国内格差2と対外自信(中国)

昨日28日の日経新聞朝刊27p経済教室「外国人労働者に配慮を!」の欄には、日本の外国人労働者数は166万人(19年10月時点)で、そのうち約半分が中国人とベトナム人であると紹介されています。
技能実習生であれ留学生であれ彼らの立場は脆弱であることを前提により、一層の配慮が必要とする論旨で
「先日ベトナム人が三百人帰国した」
と紹介されていますが、これがローテーションで帰ったのか、コロナによる失業で帰ったのかは別として、この逆バージョンでは、中国やベトナムから日本で就労目的で留学等を準備していた新規入国予定者が入国できず国内滞留していることが想定されます。
こういう視点で見れば、中国はインド等と同様に出稼ぎ労働者送出国でもあるわけです。
日本の地方圏で地元大卒、高卒の大都会への就職ができず地元農村に未就職で滞留し他方で数年〜5〜6前に地方を出た若者が地方の親元に舞い戻ってくる・・昭和大恐慌時のような状態になっているのがインドや中国内の現状でしょうか?
コロナ禍発症の地である中国は統計上完全収束状態のようですが、国内格差はどうなっているのでしょう?
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/world/00217/?P=2

露呈した中国社会保障の現実  2020年5月14日
新型コロナ危機で失業者が急増しているのはどの国も同じだが、中国の失業給付の少なさが際立つ。かつてイデオロギー的に失業というものを認めていなかったこともあり、社会の安全網が不十分なのだ。都市に働きに出てきていた労働者は、最終的に出身地の農村に頼るしかないのが実情となっている
米国は国民に対する失業給付額を劇的に増やした。連邦の経済対策として失業者1人当たり週600ドル(約6万4000円)上乗せしたのだ。平均すれば失った所得を100%埋め合わせられるだけの額である。一方、中国政府は生活困窮者向けの給付を1週間当たり12元(約180円)増やしたところだ。1日当たりに換算するとおわん1杯分の麺が食べられる金額でしかない。
立派なインフラ設備とのギャップ
新型コロナウイルス感染症がもたらした経済的な痛みは、中国のみならず他の多くの国も経験している。だが、中国が特異なのは、世界最長の高速鉄道網に代表される国際水準のインフラ設備を持ちながら、社会のセーフティーネットがあまりにも脆弱であることだ。中国の社会保障制度は、中国よりもはるかに貧しい国々の水準に近い。
失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
中国政府が発表する失業率(現在は5.9%で昨年より微増)はフルタイム雇用の都市住民だけを対象としているため、こうした貧しい人々が置かれている境遇を正確に捉えていない。
金融大手、スイスのUBSと仏ソシエテ・ジェネラルのエコノミストによると、3月中に失業した中国の労働者は大きく見積もれば8000万人にも上るという。都市労働人口の20%に近い。
しかし、それ以上に目に付くのは、失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
失業保険の給付条件に該当しない場合は、「低保」と呼ばれる最低保障所得を申請できる。だがその額は失業保険よりもさらに少なく、平均で月に600元(約9000円)ほどだ。

先進国に対しては出稼ぎ国であるとともに、国内に貧困国(内陸)と新興国(沿海部)を抱えているような国です。
米国が不景気になると中南米からの出稼ぎを中南米に返すように、上海深圳等は内陸からの出稼ぎ労働者を需給調整に使っている実態が見えます。
8000万人もの失業者を輩出している習政権は、必死だから国内向けに「中国はうまくいってる他国(米国)はもっと大変だ」と宣伝せざるを得ないので、これがトランプ氏の怒りを買って格好の標的にされているのでしょうか。
これに加えて不満のガス抜きに国威発揚もしなければならない・・尖閣諸島海域では日本の領海であるのに日本漁船を中国公船が追い回したり、南シナ海の埋め立て強行した地を新たな行政区域に指定して米国になにかやれるものならやってみろと言わんかのごとき挑戦をしたかと思えば、香港に対する国家安全法可決など強行突破の正攻法?に出てきました。
中国にしてみれば自国はコロナ禍から逸早く脱して生産も回復軌道に乗ってきたが、欧米はコロナ禍からの立ち直りが容易でなく泥沼にもがいているので敵の弱みに付け込むべきチャンスという単純戦略でしょうか。

