(フェイク?)報道と信用失墜3(国連特別報告1)

政治学者でさえも政治そのものには素人で、地道な国民世論の吸収という実践を伴っていない点も同じです。
政治論ではなく思わせぶりな情報拡散(選挙直前に誹謗記事が出回ると致命的打撃となります・その後その報道には根拠がなかったことが判明しても選挙のやり直しはありません)によって、政治家の死命を制することができるようになった結果、政治家はメデイアに擦り寄り、第4の権力と言われるようになり、メデイア界に受けの良い人物が政界に出やすくなったのです。
この応用が、昨年来のなりふり構わぬ政権不信を煽るイメージ作戦でしょう。
「国民大多数の声を踏みにじる暴挙を許さない」とデモをしている野党が、総選挙が怖いという不思議な主張ですが、これを応援するために?森かけ騒動を盛り上げては、内閣支持率急落と大規模報道していたものの、安倍政権が総選挙に打って出たら安倍政権の圧勝でした。
メデイア界の大宣伝していた支持率急落はなんだったのか?
メデイア界は恥を掻く一方ですが、国民が自分たちを信用しなくなった原因を反省せずに、言論の自由がないと国外に訴えて「お墨付きをもらって」溜飲を下げているように見えます。
特別報告書の内容引用は長文ですので省きますが、慰安婦問題に関しては他国の教科書内容にまで踏み込む驚くべき(無礼な)内容です。
(歴史を直視し、)慰安婦の歴史を教科書記載し教育すべきというような・この部分のみ一部抜粋します・・内容のオンパレードです。
関心のある方は以下に入って全文お読みください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000318480.pdf
デビッド・ケイ「表現の自由」国連特別報告者

要約
言論及び表現の自由の権利の促進・保護に関する特別報告者は,2016年4から19日まで,日本を公式訪問した。
V.結論及び勧告
(パラ61~64)
A.メディアの独立
(パラ65~68)
B.歴史教育及び報道への干渉
この部分だけ一部抜粋引用します。
近年,人権メカニズムの多くが,「慰安婦」問題についての日本における認識が限られていることにつ い ての懸念を示 した。
例えば女子差別撤廃委員会は,日本政府が,「『慰安婦』問題を教科書に十分取り入れ,また,歴史的事実を客観的に学生や一般市民に示す」ことを勧告している。自由権規約委員会は,日本政府が,教科書における十分な言及を含め,学生や一般市民に対する本件問題の教育・啓発を確保する,即時かつ効果的な立法上及び行政上の措置をとるよう勧告している。
,日本史が必修である中学校の教科書から,「慰安婦」問題に関する記述が編集で削除された旨の報道を示した。一つの例においては,「慰安婦」問題の言及に,女性の強制連行はなかったとの政府による反対の見解を示した但し書きを伴っていた。
1993年,日本政府は初めて「慰安婦」問題に関する責任を認め,政府が公謝罪を発表した。この認識の結果,「慰安婦」問題は,1997年に初めて,同問題に係る記述を含めて,全7冊の中学校検定歴史教科書に含まれた。しかし・・教科書が第二次世界大戦中に実行された犯罪の現実をどう扱うかに対する政府の影響は,一般市民の知る権利や,過去に向き合い,理解する能力を損なわせる。
(パラ69~70)
C.選挙運動とデモ
(パラ71~72)
D.特定秘密保護法
(パラ73~77)
E.差別とヘイトスピーチ
(パラ78~79)
F.デジタル権
(パラ80~81

国民に支持されない意見は次第に発表の場が狭まるのは、言論の自由市場原理の結果であり当然です。
根拠のない思わせぶりな意見を今まで通りに書いて出すと、「今時こういう根拠ない記事はダメだよ!」とボツにされると「政府の圧力だ」と特別報告者に訴えるのはあんちょこすぎませんか?
何が偏っているかは市場原理にゆだねるべきで、外国権威?を呼び込んで判定してもらうようなものではないでしょう。
今まで歯切れよく(根拠なく)日本批判さえしてれば良かったジャーナリストやコメンテーター等の発言が即時に批判されるようになったので、(例えばみのもんた氏が熊本地震の際に、根拠なくいつも通り上から目線で?自衛隊批判をしたので、即時に批判意見がネットにあふれ、その後彼の出番が急速に減りました)の場が狭まったのはトキの流れで仕方のないことです。
言論市場を独占支配しているときは言論自由市場で勝敗が決まると言い、ネット発達によって独善的根拠ない決めつけが批判されるようになって、この種の根拠ない決めつけ意見連発するコメンテーターにお呼びがかからなくなると「言論自由度が下がった」と騒いで外国権威のお墨付きを求めるのは、御都合主義的な動きに見えます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000318480.pdfの一部引用の続きです

