新型コロナウイルス対応の巧拙11

新型コロナウイルスとわかっても、今のところ治療法がわかっていないので、熱が出れば解熱剤、咳や痰が出ればその対処、呼吸困難の症状が出てから対症療法的に酸素吸入等の対応をするようですから、腎臓であれ癌患者であれ死期が近づき入院患者が呼吸困難になれば全員検査で前もって病名がわかっていても集中治療室その他の対処法がほとんど変わりません。
ただし3月18日日経新聞夕刊3pによれば、中国政府が17日日本の富士フィルム系企業のアビガンについて武漢での臨床研究の結果、効果を確認したと発表したとのニュースが出ています。
(日本の富士フィルム系企業のアビガンを武漢で200人に投与したところ、投与しなかったグループより早く陰性になったという成果らしいです)
今後治療薬がどんどん出てくるでしょうが、今まで不明だったということです。
事前検査で判明後の対症療法でも重症化を防ぎ回復できる場合があるとすれば人口比死亡率が日本より下がっているはずですが、3月末に東京で急激に拡大するまでは死亡者数が日本より人口比6、8倍になっていたし、現在でも死亡者数で日本の2倍、人口比で4倍以上のままになっている点をどう見るかの疑問です。
韓国は感染拡大による国民パニックを受けて大規模クラスターになった南東部大邱市周辺地域の全量検査を進め国民向けに日本より検査体制が進んでいると自画自賛していたようですが、中国が武漢住民1100万を閉じ込めて成功したと自慢しているのを誰も相手にしないのと同じ宣伝イメージです。
韓国は大邱周辺地域を閉鎖しないでなんとか落ち着いているだけでも、民度レベルが中国より成熟してきたことを証明したことになります。
3月6〜8日前後?大邱市地域周辺での新規感染者数が減ってきたので全量検査の成果だと韓国は自慢したいようですが、全量検査結果というより元々この種のインフルにある数週間経過・・一定期間経過で落ち着いてきたパターンのように思えます。
暴威を振るった?イタリアの感染拡大の勢いが4月第二週くらいから上昇率低下に向かうの予想が3月末頃から出ていましたが、現在なんとなく前日比現在凸凹状態に入ってきたようで今やスペインの感染増加数がイタリアを追い越す様相を示しているようです。
これらの観測は政府施策が効果をあげたのではなく、一定周期で収まる循環に入ったということではないでしょうか。
ある地域に一定率蔓延すれば、免疫者が増えるので自然収束するし、治療薬開発成功前にいつもピークが収束するのがこれまでの経験則・・一般的理解です。
大邱市での大量発生は2月18〜9日頃のニュースでしたから、3月上旬頃にピークを打ったとしても(検査してもしなくとも)通常のパターンでしょう。
政策の巧拙はピークの波をいかに低く抑えるかにあるというべきです。アメリカの場合、3月中旬頃から感染が急増してあっという間に拡大し1日に2000人を超える死亡数ですが、それでも新規感染数が下がってきてピークを打ちそうな観測が出ています。
4月9日の日経新聞夕刊1面には、

「死者、米で1日最多2000人」

という見出しで内容は、

ジョン・ホプキンズ大の集計によると40万人超と最大の感染者を抱える米国では深刻な状況が続く。7日に1日あたり1939人死亡。ニューヨーク州では1日で死者779名。「同州の入院患者は586名と4日連続で1000名を大きく下回った」
と、ピークを打ちそうな気配を報道しています。
2週間前に入院した患者が多く症状が改善せず死に至ったケースが多いとみられる

https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/

産経新聞  2020/04/09 17:10
新型コロナ、nyのウイルスは中国ではなく欧州由来か-研究チーム/ar-BB12mX25
ニューヨーク州では3月1日に初めて感染が確認されたが、研究チームは、数週間前2月中旬までにニューヨーク市内で感染が広まっていた可能性があると指摘
米トランプ政権は1月31日に中国からの入国制限措置を発表。大半の欧州諸国からの入国制限を表明したのは3月11日で、こうした措置は手遅れだった可能性が出てきている。