司法と政治の棲み分け2(対外約束と司法審査)

徴用工訴訟の論理構造がもう一つ不明なので、(情報不足が、感情論を拡幅する構造の一例)私自身憶測感情論に陥ったままですがこれを前提に書いていくと、古来から中国からいろんな文物が入ってきても、その基本原理を咀嚼できない民度がここに現れたように思われます。
我が国の場合、古代に律令制を入れても換骨奪胎して行き、硬直しそうになりがちな科挙の制度自体を入れませんでした。
これに対して朝鮮族の場合、中世に勃興した李氏朝鮮は、専制支配体制と科挙制を丸ごと導入して硬直的教条主義的民d属性の骨格を作ってしまい発展から取り残されてしまったのですが、戦後でいえば、北朝鮮は共産主義政権とは言うものの独裁・恐怖政治の副作用のみを取り入れている状態です。
そういう傾向の人も我が国にも一定割合でいますが、我が国の「何でも憲法違反」と言い募る勢力も同じ批判を受けるようになるでしょうが、今のところ思想界もこぞって小児病的傾向ですから、みんなで自己陶酔しているばかりのようで、当面救いがありません。
多分戦後教育で洗脳されて育った我々世代がこの世から卒業して、世代交代が進まない限り現実無視の「立憲」にこだわる古色蒼然たる傾向は変わらないと思われます。
ただ若手弁護士でも平和主義=非武装と図式的に信じ込んでいる人が一定数いるのに驚きますが、よほど育ちが良かったのでしょう。
民進党から希望の党への合流を弾かれそうになった枝野氏を中心にして結成した新党名が古色蒼然たる「立憲民主党」と言うのですから、「憲法違反を許すな」と言いさえすればなんとかなると信じている衆議院政治家がまだ約50名もいることになります。
選挙の洗礼でどのくらい伸びるか、生き残るかで、今の日本の思想状況がわかります。
この辺の原稿は昨年秋の総選挙直前頃に書いておいたものですが、昨秋には選挙結果が出て、さらにその後の支持率変動調査も出ています。
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/09260640/?all=1
2018年9月26日掲載
・・・下落率が極めて激しいのは、ANN(テレビ朝日系列)・「報道ステーション」の世論調査だろう。立憲民主党は2017年の10月3日に結党されたが、11月4・5日の調査で支持率は19.9%に達した。
18年7月では13.1%を保持していたのだが、翌8月18・19日の調査で10.7%と1桁台転落の“崖っぷち”となる。その後も踏ん張れず、9月15・16日の調査では一気に4%を失い、6.7%と最低値を記録してしまった。
安定して12〜10%台をキープしてきた共同通信の世論調査でも、8月25・26日実施で8.8%と1桁台に突入。ちなみに7月は12.4%の支持率だったため、こちらもマイナス3.6%と激しい下落だった。
各社の世論調査で、軒並み急落を示している背景は何か、政治アナリストの伊藤惇夫氏(70)に訊いた。

「立憲民主党が失速した理由に、悪い意味でのリベラル臭が強くなってきたことが挙げられるでしょう。かつての自民党保守本流に存在したような良質なリベラリズムではなく、要するに社会党臭なんですね。立憲民主党には国会議員でも党スタッフでも旧社会党の関係者が散見されます。『民主党の失敗を超えられる新しい政党かと期待していたら、要するに昔の社会党じゃないか』と有権者が失望した可能性はあると思います」(同・伊藤氏)

11月分については以下の通りです。
毎月行っているNHKの世論調査結果です。
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/

11月9日(金)~11日(日)実施
自民党 37.4  立憲民主党 6.2  国民民主党 1.5  公明党 3.7  共産党 2.9 日本維新の会 0.4  自由党 0.4  希望の党 0.1  社民党 0.7

野党あわせても合計10%前後しかありません。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-politicalparty

