輸入規制3とGM破産

GMは中西部工業地帯の雄であり米国最大の製造業であった故に、アメリカ成功体験象徴的存在として労組の力も温存され果敢な体質改善ができず2009年ついに破綻しました。
ただし、GMは存在が大きすぎてアメリカで大胆な転身を図れば米国内雇用への影響が大きすぎるので、リーデングカンパニーとしての責任感に縛られた面もあるでしょう。GMの18年の米国内工場大規模閉鎖発表は、アメリカンファースト・製造業国内回帰を求めていたトランプ政権に打撃になった大ニュースになったことからの思いつき意見です。
日本のトヨタも似たような責任感があって、日産や本田が国内生産比率が16〜17%しかないのに対して、トヨタは国内生産300万台死守の筋金入り愛国企業です・その分、経済合理性のみを基準に身軽に動けない面があるのは確かです。
<図1>2018年の国内生産比率(注)データは各社の広報資料と独自取材などから作成。各メーカーの在庫、OEM生産販売については考慮していないので、販売と輸出数字を足したものは生産数字と完全には一致しない。

<図2>国産3メーカーの2018年輸出依存度(注)データは各社の広報資料と独自取材などから作成。各メーカーの在庫、OEM生産販売については考慮していないので、販売と輸出数字を足したものは生産数字と完全には一致しない。

本田や日産は、国内生産比率が少ない上に国内生産のうち輸出に回す分もトヨタに比べて大幅に少ない状態です。
GM破産の報道では古き良き時代に労組と約束した年金等手厚すぎる様々な約定をチャラにしない限りその重みで経営が成り立たないから・・破産でチャラにする方向と言われていた記憶です。

GMに関するウイキぺデイアの記事からです。
2000年頃~2008年[編集]
2000年頃からは環境保護問題の高まりなどの外部環境の変化を受け、消費者の嗜好は再び燃費の良いサブコンパクトカーやハイブリッドカーにシフトしたが、GMは時代の流れに逆行し高い利益率のフルサイズSUV・ピックアップトラックに集中し続け、むしろ小型車部門のジオは整理・縮小させる方向にあった。
また2001年のアメリカ同時多発テロ事件直後に販売量が落ち込んだ際には、生産量を落とさない方針を採ったため次第に在庫が増加。在庫を捌くために販売店へのインセンティブの上乗せや値引き販売を激化させる悪循環に陥り、2005年までに企業収益は一気に悪化した。過去の従業員の退職年金や医療費負担なども財務を圧迫し続け、格付け会社からは社債を「投資不適格」にランク付けされるに至り株価は低迷、株式投資会社の介入を招く事態にもなった。部品調達で密接な関係を持つデルファイ・コーポレーションが経営危機を迎えた際にも、直接救済する体力は無かった。
GMは巨額の年金・退職者医療の債務を抱え、債務超過に陥り、株主配当も停止され、金融市場から債券発行による資金調達も困難な状態にあった。GMの純損失額は2005年105億6700万ドル、2006年19億7800万ドル、2007年387億3200万ドルであった。

会社側の再建案は新会社設立案を基本にしたものでしたが労組優遇で、一般投資家(米国は個人投資家が多い・子供の入学資金用の株式投資など)に対して大きな負担を求めるものでしたので債権者の同意が得られず破産に突入しました。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1176

切り捨てられた「普通の人々」
GM倒産劇の裏側 2009.6.9(火) 小浜 希

GMが発行した無担保社債など約270億ドル分の債券保有者には、新生GMの10%の株式と引き換えに100%の債権放棄を要求。その一方で、GMに約200億ドルの医療費関係債権を抱える労働組合の債権放棄比率は50%とし、新生GMの株式39%を与える内容だった。

米国では労働者個々人も銀行預金より小口投資する投資社会なので、投資家と言っても一般の労働者が多い社会ですから、GM労組優遇の提案で合意できるはずもない・・世論も応援しないので合意不成立で破産に突入します。
日本や韓国では、労組=弱者→優遇という図式化した運動・市民代表を僭称する運動が多いのですが・・アメリカの場合、労働者切り捨て投資家保護反対!という図式的スローガンが成り立たなかったようです。
ウイキペデイアのGM破産解説に戻ります。

