(天皇誕生日がなくなった)クリスマス・イヴ  

平成天皇の退位によって、5月1日から令和の御世になり平成時代の天皇誕生日であった12月23日が祝日でなくなりました。
平成の最初は、年末の忙しい時に祝日が1日挟まると、たまった仕事の処理が大変だと困った気分でしたが、これもいつの間にか慣れてくると年末休みの予行みたいな気分で22〜3日過ぎ頃から正月を控えた休みが早く始まるような印象で、その始まりを告げるアトラクションとしてクリスマスを楽しむようになりました。
キリスト教徒の方々には申し訳ないですが、日本人の私にとってはそんな程度の位置付けです。
今まで約30年間クリスマスイブ前日の休みを利用してイブの一晩前のイヴ?を楽しみましたが、今年は前日の休みがないので、24日が土日にかからないと調子が狂う感じです。
キリスト教徒ではないので、23日が休日になってから夕方から娘と出かけて熱気に溢れたデパ地下での買い物を楽しんでいたことがわかります。
お正月そのものよりは年末の買い出しや準備に精出すのが楽しいことだと気がつきます。
お祭りそのものよりその準備に半年以上かけて精出すことが、地元民には一体感の醸成その他で意味深いものでしょう。
消費者・観客にとってはイベントの瞬間だけ切りとって見ているだけ・文字通り時間の消費ですが、お祭りの準備、高校野球の場合甲子園に出るまでの営々たる努力・プロセスにこそが価値あるのがわかります。
諸国の巡礼・我が国のお遍路さん同様で道行きに価値があるのです。
車等で神社仏閣の入り口に着いてから深い森に囲まれた参道を歩くときの有り難さは、本来行うべき巡礼行脚の短縮版としての意味があるからでしょうか?
今日24日は、普通に仕事があるし、仕事を急いで切り上げてまで、背広を着てカバンを持ってデパ地下に行きたいわけでもない・結果的に買い物する気になれません。
休日がたった1日減っただけでクリスイブを楽しむのが億劫になるなんて!
キリスト教徒でないから誘導される何かがないとその気が無くなるのが当たり前と言えますが、見方を変えれば年をとって暇があるようでないのが人生というものか?
今年の年末は特に仕事がたて混んでいるわけでもないのに、天皇誕生日の休日が1日なくなっただけでなんとなく余裕のない気分です。
50台半ばに事務所と自宅間距離が数キロ以内に近づき電車に乗って2分の距離になって以来、朝ゆっくり新聞を読みお茶を飲んでから仕事に出かけられるのは、なんとゆったりした良い気分だ!と満喫していたものですが、この4〜5年、時間のたつのがバカに早くなったせいか、ちょっとゆっくりしているといつの間にか10時〜10時半を過ぎてしまうようになり、この1年くらいでは、気がつくと11時半頃になってしまい、事務所でお昼を食べる時間に間に合わない!っと慌てて自宅を飛び出すことが増えてきました。
この関係かしれませんが、年末が近づいたのに祝日が1日なくなっただけで今年はなんとなくせわしない感じ・・、クリスマス・イブを楽しむゆとりがない・・
平成になって5〜6年経つと、天皇誕生日のおかげで年末にヒト休みがあって良い息抜きと思ったものが、今ではこれが普通になってしまったようです。
昭和のいつのころか忘れましたが、隔週土曜休日になり平成に入った前後頃から週休2日制が定着しましたが、今ではもうこれに慣れてしまって、毎週土曜日に仕事するなど考えられないようになりました。
ちょっと楽すると、すぐにそれに慣れてしまうと言うことでしょう。
出かけるとエスカレーターに乗るのが普通・・たまにエスカレーターがないと階段が億劫になります。
この間平成天皇陛下だけでなく私の方も30年分年をとった点が大きな変化の原因でしょう。
若い頃にはお年寄りがゆったりした動作で歩いたりしているのをみると、ゆっくりした気持ちで生きているように見えたものですが、自分がいざその年になると動作(仕事)が遅くなった分時間的に忙しい・全然ゆったりしていないのです。
駅まで10分で歩ける距離を15分前に出れば余裕ですが、歩くのが遅く15分かかるようになれば15分前に出でも目一杯ですし、若い頃には発車1〜2分前に駅に駆け込めば何とかなることが多かったのですが、今では5分ほど前に着かないと落ち着きません。
と言うわけで、やることが遅くなった分時間が足りなくなってきた結果、休日のないクリスマスでは・・何となく億劫・・。
「今年はパスしようか?」
と考え始めた人が(高齢化に伴い)増えたのではないでしょうか?
そんな横着な人は私だけかな?
と思っていましたが、今年は何故かかイルミネーションもLED発達のおかげでクリスマスツリー系が減ってきらびやかな装飾系が増えましたし、街中にジングルベル系の音楽がほとんど聞こえない状態です。
今日6時半ころに電車に乗って帰りましたが、駅周辺も電車の中もクリスマスらしい雰囲気がまるでなくいつもの帰宅風景でした。
80歳前後になって仕事をやめた場合、毎日休日になりますが毎日休日が10年も続くとそのころには昔「クリスマスパーティなどあったかな?」と忘れてしまうかもしれません。
ちなみに私の誕生日は、祝日の前日なのでこれを「早くする分には、問題がない!と前日誕生祝いをしてきましたが、この祝日は多分私の生きている内になくなりそうもない祝日なので、怠惰な私でも続きそうです。
ただ、もっと高齢化が進めばこれも「生きているってめでたいの?」という疑問が起きて?億劫になってくるでしょう。
何もかも億劫になってついには、生きているのも億劫となれば・人生最後ということでしょう。
今では、百才を超えた方のほとんどが全面億劫の境地に達し・達観しているのでしょうが、私が100になるころは、まだそこまで達観できないであちらが痛い・疲れた・・出かけるのは億劫と贅沢言っているのでしょうか?