上記のように米国で拡大が始まったのは3月でした。
世界中の政府がイベント禁止など国民に多大な負担を求める感染症対策を何のためにしているかといえば、感染して医療感受診する人でも8割が軽症/普通の風邪ひき程度と言われているので実はそれほど大騒ぎする必要のないものですから、大騒ぎしているのは重症者や死者をへらす目的と急膨張の場合医療崩壊を招くからではないでしょうか?
感染しても無症状の人が多いと言われますので、そういう人を減らす直接の必要はありませんが高齢者等に感染させるリスクあるので無症状感染者が少ない方が良いので大騒ぎしていることになるのでしょうか。
この考え方からすれば、感染者数の急拡大が始まって3週間前後で沈静化始まるのは一定地域に限れば放っておいてもこのような周期パターンのようですから対策成功でなく、急拡大→医療崩壊させないで済んだかが、問われるべきではないでしょうか?
例えば約3週間でピークを打ちその後2〜3週間で徐々に新規感染者数が減っていく(ピークから約1ヶ月半前後で収束)とした場合、医療崩壊するとほぼ同期間でも従来型一般病人も医師や医療機器不足で満足な治療を受けられないことによる寿命の大幅低下という社会的大損害に見舞われます。
川の水も平均して流れると恵の水ですが、半年分一度に流れると大洪水被害になります。
したがって医療崩壊にならないように、新型コロナウイルス感染を急拡大させない秩序ある蔓延・管理できたかどうかこそが、対新型コロナ政策の成否を決する基準ではないでしょうか。
新型感染症自体は中国であれどこかで一旦爆発的に発生した以上は、経済文化その他の国際交流の盛んな現在、ウイルスを全面撃退あるいは、全く感染しないで終わらせるのは不可能ですから民族的にいち早く一定の免疫力をつけることが民族生き残りの知恵です。
中南米が民族絶滅に近い打撃を受けたのはスペイン人が残虐だっただけでなく、西欧人によって持ち込まれた病原菌に対する体制がなかったからと言われます。
未知のウイルスの侵入を全面的に防ぐのに成功することは滅多にないし、仮に撃退成功しても日本だけ免疫がないのは長期的にリスクが大きいので、緩やかに受け入れて民族として抗体・・抵抗力を徐々につけて爆発的蔓延を防ぐことが重要です。

出国熱1(韓国11)

自国がなぜ住みにくいのか?「ヘル朝鮮」と悪態をつく前に自己内省のない状態で他国へ逃げても、悪習を内省して自己矯正しない限り、行った先で嫌われる立場になるのは当然です。
ただし、出国率の高さは新興国の特徴とも言え韓国だけの問題ではなさそうです。
https://inbound.exblog.jp/27020112/

2017年 07月 30日
韓国が訪日客数トップになった背景に出国率の著しい上昇がある
日本政府観光局(JNTO)が公表した「訪日外客数(2017 年6月推計値)」によると、4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップになっています。
4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップ! 中国は伸び悩み
http://inbound.exblog.jp/27007721/

上半期の韓国客の訪日数の伸びは前年度比42・5%増で、6月単月に限ると(これは昨年の熊本地震の反動といえますが)63.8%増です。中国客の6月の前年比が0.8%増にすぎないのと対照的に、目立った増え方です。
これだけ増えたのは、韓国人の海外旅行の中身が変わったことも大きい。今日の韓国客の行動形態は香港客に近いといえます。7割以上がFITで、リピーターも多い。日本に来ても、国内旅行と同じ感覚で、ゲストハウスを利用したり、温泉や買い物を楽しんでいます。
・・・・韓国で個人旅行が一般化したのは10年前くらいからで、LCCの普及と関係あります。手ごろな料金で誰でも日本に行けるようになったことが大きいです。
・・・韓国人が訪れているのは日本だけではありません。日本に限らず出国者数が年々増えているからです。特にこの数年は年々300万人増という勢いです。2014年には日本の海外旅行者数約1600万人に並び、15年は追い抜きました。そして、今年17年は約5000万人の人口の韓国で海外旅行者数が約2500万人。出国率50%という高い上昇が見込まれているのです」
ここ数年の韓国の海外旅行者数の推移 (韓国観光公社より)

2014年 約1600万人
2015年 約1900万人
2016年 約2200万人
2017年 約2500万人(見込み)

国民の2人に1人が出国している計算になるからです。しかし、ここで知っておきたいのは、出国率が高いのは韓国だけではありません。日本の近隣の東アジア諸国は、中国を除くと、すべて日本より高いのです。少し古いデータですが、以下のとおりです。
※ 以下表の引用省略(稲垣)