14.特別報告者は,今次訪問を通じ,(日本には)検閲に反対するオンライ及びオフライン上の強固な文化があるものの,救済困難な危機に発展する前に政府が対処すべき脅威があると感じた。
ジャーナリスト,活動家,学者等は,特別報告者に対し,表現の自由が重大な圧力の下にあるとの懸念や不安を共有した

15.日本は,日本の文化・政治活動において意見の多様性や重要な存在感を有する優れたメディアを有している。メディア界全般において様々な課題や機会があるが,それらとは別に,メディアの独立に関する3つの側面及び公的な監視機関としての日本のメディアの能力について考えることが重要である。
すなわち,放送メディアに対する圧力とそれがより一般的なメディアへの扱いを先導してしまうこと,政府へのアクセスに関する組織の問題,そして,メディアの連帯の問題である。
25・・・・・・・厳しい質問をすると評判の有名な報道関係者やコメンテー・・・3名が,政府批判に対して敵対的,又は,政府批判の結果を恐れる環境をその理由として,長期にわたって務めていたポストを降板した。このような離職は,従業員が数十年も同じ会社で働き続ける産業においては,驚くべきである。
一人の有名で人気のあるコメンテーターは,政府による放送事業者への圧力により,テレビ番組への出演依頼が来なくなった旨主張している

(フェイク?)報道と信用失墜2(政治と学者)

帝大7博士事件についてはApril 2, 2018,「メデイアと学者の煽り5(日露戦争4帝大7博士意見書2)」前後で連載しましたが、これこそは、学者+メデイア+背後の軍部一体の国民扇動の元祖というべきでしょう。
これに関してはhttps://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180614191227.pdf?id=ART0008242225の研究論文に詳しいので以下一部だけ引用しますが詳細は直接参照してください。

・・彼らの議論の内容について、この事件を詳述した 立花隆 は「驚 くべき杜撰な議論である。ほとんど床屋の政 談であるとl2切 り捨てている。
・・・メディアと大学教授と世 論の関係を考 える上できわめて興味深い。
本稿では「主戦論へと導いた事件 」というだけでな大学人とメディアが相互に利用しあうことを始めたメ ディア史上初の事 件として捉えなおしたい・・。

以上一部引用の他(天皇上層文を見ると)彼が国民代表のような主張をしているなど、現在の論理飛躍の思わせぶりメデイア報道の始まりです。
メデイアの論理飛躍の穴埋めに学者という権威利用した点も現在の憲法学者動員と同じです。
正式な学問発表・論文の場合、理系の場合には実験+論理検証を、文系の場合にも実験に相当する実務を知り尽くした論証を経ていない論文など相手にされませんが、7博士は国際政治のプロではないので、国際パワーポリテックスのナマ情報も知らずに空論を主張していたことを上記連載で書きました。
学問の自由と学者の政治発言は別物です。
学問は文系理系をとわず、過去の事実分析を積み重ねた上で過去(実験成果を含め)に起きたことの意味づけであるから説得力があるのであって、将来の予測能力はまた別です。
科学の発明発見も実験という過去の繰り返しによって確実さを得た上の意見ですが、これもそれまでの科学知識で分かっている限りの実験結果的正義に過ぎない点は、歴史・考古学者の意見が論者の収集した限度の事実にもとずく意見であって、新たな考古学資料や文献発見で歴史が変わるのと同じです。
我々法律の世界では、血液型がABOしか知らない時にはその血液型一致だけで親子関係有無の結論が決まっていたのが、もっと複雑な分類法がわかると数十年前の鑑定による同一性が間違いであることになり、この数十年ではDNA鑑定がその後の技術革新によってさらに次のレベルの鑑定をして見ると、別人であった結果が出るようになっています。
以下は逆の事例です。
http://www.cpigi.or.jp/news/img/09_09_10_yamada.pdf

