欧米覇権終焉の開始2

アメリカは日本占領政治によって民主化に成功したと誤解し,あるいは虚偽発表宣伝していますが、日本社会は昔から民意重視で来たから「民意重視」と言う法制度がなくとも民意無視した政治をすることは出来ません。
これをはっきりさせたのが武家政権の成立でしょう。
文化人は西欧をモデルにして階級制度をしきりに日本に当てはめようとしていますが、武士の場合お城から家に帰れば自分で農耕にいそしむのが普通でした・・(徳川家康の生涯をみても日頃農民をやっているのが彼の側近でした)この辺は江戸時代300年変わらず、兵農分離の実態として以前に書いたことがあります。
要するに政権は現場に密着していたのが日本社会です。
本当に分離していたのは、江戸の旗本やご家人だけであったと言う意見を書いたことがあります。
その代わり江戸等の都会の武士は、戯作を書いたり俳諧の芭蕉に始まり、浮世絵の酒井抱一や平賀源内その他のみんなスキにいろんな職業に転じています。
特別な才能のない下級武士は、傘張り、妻は縫い物?をしたりしてそれぞれ商人の下請け内職に励んでしました・・全て生活者だったのです
元々アメリカ以上の民意重視社会でしたから、アメリカが宣伝するような軍事独裁国家ではなかった・・軍国主義国家と虚偽宣伝して「占領軍が民主化した」と虚偽宣伝してうまく行ったように見えているだけです。
何回も書いていますが農地解放は戦前から地道に計画して進めていた結果を占領政治の成功例として発表しているに過ぎないし、男女同権も日本は革命や法制度などなくとも、江戸時代から元々女性が家計や家族内の決定権を握っている点は変わりません。
明治維新で日本よりも千年単位で遅れているフランス法(西欧では最先端でした)が入って来て、イキナリ、女性の無能力制度になって裁判実務が困っている状態を05/04/10「ジェンダーの成立2(妻の無能力制度1)」以下で書いたことがあます。
以上は最近の国際現象ですが、この数年前からアメリカの権威崩壊が始まりつつあった段階で、アメリカの差し金で中韓が日本批判を繰り返しているのではないか?と言う疑念が日本に広がり始めていました。
ここでアメリカは日本人をこれ以上怒らせるメリットはないし、目先のアメリカの権益維持に何の価値もないことから、日中韓の喧嘩を煽っている余裕がなくなってきました。
アメリカはさしあたり日本叩きを先送りしてでも、中韓に対して反日運動を唆していたはしごを外すしかなくなったので、慰安婦に関する報告書が遂に外に出るようになりました。
ただし、南京虐殺がなかったデータは出しません・虚偽データをもとに東京裁判で戦犯処刑しているからですし、韓国には煮え湯を飲ませても良いが、中国へのカードをまだ温存したいからでしょう。
以下のとおりの事実公表に至っています。
http://www.sankei.com/world/news/141127/wor1411270003-n1.html
2014.11.27 05:10米政府の慰安婦問題調査で「奴隷化」の証拠発見されず…日本側の主張の強力な後押しに
「米政府がクリントン、ブッシュ両政権下で8年かけて実施したドイツと日本の戦争犯罪の大規模な再調査で、日本の慰安婦にかかわる戦争犯罪や「女性の組織的な奴隷化」の主張を裏づける米側の政府・軍の文書は一点も発見されなかったことが明らかとなった。」
「米政府の調査結果は「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)米国議会あて最終報告」として、2007年4月にまとめられた。 米側で提起されることはほとんどなかったが、慰安婦問題の分析を進める米国人ジャーナリスト、マイケル・ヨン氏とその調査班と産経新聞の取材により、慰安 婦問題に関する調査結果部分の全容が確認された。
調査対象となった未公開や秘密の公式文書は計850万ページ。そのうち14万2千ページが日本の戦争犯罪にかかわる文書だった。」
日本に関する文書の点検基準の一つとして「いわゆる慰安婦プログラム=日本軍統治地域女性の性的目的のための組織的奴隷化」にかかわる文書の発見と 報告が指示されていた。だが、報告では日本の官憲による捕虜虐待や民間人殺傷の代表例が数十件列記されたが、慰安婦関連は皆無だった。
報告の序文でIWG委員長代行のスティーブン・ガーフィンケル氏は、慰安婦問題で戦争犯罪の裏づけがなかったことを「失望」と表明。調査を促した在米中国系組織「世界抗日戦争史実維護連合会」の名をあげ「こうした結果になったことは残念だ」と記した。」
以上によれば、2007年に公式報告されていたのに、これが14年暮れまで公表されていなかった?マスコミが何故か報道しなかったのです。
「戦争犯罪の裏づけがなかったことを「失望」と表明。調査を促した在米中国系組織「世界抗日戦争史実維護連合会」の名をあげ「こうした結果になったことは残念だ」と記した。」
とあるように元々日本の戦争犯罪を証明するため始めたものですが、何の証拠もなかったことが明らかになって「失望」していたのがアメリカ政府関係者です。
8年前からスタートしていたと言うことは、その前の調査必要性に関する議論や組織造りや立案等があって、約10年前・・江沢民氏の反日宣言とほぼ同時期に動き出していたことが分ります。
慰安婦騒動については朝日新聞報道による宮沢首相の「調査なき謝罪 」は平成4年1月11日で,以来激化の一途をたどり、朴槿恵大統領が一段と激化させたのは2013年のことですからアメリカ政府は、客観事実をとっくに知っていたのにアメリカでは悪意でこれを隠していたとしか思えません。