2009年6月1日、GMは連邦倒産法第11章(日本の民事再生手続きに相当する制度)の適用を申請した。負債総額は1,728億ドル(約16兆4100億円)。この額は製造業としては史上最大である[9]。同時にアメリカ政府が60%、カナダ政府が12%の株式を保有する、事実上の国有企業として再建を目指す事になった。
・・・しかし、子どもの教育資金や、老後の生活の備えとして、なけ無しの金を注ぎ込んだ個人投資家が、労組偏重の再建計画を甘受できるはずもなかった。

従業員の新時代適応拒否症?が、部分的とは言え企業活性化を妨げる効果を上げ、現在米国の国際的地位低下が目立ってきた基礎構造でしょう。
アメリカの活力は、スクラップアンドビルド・あるいは用済みの都市を捨て去り(ゴーストタウン化して)別の街を作る・効率性重視社会と言われていましたが、一定の歴史を経ると古い産業構造を残しながら前に進めるしかなくなった分、社会が複雑になった・・非効率社会になったのでしょう。
破産により不採算部門を切り離し、新会社移行(国有化後国保有株の市場売却で民営に戻っています)に移行して新生を目指すGMですが、破産後10年経過で先祖帰りしたらしく今年に入って以下通りのストらしいです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49865800X10C19A9000000/

GM工場のスト続く、労使合意なお時間 株価は急落
2019/9/17 5:20
ただ、米国内に業界平均より3割多い77日分の完成車在庫があるため「すぐに販売面に影響が出る可能性は低い」という。

業績不振のおかげで在庫が77日分も溜まっているので企業はストが続いても余裕らしいですが、こう言うのってめでたいのかな?
アメリカの製造業は低賃金国への脱出盛んですが、今でも製造業大国らしいです。
製造業草創期から蓄積した技術があって世界に進出した各種工場のマザー工場機能を果たせる仕事があるようです。
ただしマザー工場的役割は従来の内需を満たし輸出までしていた工場群の数%(雇用も同率)で足りるものですから、国外脱出の穴埋めには力不足でしょう。
別の側面から見ると、日本の自動車産業が輸出の限界を悟り米国現地生産を増やして成功していることを見ると、この限度で日系企業が米国内製造業生き残りに貢献していることが分かります。

中国経済危機目前→反日行動(できるか?)4

安倍政権はちょうどいい時期に韓国の慰安婦構成や中国の反日攻撃に対する安倍総理の国際的活躍もあって、中韓対日本の国際関係を逆転状態に持ち込んでいて、戦前・蒋介石当時と大きく違う点が日本にとってラッキーです。
運は自然に転がり込むのものではなく、運・環境も自力で作っていくものであることが安倍総理の活躍でわかります。
中国包囲網作りに精出してきた安倍政権を中国は嫌い、これを受けた革新系?野党は国政時政策論の判断基準を「安倍総理に反対だから反対」という意味不明のキャッチフレーズで何でも反対運動を展開してきたのですが、この数年で国際環境は反中国機運満杯になってきました。
黒幕の中国さえ孤立させれば、韓国など放置しておいても良いというのが安倍政権の基本方針でしょうが、(黒幕の中国が必死に日本へにじり寄っているというのに今だに)そこの機微が韓国政府にはわからないようで超高校裁判を仕掛けたり慰安婦の日韓合意による財団を解散させて事実上反故にして見たり)しきりに日本を挑発しています。
蒋介石と日本の関係の時代と異なり、この数年の中国外交は(安倍総理の中国包囲網作りが成功して)国際孤立状態ですから国際応援を受けられる関係ではありません。
アメリカが日米安保条約によって、直截軍事介入してくれるかどうかは別として、安倍外交の成果で逆に日本応援団の方が多い関係になってきました。
現在の国際情勢は江沢民当時の日本包囲網がほころびて中国包囲網の方が逆に進んでいます。
日本からの輸入閉め出しを狙って中国とつるんでいたEU自体が南欧諸国の経済破綻に始まり英国の離脱開始など混迷を始めていましたが、昨年6月頃のフランス大統領選で新人のマクロン氏が圧勝し一旦 EU悲観論が後退しましたが、たんなる勢いでしかなく基礎状況が良くなった訳ではありません。
EUの盟主独逸メルケル氏が今秋地方選で大敗して与党党首辞任発表したなど、政治状況的にはEUの地盤低下が進んでいます。
困り切ったEUが日本に近づいてきてついに 日EUの経済協定(EPA)締結になったのは、長年EUが日本製品に理由をつけては輸入制限してきた(中韓優遇)姿勢を改めるしかなくなったからです。
例えば韓国製の車より日本車だけ関税率を高くしていました。
(EPA有無の違いと言えばそれまでですが、日本とはEPAを締結したくないという慎重姿勢自体に、鰹節その他何かと理由をつけては輸入制限するなど対日差別意識が濃厚でした)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/eu-epaによると以下の通りです。