2005年10月13日(木)
東京都で90年11月、Aさんが路上で刺されたうえ車に轢かれて死亡した事件で、警視庁は13日、Aさんを刺したB容疑者を殺人容疑で逮捕した。
これまで、Aさんの死因は轢き逃げによる脳の損傷だったが、轢かれる前にB容疑者に刺されたことが致命傷(死因)であったと改めて判断したため。
凶器の刃物に残された血液のDNA型鑑定の精度が、この15年で飛躍的に向上したことが決め手となった。15年前は、同じDNAを持つ人は「25人に1人程度」で証拠として不十分とされていたが、当時のDNAが保存されており、最新装置を使って新に行った鑑定では「数十億分の1」まで精度がアップ。問題の血液はBの血液だと改めて特定できた

広く知られていることでは万有引力の法則が、相対性原理の修正を受けたのと同じことが起きています。
このように学問はいろんな実験をしてわかった限度でいろんな意見をいうのは自由ですが、現在進行中の政治の動き及び将来のことになると、学者が(日露戦争でいえば武器弾薬の補給状況・・在庫がどのくらい残っているかの最高機密状況や相手方の兵力補給状況、国際世論の趨勢など・現役の交渉担当者や情報把握部署にいない限り・.逆にいえば、そういう部署にいれば軽々に外部発表できません)特別な情報を得ているわけはなく、また将来予見能力に秀でている特性もないので彼らが目先の政治論をいう特別な資格はありません。
彼らは過去のことを学ぶ能力に向いているグループである分、反比例的に即決や将来予測が最も不得手な人種の集まりでしょう。
能力もないのに帝大教授という肩書き利用してメデイアの振り付けどおり論じるようになると「床屋の政治談義」レベルになります。
僧侶が宗教論を比叡山等で講じるのは自由ですが、高僧としての権威を利用して具体的政治に介入すれば、政治責任をとるべきは当然です。
政治関与したから信長に叡山を焼き討ちされたのであり、宗教弾圧ではありません。
極端に言えば信玄や謙信のように頭をまるめて法体になっていても、軍を率いて出陣すれば、負けた場合死を覚悟すべきでしょう。
学者か僧侶かの身分によって政治責任がなくなるものではなく、政治行動には政治責任が伴うのは当たり前のことです。
この点では最近顕在化しつつある弁護士自治も同じ問題をはらんでいます。
弁護士会の自治権・・人権に関連があるといえば森羅万象ほとんど全て関連性がありますが、民主国家においては、具体的法案をどうすべきかは、民意によって決めることであって、特定法案についての賛否運動・.政治活動する自由までは前提にしていないように思われます。
道路交通法改正や飲食店での喫煙規制さえ、規制される方は人権を規制されるテーマですが、すべての法案に弁護士会の名で賛成反対の政治活動の自由があるとすればおかしなものです。
日弁連か千葉県弁護士会か忘れましたが、数日前に見たものによれば、最低賃金引き上げ決議?会長声明らしいものが記載されていました。
私個人で言えば、この種のことは政治が強制するのではなく、景気動向による・基本的には生産性次第という考えですが、それでも問題が起きているならば、生活保護費や子ども手当その他の引きあげ等の個別対応を基本にすべきという考えですし・まして今は好景気で日々バイト時給アップ・・人手不足がよく知られている通りですから、(今朝の日経新聞朝刊20pにはバイト時給上昇基調・・5月は1、8%高と出ています)なんとなく時宜に適さないイメージで受け取りました。
千葉県だけ下がっているというなら別ですが、上記は3大都市圏と出ています・・政治家でもない集団が政治に口出ししすぎるとこういうズレた運動になるのでしょうか?
美濃部氏の天皇機関説や滝川事件は、学問の場で学問として論文発表して学問として受け入れられていたものを、政治テーマにするためにメデイアと組んだ政治家が積極的に取り上げて政治問題化したものですから、文字通り学問の自由侵害ですが、7博士は専門分野外のことに学者の権威をふりかざして政治に介入しておきながら批判されると「学問の自由だ」と帝大でかばったのが本末転倒・・日本の不幸の始まりです。
上記論文によれば、東大史では、政治介入は不名誉なことらしく政治介入に関してはぼかして(いて内容不明なので著者が研究する気になったらしいです)「学問自由」の事件としてのみ記録しているようです。
学問に対する正面からの介入である美濃部〜滝川事件では文字通り「学問の自由」の事件でしたが、これをかばうどころか、愛弟子の宮澤教授が恩師を批判しているのですから、帝大のレベルってそんなものです。
宮澤教授に関する本日現在のウィキペデイアの紹介記事です。