台湾の2015年海外旅行者数、過去最高を記録(台北駐日経済文化代表処2016-04-07)
http://www.roc-taiwan.org/jp_ja/post/29994.html

これらの数字をみていると、いかに日本の出国率(13.3%)が低いか、逆に驚いてしまいますね。実際、日本人の出国率は2000年からほとんど伸びていません。

日本人の外国への関心低下こそが問題!と言いたいのかもしれませんが・・。
日本は明治以来欧米の文物を積極的に取り入れてきたので、今後は持ち込んだ文化と国風文化の癒合・・内部発酵の時期ですから、(平安時代に遣唐使をやめたのと同様で)業務以外にはこれ以上外国へ行きたくない人が多くなったのは健全でしょう。
私も子供の幼い頃には一家であちこち行きましたが、こういう国柄か?という勉強にはなりましたが、リピーターになりたいような文化の充実している国はありませんでした。
その後は国内回帰で信州の自然を楽しみ文化面では京都などへ繰り返し行く楽しみに浸ってきました。
春日大社展や・興福寺、仁和寺展や東寺展などが東京に来ると、その都度展覧会に行き、民族の歴史を学び旅行時の記憶を思い出す・・懐旧の情を楽しんでいます。
この点でも今回の改元(平成→令和)に当たって、万葉集を典拠にしたのは、国民総意(少なくとも我が意)に合致しています。
韓国人の不法就労者数は以下の通りです。
不法残留者数の多い上位10か国・地域は次のとおりです。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00074.html

本邦における不法残留者数について(平成30年1月1日現在)
2 国籍・地域別不法残留者数(第1表,第2表,第1図,第2図)
平成29年1月1日現在から,国籍・地域及び順位に変化はありませんが,中国,タイ,ベトナム,マレーシア及びブラジルの5か国・地域は増加し,その他の5か国・地域は減少しました。
(1) 韓国     
  12,876人 (構成比 19.4%) (- 2.9%)
(2) 中国          9,390人 (構成比 14.1%) (+ 6.1%)
(3) タイ       6,768人 (構成比 10.2%) (+ 4.0%)
(4) ベトナム      6,760人 (構成比 10.2%) (+31.6%)
(5) フィリピン    4,933人 (構成比  7.4%) (- 2.9%)
(6) 台湾       3,784人 (構成比  5.7%) (- 2.6%)
以下略

観光ビザでの海外進出?は国外脱出熱の一態様でしょうが、韓国ではまだこういう不法就労需要は減っていません。
そもそも先進国国民が対等レベルの国や後進国で不法就労の大口常連国になるのは考えにくいことです。
西欧やアメリカ等の日本旅行客でも例外的不法就労者がいるでしょうが、それぞれの個別事情による例外現象であって、不法就労摘発国別統計のトップテンに入るようなことは想定外ではないでしょうか?
違法でも働きたいほど経済格差が大きい・表向きの統計では出てこない先進国との格差の大きさを如実に表しているでしょう。
表向きと内実が大きく違っていることこそが、韓国民のストレスが大きい原因でしょう。

不満社会?11(韓国3)

韓国自営業の場合は大企業失業者の吸収装置であったことが、以下の論文でわかります。
https://www.surugadai.ac.jp/sogo/media/bulletin/Hougaku26-02/Hougaku.26-2.77.pdf
韓国の自営業労働市場に関する一考察朴昌明

・・・一方,自営業部門はリストラされた労働者の「雇用吸収弁」の役割を行った。1998 年の非賃金労働者の割合は38.3 %と1997年(36.8%)より1.5ポイント増加した(図表1)。図表1を見ると,1999 年から雇用員がいない自営業者数が,2000 年から雇用員がいる自営業者数が,それぞれ増加していることがわかる。
IMF経済危機以降,失職者,特に男性が生計維持を目的とする創業が大幅に増加した(イ・ビョンヒ,2012 ,p.1 93) 。従来韓国では自営業が農民やブルーカラーからの移動先であったが,IMF経済危機以降,中壮年ホワイトカラーが自営業に参入するようになった(李莎梨,2009)。経済危機直後に急上昇した失業率は急速に低下し2002 年には3.1 %にまで回復したが(韓国労働研究院,2012 ,p.1 6) ,その要因の一つとして自営業部門の高い雇用吸収力が考えられる(有田,2007 ,p.2 5 駿河台法学 第26巻第2号(2013)