日本とEUの経済連携協定 国会で承認 来年2月発効へ12月8日 6時4分
日EUのEPA 参院外交防衛委で可決 今国会で承認の見通し12月6日 15時30分
日本とEUの首脳が署名(2018年7月)
ニュース特設
日本とEU EPAに署名
2018年7月17日更新
安倍総理大臣とEU=ヨーロッパ連合のトゥスク大統領らは、日本とEUのEPA=経済連携協定の署名式に臨み、協定に署名しました。世界最大規模の貿易協定となる、今回のEPAは双方の議会承認などを経て発効することになっていて、日本とEUは今後、早期発効に向けて手続きを急ぐことにしています。
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最新ニュース
日本とEUの首脳が署名(2018年7月)
日本とEUのEPA 規模と狙いは(2018年7月)
EUからの輸入
日本からの輸出
「地域ブランド」の保護も
日本国内では 期待と懸念の声
日EU 世界のGDPの約30%
“交渉加速”の背景は
EUにとっての意義
EUの期待と懸念
関連リンク
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日本とEUの経済連携協定 国会で承認 来年2月発効へ12月8日 6時4分
日本とEUの首脳が署名(2018年7月)
安倍総理大臣とEU=ヨーロッパ連合のトゥスク大統領、ユンケル委員長による定期首脳協議は、当初、EU本部のあるベルギーで行われる予定でしたが、豪雨災害の影響で、急きょ、日本で行われました。
首脳協議は少人数会合と出席者を増やした全体会合に分けて行われ、全体会合の冒頭、安倍総理大臣は、「今回署名するEPAとSPA=戦略的パートナーシップ協定は歴史的な成果だ。世界で保護主義の動きが広がる中、日本とEUが自由貿易の旗手として世界をリードしていきたい」と述べました。
首脳協議では、保護主義的な姿勢を強めるアメリカのトランプ政権への対応に加え、北朝鮮や南シナ海・東シナ海の情勢などをめぐっても意見が交わされたものと見られます。
これに続いて安倍総理大臣らは、日本とEUのEPA=経済連携協定に署名しました。世界最大規模の貿易協定となる今回のEPAは双方の議会承認などを経て発効することになっていて、日本とEUは、今後、早期発効に向けて手続きを急ぐことにしています。
2013年に始まった日本とEUのEPA交渉は、もともと、2015年中に大筋合意する目標でした。しかし、農産物や自動車の関税などをめぐる調整が難航、目標を1年先延ばししても合意できず、交渉関係者の間にも停滞感が漂っていました。それが一転、ことしに入って交渉は静かに動き出したのです。

これまでであれば、日本が出かける約束を(台風被害を理由に)反故にすれば調印が流れる・じゃ次の機会に・・となって先送りになるのが普通でしょうが、17年にはEUから大挙日本に出て来て調印したのです。
世界の流れが日本中心に動き始めているのを如実に表しています。
18年12月1日のG20では、トランプと習近平、プーチン、トルコのエルドアンとも話ができるのは安倍総理だけなので、安倍総理への面会希望殺到?安倍総理中心で会議が回ったと言われています。
この慌ただしい最中にゴーン逮捕で揺れるフランスのマクロン氏が緊急会談を申し入れたので安倍総理は儀礼上会ったものの、「民間企業のことだから・・」と軽くいなしたと言われています。

