の方は寮費の外に自分で使うのは月にわずか4万円・・小遣いではなくこのお金で自分の衣類から身の回り品一切を買って一ヶ月の食費も賄う生活です。
これでは、いくら何でも生活が無理でしょう・・と言う話になったのですが、このように世の中の男は妻子二人に34万の生活をさせるために自分が僅か4万円で会社の寮で生活している(コンビニ弁当だけでも朝昼晩30日食べてれば・・・4万で足りるの?と言う疑問があり、その他の雑費はとても賄えない印象です)・・・・このような生活費の分け合いに何の疑問も感じない様子でした。
長い間かけて「男は尽くすもの」と教育されて来たので、自分が食えなくとも自分の甲斐性がないから仕方がないと思い込んでいる男は今でも実際には多いのでしょう。
もう一つ別件でも、子供のいない高齢結婚夫婦で夫の方は何年も現場を渡り歩いていて(自分は飯場の費用だけもらって)30万円前後のお金だけ送ってくる男性もいます(教育の効果は恐ろしいものがあります)ので、こうした貢ぎ専門の夫は稀ではないのでしょうが、その内にこうした関係はなくなって行くのではないでしょうか?
ところで、10年ほど前に東京電力の高圧線の建設や維持工事の人夫をして、山奥を渡り歩いている(当然日帰り出来ませんので山奥に作った小屋で寝泊まりして次の現場に移動して行くのです)男性の奥さんが、最近夫から別れたいと言ってお金を送って来なくなったと言う相談がありました。
このように一方的にお金を送金するだけの関係でも、結婚当初は嬉しくて何ヶ月に一回は山奥から土産を持って帰ってくるでしょうが、その内に年に一回になり2年に一回になり、4〜5年に一回となってくると一定期間経過すればいくら純情な男でもその内に嫌気がさしてくるものです。
養育料4と再婚9
別れた夫にしてみれば、血の繋がった子供のためとは言いながら、(これを子供のためにだけ使うのではなく、受け取った元妻は自分で自由に使えます)実質的には縁の切れた元妻に対していつまでも仕送りするのは動物的本能に合致しない上に、別れた妻が再婚している場合にまで「何故払うの?」と言う疑問があります。
血の繋がった親である限り雄も責任を持つべきだと言う現在の法思想は、政府の育児に対する社会的支援制度が間に合わない間の雌雄心理の実情に反した便宜的思想である本質を忘れて、これを金科玉条にして、養育料負担を離婚相手に強制する方向へ進み過ぎると大変です。
変に利口な人・秀才は、便宜上生まれたに過ぎない思想であることを忘れて(実情を無視して)飽くまでこれを貫徹するのが普遍的に正しいと誤解して突き進む傾向があるのが問題です。
民主党政権は高学歴者中心の政党なので、こうした観念論が肥大する危険が大きくなるリスクがあります。
離婚後の養育義務を強化し過ぎる社会になった場合、一旦離婚となると男は一生債務奴隷みたいになってしまいますので、離婚率の高まっている現在、まじめな男は離婚リスクの大きさに怖れをなしてその入口の結婚自体・・子供をもうけることに尻込みしかねません。
この種の意見は、04/26/05「単身社会と社会の安定8(いろんな制度を緩やかに15・・・離婚条件緩和1)」前後で書きました。
子供の養育に限らず、いろんな弱者の救済は国家・社会全体で見るべき・・基礎生活費支給制度創設論を後に書きますが、今のところ第一次的には家庭が負担するしかない状態ですが、それはそこまでに(過渡的な制度・必要悪としての理解に)とどめるべきであって、離婚になった場合・・元の家庭に関係のなくなった離婚後の男に全面的に責任を負わす方向へこれ以上強化すべきではありません。
2005年に上記コラムを書いた頃には当面の間、原則的に実家の責任にすべきではないかとも書きました。
(事案によっては別れた夫がある程度負担するのも有りでしょうが、今のように何が何でも強制出来るシステムが正しいと決めつけるのはおかしいのです)
今年3月ころにまたまたま韓国法に関係する事件があって、何気なしに読んでいると、別れた妻が再婚すればその時点で養育費の支払義務が消滅するような条文がありました。
「同姓娶らず」で紹介したように、血統を重んじる筈の韓国でも、いつの間にかこのように再婚した相手の男に養育義務があるか否かのドグマにかかわらない現実的な法律になっているのを見て驚きました。
ちらっと拾い読みしただけの記憶ですのでその実施要件の詳細までは分りませんが、最近韓国企業の躍進が目覚ましく、海外の競争で我が国企業の受注敗退が目立ちますが、「競争力は一日にしてならず」こうした意識面でも静かに我が国の先を進んでいる様子です。
ただし、これは我が国よりも現実直視が進んでいるのか、核家族社会を経由しないもっと古い家族意識の残滓によるのかまでは今のところ分りません。
養育料3と民事執行法11
養育料支払義務を履行する意欲のある人がなかなか増えないとすれば現在の血の繋がった父親の責任を強調する制度・思想が当事者の動物的意識その他の実情に反する面があるからです。
ところで養育料支払が滞る人が多いと言う報道を見かけますが、ホワイトカラー系は職が安定しているのできちんと払っていることが多いのですが、離婚事件の大半は、現場労務系ですので、職が安定せずしょっ中職が変るので養育料支払能力が低い・また取りようがないのが現実です。
従って養育料支払率の低さを議論するならば、その職業別統計をとらないと意味のない議論になっている可能性があります。
非正規あるいは日雇い労務者等の離婚率はものすごく高いのですが、(皆さん身近かなホワイトカラーの中で何割離婚しているか見回して見れば全体の離婚率との違いが分る筈です)彼らは元々安定収入がないので同居中でもマトモに生活費を入れられなくて離婚になることが多いのです。