【図解・政治】政党支持率の推移

政党支持率の推移

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20181125-OYT1T50099.html

内閣支持率、4ポイント上昇53percent…読売調査/ar-BBQ4n3m読売新聞社が23~25日に実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は53%となり、前回10月26~28日調査の49%から4ポイント上昇した。不支持率は36%(前回41%)。政党支持率は自民党41%(前回37%)、立憲民主党7%(同5%)などの順。無党派層は42%(同46%)となった

調査機関によって支持率が大幅に違っていますが、自民党と立憲民主の比率で見ると概ね6対1で同じです。
読売に限らず、NHKでも内閣支持率と自民党支持率を比較すると概ね内閣支持率が上回っているようです。(上記の通りNHKでも自民党支持率は37%ですから、)
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/
2018年11月(11月13日更新)
安倍内閣 支持46% 不支持37%(NHK世論調査)

そうすると、日頃から喧伝されている法案や政策に対する世論調査?で、「法案や政策に反対ではないが、安倍内閣が嫌いだから・・信用できないから」とか、「安倍内閣での改憲反対」とかいう意味不明の報道が実態無視であったことがわかります。

 

資金環流2とルール変更リスク1

今後日本の対米直接投資が進み他方でアメリカの対外直接投資が日本より少なくなって来ると、多分資本自由化に関するルール変更を仕掛けて来るでしょう。
そこまで行かなくとも・全世界ではアメリカの投資残の方がまだ大きくても、日米だけの所得収支・・日本の対米投資の方が大きくなって日本への収益送金の方が大きくなった場合に直ぐに問題化するでしょう。
トヨタなどが儲けてもその儲けを日本へ送金しないで更に新工場建設など再投資している限り問題化しませんが・・日本も苦しくなって本国送金が増えた場合の話です。
大分前に日本は今後物造り→貿易黒字で稼ぐのではなく、貿易赤字を所得収支で穴埋めする国になって行くとその頃にはルール変更リスクがあることを少し書いたことがあります。
今のところ、日本は貿易収支も黒字ですから、所得収支黒字分は再投資=資本収支が赤字になる仕組みですから、資本還流の方が多ければアメリカは不満がないでしょう。
この何年か国際的テーマになっているタクスヘブン騒動や、法人税減税競争はこのリスクの始まりを表しています。
進出されている国が現地企業利益の本社吸い上げを権力的に妨害をしていませんが、(中国が外貨準備減少に直面して日本企業への送金妨害していると言われていますが・・)アメリカが送金する側に回るとどうなるか分りません。
現在進出されている多くの国は新興国でもと被植民地国が多い・・ナセル中佐によるスエズ運河接収のような力を持っていないのですが、税制その他のソフト面の理由で結果的に現地進出先での儲けが現地滞留している・・本国送金障壁になっている点は同じです。
今後地産地消と言うかけ声・・「地元での儲けは地元で使おう・・還元しましょう」と言う声が高まりこそすれ、縮小することはないでしょう。
アメリカが折角海外で儲けた資金が進出先に滞留したままになっている点を、アメリカで問題にしていることが時おりニュースに出ています。
昨日アメリカの対外投資残が突出して大きいことを紹介しましたが、投資しっぱなしで儲けが送金されないままでは、絵に描いた餅です。
本国送金時に法人税がかかる・・結果、アメリカの世界企業が、儲けの本国送金を先送りする・・儲けを出先現地国で再投資を繰り返す運用になっているらしい報道です。
日本の租税条約や税制を見ても(私の能力では)そう言う条文を探し切れないので引用出来ませんが、(日本ではやっていないアメリカだけの税制かも知れません)もしも条約ではなくアメリカ国内法の問題であれば、不都合ならば勝手に法律改正すれば良いので国際問題化する必要がありません。
これをしないでアメリカが困っている理由が分りません。
ブッシュ政権のときだったかに、期間限定で(例えば200X年までに)国内送金すれば、この期間だけ免税または減税すると言う法律で還流を図って一時的にかなりの資金環流があったと言われています。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/09/eu-39.php
