怵惕惻隠の情2

韓国歴代政府は自己保身のために非常識な日本非難を続けるのは、・・居候の実父が居候先の親戚(長兄等)に対して何かと文句を付けて喧嘩ばかりを仕掛けているようなものです。
弱者である移住民・在日は肩身の狭い思い・・非難対象になるマイナスになっています。
息子を養ってもらっている・・居候を頼んでいるために言いたいことを我慢するどころか、逆に根拠のない非難ばかりしているのですから、中韓両政府は人民のための政治よりは、自己保身優先政治になっているのが分ります。
日本は、何かと言いがかりばかり付けて来る不良になった弟の子供を預かっているような立場です。
だからと言って居候に向かって、お前の親は酷いことを言うから帰れとか、嫌がらせするのでは、不良になった弟といいとこ勝負になってしまいます。
逆に居候に肩身の狭い思いをさせないように配慮するのが、大人の行動です。
ヘイトスピーチや行動はその少数民族に対する嫌がらせをすることが、人道的にどうか以前に、日本民族自体の品位を下げてしまうからやめるべきです。
在日韓国人が韓国へ帰るとすごいいじめに遭うそうですから、居候先で肩身が狭い思いをしているのを心配するどころか、日本にいる在日は貧しい実家にいるよりは良い思いをしていることに対するやっかみの方が強い印象です。
日本の右翼には「国籍を取得するのがいやなら帰れば良い」という意見が多いのですが、実際にドンドン日本国籍を取って行く在日が多いのですが、それでも在日の総数が減らないのは次々と親戚を頼ってやって来る・・日本への移住希望者が後を絶たないので、永住権取得者が増える一方になっているのは、日本へのあこがれが強い・・希望者の多さによります。
貧しい家から金持ちの家に居候させれば、子供が肩身が狭いだろうと預けた子供の身の上を心配するよりは、良い生活が出来ていることに対するやっかみの方が強くなる変な国民性です。
最近だけの風潮かどうか知りませんが、(中国のようにある日突然権力闘争に負けるリスクによるのではなく)韓国では庶民まで含めて国民大多数が国外移住(日本に限らずアメリカ・豪州等への)を希望している現実があります。
中韓両国では国外に逃げるのに成功した人が勝ち組になる変な社会・・自分の国・郷土を大切にする意識がないのです。
最近韓国では在日(に限らずシンガポールなど在外居住者)に免除されている兵役の義務を課す方向になって来たと報道されています。
そうなると在日の立場はどうなるのでしょうか?
日本を仮想敵国にしたいと公言している韓国政府が在日を徴兵すると?
韓国軍兵士の供給源が日本で永住権を持って生活している者となれば、右翼でなくともどうなるの?と心配になるのは当然です。
兵役の義務を履行するために帰国したら、あるいは帰国中に兵役に就いた場合、再入国を認めない運用にすべきだという議論が巻き起こるでしょう。
前回まで書いた「惻隠の心」の応用として、社会保障のあり方を考えても難しくなります。
日本にいる限り、韓国兵士の妻子だからと言って飢餓線上に放っておく訳に行かないので養うしかないのが側隠の心ですから、・・兵士になった留守家族を養なわない訳には行かないでしょう。
子供がお金がなくて学校に行けないならば、日本人同様に奨学金等で援助する必要がある点は同じです。
とは言え、日本を攻撃目標にして訓練する韓国の兵役に就くために夫がいなくなったり対日戦争で傷病した場合、このために生活が苦しくなったその兵士の家族の生活費を日本政府が見る・・社会保障の対象にしたり、保育園の公費補助や学費等の公費負担をするのは惻隠の心で・・と言われても無理があります。
「銃後の生活を保障していますので、安心して日本と戦って下さい」と言うのと同じですから「・・・?」となる人の方が多いでしょう。
尖閣諸島に不法侵入して来る漁船の乗組員の日当を日本が払って、漁船員の家族の生活を見ているような印象になります。