欧米覇権終焉の開始1

ロシアや中国がアメリカのヘゲモニーを堂々と争う状態になってきたのに対して、アメリカは、どうすることも出来ない状態が続いています。
アメリカの威信ががた落ちになって来ると最近では近代以降長年欧米に忠実だった地域大国トルコまでもがアメリカのヘゲモニーに挑戦するかのようにロシアに急速接近し、シリア内戦ではアメリカの言うとおりしない・更には国内人権弾圧批判に対しても欧米の批判を受け付けなくなっています。
元凶は中国の人権侵害や国際ルール無視を欧米が(巨大市場に目がくらむ一方で対日牽制もあって)大目に見て来た(裏からみればすり寄って来た)ことで北朝鮮が図に乗るし、その他中小国も便乗・・図に乗って来たと言うべきでしょうか?
ロシアのクリミヤ併合も中国と組めば(原油等の資源も買って貰える→その分中国のロシアに対する貸しが出来て中国の立場が大きくなる)それほどの孤立はないと言う読みがあってのことです。
フィリッピンの新大統領の傍若無人ぶりもイザとなれば中国と組む選択肢があってのことと思われます・・フィリッピン完勝の国際司法裁判所判決が出たばかりで日米が判決を守れとASEAN首脳会議で力説しているのに被害国の同大統領は中国に対して何の要求発言もしませんでした。
日米の主張・・国際秩序尊重の主張は穴の空いている風船を膨らませるような結果になってしまいました。
アジアではフィリッピンのような小国大統領でさえ、欧米の国内人権批判に開き直るどころか、ASEAN首脳会談時でのオバマ大統領と会談予定直前にオバマ氏に対する侮辱発言までする始末です。
この発言に対し、オバマ氏が「溜まらず?」首脳会談予定を取り消す異例の事態になりました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160906-00000024-jij_afp-int
AFP=時事 9月6日(火)14時31分配信
「ドゥテルテ大統領は5日、タガログ語で「売春婦の息子」を意味する言葉を用いてオバマ大統領を罵倒していた。
両大統領は6日午後に米比首脳会談を予定していたが、5日のドゥテルテ大統領の発言後、米国側が会談を取りやめている。」