解雇の受け皿・・生計維持のための開業が多い前提の場合、昨日紹介した通り自営業の危機が続く現況では、狭き門を突破してせっかく就職できたサラリーマンは肩叩きにあっても必死にしがみつくしかないでしょう。
メデイアでは自営業の苦境ばかり大々的に報道していますが、自営業へ雪崩込めないで大企業で肩叩きに耐えている人たちの鬱屈は半端でないはずです。
リーマンショック以降の韓国の成長率は急減ですし、少子化率の進行率も半端ではありません。
https://www.recordchina.co.jp/b681232-s0-c20-d0058.html

韓国の経済成長率がここ6年で最低に、原因は「投資の萎縮と輸出の不振」=韓国ネットから不安の声
2019年1月23日、韓国・ソウル新聞は、昨年の韓国の経済成長率が過去6年で最低となる2.7%を記録したことについて「内需を支える投資の急激な萎縮と、経済を支えていた輸出の不振が成長の足を引っ張った結果だ」と伝えた。
https://ecodb.net/country/KR/imf_growth.html

成長率だけ見れば日本より良いのですが、完全雇用状態の日本が成長率をこれ以上げられない・ゴムが伸びきっている状態と違い、韓国の場合、若者の25〜30%前後の失業・・公式統計と違い実際安定就職のない状態・大卒で就職できないでバイトしても失業にカウントとしない)では成長がない(日本のようにほぼ現状維持)・低成長に陥ると、職にあぶれたママの人がそのままジリジリと高齢化していく社会になります。
https://japanese.joins.com/article/580/248580.html

韓国の大卒3人に1人は未就業者…2011年以降最悪
2018年12月28日09時27分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
韓国の大学・大学院卒業生3人に1人は未就業者であることが分かった。特に、しばらくの間上昇傾向にあった就職率が文在寅(ムン・ジェイン)政府発足以降、再び減少傾向に転じた。若者が体験している最悪の雇用難が政府の公式統計で確認された。
教育部と韓国教育開発院は27日、このような内容が盛り込まれた「2017年高等教育機関卒業者の就職統計調査」の結果を発表した。この調査は2016年8月~2017年2月、全国の大学・大学院を卒業した57万4009人を対象に2017年12月31日現在の就職状況を把握した。国民健康保険公団や国税庁、雇用労働部など公共データベース(DB)を活用して全数調査した。
2011年以降就職率が67%以下に落ちたのは今回が初めてだ。特に、2014年(67%)から2015年67.5%など上昇傾向にあった就職率が今回再び減少傾向に転じた。就業者の中で健康保険の職場加入者の割合は前年(91.1%)より低い90.3%である一方、フリーランサーは前年(5.8%)より上がった6.4%となった。

3人に一人・・・33%が17年12月末で就職できていない・・卒業時(韓国では2月が卒業で3月が入学です)でなく、年末時点でもこんなに大量に未就職だとその後彼らはどうなるのか?
就業者のうち6、4%がフリーランサーになっている点も韓国の特徴でしょうか?

不満社会9(韓国1)

不満・ストレス社会化のテーマから余談に逸れましたが、製造業の自動化→非正規化の急進展、事務作業のIT化の進行によるホワイトカラーの早期切り捨てなどが日本より急速に進んでいるのが韓国です。
何ごともこれが良いとなれば、後先見ずに?ラデイカルに変えていく韓国社会ではこの変化に適応できない人のストレス蓄積が半端ではない・・いつでも発火点にありそうな雰囲気が伝わってきます。
いつも私が批判しているところですが、韓国では学歴エリート・秀才が国政を牛耳り過ぎている・・日本の政治家のように国民の草の根の声を聞く歴史経験がなく欧米の聞きかじり・観念論で政治をするからではないでしょうか。
4月6日日経新聞朝刊10pではサムスン電子の60%減益発表関連の記事・・・減益に関しては単なる一過性のものか将来的にダメになっていくかを論じるメデイアが多いのですが、日経もその一環で「機能偏重・コスト高・カリスマ不在」の副題・将来性も暗いと言いたいようです。
この中で、「韓国経済低迷で安定志向が高まり10年に7、8年だった平均勤続年数は18年に11、8年まで伸びた」と紹介されています。
最近リストラ年齢が切り上がってきた結果平均年齢が上がって来た=人件費の切り上がり・日本より大幅に安い人件費が競争力の源泉だったのに今ではトヨタよりも高くなっている・高コストになっている点が不安という解説です。
上記日経新聞記事によれば「30歳で肩たたき」という従来一般的だった評判・噂?は過去のものになっているようです。
肩たたきで退職してもその後の悲惨な状況(あんちょこな個人商店開業が多いようですが、多くはすぐに倒産する悲惨さが日本に伝わってくるほどですから)を学習しているので肩叩きに応じないで必死にしがみつく人が増えてきたようです。
30歳が34〜5歳に切り上がっても、その不安に耐えている人たちの不安ストレスは並大抵ではありません。
以下は2年ほど前の日経ネット記事です。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO15321100U7A410C1X17000/