怵惕惻隠の情1

日本に居着いた韓国・中国人に犯罪が多いとかヤクザ・高利貸し風俗系その他芳しくない仕事についていることが多い故を持って、韓国人や中国人の品性が卑しいとか民族的にレベルが低いなどと断定するのは7月3日に書いたように間違いです。
実家が貧しくて売春するしかない娘を非難するよりは、そうならざるを得ない苦境を理解してやらねばなりません。
移民受け入れ自体の可否の意見は別として、実際に入って来て住んでいる以上は、その弱者を救済するのが人としてあるべき行為です。
(私は01/04/02「外国人労働力の移入1」以来外国人受け入れ論に一貫して反対しています・・最近ではDec 28, 2012「観光立国と生活レベルの低下4」前後で観光立国論にすら反対しています)
移民受入れに反対することと現に来てしまった移住者の負っているハンデイを補填するべき運動が必要・・これがまさに人道的精神の発露です。
ましてや、いたわるどころか移住者の本国との諍いを理由に心細く生きている・・何も反論出来ない弱者を苛めるようなことは論外と言うべきでしょう。
孟子の言う「怵惕(じゅってき)惻隠の心」を大事にしましょう。
「所以謂人皆有不忍人之心者、今人乍見孺子將入於井、皆有怵惕惻隱之心。非所以内交於孺子之父母也、非所以要譽於郷黨朋友也、非惡其聲而然也」
赤ちゃん(孺子)が井戸に落ちようとすれば(親に取り入ろうとか郷党朋友から良く言われようなどと考えるヒマもなしに)誰でも手を出して救おうとする心を言ったものです。
孟子の性善説の有名な一節ですが、高校時代に漢文で習った孟子のこの一節が思い出されて(そう言えば韓国人が人命救助しようとして大久保駅で死んだ事件があったと思い出して)グーグルで検索してみたら「惻隠の情」に関して以下のような書き下し分と最近の事例を書いている人がいました。
  http://www1.odn.ne.jp/kushida/hk_kwb-j/hk_0401j.html
「人皆な人に忍びざるの心有り。……人皆な人に忍びざるの心有りと謂(い)う所以(ゆえん)は、今、人乍(にわか)に孺子の将(まさ)に井に入らんとするを見れば、皆な怵惕惻隠の心有り。交わりを孺子の父母に内(い)れんとする所以に非ざるなり。誉れを郷党朋友に要(もと)むる所以に非ざるなり。其の声を悪(にく)みて然るに非ざるなり。(『孟子』公孫丑上)」
「2001年1月、韓国人留学生と日本人カメラマンとが、JR大久保駅線路に転落した日本人を助けようとして尊い命を失ったことはまだ記憶に新しい。そして2003年11月、埼玉県在住の中国人(元留学生)が川でおぼれている小学生を助けようとして飛び込み、やはり尊い命を犠牲にした。彼には妻子もいたという。」

惻隠の情には人種も何もない・・ただ本能的に目の前の苦難を救ってやりたいという孟子の言うとおりの行動が人間には備わっているのです。
日本人も中韓政府の暴言や横暴な態度に一々腹が立つのは尤もですが、日本人まで同じレベルに落ちて言い返しているのでは行けません。
異郷にいて心細く生きている人達を非難するのではなく、思いやる気持ちが必要です。
孟子は続けて言います。
「由是觀之、無惻隱之心、非人也、無羞惡之心、非人也、無辭讓之心、非人也、無是非之心、非人也。」
側隠の心のない人は人に非ず也と言います。
自分の不善を羞じ、人の不善を悪(憎)まない人も人でないし、礼儀のない人も人ではないと言います。
孟子(紀元前372年? – 紀元前289年)が昔言ったとおりに性善説をまるまる実行しているのが、今の日本人であり、これが今世界で賞讃されているのです。
中韓両国政府の悪罵に応じて日本人の多くがやり返しているのでは、同じレベルに落ちてしまい、恥ずかしいことになります。
孟子の意見を見ると始皇帝以降の中国人は専制君主制の結果道義レベルが下がりましたが、2千数百年以上前には立派な人が一人いただけではなく・・・これを受入れる多くの人がいたことが分ります。