アメリカの権威失墜状態は大国中国+北朝鮮→ロシア→トルコ→フィリッピンへと、螺旋状に進み始めています。
さしあたりごろつき集団化に打つ手がない状態が始まっているとも言えますが、アメリカの権威低下傾向に嫌気をさしてトランプ氏のように「世界秩序など関係ない」と言い出せば18〜19世紀の弱肉強食時代が再開されます。
腕力はあるが総合力の劣る中国とロシアは、「腕力優先→道義や民の福利はその範囲で守れば良い」と言う前近代的国際秩序が居心地が良いのでしょう。
「俺には俺のルールがある」とローマ法王と絶縁してイギリス国教会を作ったイギリスのヘンリイ8世の支配程度が似合っている国の方が多いような気がします。
フィリッピンでは麻薬撲滅などの分野では、欧米的民主的手続など言ってられない状態にあることも分ります。
綺麗な本社ビル・宮廷内では、背広や礼装が似合うでしょうが、作業現場で背広が似合わないのと同じで,ルールもTPOが求められます。
中小国が何故腕力基準が第一で道義は二の次の国になびくかについて、国益よりは自己保身・・目先利益誘導(賄賂攻勢)に弱い指導者が多いと言う意見もありますが、それよりは、上記のとおり国情に合わない基準を押しつけられる問題点の方が大きいように見えます。
田沼清治の後を継いだ松平定信の政治を批判した
 「白河の 清きに魚も 住みかねて もとの濁れる 田沼恋しき」
で知られるように、物事には場面ごとのルールが必要でしょう。
アメリカで銃の所持規制出来ないのは,国民底辺層のレベルがまだその段階にあるコトを表しています。
またデュープロセス重視の連邦最高裁判所判例の結果、法的手続に乗れば、完全な人権が保障される代わりに、現場射殺が横行している現実をこれまで何回も書いてきました。
これの二重基準をフィッリピン大統領が公式に奨励し,今まで2000人殺したとか自慢していることをアメリカやフランンスでは、実際に現場で(こっそり)行なっていることです。
こっそりとやっている結果、黒人中心に射殺対象になっていることが黒人の不満・・この数年黒人射殺事件の度に暴動発生に繋がり、問題点として浮かび上がっています。
フィリッピンの場合目の前で漁場を武力で中国にとられている状態で中国には何も言わない・・そんなことよりも人権侵害批判を言うオバマに悪態をつく指導者が生まれています。
トルコはEUに加盟したいがために欧米基準に合わせて死刑廃止していましたが、欧米のヘゲモニーが揺らいだこの機会にエルドアン政権が死刑復活を言い出しました。
欧米は国際ルールの主導権だけが守れれば良かったのに内政にまで口出しし過ぎて命取りになった印象です。
領土の一部をとられてもその部分だけですが、内政全部に口出しされる害・・イラクのフセイン大統領あるいはリビヤのカダフイ大統領殺害・によるその後の大混乱・シリアへの内政干渉による収拾のつかない混迷はその代表例です・・の方が大きいと言うのが今の方向性でしょう。
国民は独裁でも前の安定していた統治の方が何倍も良かったと言うのが普通の考えでしょうう。
独裁で良いかどの程度までの独裁権限まで許容するかはその国民が考えることであって、アメリカや西欧が口出しすべきことではありません。