米アップルは、アイルランドから受けている税制優遇措置が欧州連合(EU)から違法とされ、追徴税の支払いを求められた。この問題の副次的影響の1つとして、米企業が海外に滞留させている利益を本国に戻す動きが促進されるならば、ドルにとっては一方的なプラス材料になるだろう。
米企業の海外留保利益は、推定で2兆1000億ドルに上る。そして大統領選を争う共和党候補ドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏はいずれも、こうした利益の還流を促す措置を打ち出すと公約している。
2005年には当時のジョージ・ブッシュ政権が制定した本国投資法で資金還流への適用税率が大きく引き下げられたため、約3000億ドルの海外留保利益が米国に戻った。この間、資金還流がどの程度為替レートに影響したかについて議論はあるものの、ドルはユーロで10%程度、対円で15%それぞれ上昇した。」
アメリカの税制については、以下の解説が見つかりました。
アメリカの条文に直截当たる能力が私にはありませんので、一応名の知られたプロの解説ですから、正しいものとしてお読み下さい。
https://tax.tkfd.or.jp/?post_type=article&p=190
日付:2017/01/24
森信茂樹 東京財団上席研究員/税・社会保障調査会座長
「米国は、全世界所得課税方式をとっており、海外での税引き後利益を配当として米国に還流させると、米国税率との差額を追加的に米国で課税される。このため企業は、米国に還流せず海外の低税率国・タックスヘイブンに利益を留保するという行動に出る。
具体例を見てみよう。昨年末に大きな問題となったのは、アイルランドがアップルに対してほとんど税金を払わなくてよいスキームを用意していたことである。アップルの実質的な法人税税負担率は、2003年に1%、2014年には0.005%に低下しているという。
これに対しわが国を含む多くの先進国は、「国外所得免除方式」をとっており、子会社が海外で稼ぎその国で税を支払えば、配当としてわが国に還流させても非課税としている。 – See more at: https://tax.tkfd.or.jp/?post_type=article&p=190#sthash.Y1qfGmMd.dpuf」
以上によれば、アメリカだけが現地よりアメリカの法人税率が高い場合に、アメリカではその差額を払わせる仕組みになっていることが分ります。
抗すれば、法人税の安い国に逃がしても何にもならないだろう・・と言う小手先の智恵ですが、そうすると資本家は本国へ儲けを持ち帰れらなくなってしまったジレンマです。
この法制度のために資金環流が進まない・・1つには、法人税を下げればそう言う懸念がなくなるので、法人税減税論が解決すべき政治テーマになります。
ブッシュ政権のときの例によれば、法人税の差額を取るのをやめれば解決する・あるいは法人税を新興国同様に低くする競争に参加すれば済むことですが、それをしたくないから相手国への滞留を問題視していることが分ります。
資本や技術のない国は土地を安く提供したり固定資産税を一定期間免除するなど税制面で優遇することによって資本や技術を導入するのが普通ですが、進出企業が儲けた金を権力で没収出来ない代わりに同じく法人税下げで対抗する・・そうすれば先進国資本家は儲けを本国へ持ち帰らずその国での再投資資金に使ってくれます。
腕力で技術者を拉致したり武力で接収する必要のないソフトなやり方です。
法人税下げ競争は、アップル本社誘致のためにアイルランドが無茶安くしていた上記の例を見れば、貿易に関する為替引き下げ競争を資本争奪競争に応用したような・・変形版になります。
タクスヘイブンが何故成り立つかと言えば、どうせ何も来ない寒村よりは設立登記手続その他複雑な帳簿作成事務作業が増える(アップル本社の文書作成コストは半端ではない筈)だけでも、その土地では大きな収入になると言われています。
別にダンピングではない・・ただ見たいな田舎の土地でただみたいなコストであれば・・不当な競争とも言えません。
資金や技術はコストの少ない方に集まる原理をアメリカや先進国が腕力で変えようとするのは無理があります。
国際的法人税減税競争をここで書くつもりがありませんのでこの程度にします。

