中国の防空識別圏設定とアメリカの行動基準2

アメリカの示唆を受けたからか、韓国までが中国に対抗するという大義名分で日本の防空識別圏に重なる空域を設定しました。
そしてアメリカはこれを直ちに容認すると昨日のニュースで報道しています。
他方韓国は中国の設定した防空識別圏内の飛行計画の提出をすることになったと同時に報じられています。
要するに日本だけが世界中で中国の設定した新ルールにに従わないという図式を作り出して韓国の対日防空識別圏の拡大の結果と中国の拡大の結果だけが残りました。
韓国はここ1年の反日宣伝が手詰まりになったので、新たな対日紛争点造りに必死になっているところに防空識別圏拡大の名分を得たことになります。
韓国は中国に抗議するかのように見えて、実は中国の空域設定に対して韓国航空機飛行計画の届け出をするようですから、結果的に対日焼け太りを目指しているとしか考えられません。
この結果日韓では、今後竹島だけではなく日韓で重なる防空識別圏の空域問題に関する新たな紛争の種がまかれたことになります。
言わば今回の中国による防空識別圏設定は、米中韓三国による対日出来レースの可能性すらあります。
アメリカの本音は、半永久的に日本を中韓と揉めさせておくことにあるからです。
日本では日米同盟を頼って中国と対峙する意見が盛んですが、アメリカの本音は米中で日本を封じ込める・・大東亜戦争前と今も変わりません。
今は朝鮮半島が熱狂的な日本敵国側に加わった点が、戦前との大きな違いです。
他方で東南アジア地域が、日本の大東亜共栄圏構想どおりに欧米の植民地支配を脱して日本の味方になっているし、一定の経済力を持つようになったことが日本にとってのプラス要因でしょうか?
アメリカにとって真の同盟国になる基準は、戦前戦後を通じて自国(ユダヤ資本)の金儲けになるか否かですから、経済戦争の相手になっている日本はいつもアメリカの敵意の対象です。
アメリカに限らず同盟という形式的な基準よりも、投資残の大きい国あるいは経済的損益を基準に行動する・・敵対すれば損をする国相手に、実質的敵対政策を取れないのが世界中の行動基準です。
アメリカから見れば韓国や中国に対する投資残は巨額ですが、日本は何事も国産志向ですから、外資導入比率が世界一低い・・世界一の純債権国ですからどこの国も日本と事を構えて相互に敵国資産を没収し合っても大きな損がありません。
韓国などは外資の植民地支配を受けていると言われるほどですから、もちろんアメリカからの対日投資残は対韓国よりも少ない状態ですし、対中国でもアメリカの対中投資は巨額であって、対日投資額の比はありません。
どこと戦争になってもお互い相手国の投資残の凍結ないし没収をする関係になりますので、アメリカは日本の味方をして参戦すると大損ですから、最終的には日本の味方をしません。
仮に米中相互に1000億ドルずつの同額投資をしていたとしても、日中の喧嘩に巻き込まれてアメリカが中国の対米投資を没収するとアメリカも没収されるリスクを考えると巻き込まれたくない・・政治圧力が国内で高まるのは当然です。
資産の凍結だけではなく複雑に絡み合った物流が凍結されると相互に社会生活が成り立たなくなっているので,他国の都合に合わせて一緒に経済制裁その他が出来ないのは当然です。
アメリカが従来資産凍結をやって来たのは、北朝鮮やイラン等・・複雑な投資関係のない国相手だけです。
ましてアメリカの対中投資の方が中国の対米投資よりも10倍もある場合、相互凍結するとアメリカの方が10倍損をします。
アメリカが核攻撃を受けるリスクを冒して日本の味方をするか?と言う議論と同じで、対中韓では対日投資の少ない日本に歩調を合わせるよりは、中韓の主張にあわせた方がアメリカの利害に一致する関係になっています。

中国の防空識別圏設定とアメリカの行動基準1

南北朝鮮や中国に対しては、昔から・・「気違いに刃物」という言葉があるように、放っておけば良いとは限らないので気をつける必要はあるでしょう。
とは言え、民族全体の精神異常を直す治療法がないから厄介です。
精神異常者に対しては安心させてやり、異常行動に出ないようにしてやるしかないのではないでしょうか?
こうした異常者向けの融和策を繰り返した結果、今の韓国の自己肥大した意識が助長させたとも言いますが・・・。
ナチスの拡大・膨張主義に対するチェンバレンの宥和政策が大失敗だったと史上評価されています。
個人の場合、時間経過で老化して死亡して行くので、時間稼ぎ程度の政策でも良いのですが、国や民族の場合、いつまで面倒見て良いのか限度のないところが困ったものです。
豊かになれば考え方も落ち着くかと期待して来ましたが、豊かになれば恩を感じないで逆に日本より強くなったからと日本を攻撃したくなる国ですから、手が付けられません。
この辺は中国も同じです。
いずれも見かけだけは豊かになったものの、国民には不満が蓄積している点がこうした結果を生み出しているのです。
韓国では経済植民地化の結果、国民総所得が大きくなってもその多くが外資に持って行かれるので国民個々人にはあまり還元されていません。
この結果、史上最大の売春婦輸出国になっているし、中国では、共産党員の汚職があって、総生産が上がっても国民一人当たりの実際の豊かさに繋がっていない不満が大きくなっています。
強大化して来たナチスドイツ同様に中国も巨大化する一方ですから、バカにして放っておけば図体が大きくなって行く分厄介です。
日本の領空上にまで広げる中国の防空識別圏の制定は、ナチスドイツのやり方を彷彿とさせるものです。
ちなみに防空識別圏制定自体は相手の領空に及んでも構わないのですが、その範囲に入って来た未届け飛行機を撃墜を辞さないという点に問題があります。
例えば陸地で境界を接している国々にとってはお互いに相手領域内で自国に向けて戦闘機が飛び立ったり、軍の大規模移動があるかどうかを、事前識別する必要・・情報収集する必要があるのは当然です。
無用な刺激を避けるために隣同士では、あらかじめこのために軍の移動や演習を通告したり・・我が国での故事によれば北条早雲が小田原攻めをするために小田原の領域内での鹿狩りを事前申し出でをしています・・。
これらは飽くまでも無用の刺激を避けるためのものであって、相手の許可を求めるものではありません。
従って防空識別圏設定が相手領土に重なっているかどうかは問題ではなく、戦闘機でもない民間航空機までこれを求めるばかりか、これに応じないときには撃墜を辞さないという主張が異様なのです。
撃墜を辞さないにとなれば、これは識別権の設定ではなく実質的領空の設定です。
中国が一方的にこの範囲を広げて行けば、日本は自国領空を移動するのに中国の許可が必要になって来て事実上属国化してしまいます。
対抗して日本も中国領空にこの範囲を広げて行けばどうなるか・・重なる範囲での撃墜競争=戦争になるしかないでしょう。
従って中国の宣言は、我が国に対する宣戦布告と同視出来るものと言うべきです。
日米相互防衛条約とは領空の防衛も含めるべきでしょうから、これをアメリが黙認してアメリカの民間航空機には中国への届け出をすべきだと言うのでは、事実上中国による日本領空支配を認めることになるので日米安保条約違反です。
アメリカは尖閣諸島は日米安保条約の適用を受けると言いながら、一方では事実上アメリカがこれを受入れると言うよりは裏で応援している二枚舌外交に徹しています。
アメリカは日中韓の紛争が続くことが最も快いからです。

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