西欧と中国接近の終焉3

中国による目に見えない優遇を受けて漸く存続出来ている(と言うのは言い過ぎとしてもかなり恩恵を受けている)独仏等西欧系の企業群は、今後中国の外貨準備に限界が来てしかも中国企業レベルが独仏企業に追いついて来て競合関係になると韓国企業のように細かな嫌がらせを受けるようになって、一気に惆落するリスクが分って来たようです。
韓国のようになって良いのか!と言う脅かしが利いていて中国の気に入らない発言が出来ない状態になっていたのかも知れませんが,中国による韓国の切り離し以降この脅しが逆に利かなくなって来た印象です。
中国が改革解放直後右も左も分からない時点での日本べったりから手のひら返しの反日、次いで利用価値のなくなった韓国の切り放しとなれば、西欧だって次は自分か?と不安を抱くのが普通の智恵です。
中国のゲンキンな態度には西欧も驚いたでしょうし、大言壮語に(半信半疑で?)期待していたものの、中国の底力の程度を知ってしまった・これ以上中国寄りの姿勢をとるのはメリットが少なく逆にリスクが大き過ぎると西欧諸国も方針を変え始めたように見えます。
ウクライナ問題で孤立していたロシアも中国寄りになっていて韓国同様に軍事パレードに出席しましたが、大言壮語の割に何らの見返りもなかったので、中国離れに動き始めています。
習近平の昨年の英国訪問時の無礼な態度を今更言い立てるイギリスに象徴されるように年末頃から、潮目が変わり、伊勢志摩サミットでは、「海洋秩序を守れ」と言う日米主導のサミット声明発表に肝腎の西欧首脳が反対してくれない・・日米の主張に西欧が同調する事態が生じました。
今回のサミットでは対中国批判宣言がいくつも出てしまった・サミット首脳9人中西欧首脳6人も占めているのに、中国支持の発言を出来なかった事実・・中国の札ビラ外交・・非公式優遇による勢力圏引き止め工作の影響力が落ちて来た証拠です。
独仏等に中国支持の発言をさせなかった安倍総理の価値観外交の勝利かも知れません。
日経新聞5月28日朝刊5pには、「フランス政府当局者はこう言い切る」「南シナ海問題で航行の自由を書くのは良いが中国名指しは困る」日本は欧州の空気を踏まえ首脳宣言で名指ししなかった。」と書いています。
ただし今回のサミット首脳宣言には、海洋秩序とサイバーテロや鉄鋼過剰生産問題など名指しこそないものの内容から見て中国批判が4個もはいっていてもう1つは北朝鮮問題です。
名指しさえしなければ西欧諸国が同意するようになったのは、英国訪問時の習近平の無礼が最近大騒ぎになって来たように、中国の魅力が(資金枯渇)薄れて来た現れでしょうか?
この基本記事はサミット直後の28日に書いておいたものですが、その後更に国際情勢が進展し6月5日にはフランス国防大臣が以下の通り踏み込んだ発言をするようになっています。
産經新聞ニュースからです。
http://www.sankei.com/world/news/160605/wor1606050017-n1.html
「フランスのルドリアン国防相は5日、欧州連合(EU)各国に対し、南シナ海の公海に海軍艦艇を派遣し、定期的に航行するよう近く呼び掛ける考えを明らかにした。シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で述べた。」
サミットでは名指し声明に反対していたフランスが僅か1週間後には、EU各国の軍艦まで出すベシと自分から主張する・・推進側になっているのですから、大変な変わりようです。
もしかして伊勢志摩サミットで日本の主張に反対しなかったことで(韓国製電池利用車だけ補助金対象から外したような)すぐさま中国から明からさまな仕返しを受けたので、アタマに来たのかも知れません。
中韓はすぐに仕返しする文化ですし、西欧もすぐに反応するので分りよいレベルです。
国際社会は中国の落ち目を明白に意識し始めた・・伊勢志摩サミットから僅か1週間でこの変わりようです・・「金の切れ目が縁の切れ目」と言うゲンキンな低レベル社会です。
これに対して昨日午前2時頃には尖閣諸島接続水域に、ロシア艦艇数隻がはいったのに乗じて中国のフリゲート艦が侵入したニュースが昨日夕刊に出ています。
今まで軍の払い下げと称して海艦と称する公艦が事実上領海侵犯を繰り返していましたが、現役の海軍艦艇が接続水域に侵入したのは初めてのようです。
軍が領海侵入の前触れとして行動を始めたすれば非常に危険なことですが、ここまで国際的に追い込まれるとこの時点で何かしないと中国のメンツがたたなくなって来たのでこんなことしているのでしょうか?