対外資産の内容(日米比較)1

May 7, 2015,「主要国の金利差と国力差」に書きましたが、ある国の金利水準こそがその国の国際的地位を如実に表す指標です。
この低金利時代に中国が基準金利・4〜5%の高金利を維持せざるを得ないどころか更に金融引き締めるしかなくなったのは、(偉そうなことを言っていても)資金の海外流出が怖いからです。
高金利国はそれに比例した国力の弱さを表しています。
企業で言えば信用力に比例して有利な(低金利)資金調達が出来ますし、信用・・体力がないと他所よりも高金利でも借りるしかありません。
今のところアメリカの金利政策は日本を除く世界中に直接影響しますが、金あまりの日本には全く利きません。
アメリカ・トランプ氏はこれが口惜しい・・自分の方が金利を先に上げると経済論理的には日本は対米貿易黒字国なのに円がもっと安くなってしまっても平然としている→アメリカの貿易赤字が逆に膨らんでしまうのが口惜しいところです。
日本はアメリカ現地工場進出・投資を今後更に促進し黒字分を帳消しにすると言うのが戦略らしいですが、それではアメリカの雇用を守れても日本資本に支配されるばかりで本音では面白い筈がありません。
5月7日の日経新聞朝刊では、日系クルマメーカーのアメリカ国内生産台数が400万台に迫る勢いと出ています。
ところで、いろんなきれいごとを言っても外資に支配されていたい国はありません。
アメリカの本音は・・自分が勝ちたいと言う結果重視が基本です。
スポーツでも顕著でしたが・・日本が勝ち進むと次々とルールを変えることの繰り返しでしたが、挑戦者が日本だけではなくアジア全体のレベルが上がって来たのでこのやり方に無理が来て最近卒業しました。
国力差についてはまだ挑戦者が日本に限られていたので、自分が一強のときには自由競争を主張していましたが、競争に負け始めると何かと理由を付けてはスーパー301条のような法律を作っては日本に対して輸出自主規制を強制しました。
最近では挑戦者が日本だけではなくなって来たので、人種規制・・アラブ系入国禁止を主張したり何かと自分勝手な規制・保護主義に走ります。
今回のイタリアサミットでは、自由貿易の旗印を共同宣言出来ないほど・・アメリカの保護主義が露骨に主張されていました。
アメリカは、自分が資本進出するばかりのときには資本自由化を強調していましたが、今後日本企業に進出されるようになると面白かろう筈がありません。
ただし、今のところアメリカの方が対外債権・投資残が日本と比べて桁違いに大きいし収益構造も日本よりも桁違いに高率らしいです。
以下は、http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/602.htmの一部引用です。
「・・対外債権について。
米国: 2011兆円
イギリス: 945兆円
フランス: 884兆円
ドイツ: 625兆円
香港: 310兆円
中国: 265兆円
日本: 519兆円」
日本の対外資産は香港の1.6倍くらいであり、大雑把にえばイギリスの約半分、米国の4分の1である。日本は決して世界に冠たる対外資産国ではないのだ。」
ここで関心のある資本支配のテーマでは、対外資産内で直接投資残高が重要です。
日本の場合、民間部門の対外資産は、
・直接投資が、 → 『39兆円』
・株式投資が、 → 『38兆円』
・債券投資が、 → 『171兆円』
であり、・・アメリカの場合は、
・直接投資が、 → 『32900億ドル』
・株式投資が、 → 『25000億ドル』
・債券投資が、 → 『9000億ドル』
となっており債券投資が半分以上を占めている、日本とは異なり、アメリカの債券投資は、『1割未満』の水準になっている。
直接投資の比率が、日本では→『8.9%』に過ぎないのに対し、アメリカでは→『ほぼ3分の1』に達している。もちろん、株式投資の比率も投資先進国アメリカでは、『4割程度』を占めております。」
上記は出典を書いていないので、いつの統計か数字の正確性も不明ですが、参考までに上げると上記のとおりです。
債権投資・・米国財務省証券のように実際には売らせない・・イザとなればイラン禁輸のように対日・対中規制で凍結出来ますので、米国にとっては貰ったも同然の資金です。
