少子化の原因(富裕化と底辺層の男女同一賃金化)

出産・育児・種の維持保存行為は、本来親子の血統の強調によるのではなく、人類・社会に責任があるのですから社会負担化を進めるべきです。
社会化の進展途中・・不十分な現状では子育てコストを一族や親族・大家族更には核家族個人(夫婦だけ)へと順次変更しながら委ねて来たのですが、核家族化社会で男女同一賃金化が進行して来ると夫婦で一人前ですから、夫に子育て責任を負わせても、子育て中に無収入化する妻の分だけ生活費が足りなくなります。
これに対する社会の下支えが必要になってきました。
経済成長による富裕層の増加は一般的に少子化になり易いのですが、富裕化しない中間層でも女性の職場進出・生活力獲得によって、女性の子を産む意欲低下・・子を産まないと養って貰えないとする環境がなくなり・・結婚願望が後退して来たのは社会高度化の恩恵部分でもあります。
他方で自活能力の低い低所得層の女性は従来通り出産願望が強いままであっても、末端・現場労働系では若年層の低所得化・・・男女合計では同じとしても男性一人では出産育児中の妻子を養いきれない状態になりつつあります。
実際には出産抑制するのは一部ですから、多くの場合産んでしまってから貧困に直面して、給食費の未払い等が発生するようになったのです。
ここでワークシェアリングと少子化の関係を見ておきますと、国民総生産が同一の場合、ワークシェアリングで労働力を2倍にすれば一人当たり所得を半分にするしかないので、男女同一賃金化→男性の低賃金化が論理的必然です。
エリート系男性は今なお充分な所得を得ていますが、市場原理の働き易いフリーター・非正規雇用職場(例えばコンビニの店員など・・)では男女等しく低賃金化傾向が顕著です。
男女2人で働いて従来の男性一人の収入と同じになるのは一見公平な感じですが、子供を産み育てる場合を考えると出産によって妻が無収入化・出産後短時間労働しか出来なくなると男性の収入が数十年前の半分のままではやって行けません。
(コンビニの店員では、扶養手当もないでしょう)
この結果、末端職種の次世代若者が子育て負担に耐えられなくなるので、親世代の援助のない若者は子を産み育てるのが困難になって行きます。
この問題の解決には、底辺層の生活費不足分の支給は一種の対症療法でしかないので、原因の除去・・女性の出産による退職を阻止し、産休期間の収入保障・・失業保険同様の出産保険制度を造って2年間支給するなどが必要になることが分ります。
子供手当等よりは、この方面の手当の充実・・たとえば産休期間の長期化・その間の失業手当類似の支給制度を造り、育児しながらの職場復帰を容易にする(子供が10歳になるまでしょっ中休むことが多いので、この間子供の年齢に応じた企業への補助金交付など)こそ必要な施策ではないでしょうか?
我が国では、富裕化と女性の社会進出の増加による少子化進行に加えて底辺層が出産すると経済的に困難に直面することがあいまって、産業革命以降爆発的に増え過ぎた人口増の歯止め・・(明治以降人口が約3〜4倍になっています)・・人口縮小へ向かう切っ掛けになっているのですから、自然の摂理とも言えます。
以上によれば、政府の子供手当等の金銭面での助成策は、富裕化による少子化進行には何の効果もなく、少子化傾向の中の低所得層向けに若干の(本来は出産前後の失業を防止することですが・・)効果のある政策となります。
産業革命の先行者利益によって爆発的に増えていたわが国や先進国の人口が適正なところ(産業革命前の水準まで戻って)に落ち着く頃には、子育ての社会化が完成し、再び均衡関係(合計特殊出生率2)になるのでしょう。
ともかく、今のところは19世紀以降の産業革命によって増え過ぎた人口の減少策こそが世界全体で喫緊の課題です。
中国や新興国が遅れて近代化が進むに連れて人口爆発しているのですが、充分に増え過ぎている我が国や先進国が新興国と競争して増やして行くのは大間違いです。

これからの男女関係2

最近相談に来た事例では、結婚数ヶ月後に夫が仕事を辞めて実家に帰ってしまい夫婦の家に戻って来ない事例が2件も続きました。
1件は妊娠中でしたので中絶し、もう1件は既に赤ちゃんを抱えているのに夫が帰って来ないのです。
どちらの件も、夫はあえて(病気でもないし勤務先からやめてくれと言われてもないのに)結婚当時の勤務先を辞めてしまい、夫の実家で無職居候中です。
彼らの主張は、「弁護士相談したが、収入がないので中絶費用も負担する必要がない」と言う従来の社会常識から考えれば破天荒な主張です。 
婚姻破綻の原因を作った夫の方が離婚に際しての慰謝料を払う必要があるか否かは別として、離婚していない段階での婚姻費用分担としては、双方の収入を基準にするしかないので、彼らが弁護士相談した結果どおりと言うしかありません。
ともかく生きて行けないので、上記2件の女性はそれぞれ実家に帰って生活しているのですが、それぞれの女性の親は憤懣やる方ない様子ですが、夫が失業中・無収入のママでは今のところどうにもならない感じです。
(調停になれば何とかなるでしょうが・・・)
現在ちらほら始まっているこのような不安定な夫婦が増えてくると、本来子供が欲しい筈の女性も子を産むのに慎重にならざるをないし、子を産む夫婦が減ってくるのは当然です。
夫が実家に帰ってしまうにはそれなりの原因があるとしても、些細なことを理由にして直ぐに破綻する・・・こういうオスの無責任行動・・数ヶ月性行為を堪能したらもう飽きましたと言う事例が増えてくると、うっかり騙されて結婚したら損だと考える女性が増えて来るのは当然です。
上記事例は独立していない◯◯医師と◯◯士の事例ですが、彼らの資格に目がくらんだ女性(妻の方も医師でしたが・・・)の失敗とも言えるでしょう。
彼らは資格があるので、妻に生活費を渡さない口実のために一時勤務先を辞めても、離婚事件が片付けばいつでも職場復帰出来る強みがあります。
オスの疑似餌(一定期間同棲・性行為したらもう飽きたから家=新婚のアパートに帰らないやり方・・に引っかからないように用心する・・簡単には同棲や結婚をしない社会になってくるのでしょうか。
破綻主義とは言え、男女ともにこのような身勝手な離婚請求が増えてくると何らかのペナルテイーが必要ですが、婚姻期間が短くて財産分与すべきものはありませんし、慰藉料の名目でも裁判所がどこまで認めるか不明です。
従来こうした不始末は法律は別として村社会では社会的制裁があって、あまりにも理不尽なことは許されなかったのですが、今は砂粒のような社会ですから、法律以外に何の制裁もないのを悪用しているのです。
子を産む可能性の低い関係が増えると、女性は何のために男女カップルを構成する必要があるかの問題になって来ます。
子を産まないで時々同棲しては別居することのくり返しのカップルが増えてくると、従来のようなかっちりした・・子育てのための婚姻制度は崩壊しつつあると言うべきでしょうか?