西欧と中国接近の終焉2

中韓と西欧の緊密化の原因をどう見るかは別として、結果的にこの数年ではっきりと日米対中韓+西欧の陣営に分かれて来た・・アメリカと価値観共有していた筈の西欧が中国の人権侵害や国際ルール違反には目をつむり陰に陽に中国応援をするようになっていた事実を直視する必要があります。
中国の開放政策採用以降中国自身も日本の教えを請うばかりの弟分扱いは我慢がならない・・卒業を究極の目標にしていたことは当然ですし、ちょうど欧米による日本台頭阻止の底流と合致していたこともそのとおりです。
韓国は言うまでもなく日本に支配されていたことに対する報復チャンスさえあれば飛びつく関係ですし、日本がいなくなれば韓国の対中貿易が大幅に伸びる関係です。
勿論西欧にとっても韓国が日本の穴を埋め切れない高度製品に関しては、日本の穴埋めを狙えます。
関係者みんな良いこと尽くめの対日包囲網が出来上がっていたのです。
(ただしロシアが何故参加したか不明です・・ただどんなときでも弱っているのがいたら付け込みたい民族性だけでしょうか?)
約30年かかって中韓の地力が蓄えられ反日包囲網が完成し、チャンスを待ち構えていたところに親中韓政権が出来、地震が起きた・・未曾有の大チャンスが来たと思ったのでしょう。
中国の西欧や韓国企業優遇については、以下の通り非公式の優遇策が複雑に用意されて来たと思われます。
中国の猛反発にも拘らず、5月27日のサミット宣言になった中国の過剰生産品規制宣言関連記事では、中国では以下の引用のとおり何と鉄鋼だけで44件もの補助金が出ていると報道されています。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20160527.htmlからの引用です。
米国は不退転の決意で臨む補助金で輸出する違法商法
「中国の補助金は、ゾンビ企業を延命させる上で大きな役割を果たしている。この補助金は、国際的に禁じられている輸出補助金となっている。中国の鉄鋼製品では、補助金の種類だけで何と44件にも達するという。」
上記のとおり背に腹を代えられないダンピング認定のための綿密なアメリカの調査力があってこそ、44件もの項妙な補助制度を拾い出せたのでしょうが、西欧や韓国に対する進出優遇策・・土地取得の便宜〜許認可の便宜・・日本企業にはいくらでも手間ひま掛けさせて嫌がらせするなど・・差別化が簡単です。
中国による英独仏等西欧諸国優遇の実態は間接の間接と言う複雑な仕組みにして、簡単には分らなくなっているでしょうが、相当なものがあると想定されます。
お気に入りの国にたいする依怙贔屓的外資優遇策にはダンピング調査の対象にはなりません。
日本企業追い出しのためにサムスンその他韓国企業を複雑な補助政策で応援していた結果、この4〜5年で韓国の対中貿易黒字が巨額に膨らみ,(5月19日に紹介したとおり、12年は628億ドルの黒字=円で約7兆円・・韓国の経済規模にとっては目のくらむような黒字額です)韓国はその圧力で中国の言うとおり・・パク大統領は属国扱いされても恥を忍んで従うしかなくなっていたと想定されます。
折角中国の属国扱いされるほどすり寄っていた韓国に対する中国のご褒美は何だったかとなります。
中国はイザと言うときに北朝鮮に対する何らの影響力も行使出来なかったし、韓国企業と競合が始まると経済原理にそのまま従うだけならばまだしも、逆に韓国が作っている電池だけ優遇から除外するような姑息なやり方で韓国自動車の売上が急減しているなど、韓国に対する露骨な障壁を設けて韓国の対中貿易黒字が急減状態に陥っています。
世話になった日本を足蹴にして追い出したように、中国は自国企業が韓国との競合品を作れるようになると2年ほど前から、(反韓運動をしないだけで邪魔になればこう言う扱いです)韓国企業閉め出しに動き、13年1年間だけで対中貿易が12%もの縮小です。
韓国の対中貿易黒字と減少幅については5月19日に勝又氏の『朝鮮日報』(11月4日付)の引用記事の引用で紹介しましたが一部再録しておきます。
「13年の628億ドルから昨年は552億ドルへと 12%減少したと指摘。今年1~9月の黒字幅も353億ドルで、前年同期(404億ドル)を13%下回っている。」
属国扱いされても我慢して従っていた韓国も遂に堪忍袋の緒が切れた?中国の機嫌を損なわないために長く受入れに承諾してしなかったアメリカのTHAAD・ミサイル迎撃システム受入れに(但し中国のミサイルを探知出来ない方向しか設置させない?条件付き?)舵を切りました。
ドイツの代表企業フォルクスワーゲンが世界販売の4割も中国に頼っているのですから、韓国のような憂き目に遭うのでは死活問題と思われます。
西欧は中国の言いなりになるか、少なくとも積極的に不利な発言を出来ない状態になっていたと思われます。
上記の韓国切り離しの結果、中韓+西欧の事実上の対日包囲網にほころびが出始めました。