1935年に天皇機関説事件が発生して師の美濃部が激しく攻撃された時には、東大で憲法学を教えていた宮澤も激しい批判の対象とされた。蓑田胸喜によれば、「美濃部達吉氏に対してと共に厳粛に司法行政的処置がなさるべきである」[2]「国体国憲に対する無学無信の反逆思想家が帝大憲法教授たることは学術的にも法律的にも断じて許さるべきではない」[3]とされた。

(フェイク?)報道と信用失墜2(国連特別報告1)

昨日引用の続きです。

すなわち「自民党議員らによる居丈高な物言い」がランキング下落の原因だという推定は、おそらく正しい。
というのも、「報道の自由度ランキング」は当該国の専門家へのアンケートによる質的調査と「ジャーナリストに対する暴力の威嚇・行使」のデータを組み合わせて作成される。
「専門家」とは報道関係者、弁護士、研究者などであり、彼らが前年比で報道の自由を実感できたか否かが大きなポイントとなる。なるほど、安倍政権のメディア対応は専門家の心証を害するものであろう。
ジャーナリズムの「空気」、そこで生まれる「体感自由」度が大きく順位を左右している。
体感自由とは体感治安から私が造った言葉である。体感治安は現実に発生した犯罪認知件数や検挙数とは別に、人々が日頃抱いている治安イメージである。
日本は現在も最も安全な国の一つだが、「治安が悪化している」と感じている国民は少なくない。
未成年者による殺人事件がセンセーショナルに報じられる一方、統計的に見れば少年の重大犯罪は減少している。その意味では、体感治安の悪化は犯罪ドラマや事件報道を含めメディア接触が生み出したものということができる.

上記執筆者と私は結論が微妙に違う部分がありますが、引用した記載自体は同感です。
調査する人が、国民から受け入れられなくなって不満を抱くメデイアに体感を聞き取れば「自由度が低い」となるのでしょう。
メデイアに対する国民評価のランキングと見れば合点がいきます。
言論の自由度は国の基礎的インフラですから、(トルコのエルドアンのように急激な体制変更しない限り)これが1〜2年で乱高下するわけがない・・昨日紹介したグラフを見れば乱高下しているのはメデイアに対する国民の信任度合い=人気です。
民主国家では政権は国民支持によって成り立っているので、国民がメデイア主張を信用しなくなれば、政権もそれに従う関係ですから、民主国家でメデイアの主張が政権で採用されないのは、メデイアが独占的な意見広報をしているにも拘わらず、国民(選挙によって表明される民意・サイレントマジョリティー)から支持されていないことが証明されています。
報道手段独占にあぐらをかいて、これまで国民を意のままに誘導していた彼らにとっては、「笛ふけど踊らぬ」国民の変わりようを見れば、今更ながら、情報提供方法を独占できていた過去が懐かしい・・社会から疎外されているように思うでしょう。
そういう過去系の人を対象に調査・・事情聴取すれば自分の意見がおかしすぎるので相手にされない点を棚に上げて「日本には言論の自由がない・自粛させられている」と言う意見中心になりそうです
昨日紹介したグラフによると民主党政権時が過去最高の評価であり、安倍政権になっていきなり過去最低に急降下しています。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-7031.php昨日引用の続きです。

日本の順位は二〇〇三年(小泉純一郎内閣)の四四位、二〇一〇年(鳩山由紀夫内閣)の一一位、二〇一六年(安倍晋三内閣)の七二位と大きく変動するが、この時期に「ジャーナリストに対する暴力の威嚇・行使」の量的拡大やメディア法制に大きな変化があったわけではない。
つまり、この変化の要因は専門家の体感自由、主にメディア報道に由来する印象に大きく左右されているわけである。二〇〇九年と一〇年は報道の「自由度が高く」、その前後の八年と一二年も「比較的高い」と高評価されているが、この時期はすっぽり民主党政権期に重なる。