経済危機目前→反日行動(できるか?)3

国民のための政治は、利害対立が必ずあって誰がやっても難しいのですが、外敵を作り出せばそこに注目が集まって懸案があること自体を隠してしまえて、誰も反対しない簡単な方法です。
その間利害調整の難しい国内政治決定を先送り・・その間麻酔を効かせた状態に出来るので、中国にとっては地域大国のメンツを潰された心情に訴えることで大同団結・・結果的に現政権に一致協力となって非常に便利な政策選択になっています。
ただし利害対立や紛争自体がなくならないのですから、この解決を先送りすれば余計紛争が複雑化し解決困難になるのが普通です。
赤ちゃんが空腹で泣く場合、お尻がカブれて痛くて泣く場合、時間を稼いでも悪くなる一方です。
病気の場合でも先送りの弊害は同じです。
ロシアで言えばウクライナ侵攻し、クリミヤ併合によって国内経済が良くなることはありませんので、一時的目くらましでしかなかったようです。
経済の深刻さが増していく一方(さしあたり年金支給原資が底をつきそうで国民不満をどうして良いか分からない状態にプーチンが追い込まれているようですが、わたしが直接知る方法がない・・メデイアによるイメージによるので本当のところはわかりません。
金融政策決定その他今の時代、外敵があろうがなかろうが、皆日々放置できない政策課題を抱えている点も同じです。
これらを放置しておけないので今ではメデイアの「 注目を逸らす」程度の意味しかないのかも知れません。
政権追及でメデイアが騒ぐのを逸らすための話題づくりのために対外紛争や戦争するしかないという変な時代になっているのかも知れません。
中国の小型版である韓国や北朝鮮も同じで外敵対外紛争がありさえすれば、どんなに酷い内政をやっていても政権が安泰と言う図式ですから、北朝鮮は困難になればなるほど挑発行為をエスカレートします。
だからもっと北朝鮮に対して経済制裁を強化すれば収まるという政策決定は逆効果です。
外敵に仮に勝ってもその時になると、それまで放置停滞していた内政の諸問題が一斉に吹き出して矛盾が表面化してくるので(戦勝後のチャーチルの失脚が有名です)次から次へと切れ目なしに外敵が必要になります。
これが地域大国が一旦周辺弱小国攻撃を始めるとつぐにjyく小国攻撃に移るしかなくやめられなくなる図式です。
そもそも政治家とは、こんがらがった利害を調整をするのが本来(権力欲を満たすのが目的の人が多い点がややこしくしています)の仕事ですから、それが嫌ならば、政治家にならなければいいのです。
対外紛争を起こしておいて負ければ大変です。
パク大統領が任期途中で大した理由もなく単なる国民感情の高まりだけで、弾劾訴追→失職逮捕拘留されてしまったのは、日本に対して攻撃していたはずの慰安婦攻撃に失敗し、慰安婦合意の妥協せざるを得なくなったことに対する国民不満にあります。
いわば国内政治の行き詰まりの誤魔化しのために(その間に内政・・主として経済困難・造船開運不況の象徴である漢進海運の破綻など行き詰まりが余計ひどくなってしまったのに)目くらましのために対外攻勢に出たところこれが失敗して返り討ちにあったような状態です。
韓国民の感情過多の民度レベルに対する批判は7月26日「外来文化と自力発展能力4(民度)」に少し書きましたが、この結果を招来した点は政治家として見れば、自ら始めた邪道政治の結果ですから自業自得とも言えます。
従来の経験では、中国はいま経済破綻が目前に迫っていることが分っているのですが、どうして良いか分らずに右往左往している状況が目に見えるように伝わって来ます。
これが新たなやり方とも言えますので、この立場によれば中国政府が成功しているということになるのでしょうがどちらがが正しいのか、結果が出るまで分かりません。
この辺は日本の異次元緩和と同じで、過去のセオリーと違うことを理由に批判しても始まらないことをJuly 1, 2017,「異次元緩和の先例・・金兌換の停止→紙幣の変化」あたりまで連載しました。
孫文や蒋介石は日本で革命運動の応援を得ながら政権維持のために日本敵視政策に変わって行ったのは、1980年前の改革開放政策転換時に、日本の資本や技術導入に必要な期間だけ(鄧小平の言として有名な韜光養晦)日本を大事にしていたのと一見似た状態です。
ただ、蒋介石のときは最後まで日本が孤立し尽くしたので日本が敗退しましたが、今回は戦前の苦い経験を生かして安倍政権がうまく立ち回ったので、逆に中国の方が孤立して来ました。
日本は戦前に「蒋介石相手にせず」と宣言して日米戦争に引きずり込まれた経験を踏まえて日本国民は簡単に逆ギレせずにしたたかにやって来ました。
韓国の無理難題にもじっと堪えて来たのが国際信用になり、つい日韓合意・・紛争の張本人アメリカが日本の後押しをせざるを得ない状態に持ち込みました。
(日韓断交を唱える勢力はこの合意を怒っていますが・・歴史を学ぶ必要があります)
日露戦争に辛うじて勝てたのに、事情を知らない国民が怒って日比谷焼打事件を起こしたのと同じです。
現在の国際情勢構築は安倍総理一人の功績ではなく、右翼から非難されている河野談話その他の弱腰批判も、いま考えればここまで我慢に我慢を重ねて来た結果が、安倍外交成功の布石にもなっています。
これまで書いて来たように江沢民当時日本は世界で孤立状態・・世界中で日本叩き包囲網造りが進んでいましたので、マトモニ戦っていれば戦前同様に世界から袋だたきにあっていたでしょう。
そう言う点では河野談話もギリギリ国益を守った・・徳俵の線で踏みとどまる表現で良くやったと思います。
安倍政権はちょうどいい時期に戦いを始めたので、安倍総理の国際的活躍もあって、中韓対日本の国際関係は逆転状態に持ち込んでいて、戦前・蒋介石当時と大きく違う点が日本にとってラッキーです。
蒋介石と日本の関係と異なり、今の中国外交は国際孤立状態ですから国際応援を受けられる関係ではありません・アメリカが日米安保条約によって、直截軍事介入してくれるかどうかは別として、逆に日本応援団の方が多い関係になってきました。

