政治家は発言を抑制すべきか?4(女性プロレスラーと炎上)

政治家は国民の負託を受けて政治活動するのが職責である以上、国会や市議会外でも意見を求められれば、抑制どころか自己責任覚悟で述べるのは職責でしょう。
8月28日の安倍総理辞任表明により、自民党総裁候補が出揃ったところですが、発言抑制どころかどのような日本にしていきたいのか自己アッピールして国民理解を求めるべきが当然です。
一般人は説明責任のないことには、原則として発言を求められることはありませんが、発言する以上は責任を伴う点は同じです。
政治家と一般私人の違いは、発言の影響力の違いによって慮る利害の範囲が違うので政治家の方がより慎重にする必要があると言う効果の違いでしかないでしょう。
大声で話すときとひそひそ話とでは会話内容に違いがあるのは、多くの人に聞かれて良いことか?周囲に迷惑をかけていないか注意するのと同じ・・自己を守る知恵を働かす範囲の違いです。
女性プロレスラーの言動が炎上して自殺した事件があり、一人一人のチョットしたツイッターでも数になると巨大な影響力を持つので批判意見を遠慮すべきかのような解説を読んだことがあります。
しかし、巨大な視聴者相手に影響力を与える言動をすれば、影響を受ける数に比例したプラスマイナスの反応があるのが当たり前ではないでしょうか?
どういう言動で批判が殺到したのか関心がないので、ニュース表題しか読んでいないので内容不明ですが、世の中には不満タラタラで何かきっかけがあれば、衆を恃んで不満をぶっつけたい有象無象がひしめいているので、気をつけるべきという教訓でもあるでしょうが、多くの人に発信すれば、良い反応も悪しき反応も受信者の数に比例することになります。
内輪の会合で述べた会話が漏れたのと、初めっから数百万以上の視聴者相手に述べるのとでは反応力が違う筈です。
以下には母親の主張は記載されていませんが、大方の流れは紹介されています。
女性プロレスラーの母親?の主張は「テレビ局の振り付けどおりにしていただけなのになんで娘が批判されるのか!」という主張だった記憶です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8618e08e8dd1e2b57b67a4bf61f7c8e922ae5195
映画で悪役(強盗や詐欺師など)を務めたからと言って俳優個人が非難されたり、警察に逮捕されるとなれば、母親の意見も一理ありますが、彼女の場合俳優としての演技ではなく、個人キャラとしての発言である以上(名誉毀損発言すれば個人が被告として訴えられる)個人が責任を負うべき・火の粉の対象になるのは当然です。
軍隊前線の指揮官(突撃隊長)になれば、いやいや就任したのであろうとも、職を引き受けた以上は敵の標的にされるのは当然の報いです。
社会党が別働隊としての社青同を育成し、共産党は民青を育成したように大手メデイアは世論誘導意欲が強いものの直接批判を避けるために自社意見代弁者として火の粉をかぶる鉄砲玉役・・とんがった発言者の演技をできる若者を育てていつでも切れるようにしておく・・外注役(ジャーナリスト)として養成し、使い捨て駒を利用するようになっている現状を表しています。
不自由展の主役になったのも朝日新聞そのものではなく、独立したジャーナリスト津田氏であり朝日新聞は第三者のごとく、これの擁護意見を発表しています。
大手の振り付けの場合、一見とんがった意見のようでいて炎上しないスレスレのとんがった発言を工夫して世論反応を試すものでしょうから、事前にかなり練り込まれた発言になっているので「そこまで言って委員会」などの長寿番組が存在できているのでしょう。
専門家としてあるテーマで出演する場合でも専門家として、自分の属している会議の模様などをどこまで話して良いかの事前の心の準備が必要ですが、いろんな分野で日々生起する新たな現象に対してリアルタイム的な話題(昨日出たばかりのニュースに対する話題など)がテーマになるバラエテイ番組等の出演者にとっては、突発事態に対して以前から個人的主張(一家言)を持っていたとしても、以前から思っていたことをどのように発言するかによってその及ぶ範囲に対するリスクに思いを巡らしたことがないのが普通です。
急遽検討するには時間不足ですし、まして以前から関心を持っていなかったニュースに関して「明日の話題に出ますので準備してください」程度の情報では、ありとあらゆる話題にそつなく応答できる人は稀です。
結果的に明日朝の番組での話題・テーマにすることを決めた局のスタッフが、ABCの3方向で議論するとした場合「誰がA方向の議論で口火を切ると誰がB方向で受ける」」など配役を決めるとすぐに手分けしてその発言内容の吟味・・どこまで踏み込んで発言しても炎上しないかの綿密なチェック体制を前提にして、出演タレントとしては安心して(〇〇がこういう発言をするのでその時に)「このように発言してください」と指示される通りすることで即応性のある番組になっているので、際どいところまで言い切っているように見えても滅多に炎上しないのではないでしょうか?
ところが、映画のように一言一句までの指示がない・・(台本を読み込MUリハーサル時間がないので)骨格以外はアドリブに委ねられる余地が多いので個人的思い込みで言いすぎたりやりすぎるとリスクが大きくなります。
このアドリブの境界で名誉毀損その他の炎上が起きるのでしょう。
女子プロレスラー木村花さんのテレビでの言動が炎上したのは、テレビ局のシナリオが不適切だったのかアドリブが行き過ぎたのかも不明ですが、この協会で起きたことではないでしょうか?
普段テレビ局の振り付けどおりそつなく(アドリブ)発言していた「みのもんた氏」の発言を視聴者が同氏の個性のように誤解して?いただけでなく、みのもんた氏自身が、自分が偉くなったように錯覚したのか、熊本地震の時にテレビ局の振り付け(際どい発言に対するリスク管理)のない個人意見を書いて大恥をかいて?そのままテレビ界から姿を消した(表向きの理由はいろいろあるでしょうが)イメージです。
https://www.asagei.com/excerpt/56988
Posted on 2016年4月21日 17:58

ネットを舐めてた?みのもんたの上から目線な「熊本地震つぶやき」に批判殺到

みのもんたが4月20日に開設した公式ツイッターが大炎上している。初投稿は「早く飲みたいね!打ち上げまであと何時間?」と能天気そのもの。しかし、その後の「俺なんかの役目はね、広めること。今回の震災もね、熊本だけじゃなくて九州全体だから。支援のやり方も甘い。自衛隊きちんとして欲しいね。あと、過去の震災、阪神淡路、もっと遡れば関東大震災の教訓活かせてないでしょ?‥‥みたいにTVではちょっと言いづらいことも、ここでは言いたいね」という2度目のつぶやきで炎上。手が付けられない状況が続いている。
「みのの過去のハラスメントが不問にされたことについて揶揄したり、現地に行かず、言いたい放題の上から目線な態度、自衛隊をバカにしたような発言についても批判が殺到しています」(芸能ライター)

炎上パターンは、日頃テレビ局の言いたい本音を99%体現しながら、ギリギリ批判の手がかりを与えないように細心の注意を払っているので、テレビ発言の誘導方向に不満な視聴者に不満を言わせない・つけ込む隙を見出せない不満な視聴者がいっぱい発生している時に、ちょっと一線を超えた発言をした時にいいがかり的な炎上が起きるようです。
女性プロレスラーの場合何が炎上したのか知りませんが、普段の発言に不満を持つ人がそれだけ多かったということでしょうか。

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