西欧と中国接近の終焉1

マスコミは何故かEUの真似をするようにしきりに宣伝して・・これに反する主張・・移民流入反対論が出ると「極右政党」台頭などと紹介していますが、何を根拠にメデイアが「極右」のレッテル張りをしているのか不明です。
言論の自由を自己の存立基盤とするマスコミが、レッテル張り=気にいらない言論封殺に精出しているのが不思議です。
マスコミの中立性に鑑みるとマスコミ界一致でドイツやフランスの民族主義的政党を「極右」と一方的評価概念で紹介し宣伝すること自体が中立性違反です。
トランプ候補であれ、紹介するならばありのままの事実報道すべきです。
日本国民がマスコミの偏った宣伝に乗らないで新興国からの下層労働力や資本導入を拒んで平均値を上げる努力をしているのはむしろ良いことです。
高齢化現象には若い移民を入れて誤摩化すのではなく、高齢者や女性も働ける・社会参加出来るような補助的道具(ロボット技術)インフラ(各所のトイレ設置やバリヤーフリー化や高齢者の移動負担をなくすなど)の工夫など先進的対応こそが重要です。
昨日中国資本によるイタリアサッカー名門の買収事例を書きましたが、企業買収を受けるのでも自国企業より優れた企業から買収されれば、先端技術を訓練してくれるので自国企業・労働者のレベルアップになりますが、タイやインド中国資本による買収の場合・・自国企業の優れた技術を本国へ持ち帰るのが目的ですから、後進国から買収されても自国企業の技術が流出し駄目になるばかりです。
シャープで言えば潔く解体して、役に立つ技術者は国内企業で再雇用することこそが国益だったのではないでしょうか?
30日に紹介したタタ製鉄その他アジア諸国からの企業買収は正に野蛮国に侵略された国のような結果になります。
先進国に支配されると学ぶことがありますが、後進国の野蛮・暴力だけでで支配されると文化が停滞します。
中国は過去2000年間文化的に劣った五胡(西域)〜モンゴルや清など異民族支配を繰り返し受けて来たから文化。社会レベルが停滞したまま(異民族支配が続くと社会のために尽くす気持ちが失せる・・拝金主義・・目先利益に走る民族性)になったのではないでしょうか?
西欧は日本排斥してその代わりに日本の部品を利用した中韓の疑似技術品輸出で満足しているのは、言わば中国人が握っている寿司を日本のすしのつもりで喜んでいるようなもので、本物を知らない状態です。
中韓が頻りにドイツの反省?を引き合いに日本非難するのは、約30年にわたる排日姿勢で共通していたこととこの間の経済交流を通じて欧州との排日意識一体感形成の自信・・陰で西欧の支持があると読んでいるからです。
企業の発展と退歩の歴史を見ると、政商・・政治的配慮による優遇政策に頼るようになると却って自由競争下での品質向上能力が損なわれてしまうのが普通です・・EU諸国企業で言えば、域内外を隔てる防壁による優遇・政治利用による中国での優遇で正常な競争がないまま売上が伸びると、どうなるかの実験です。
15年の中国の国内クルマ販売数が世界の25%程度しかないのに、フォルクスワーゲンの中国での販売数が世界販売の4割も占めていることを19〜20日ころの新聞記事で紹介しましたが、中国市場だけで何故4割も売れるの?と言う疑問です。
ちなみに、https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_usa_2016によれば今年4月のアメリカにおけるワーゲンのシェアーは僅か1、8%です。
アメリカで特別嫌がらせを受けているのかどうか分りませんが、世界企業が特定国で突出しているのは政治的思惑で優遇してくれないよその国で競争力低下し始めたと評価すべきでしょう。
中国国内の日本企業の力を殺ぐためと国際政治で西欧が反中国の動きに同調しないように、韓国や西欧各企業は目に見えにくい優遇を受けて来たと想定されます。
中国による南シナ海での覇権主義的行動に対する日米の批判に韓国政府は一切同調しませんでした・・フィリッピンなどの「海洋秩序を守れ」と言う要求にASEANの中で中国から援助を受けているラオス・カンボジアが同調しない・・声明に反対するのと同じスタンスを守り切っています。
次期ASEAN会議の議長国として5月にサミットの拡大会合に招待されたラオスが「当事者による話し合いが重要」と言い張りつい日米の主張に同調しませんでしたが、西欧首脳にもこれを期待していたのです。
中国は、元々EUの反日姿勢に迎合し救済的資本投下に協力して来たうえに自国内で西欧系企業を優遇して来た中韓が、自分が反日を始めたときには当然EUが応援すべきと言う気持ちだったでしょうし、昨年夏の上海株価暴落あたりまではこの癒着関係が何とかなっていました。
そのうちに中国企業のレベルアップによって西欧系企業と競合するようになり、合わせて中国が経済合理性に反した面倒を見る資金余裕がなくなると西欧商品は用済みになるリスクがあります。

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