以上を見ると聞き取り対象は報道独占にあぐらをかいてきたメデイア受けする意見を開陳してきたコメンテーターや弁護士などであり、民主党政権時代に報道の自由度ランキング急上昇・過去最高位になった理由は、メデイア界一丸となって革新系政党を応援していて、自民党政権批判一本やりできたメデイア界は民主党政権時代は夢を実現できた「我が世の春」を謳歌していた好感度によるものでしょう。
民主党政権が終わると突如好感度急落の原因をみるために、国連特別報告書の内容を見ると記者クラブ制度の弊害を強調していますが、記者クラブ制度は民主党政権でも維持されたままなのに、自民党政権になるとイキナリ弊害だとしてマイナス評価対象になるのは不思議です。
その他制度上の欠点といわれるもので自民党政権になってできたのは特定秘密保護法だけです。
その批判も、国連特別報告者意見書を読むと諸外国にある法令とどのように違うかの比較がなく、ただ「ジャーナリストが正当な目的であれば秘密を窃取しても?処罰除外すべき」と言うような偏ったジャーナリストの主張丸写しです。
世界中で一般的な戦場の売春婦を日本に限って性奴隷命名した問題同様で、秘密保護法は諸外国にもあるのに、日本が遅れて採用すると何故自由度ランクを下げねばならないかの説得的理由になっていません。
その他韓国主張そのまま?に歴史を直視して慰安婦問題を受け止めて?歴史を直視した教育すべきとかの批判もしています。
表現の自由度と関連性の薄い・検定制度を非難するならば、民主党政権でもありましたし、先進諸国だって皆一定の基準があるはずですが、(イギリスの教科書でもアヘン戦争や植民地支配の犯罪性教育をしていませんし、フランスも植民地支配を反省し償いをしていません)比較論がありません。
以上見て行くとほぼ革新系政党や文化人・・朝日新聞等の主張そのままですから、メデイア界が全面支持してきた民主党の支持率急落と一蓮托生で国民から不信の目を向けられて信用されなくなったので海外からお墨付きを得るために国連特別報告者を招請し、彼はこれに応えるために発信しているように見えます。
民主党→民進党→希望の党→国民民主党の支持率の変化を見れば、革新政党〜民主党の機関紙のような役割を果たしてきたメデイア界全体の支持率も同率で下がるのは当然です。
というよりは、メデイア界の主張をそのまま運動方針にしてきたのが旧社会党以来の革新系野党〜民主党→○△政党ですから、野党支持率の急低下と言うものの、実はメデイア界全体に対する信用低下のバロメーターというべきです。
メデイア界は、政治周辺にいて情報収集する過程でいわば評論家的立場を得たに過ぎない・政治家そのものに必要な能力がないのに、政治を主導しようとして来たことがそもそも間違いです。
昨日の日経新聞夕刊「あすへの話題」(京大教授佐藤卓己氏)に戦前の代議士に占める報道界出身者比率の多さ(37年選挙では34、1%以上)が紹介されていましたが、(論旨はオポチュニスト否定論にもっていく→民意無視政治待望のようですが・・私の意見は外部からフェイクで民意を煽るメデイアの尖兵を内部繁殖して内外呼応していたことが元凶の結論です)アマチュアが政治を牛耳った弊害が戦前の国策を誤らせた原因です。
日露講和条約反対に始まるジャーナリズムが煽る戦前の揚げ足取り政治→その都度内閣打倒繰り返し→政権弱体化の弊害を連載して来ましたが、今朝の新聞報道により、外から煽るだけではなく自ら政治家になった人が多かった(日露講和反対を煽った中心人物戸水博士も直後に政治家に転身しています・・ことがわかりました。

思わせぶり報道と信用失墜1(自由度ランキングの怪)