経済危機目前→反日行動(できるか?)3

中国や北朝鮮では現在でも一旦政権を握ると何でも出来る社会であることは、政権獲得後無茶苦茶過ぎる毛沢東の大躍進政策・・農民を何千万と餓死させる無茶な強制が出来るし、更にもっと酷い文化大革命の騒動を引き起こしても政権が何ともない・・羞じるところがない所にも表れています。
国民のための政治は、利害対立が必ずあって誰がやっても難しいのですが、外敵を作り出せばそこに注目が集まって懸案があること自体を隠してしまえて、誰も反対しない簡単な方法です。
その間利害調整の難しい国内政治決定を先送り・・その間麻酔を効かせた状態に出来るので、中国にとっては地域大国のメンツを潰された心情に訴えることで大同団結・・結果的に現政権に一致協力となって非常に便利な政策選択になっています。
ただし利害対立や紛争自体がなくならないのですから、この解決を先送りすれば余計紛争が複雑化し解決困難になるのが普通です。
赤ちゃんが空腹で泣く場合、お尻がカブれて痛くて泣く場合、時間を稼いでも悪くなる一方です。
病気の場合に限らず先送りの弊害は同じです。
ロシアで言えばウクライナ侵攻し、クリミヤ併合によって国内経済が良くなることはありませんので、一時的目くらましでしかなかったようです。
経済の深刻さが増していく一方(さしあたり年金支給原資が底をつきそうで国民不満をどうして良いか分からない状態にプーチンが追い込まれているようですが、わたしが直接知る方法がない・・メデイアイメージによるので本当のところはわかりません。
金融政策決定その他今の時代、外敵があろうがなかろうが、日々放置できない政策課題を抱えている点も同じです。
これらを放置しておけないので今ではメデイアの「 注目を逸らす」程度の意味しかないのかも知れません。
政権追及でメデイアが騒ぐのを逸らすための話題づくりのために対外紛争や戦争するしかないという変な時代になっているのかも知れません。
中国の小型版である韓国や北朝鮮も同じで外敵対外紛争がありさえすれば、どんなに酷い内政をやっていても政権が安泰と言う図式ですから、北朝鮮は困難になればなるほど挑発行為をエスカレートします。
だからもっと北朝鮮に対して経済制裁を強化すれば収まるという政策決定は逆効果です。
ロシアに対する北方領土外交がうまくいくかのテーマの続きでSeptember 19, 2016,「フラストレーション度2と中華の栄光復活1」フラストレーションに対する政権の耐性度を書いてきたのですが、これが中断していますが、先進国と違い貧しすぎたり極度の恐怖政治下では経済低迷やちょっとした不自由程度は政治的不満→政権不安定に関係しません。
外敵に仮に勝ってもその時になると、それまで放置停滞していた内政の諸問題が一斉に吹き出して矛盾が表面化してくるので(戦勝後のチャーチルの失脚が有名です)次から次へと切れ目なしに外敵が必要になります。
これが地域大国が一旦周辺弱小国攻撃を始めると次々と小国攻撃に移るしかなくやめられなくなる図式です。
