国民の信と友好(信頼の重要性)2

専制社会では、法(ルール)定立の目的・可否も、権力を道義に基づいて規制することよりも、武力(権力闘争)で優越する方が恐怖政治を効率的にし易いように、取締効率化のために内規を決めることに主眼があります。
対外取引・交渉でも信義に反していても、自分の交渉上の立場が強いか弱いかだけで強引な要求をし・ドタキャンも恥ずかしげもなく行ない、全ては相手に責任があると常に言いはります。
こうした手法も北朝鮮同様と言うより、北朝鮮が中国から学んで真似しているのです。
道義に合っているか否かが基準ではなく、自分が強い立場か否かしか基準がないから、こう言う非常識な主張を国際交渉の場で行なえるのです。
中国古代の韓非子の法家の思想は、人類普遍の法(原理)に基づく法の支配ではなく、専制君主に都合の良いルール=法を定めて「びしびし守らせるべし」と言う意味であることを、06/20/07「免責不許可事由(破産法24)(裁量免責1)」03/05/10「中国の法形式主義1(法家の思想)」等のコラムで紹介してきました。
ですから、中韓両国では法治国家と言っても、その持っている意味が世界標準とはまるで違います。
アメリカは第二次世界大戦での道義的後ろめたさを隠すために、捏造歴史を日本やドイツに強制していて、このために極東軍事裁判の正当性に対する批判に対して敏感です。
これに乗って何かと言うと「戦犯国日本が・・」と韓国や中国は日本批判を繰り広げています。
今回安倍政権の集団自衛権行使容認の問題でも「戦犯国がこんなことをして良いのか・・」という批判の仕方です。
集団自衛権容認論が戦犯裁判の正当性とどう言う関係があるのか不明ですが、どんなことでも戦犯問題に結びつければアメリカが同意し、喜ぶと思い込んで来た・・アメリカが中韓両国に裏で何を言っているかが推測されます。
嘘の歴史をアメリカに強制されて教えられて来た戦後育ちの日本人が今になって「何だよ〜と)怒り始めましたが、アメリカは自分の恥ずかしい行為を恥ずかしいことだと知っているから必死に隠そうといているだけまだマシです。
中国や韓国では正義か恥ずかしい行為かの基準すらなく、専制君主やときの権力者の意向に合致するかどうかだけが基準ですし、(何かと言うとアメリカの威光を利用した「戦犯国が何を言うか・・」と言う居丈高な交渉態度に表れています・・)直接的・露骨取引が得意と言うより、これしか知らないので、自分のしていることが恥ずかしいのではないか?ということすら考えられません。
恥の文化とは内心に道義観念を持っている社会の文化ですし、恥を知らない文化とは・・そもそもこう言う社会の生き方を(人間らしい)文化と言えるのかが疑問ですが、恥を知らないということは人さえ見てなければ何をしても良い・・相手が弱くて抵抗出来なければ何をしても良いという社会のことです。
権力闘争に勝てば何をしても良いと言うのが古代からの中国地域の歴史ですし、今回の北朝鮮の粛清方法です.
(相手が苦しんでいればお見舞金を出したり支援するどころか、相手の弱みに付け込もうとするのが彼らの価値観ですから、我が国の震災被害はやっつける絶好のチャンスという程度の受け止めしか出来ないし、フィリッピンの台風被害へのお見舞いに心が行きません)
こう言う国が世界を支配するととんでもない悲惨な時代になります。
我が国では世代を越えた長期信頼関係=正義を重視する国ですから、こうした露骨な取引(あるいは大金を使ったロビー活動)あるいは人道に反する行為は苦手ですが、この結果、短期的には損をしていますが、それはそれで良いと思います。