見出しに大きく軍関与の資料発見(正確な表現は忘れました)と書いていて、内容をよく読むとどうでもいいような資料・連行と何の関係もなさそうな資料しか書いていない・・よく読めばメデイアは中立ですというつもりでしょう。
軍による強制連行があったかどうかが国民の大関心事になっている最中にこういう誘導的見出しの記事が1面に出ると多くの国民が強制連行の証拠書類が出たのかと第一印象を抱きます。
昨日最後に書いたように多くの人は内容をじっくり読む暇がないのが普通です。
互いに他報道機関の憶測に過ぎない記事を検証することなく「他社が書いているから」という理由で?既成事実としてその上に自社でさらに少しずつ憶測を螺旋状に積み上げていく繰り返しで、戸塚弁護士やメデイア界は役割分担しながら憶測を世界に広めていたように見えます。
今回の森かけ関連報道でも顕著ですが、見出しと内容記事が違う報道をすると、誤解を与えるリスクが高いのですが、なぜか裁判所は「内容をよく読めばわかるはず」というトリックで名誉毀損訴訟の多くを退けてきました。
名誉毀損事件の被告・・加害者の多くは報道可能な媒体を持つメデイアですから、裁判所のこのような姿勢は、メデイア界による思わせぶりな事実上の虚偽(フェイク)報道を助長してきたことになります。
こうした報道態度はフェイク報道に近いので、思想表現の自由の保護を受けない・・公正取引分野での規制対象にすべきかもしれません。
商品の見出し広告と内容説明が違うのは消費者の誤認を招くので(大きな効能の見出しを買いておいて隅っこに小さな文字100人にひとりしか効きませんとか、大特売と書きながら特売品一個だけですとかいておく)公正取引法で許されないのが常識的運用です。
メデイアに限って古典的基準・常識人が内容まできっちり読めば反対意見も書いていて自分で判断できるはずということで、上記の通り名誉毀損に当たらないとして多くのどぎつい見出し広告が許容されてきました。
裁判所の基準は「通常人」が誤読するかという基準ですが、憲法学者の言う「言論の自由市場」という市場論は、その道のプロ論壇参加者や週刊誌で言えば、お金を出して買う購入層の読解力を基準に判断しているのですが、政治判断は電車内の吊り広告や新聞等にある週刊誌の表紙広告や新聞やテレビの見出しテーマによって影響を受ける比率の方が大きい実態があります。
見出しで多くの人が影響を受けているのですが、その場合その道の専門家も部外者(エコノミストその他の専門家も専門外の見出しに関しては)やレストラン店員も労働者も洗脳的に受ける影響力は似たようなものでしょう。
要はその内容吟味する時間も暇もない点では情報「消費者」なのです。
消費者保護が必要なのは、消費者の知的レベルが低いからではなく、消費のたびに内容チェックする時間も暇もないということです。
食品専門家でも表示品質通りの食品かどうかは、購入現場で判断できない・検査機関に持ち込まない限り店頭で品質チェック能力がないので、表示を信用して買うしかありません。
野菜果物では、見ただけでうまそうかどうかの判断がある程度つきますが、それでも食べて見てマズ過ぎれば「おかしい」となりますが、見ただけでは産地偽装をその場で見抜けません。
板倉社長の時だったか、三越事件があって信用がガタガタになってしまいましたが、顧客は鑑識能力がないから三越は偽物をつかまさないだろうという信用で高額品を買っていたのです。
日本では報道機関等の報道では「言論の自由」「報道の自由」と称してこれが許されていたのは、報道機関は実態調査裏づけを取ってからの発表だろうという信用が高かったのですが、裏付け調査どころか信用を悪用して、自分自身がヤラセ報道(サンゴ礁事件/捏造報道)するようなことが頻発するようになったこと自体、三越事件(三越も偽物を知らずに仕入れたのではなく三越が意図的にガラクタを高級宝石と売って事件でした)同様で、この頃から「情報も商品」として「消費者保護対象」にする必要が出てきていたことになります。
ところが言論に限っていまだにこのような「羊頭狗肉」報道がまかり通っているのが不思議です。
ただ彼らのいう報道の自由市場論は、彼ら大手メデイアが牛耳っている限りの自由市場論のように見えます。
裁判所とメデイア界合作のこのような変なルールが、ネット批判が可能になったことで「見出しと内容が違う、あるいは「言葉の(一方的)すり変え」にはすぐさま厳しい反論が出るようになりました。
ネットの発達によって、報道界が独占支配する「言論の自由市場」が終わったことがわかります。
メデイアの偏ったイメージ報道がすぐ批判に曝されるようになったので、彼らにとって「日本には言論の自由がない」ということになったらしく、国連特別報告者が訪日調査して(多分そういう不満分子が招請したのでしょうから、そういう人たちから聞き回った)特別報告が採択されたとかで、1昨年頃に大さわぎなりましたが、要は国内言論市場の独占支配が崩れて困っている実態が丸見えです。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-7031.php
日本が低迷する「報道の自由度ランキング」への違和感
2017年2月22日(水)12時09分