韓国サムスン電子、勤続年数が6年連続増加 2017/4/17 6:30
「サムスン電子の平均勤続年数が伸びている。2016年は10.8年と6年連続で伸長。00年以降で最も短かった05年の6.0年に比べて1.8倍になった。
厳しい環境に耐えて長く働く社員が増える裏には、韓国で広がる経済格差と若者の安定志向がある。
最近は入社4~5年での退職が珍しくなかったサムスンにも変化がみられる。同社が公表した事業報告書によると、15年に平均勤続年数は10年を超え、16年も約半年伸びて10.8年になった。

この何年も肩叩きに耐えて(退職を1年でも2年でも先送りして)やめない社員が増えたのは、低迷する経済にあるようです。
https://japanese.joins.com/article/562/243562.html

韓経:韓国自営業者の「悲鳴」…今年は100万カ所廃業
2018年07月30日10時06分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
国家経済の毛細血管であり庶民経済の根幹である自営業が奈落に落ちている。無給家族従事者118万人を含めた関連従事者688万人で韓国の全就業者の25%を占める自営業がつまずき、所得主導成長を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権になり雇用と所得分配はむしろ悪化の一途だ。
国税庁の国税統計と小商工人連合会などによると、今年廃業する自営業者は過去初めて100万人を超えると予想される。年間開業数比の廃業数で示す自営業廃業率は2016年の77.8%から昨年は87.9%に高まった。今年は90%に迫るだろうというのが業界の推定だ。自営業者10人が店を開く間に9人近くが店を閉めるという話だ。

https://japanese.joins.com/article/485/238485.html

韓国に自営業者が多い理由(1) 2018年02月09日15時29分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
韓国は自営業者が特に多い。2017年現在、韓国全体就業者2656万人のうち25%の675万人が自営業者や無給家族従事者である非賃金労働者だ。賃金労働者は全体就業者の75%だ。
無給家族従事者は18時間以上にわたり家族が経営する事業体で報酬を受けずに仕事をする人を指し、約110万人となっている。無給家族従事者は広義の自営業者と見ることができるため、自営業者の数は600万人を超えるとみてもよいだろう。
ギリシャ、トルコ、メキシコ、イタリア、ポルトガル、ポーランドなどが韓国とあわせて自営業者の比重が先進国平均の2倍ないしそれ以上の水準を示している。
・・・・自営業者はさまざまな理由と形態で存在するため、国別の自営業者比率の違いを一律に説明することはなかなか難しい。
にもかかわらず、既存の研究は▼産業化の程度が不十分▼労働市場が柔軟ではない▼個人所得税や社会保障分担金が多い▼失業給与水準が低い▼租税回避の可能性が高い--などの場合、自営業者の比率が高いと報告している。
・・・所得税を納める人の比率が少なく、所得税率と社会保険料率が高くない韓国に上記のような一般論の適用は難しそうだ。
・・・・韓国に最も適用可能な要因は、租税回避の可能性が高いということだ。あわせて低い失業給与水準も関連のあるほころびだらけの社会セーフティネットに伴う生計型自営業の起業だ。

私の関心は上記意見の関心とは違い、日本の中小零細企業との本質的違いに関心があります。
日本の場合、家内制手工業から工場生産へ以降していく順次経過の歴史があり、いわゆる大田区等下町に残る手工業的町工場に世界のバイヤーが群がるイメージ・・・すなわち日本の将来の芽が凝縮するプラスイメージです。
韓国の場合家内制手工業の経験がなく、いきなり財閥系への先進国技術導入で高度成長を図ったので、効率が良かったものの大手工場に納品すべき下請け町工場は存在しない・日本からの部品輸入に頼ってきました。
いわゆる圧縮経済の問題点です。

アメリカの自治体11(草の根民主主義の妥当領域4)