生活費をマトモに入れないことを主たる理由に離婚になった場合、彼らに離婚後の養育料支払を期待している妻が元々いないのですから、こういう統計をいくら取っても意味がありません。
私に言わせれば、04/06/10「母子一体感3(養育料3)」で書いたように、子育ては社会全体で見るしかないのですが、社会制度が未整備の間は誰かに責任を負わすしかないから夫を父親だからとして責任を負わすようになったに過ぎない・・過渡的・便宜上生まれた思想に過ぎないと考えられます。
にも拘らず、政府や文化人(人権活動家)がこれを金科玉条のごとくに思いつめて運動した結果、政府は、「従わないならば・・」とばかりにムキになって養育料未払いに対する強制執行制度の強化に乗り出していて、最近では将来分(6ヶ月限定ですが・・・)を含めて執行出来るように改正しました。
強制執行するには支払期限が到来していることが鉄則(30条一項参照)ですが、(たとえば3ヶ月先の給与を今払ってくれとか、3年先に明け渡す約束で借りているものを今日から2〜3日で返してくれと言うのは、お願いであって権利ではありません)養育料に関しては期限未到来・半年先の分までの合計金額で今から差し押さえが出来るように便宜が図られたのです。
民事執行法
(昭和五十四年三月三十日法律第四号)
第三十条 請求が確定期限の到来に係る場合においては、強制執行は、その期限の到来後に限り、開始することができる。
2 担保を立てることを強制執行の実施の条件とする債務名義による強制執行は、債権者が担保を立てたことを証する文書を提出したときに限り、開始することができる。
(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)
第百六十七条の十六 債権者が第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち六月以内に確定期限が到来するものについても、前条第一項に規定する方法による強制執行を開始することができる。
これはこれで実務的に必要な制度改正ですが、(私も養育料を請求する立場の場合、ある程度未払いが溜まってからでないと執行出来ないのは不都合と考えていましたし、そう言う意見をどこかで書いたと思います)別れた夫に対する養育料支払強制強化の側面として見ると、これが政策的に妥当かは別問題です。
再婚8と養育費支払2
里子が同居して育てられていただけでは当然に相続人にならないのですが、・・・里親が死亡した時に同居していた限り引き続いてアパートや県営住宅等に引き続いて住めるような権利継承は必要(あるいは当座生活出来る程度の現預金の継承も必要)ですが・・・それとは別に遠くに持っている資産まで相続(継承)する必要がありません。
もっと多くを里子にやりたけれ、ば遺言で手当てしておけば済むことで法定相続権まで必要がないでしょう。
ただし、これは・・・私の従来からの主張によればまず配偶者が全部相続し・・これを相続と言うか否かは別として・・夫婦ともに亡くなった場合の話です。
配偶者は全部相続すべきだ・・そもそも世代交代ではないのでこれを相続に含めること自体がおかしいと言う主張は、11/02/03
相続分7(民法109)(配偶者相続分の重要性2)前後で連載しましたし、配偶者の全部相続と言っても再婚との関係で婚姻後の経過年数によって区分すべきだと言う意見も、07/11/03「老人の再婚5(相続)」および05/18/03「遺留分とは 7立法論3(民法55)」等で書きました。
ほとんどの人が自分で子供を生まない里子制度の時代が来れば、遺言で指定しない限り里子に対しては、預貯金等の金融資産で言えば未成年又は30代まで・・大学院等まだ自活出来ない里子もいるでしょう・・・とそれ以上の場合とでは、額を区別した上で、30代以上でも同居していた限り一定の法定額までは継承出来、不動産に関しては、(血統に関係なく)里子が現に住んでいる家(持ち家又は賃借権)を相続(継承)し、(自活出来ない低年齢者の場合、次の里親を国で手配する仕組みが当然用意されるべきでしょう)それ以上は国庫に帰属するような扱いが合理的かも知れません。
話を子育てに戻しますと、犬と養子縁組しなくとも、犬を飼っている普通の人はみんな自分の子以上に犬を可愛がっています。
孤独な老人がペットを残して死にそうな時には、それなりに誰かに後を頼んで死んで行くものです。
実際の生活を一緒にしていると愛情がわいてくるのは動物全般の現象ですから(いろんな動物が別種の動物の赤ちゃんにおっぱいを飲まするとその別種の動物も自分の子のように可愛がることはよく知られているとおりです)同居している人が、同居者の生活費を見るのが妥当(一つの家の中で誰の分の食費・暖房費と分けられない)です。
児童手当法の精神・・4条では父母でなくとも実際の監護者が受け取れることになっていることの整合性から見ても、再婚相手あるいは同棲相手が連れ子の養育費を負担する方が自然です。
血のつながりを理由にするのではなく、一緒に生活している限り面倒見るべきだと言う単純な法理を正面から打ち出すべきです。
連れ子の面倒まで見られないと言う男がいるとしたら、そんな男と一緒になる方・母親がおかしいのです。
この逆に別れてしまった男に対して血のつながりがあるからとの観念論で、離婚による別居後でも何十年もお金を送れと言う思想教育をしても動物本来の意識に反していて無理が有ります。
この辺の事情から、07/10/03「結婚事情(永久就職から・・・・?)13」のコラムで書いたように、それぞれが次の妻子の生活費を見るようにすれば(・・ただし、男の方が収入が多い現実を前提にすればの話です)それぞれの再婚・・再出発が容易になって合理的です。