佐藤卓己(京都大学大学院教育学研究科教授)
<61位(2015年度)、72位(2016年度)と、日本は世界報道自由ランキングの順位を年々下げている。果たして安倍政権のメディアに対する姿勢に原因があるのか、それとも内閣支持率で空気を読むメディアの自己規制に問題があるのか――。「この順位に驚かない」という佐藤卓己・京都大学大学院教育学研究科教授による論考

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パリに本部を置くNGO「国境なき記者団」Reporters Without Bordersが二〇〇二年以降、二〇一一年をのぞいて毎年発行している。すでに述べたように、二〇一六年度版で日本の「報道の自由度」は一八〇国中、七二位に下落した
二〇一六年五月四日付『朝日新聞』の「天声人語」も、このランキングで中国政府が言論弾圧を行っている香港(六九位)よりも日本の方が低いことに「驚いた」といい、「西欧中心の見方ではないかと思う」と疑念を呈している。だが、このコラムは次のように結ばれている。
それにしても、昨今の自民党議員らによる居丈高な物言いは、やはり常軌を逸している。担当相が放送局に電波停止をちらつかせ、議員が報道機関を懲らしめる策を勉強会で披露する。あの種のふるまいがなければ、日本がここまで評判を落とすことはなかっただろう。

(稲垣注・朝日は「自分らが告げ口したのではない」という表向き弁解ですが、本音はこの部分でしょう)

メディアの信用低下(事実に基づかない報道の危険性)