そもそも政治家とは、こんがらがった利害を調整をするのが本来(権力欲を満たすのが目的の人が多い点がややこしくしています)の仕事ですから、それが嫌ならば、政治家にならなければいいのです。
対外紛争を起こしておいて負ければ大変です。
パク大統領が任期途中で大した理由もなく単なる国民感情の高まりだけで、弾劾訴追→失職逮捕拘留されてしまったのは、日本に対して攻撃していたはずの慰安婦攻撃に失敗し、慰安婦合意の妥協せざるを得なくなったことに対する国民不満にあります。
いわば国内政治の行き詰まりの誤魔化しのために(その間に内政・・主として経済困難・造船開運不況の象徴である漢進海運の破綻など行き詰まりが余計ひどくなってしまったのに)目くらましのために対外攻勢に出たところこれが失敗して返り討ちにあったような状態です。
韓国民の感情過多の民度レベルに対する批判は7月26日「外来文化と自力発展能力4(民度)」に少し書きましたが、この結果を招来した点は政治家として見れば、自ら始めた邪道政治の結果ですから自業自得とも言えます。
従来の経験では、中国はいま経済破綻が目前に迫っていることが分っているのですが、どうして良いか分らずに右往左往している状況が目に見えるように伝わって来ます。
これが新たなやり方とも言えますので、この立場によれば中国政府が成功しているということになるのでしょうがどちらがが正しいのか、結果が出るまで分かりません。
この辺は日本の異次元緩和と同じで、過去のセオリーと違うことを理由に批判しても始まらないことをJuly 1, 2017,「異次元緩和の先例・・金兌換の停止→紙幣の変化」あたりまで連載しました。 
孫文や蒋介石は日本で革命運動の応援を得ながら政権維持のために日本敵視政策に変わって行ったのは、1980年前の改革開放政策転換時に、日本の資本や技術導入に必要な期間だけ(鄧小平の言として有名な韜光養晦)日本を大事にしていたのと一見似た状態です。
ただ、蒋介石のときは最後まで日本が孤立し尽くしたので日本が敗退しましたが、今回は戦前の苦い経験を生かして安倍政権がうまく立ち回ったので、逆に中国の方が孤立して来ました。
日本は戦前に「蒋介石相手にせず」と宣言して日米戦争に引きずり込まれた経験を踏まえて日本国民は簡単に逆ギレせずにしたたかにやって来ました。
韓国の無理難題にもじっと堪えて来たのが国際信用になり、つい日韓合意・・紛争の張本人アメリカが日本の後押しをせざるを得ない状態に持ち込みました。
(日韓断交を唱える勢力はこの合意を怒っていますが・・歴史を学ぶ必要があります)
日露戦争に辛うじて勝てたのに、事情を知らない国民が怒って日比谷焼打事件を起こしたのと同じです。
現在の国際情勢構築は安倍総理一人の功績ではなく、右翼から非難されている河野談話その他の弱腰批判も、いま考えればここまで我慢に我慢を重ねて来た結果が、安倍外交成功の布石にもなっています。
これまで書いて来たように江沢民当時日本は世界で孤立状態・・世界中で日本叩き包囲網造りが進んでいましたので、マトモニ戦っていれば戦前同様に世界から袋だたきにあっていたでしょう。
そう言う点では河野談話もギリギリ国益を守った・・徳俵の線で踏みとどまる表現で良くやったと思います。