国民の信と友好(信頼の重要性)1

日本も大震災以降貿易赤字になっているので巨額輸入があるのですが、資源国からの輸入に偏っているので、その分大多数の国に対しては輸出超過になっています。
従って「見返りに◯◯を輸入するから・・」という即物的な強い立場が成立しません。
しかし、人的信頼や友好国を地道に作るよりも、札ビラで頬っぺたをひっぱたくような取引ばかりに頼るのは危険です。
「困ったときにこそ真の友」というように、必ず直接的な見返りがないと協力しないというギスギスした関係ばかりに頼るのでは、長期的な国のあり方としてはかなり危険な態度と言えるでしょう。
個人で言えば、賄賂取引に頼るようなやり方です。
東日本大震災では、韓国が日本に同情するよりは露骨な日本批判をし日本の弱り目につけ込んでいろんなことをしましたし、・・今でも放射能汚染などの誇大宣伝しています・・。
中国は経済大国などと自慢し航空母艦を建造して大国風を吹かせながら、今回のフィリッピン・レイテ島の台風被害に対して何らの支援表明すらしませんでした。
韓国も4〜5年前のインドネシアのスマトラ沖大津波に対しても支援表明しただけで実際には殆ど資金を出さないままになっていることが世界的批判になっています。
この辺は東日本大地震に対してソフトバンクの孫正義が素早く寄付表明したものの、まだ殆ど実行していない・・マスコミ向け虚偽表明ではないかとネトウヨによって批判対象になっているのと同根です。
韓国と韓国系日本人は、早くから日本と接しているのでこうした無償行為も必要と言うことを頭では理解しているらしいものの、実際にお金を出すことになると実行し切れない心理的過渡期にあることが分ります。
中韓両国の近年の国際的大災害に対する行動を見ると、即物的対応以外に価値を置かない国民性の脆弱性を表しています。
いわゆる「ゲンキンな人」の生き方を国全体で未だに表明しているのが中韓両国政府ですが、こんなことで世界の大国としての尊敬を集められると思って信じている・羞じない状態が怖いところです。
恥ずかしいことか否かの基準すらないのですから、親鸞の言ういわゆる「善人です」から手に負えません。
もしもこう言う国が世界制覇すると世界中が恐怖政治に陥るでしょう。
折しも数日前から、北朝鮮での権力闘争の結果、No.2の張成沢氏が身体が粉々になるほどの機関銃による大量射撃による銃殺を受けてその場で火炎放射器で焼き尽くされるという大虐殺行為がわざわざ北朝鮮政府によって?公表されたようです。
公開処刑は見せしめのためにやるものですが、今回は残虐性の度が過ぎているので世界中を驚かせました。
北朝鮮の残虐な粛清が報じられると歴代中国の残虐な歴史を想起する人が多いでしょう。
中国の歴史では、政敵をカマゆでにして子供に無理に食べさせるなど常軌を逸した残虐行為が行なわれてきました。
実は同時期に中国でも、習近平新政権成立に絡んだ権力闘争・・薄煕来事件処理とその後ろ盾の大物周永康氏の動静不明のママ・粛清事件がまだヤミの中に沈んでいます。
中国社会・政治体制は北朝鮮の巨大版でしかないことを繰り返し書いてきましたが、中国は北朝鮮の粛清に対する世界の反応を見て、周永康氏の処刑を発表するかどうかを計っているのでしょうか?
こうした連想を呼び起こすために特定マスコミが作為的に残虐報道を世界中駆け巡らせて現在中国の残虐性を連想させて浮かび上がらせる役割を果たしているようです。
今朝のカジカ文庫には、宮崎正弘氏のこういった意見・・「粛清関連のニュースが全て香港発というのは怪しい」という視点の意見・・ブログが掲載されています。
中韓両国では専制政治の経験しかなくて、権力者は暴動が起きて王朝が倒れるまで恐怖政治をすれば良いという価値観で来た結果・・そう言う歴史しか知らないからでしょう。
専制政体では、民意の支持によって政権運営するのではなく、権力闘争に勝ち抜きさえすれば何をしても良いというのが秦の始皇帝以来の東洋的専制君主制の帰結です。
こう言う価値観・政体しか知らない社会では、国民の信によって政権が存在すると言う価値観が容易に理解出来ません。
政権が信頼によらない社会では、商道徳の世界でも目先の金になるか否かが全てであって信用など二の次になり易いのでしょう。

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