世代間扶養2(恩愛の情)

生活能力を付けさせるための養育・訓練があらゆる動物の子育てパターンであるとすれば、これが終わったら、すべての動物は親の保護から離れる・・不要になるのが原則です。
にも拘らず、最近では養育期間終了・・大卒後まであるいはドクターになってからでも就職難のためにかなりの若者がいつまでも親の家に居候したまま・・せいぜいアルバイト位しかしていない子供(と言うのかな?)が多く・・すなわち多くの次世代が親の世話になっている状態です。
ライオン・熊・トラなど動物界で言えば、狩りの技術を教えたが獲物が捕れない・・または少ないので親の群れにいつまでも居候している状態が今の若者で、人類あるいは動植物すべての分野で歴史上未経験の事態です。
(ある程度の収入があって結婚しても子育て能力が低いので社会的支援プログラム・保育施設・・彼らの納める税金以上の受益・・が必要となっています)
現在6〜70代以上の世代の多くの人は親の最後近くまで家庭で親の面倒を見、最後に施設の世話になってもその費用負担その他面倒を見るのが普通でした。
次世代はそもそも自分一人の一生さえ回って行かない可能性の人が多く、(働き盛りの30代になっても親の家に居候している人が多いのが現状で)親に心配をかけている人の方が多く、親の老後を見るどころではありません。
彼らが年金を掛けて(払って)今の親世代の生活費の面倒を見ることになるのはイヤだなどという論法・・「掛けるのは損だ」とマスコミが言うならば、社会組織・・年金や保険をやめて「自分で自分の親世代の面倒を見られるのか ?」という問いを発するべきでしょう。
子供は親に無償で育てられて大学まで行って大人になっているのであって、「親のために1円のお金でも出すのは損だ」などというマスコミの宣伝する論理・よって立つ道徳観はどこから出て来るのか疑問です。
若者がそう言っているのではなくマスコミが頻りに宣伝しているだけですが、マスコミはどのような定見があって、どのような社会組織にしたら良いという立場で、宣伝しているのかを知りたいものです。
訳が分らないままで「払うと損だ」という意識を植え付けると保険制度は崩壊してしまいます。
保険制度というのは互助意識で成り立っているものですから、相互不信感をあおり、助長すると相互扶助制度は崩壊してしまうしかありません。
個々人に委ねると資産を残せなかった老人やしっかりした子供のいない老人は野たれ死にするしかない社会に戻すのでしょうか?
あるいは互助組織・保険制度を崩壊させて、すべて税で面倒を見る生活保護組織に切り替えるべきだという主張でしょうか?
税で老人の面倒を見る制度としても,その前提として子世代は育てられた親に対する恩を返すという基礎道徳を否定する宣伝をしていると、次世代は税負担をも「損だ」と嫌がることになります。
世代間扶養を損得で喧伝するマスコミは(金を持っている老人からはオレオレ詐欺や、悪徳商法でお金を巻き上げてお金のない老人は)「どこかへ捨ててしまえば良い」という社会を予定しているのか、どのような道徳律を予定しているのか分りませんが、その覚悟を問いたいものです。
ちなみに世代間扶養・・親の老後を見る・・死者を供養するのは動植物界にはなく人間だけのルールですが、これは儒教の専売ではなくキリスト世界でもどこでも親の老後を見る・死者を供養する道徳観がある点は同じです。
これは損得に基づく恩返しによるのではなく、長い間慈しみ育ててくれたことに対する親愛の情を基本にすべきでしょう。
(ペットと一緒にスルなと言われそうですが)ペットが亡くなると悲しいものですし懸命に介護しますが、恩返しと言うと損得勘定のような印象ですが損得で介護したり悲しいのではありません。
恩には愛情の混じった意味が含まれている恩愛の情ではないでしょうか?

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