中国動乱の危険性2

中国分裂(期待)論は、割拠状態になるのを期待しているのでしょうが、そこまで至るには容易ではないし、分裂国家状態実現可能性は滅多にないし、割拠状態に移行するまでの間日本にとって非常に危険な期間となります。
割拠状態が安定するまでは、兵器補給が死活問題ですので外国勢力を味方に付けたい意欲も高まります。(台湾政府は米国兵器の補給があって独立を維持できています)
他方で、競争優位に立つためには、民族意識鼓舞が常套手段ですから、それぞれの軍閥が兵器補給に関係のない特定外国人・企業排撃を強化宣伝が始まります。
今の中国が経済危機意識の高まりに比例して反日教育の熱を上げるようになったのと同類です。
中国では、経済危機発生に備えて長年反日教育をして来たのですが、反日では余計経済が駄目になって内政危機になることが分ったので、今のところ仕方なしに小休止気味です。
ところが、ナマの軍事衝突段階では長期的に見て経済にマイナス効果が出るか否かよりは、目先の戦闘に勝つこと・・支持者集め・・兵士補給が優先になります。
このときに既存の反日教育に乗っかるのがリスクが少ないし、合理的(省エネ)ですから標的として日本人が選択される可能性が一番高いので、日本は要注意です。
この間、各軍閥が個性発揮してくれて、特定軍閥が日本を贔屓にしてくれれば良いのですが、日本の援助を受けると敵対勢力から、格好の攻撃材料にされてしまいます。
抗争が激しければ激しいほど横並びになって反日競争になる可能性が高くなります。
横並びで反日を強調するようになると、他との違いを出すために(残虐行為の好きな中国の場合)日本人に対してどのような残虐行為をやっているかの残虐競争・・日本企業に対してどのような排撃行為しているかの宣伝競争になりかねないので、非常に危険な状態が予想されます。
嫌中韓派の期待どおりに習近平政権が弱体化するよりは、習近平の汚職摘発名目の粛清・恐怖政治が成功して恐怖政治国家に落ち着き、社会が停滞したままにしておくのが日本にとって一番有利ではないでしょうか?
マスコミでは相手国を豊かにするのが平和共存に最適であるかのように宣伝しますが、それは良く言われる中韓の回し者の意見でしかありません。
中韓の場合、日本侵略・・日本人奴隷化を基本目標にしている国ですから、彼らが反日教育をやめない限り彼らが豊になるように協力するのは、日本人をその内に彼らの奴隷にしてしまう策略に組することになります。
韓国が日本の協力で豊かになり、競争力のある企業が出来て来た途端に傲慢になったことを知るべきですし、中国が少し力をつけただけで対外侵略を堂々と始め挑戦的になったことを教訓にすべきです。
韓国は虎視眈々と日本侵略を本気で狙っていますし、(韓国の軍備は日本を標的にした装備を中心に充実強化しています)中国はまだ勝てないことが分って自重しているだけです。
中韓が反日教育姿勢をあらためない限り、豊かになれば日本侵略欲が強くなるだけで危険ですから、協力しない方が良い・・恐怖政治でも何でもやって自分達で発展阻害し合っているのがちょうどいいのです。
豊かになれば礼儀を知って、大人しくなる国民性ではなく、豊かになれば傲慢になり、無茶苦茶やって良いと思っている国民ですから、日本の価値観で接しても意味がありません。
古代ローマ人と現イタリア人とは同じではありませんし、アメリカインディアンとアメリカ人は同じではありません。
諸子百家時代の民族と今の中国人が同じと限りません。
日本にはいろんな思想のエキスが入って良いものだけを大事にして来たのですが、中国現地人はその内悪いものだけ好んで承継して来たようなところがあります。
同じものを見ても、良い部分を見る人と悪いことばかり見る人がいるように、民族によって、受け止める方向が違うのです。

中国動乱の危険性

反対勢力が盛り返して習近平が失脚しそうになれば、健康不安等を理由に穏便に辞職すれば何とかなりますが、互いに譲らないで権力闘争が表面化して来ることもあり得ます。
こうなると普通でも困難な状況になっている経済政策がそっちのけになる結果、経済混乱が加速してまさに共産党政権が倒れる・・中国動乱の切っ掛けになる可能性があります。
習近平弱体説・・基盤が弱いから対外強硬姿勢をとるしかないのだと言う意見は、中国の混乱を内心期待している意見です。
しかし、以下に書くとおり中国動乱は簡単には起こりませんし、仮に起った場合、日本にとってかなりリスクの高いことになります。
動乱あるいは内部抗争が激烈になるよりは、習近平が権力を手中に収めて、恐怖政治をしている方が日本にとって有利なのです。
4〜5千万人も餓死した大失政時にも、華国鋒国家主席の失脚時にでも、共産党政権は倒れませんでしたが、今回はどうでしょうか?
何回も書いていますが、現在社会では政府軍の火器が強大なために外国の介入がない限り民衆の蜂起による政権転覆は、殆ど可能性がありません。
リビヤの騒乱やシリア内戦にしろ、ウクライナ東部内乱状態にしろ、全て外国からの武器や人材流入があってこそ成立するものです。
共産党政府内の権力闘争が表面化する程度であって、国民には関係なく進む可能性が最も高いように思えます。
その間、権力抗争上対外強硬論の競争になりかねませんので、周辺国は大迷惑を受けます。
周辺国と言っても日本以外は領土をかすめ取られるくらいですが、中国にとって日本は不倶戴天の敵扱いですから、イザとなれば何をするか知れません。
この抗争が長引いて(各部門トップが敵対する派閥の指示に従わなくなるなど)政府の意思決定過程がうまく行かなくなるところまで行けば、一種の無政府状態化してきます。
この状態が長引くとさしあたり中央の軍が出て来てエジプトやタイのような軍事クーデターに発展するのでしょうが、各政治グループと結びついている各地軍閥がこれに従うかは別問題です。
現在の中国の軍区制度は清朝末期のような軍閥・・自分で軍を養う能力を持っていませんので、地方に割拠して長期的に中央に抵抗できません。
ただ長期補給を前提にしない短期行動は手持ち兵力で起こせますので、各地軍閥が中央の混乱を統一するとして、蹶起する可能性が出て来ます。
古代から節度使や軍閥自立の歴史経験があるので、混乱が長引けば経済自立を簡単に果たす・・軍区支配内で税を取り立てるのに成功する軍閥が出て来てもおかしくありません。
中国が分裂するシナリオとしては、軍閥の乱立による内乱によって最後は勝ち残った軍閥による新政権樹立と言うパターンがもっとも想定される可能性ではないでしょうか?
決着がつく間・・もしかしたら100年単位の時間軸で地域的に分裂したままになる可能性があります。
・・古くは魏晋南北朝(5胡16国)や唐宋間の5代10国時代や今の台湾のように、その間それぞれが独立国として世界と外交関係を結んで行く状態で、安定する時期が続くかも知れません。
そうなれば日本は分裂支配国全てと仲良くして行けば良いことですし、各軍閥は今の中国よりは辞を低くするしかないので、横柄な態度を取らないで、世界に対して友好的な平和国家になる可能性が高いでしょう。
内部抗争開始後5〜10年と言わずに出来るだけ短期間に割拠した安定状態に到達してくれるのが、我が国にとってはもっとも望ましい状態です。

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