今回NHKの「クローズアップ現代」の見出しと内容の食い違いを書いていて気がつくことは、報道関係者には基本的に反政府主義者が多いとしても、報道全てに言えることですが、政治的な主張するには特に反対論者がいることからより一層綿密な裏づけ調査が必要なのにこれを怠っている・または人材劣化が起きているからではないかと思われます。
昨日最後に書いたように日経新聞が文化欄に逃げているのは、ツッコミが浅すぎても読者が減るだけで反論が来ない気楽さがあるからでしょう。
政治利害のある意見では、読者が減る程度では収まらず、利害関係者の強烈不満を呼び反対調査によって覆されるリスクがあるからです。
サンゴ礁のやらせ報道では、地元漁協に利害があったことから漁協の反発で判明したものです。
その後ネットの発達によって、政治テーマではメデイア以外のものも反論できるようになってきたので、フェイクニュースが次々と暴露されるようになると、事実を脚色する報道のあり方が大きな問題になってきました。
あるいは読者や視聴者レベルが上がってムードだけ煽る・根拠のない意見には疑問を呈する人が増えてきたのに、メデイア側が社会のレベルアップに追いついて行けなくなっている状態かもしれません。
これがトランプ氏によって、アメリカでもフェイクニュースの批判を受けるようになった原因です。
フェイクニュースは、積極的フェイクもあれば調査能力不足もあるでしょうが、もともと報道各社の色付立場が重視され事実調査を軽視する傾向があれば、結果的に調査能力も上がりませんから根は同じです。
色付け角度付け報道が改まらない弊害というか、報道に限らず化学技術の発明発見その他何事でも一定の角度からの関心・動機に基づく実験や調査が始まりその結果、掘り起こしが必要なので、それはそれでいいのですが、関心だけで事実に基づく裏付け調査を省略して調査した事実のように装って報道して良いかは別問題です。
慰安婦騒動に関して角度づけに基づく関心が先走って事実調査不足が問題になりましたが、「破産急増」テーマは誇大報道であって事実無根でも慰安婦ほどの大事件性がありません。
このため、この報道を見た人は、なあーんだと思っただけで誰も問題視せずに垂れ流して終わっている印象ですが、事実調査を怠って報道している点では一時がアバン時・・ショッ中こう言う報道体質需要ニュースも行われているのでは同じ危険性があります。
(私は信用拡大のコラムを書いている途中で最近の破産がどうなっているかが気になったので、たまたまネット検索したら出てきた中でNHKが1番客観的報道しているかなと思って覗いて見て見出しと内容の違いに驚いただけです)
角度付けとその後の事実調査の必要性に関する朝日新聞の慰安婦報道に関する第三者委員会の報告書を、January 9, 2015「第三者委員会の役割2(朝日新聞慰安婦報道1)」のテーマでこのコラムで引用紹介したことがありますので結論部分の一部再引用します。
「・・しかし、韓国事情に精通した記者を中心にそのような証言事実はあり得るとの先入観がまず存在し、その先入観が裏付け調査を怠ったことに影響を与えたとすれば、 テーマの重要性に鑑みると、問題である。
そして、吉田証言に関する記事は、事件事故報道ほどの速報性は要求されないこと、裏付け調査がないまま相応の紙面を割いた記事が繰り返し紙面に掲載され、執筆者も複数にわたることを考え合わせると、後年の記事になればなるほど裏付け調 査を怠ったことを指摘せざるを得ない。」
まして、14日に紹介した日弁連意見書を見ると単に「カードローンについても総量規制の対象にすべきだ」という趣旨だけのことであって破産の増加については傍論的にデータを紹介しているだけで破産増自体に懸念を示すには、時期尚早としたのか?意見を書いていません。
しかもネットで簡単検索した限りでは日経も朝日新聞や東京新聞でも「破産増」だけの表示で「急増」とは書いていない(朝日はローン急増が原因か?と書いていますが破産急増とは書いていません)のに、NHKだけが何故「破産急増」と・・刺激的テーマにしてしかも「クローズアップ」して取り上げるほど社会性があると判断したのかが疑問です。
4月12日の「クローズアップ現代」の内容を読んで見るとカードローンが増えていることが話題の中心で、どこにも破産急増の話題が見当たりません。
羊頭狗肉というか、見出しと内容があってないのです。
破産急増とは時間軸でいうものですが、1%増の基準が1年間の統計結果による以上は長期間観察の結果なのですから、1〜2週間程度かけて関連データを調査して比較判断・深堀する時間をかけられないような緊急速報性がないことも確かです。
報道時間中の進行でNHKの期待に沿う意見が出たかは別としても、(文字化したネット報道には出ていません)まだ前年より1%増えたデータしかないことが明らかですから、これだけでなぜ「「急増」というテーマにしたのかの不思議さが残ります。
日常用語としても、1%程度の増減があったくらいで「急増」「急減」という言葉を使う人は滅多にいないのではないでしょうか?
日中気温がわずか1時間で25度から26度(約4%の変化)に変わっても急上昇と言わないでしょう。
しかも、「若者もシニアも」と見出しになっていますが、内容には年齢別の変化についてどのような調査をしたかの出典の明示もなければ、何%から何%に増えたかも書いていません。
司法統計年表に年齢別の増減推移まで出ていると言う意味かも知れません。
そこで司法統計年表16年のPDFで「破産新受事件数―受理区分別―全地方裁判所
第 102 表」に入って見ましたら、年間の合計数しか出ておらず、内訳としては自然人と法人の2分類しかありません。
NHKはどこから若者やシニアの年齢別統計を入手したのか不明です。
以上によると、派手な見出しと内容がまるで違う上に・・内容のない、いい加減な報道をしているように見えますが、これでは視聴者が離れていかないのか不思議です。
私はテレビを見ていないのでNHKの総合レベルが分からないですが、NHKは報道内容を全てネットにアップしていないはずですから、ネットアップする分は精選されているとすれば、「クローズアップ現代」のレベルがNHKの報道レベルの上位を代表していると言うべきでしょう。
慰安婦騒動以来、親中韓系報道をしてきたフジテレビや朝日新聞の売り上げ減少が知られていますが、これを受けて経営者は必死になって体質改善に取り組んでいると思われますが、NHKには民間と違って市場淘汰の仕組みがないので、番組が劣化していく一方になっているのかも知れません。
私に言わせれば、「朝日新聞やNHKの政治的立場が受け入れられなくなったのは残念」という自己正当化ばかりではなく、政治理念先行で事実無視の捏造的報道しか経験がないから、こんなことになっているのではないでしょうか?
見出しテーマと内容がまるで違っていても気にしない人材レベルの低さ・いろんな角度に知恵をめぐらせての多角的事実調査能力欠如こそが、基本的原因ではないかということです。
「若者もシニアも破産急増」というテーマを決める時に、相応の幹部が関与したはずですが、どういうデータ調査が必要かの思いをめぐらせる能力もない人ばかりで運営しているのでしょうか?
もしかしたら虚偽でもでっち上げでもムードを作り上げれば勝負あり・という成功経験しかない年齢層・事実調査経験のない幹部の方が、事実調査の必要性を具申する若手をドヤして「事実調査などいらない政治色付け先行でやれ!と檄を飛ばしていたのかもしれません。

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