国内生産過剰7(金融政策の効能)

従来から繰り返し書いていますが、金融収益は時間稼ぎや一時のショック療法にはなりますが、億単位の国民を長期に養えません・・いくら株価を上げても恩恵を受けるのは株主だけですし、しかも3割の外国人投資家が収益を3割外国へ持って行ってしまいます。
歴代政権は成長戦略と言う名で公共工事や商品券その他バラマキを続けてきましたが、今度は株主限定の一時金バラマキと評価できます。
一握りの株主優遇策と言う批判を避けるために5万円10万でもほぼ誰でも参加できるように個人株主の裾野を広げるための政策/NISAが展開され、これがしきりに宣伝されています。
一握りの株主ではなく5万円10万円の株主が100〜200万人増えれば、その人たちも株価上昇政策を支持してくれると言う政治的読みでしょう。
しかし、この政策は5万10万の小金しか持っていない非正規雇用の人も参加できると言うだけであって、経済効果で見れば、株式市場は参加数を増やしても恩恵は頭数に比例しないで金額に比例する仕組みですから、金額比率で言えば彼らは一握りにさえ行かないホンの僅かです。
10万円で買った株式が5%上がっても金額的には大したことがありませんが、何億単位で持っている人や機関投資家にとっては大きな意味があります・・・・結果的に外国人株式保有比率が急激に上がっていることからも、超金融緩和の目指す真の政策意図が分ります。
金融超緩和策が、株価上昇策以外に実体経済にどのような効果があるのか見えません。
日本の大手企業の内部留保・・使い道のないまま眠っている資金の巨額さがいつも批判されていますが、このような資金あまりの日本で金融緩和しても、銀行が企業の投資資金を貸しようがない・・国債購入や株式バブルに向かうしかない状態です。
今朝の日経新聞を見ると金融庁は検査基準をリスク先へどれだけ貸しているかをプラス評価に改めると書いています。
リスク先以外の優良企業では資金あまりで借りたがらないから、いくら緩和してもどうにもならない実態・・リスク先へもどれだけ貸しているか・・もっと果敢に貸せと言う行政指導を強化する意味を表しています。
こうした行政圧力の結果、その先に発生する大量の貸し倒れの損害を誰が責任持つのでしょうか?
金融緩和政策や法人税減税政策は外国人投資家にメリットのある政策・・株価上昇政策になるので外国人には人気があるでしょうが、本当に国内産業振興策になるのか・・むしろ貴重な資金(人口減が実現するまで赤字補填に徐々に使って行く必要のある資金を)を外国人にバラまいて(早く国力消耗して)終わらないか心配です。
成長戦略の意味は、事業主に取っては国内事業拡大よりは海外進出を成功裏に行なうことが多くの企業の目標ですから、株が上がって資金力に余裕ができても国内投資より海外進出に使うでしょう。
上記結果地方での成長戦略とは、地銀や地方中小企業でも如何にして海外に出て行くか(輸出比率を下げる話題・・)世界は広いぞ!の話題ばかりで県内で新規立地して生産し海外輸出しようとする企業は皆無です。
弁護士の世界でも海外雄飛しませんかの話題が成長戦略のような印象になっていますが、皆様の世界・業界ではどうでしょうか?
人口を増やせばその分内需が増えると言う変な論理で人口減抑制//人口拡大政策がマスコミで盛んです。
しかし、その分養うべき人口も増えるでしょうから、現在の国内生産業のうち、輸出用国内生産比率が3割だとした場合今後この比率を維持できるか減って行くのかの議論が重要です。
現在存在する輸出用国内生産比率が今後2割→1割と減って行き、最後は内需分だけしか生産できなくなると資源輸入が出来なくなります。
貿易赤字の結果は別に考えるとしても、輸出用生産が減る分を内需で補うために人口を増やすのでは無理があります。
「車やテレビの輸出が減った分を補うために人口を増やして国民が買いましょう」と言う政策っておかしいことは誰でも分るでしょう。
ラーメン屋や百貨店の客が減ったら、従業員を100倍に増やしてラーメンを食べてもらい、百貨店で買い物してもらおうと言う政策と同じです。
いま金融緩和でこれの後押しをやろうとしていることになります。

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