特定目的自治体や、数十人から数百人程度の規模ではなにかの問題が起きた時に文字通り昼の仕事が終わってから集まる・・昔からのムラ社会で行なわれてきた・・昼の農作業が終わってから集まる寄り合い程度で済む規模です。
私の所属する町内会のようなイメージ運営です。
アメリカの自治体の半数が千人以下というのですから、大方が寄り合い的会合で間に合っている印象です。
これならば日本は古代からずうっと行ってきました。
これが大阪市や横浜市、千葉市のような規模になっている場合に昼間勤務先で目一杯仕事をしてから、仕事帰りに立ち寄って数時間の議論で何を責任を持って決められるのでしょうか?
私の住む自治会では20年程前京成電鉄の線路を隔てて2つの自治会に別れました。
人口が増えると身近なテーマ解決に無理が出て来たからでしょう。
ロサンジェルスやサン・フランシスコのような大都会でも従来型議員活動で間に合っているのは自治体の権限が小さな自治体結成運動で始まったから・・そのままだからではないでしょうか?
アメリアカの自治体は、結成の目的がもともと身近な問題解決のためだったから、規模が大きくなっても身近なテーマに限定されたままだからではないでしょうか?
ただし、大きく育ったと言っても21日に紹介したとおりサンフランシスコ市でせいぜい人口80万ですから千葉市よりも人口が少ないのです。

https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/kikaku/tokei/top.html千葉市の人口

 平成30年11月1日現在
・人口977,828人
・世帯数435,113世帯

日本の自治体の場合、もともと一族の命運を決める古代氏族社会からはじまり、これが灌漑と生活手段の発展に応じて共同作業の必要性の拡大や外敵防御その他集落単位〜連合等々の必要性で血縁から面としての生活共同体に発展して来た歴史があります。
関係の広がりに応じて必要に応じて全能の権限を目的別に制限・・権限をより上位の連合体に移譲して来たものですから、規模が大きくなればその分、移譲された権限が大きくなるのが原則です。
ただ、移譲によって失っていく関係ですから、移譲されていない分野では権限が残っています。
明治政府以降法的権限が剥奪されていますが、事実上の権限として古来からの集落共同体・氏子共同体などの結束がいまだに強固に残っています。
大都会における擬似氏子共同体が町内会とか団地の自治会でしょうか?
アメリカではもともと地域社会の裏付けもなく、広大な地域を人為的にテリトリーを決めただけでこれを裏づける歴史的関係・移譲して来た歴史がない状態です。
この結果、逆に州政府から与えられた範囲しか自治体に権限がない・与えられた権能がはっきりしているのに対して、日本とアメリカとでは原則と例外の違いがあるように思えます。
その結果新たに生じた未知の事柄については移譲していないのだから、まだ原始共同体に権限が残っていて・・例えば原発廃棄物〜放射能汚染物質埋設地の立地是非などについては、市長さえ同意すればいいのではなく地元自治会の反応を無視できません。
これらに対応するには文字通り草の根の議論が必要で、しかも新たに起きてくる分野は高度ですから議論レベルも高度になって行きます・・。
マイナンバー法一つとっても、個人情報が漏れたらどうするというスローガンだけではなく、情報機器のどの部分についてどのようなことが起きたらどのようなことが起きて情報漏れがどのように広がる可能性があるかなど具体的な理解が必要です。
安保であれ原発再稼働あれ、ゴミ焼却設備であれ、単に反対というだけでは国民が納得しない時代です。
焼却炉新設ではゴミの収集がどの程度増えているのか、環境がどうなるか、焼却設備の性能であれ、まともに議論するには全て高度な知識が必須です。
このために小さ町村では対応しきれなくなっているので合併による事務部門の高度化が促進されています。
17年10月9日の日経新聞「私の履歴書」では、日本国内での株式の営業経験が全く通じなかったという経験談が書かれています。
日本では個人相手営業だったがアメリカに行くと機関投資家相手なので、例えば、原油が何%上がるとこの企業の業績に何%損が出るなどという緻密な情報を勉強していかないと質問に応えられないので苦しんだ例が書いてありました。
市議とか市長といっても何をやっているかによって要求されるレベルが違ってきます。
もしも日本ではアメリカよりも自治権限が桁違いに高く幅広いとすれば、いろんな分野について市議、県議も市職員も十分な予習学習や訓練を欠かせません。

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