中韓の反日行動と技術移転3

消費財の場合にはその国の購買レベルに合わせて、顧客対象10万人に1人しか売れないところから始めて1万人に1人、8000人に1人6000人に1人と順次拡大→現地生産開始できますが、国家的事業になるとゼロかすべての関係になるので,日本のインフラ輸出の敗退が続くのはやむを得ない面があります。
最初は安いものでないと買えない・・・新幹線も日本製が良いのが分っているが高過ぎて手が出ない・・うちはまがい物でも・・「新幹線みたいなものが欲しい」のですと言うのが新興国の本音ですから、最高級完璧仕様の新幹線や原発輸出は無理があります。
ABC〜lMクラスの多様な商品構成を作らないと無理でしょう。
いい材料を使った家に住みたいが内は当面新建材等のまがい物で我慢すると言うように、客にはいろんなランクがあります。
中国への新幹線輸出を23日紹介しましたが、中国は「車両のみ売ってくれたらいい」と言う条件であり日本側はシステム全体の輸出でないから事故の責任を負えないと申し入れて合意書を交わしたことをその紹介記事の続きに書いてあって、中国は酷い国だと言う書きぶりです。
資金力のない国、安全性など二の次,三の次の(人命や健康被害などあまり問題にならない)社会では、50年間1回も人身事故がなくて何兆円するシステムより数年に1〜2回事故があっても何十億円でも安い方が有り難い・・冷暖房完備でなくとも良い・・公害防止装置を外して安くして欲しいなどレベルに応じた選択も合理性があります。
日本でも車が普及始めの頃に冷房までは要らないと言う人が一杯いましたし、数十年前で考えれば、エアバックのオプションが仮にあっても自発的につける人は少なかったでしょう。 
貧しい庶民にまで電気製品が普及して来た中国では、電気釜や空気清浄機や日用品にまで上質の日本製を買いあさるようになりました。
さすがの中国でも国民意識が変わって来ていますが、環境その他の高度技術は日本に頼るしかない現実があって、中国が昨年秋から対日態度を豹変して来た背景です。
中国の方は日本技術を韓国のように真似するだけならばすぐに自国技術が上がってしまったので、韓国からその先の高度技術移転(ご飯が炊ければ良いのではなくおいしく出来るもの)が望めないので、技術的には韓国製と競合するようになりました。
韓国を利用するだけ利用して技術力アップした民族系と競合敵対関係になって、(例えば韓国車だけ恩恵のない狙い撃ちのエコカー補助金制度で昨日紹介したように韓国車だけ大幅売上減になっています)今ではドイツその他西欧諸国に頼るようになっています。
韓国は、長年日本の何世代か遅れた技術導入(日本人社員を雇って?)して、レベルが下がるがちょっと安いと言うコンセプトで欧米の(貧者)低級品市場に食い込んでで販売を伸ばす商法でした.
同じやり方で中国現地企業が韓国得意の低中級品市場に参入するようになると、中国国内で競り負けるだけではなく、世界的に中国系企業とあらゆる商品で競合して行くので商法の基本を変えて行かないと(全産業が)中進国(の罠どころではなく)としても生き残れません。
韓国が今までの先進国技術の早取りパターンのママの場合、綿製品・綿糸市場を支配していたインド商人・職人へ産業革命を経たイギリス製品の進出でインド商人・綿製品業者が「死屍累々」になってしまった轍(・・被植民地化して行った背景です)を踏むことになるでしょう。
中国を振り切って高級品市場にレベルアップ出来ない・・自分で新規開発能力がないまま・・他社の技術剽窃・後追い力・早耳勝負では中国の馬力に叶いません。
医薬品開発会社とジェネリック会社の違い・・あるいは受託製造会社がいくら大きくなってもその先がないのと同じ・・この危機感から台湾ホンハイがシャープ買収に必死になっていた原因です。
反日を鮮明にしてしまった韓国が日本企業買収で開発力を入手しようとして・・仮にシャープ買収に名乗りを上げたくても・・日本国民のブーイングが激しくて無理がある・・名乗りを上げることすら困難・・企業買収の芽は皆無に近いでしょう。
日本人技術者引き抜きあるいは内密利用は、パク大統領になってからの慰安婦騒動前には、企業利益を守るか倫理違反かどうかの基準だけでしたので、世話になった企業を裏切っても韓国の人を助けたいと言う人(日本人価値観から言えば、異端の人ですが・・)がいても一応の名分がありましたが、ここまで嫌韓感情が進むとそう言う価値観で自分を納得せられる人の比率が大幅に下がっています。
日本の大手電気産業拠点近くに(引き抜き目的の?)研究所がありますが、引き抜ける人材が劣化します。

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