イザとなれば、これは踏み倒せば終わりで簡単ですが、直接投資の方は、企業支配・・事実上自国民が支配企業の指導に従うしかない・・事実上の支配力を行使出来ます。
トランプ政権の副大統領ペンス氏はトヨタなど日系アメリカ工場所在地の元知事で親日家であることを期待する声が大きいですが、あまり直線的にうまく行くのはリスクがあります・・。
日本式経営・文化に現地人が同化して行く方向・・これが広がり過ぎると長期的には日系企業の集積していない地域では、反日気運が盛り上がらない保障はありません・・心すべきことです。
明治維新以降、外国資本支配を防ぐために必死になって民族企業を育成して来たのですが、中国の場合宗族優先で民族意識が元々ないので、アヘンでも何でも儲かりさえすればその手先になって売りさばく傾向がありました・・中国企業家を「買弁資本家」と歴史で習って来たところです。
これは5月24日まで書いたとおり、民族意識より宗族利益重視の性質がそうさせるのです
「買弁資本家」を検索すると意外に私の過去のコラムJanuary 13, 2012「海外投資家比率(国民の利益)1」その他が出て来ましたが、私の若い頃に仕入れた過去の知識がどのように変わっているかを他人の意見で見ておきましょう。
echon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131129/319482/
中国社会の9階層(2)経済発展で消えた「買弁」
今月取り上げているのは『中国社会各階層分析』。中国社会を9階層に分け、それぞれについて解説した書籍である。
・・・本書で扱っている中産階級はこの記述よりもやや狭く、「資本家にはなれていないがまずまず豊かな層」程度の定義づけである。本書では、資本家は、1978年の改革開放政策の開始直後の、法や社会的ルールが未整備な状態で富を得た層の2代目という取り方をしている。それに比べ中産階級は比較的新しい階層で、自分の代で豊かになったものを指すのだという。
 それゆえ入れ替わりも激しく、中産階級層からは多くの破産者が出る一方で新しく中産階級層に入ってくるもの多い。また、他国の中産階級の人々は自分たちがこの後「資産家」になれる可能性は低いと考えているが、中国の中産階級はまだ今後自分たちも資産家になれると考えているそうである。」
しかし、この記述は1997年現在のものであるため、現在でもこのような分析が適当かどうかは再度考察すべきであろう。このように本書が最初に書かれた時点ではまだ中国社会も高度成長の初期であり(WTO加盟が2001年)、10数年後にGDP(国内総生産)で世界2位になるということを実感として予測していた人も少なかったのではないか。
・・・毛沢東の言う「買弁」は「外国人の手先となって国の利益を脅かすもの」という見方であったが、本書ではその見方は採らない。外国人の代理となって働く彼らがいたからこそ、外国資本などを受け入れ発展することができたと考えているからだ。」
・・・中国が計画経済から現在のような経済体制へと移行していく間にさまざまな業種などが消えていったが、買弁というのもそのような端境期の一種のあだ花であったのだろう」

強行主義の限界5

昨日紹介したとおりトランプ政権としては、選挙では勇ましいことを主張していましたが国内諸勢力を政権内部に取り込んで利害調整して行こうとしていたし、被害を受ける業界も反発するだけはなく内部に食い込もうとしていたことは明らかですが、マスコミの反発が強くて彼らが相次いで辞任の方向になってしまいました。
マスコミは両極対立を煽る方が面白い?と言うことでしょうか?
元々トランプ氏が対立を煽ったのだから仕方がないと言えますが・・「やれたらやり返す」と言う論理でお互いにエスカレートしていくのでは、国内分裂が広がるばかりで大人の智恵・・成熟社会のあり方とは言えません。
日本でも政権内部食い込みを快く思わず政権の外から批判する方に回らないことを非難する民進党のような勢力がありますが、日本では、相手を非難するばかりではなく自分の意見を粘り強く訴えて意見を採用してもらう方に動くのが普通ですし、まして関係のない他所のクニの内政に口出ししてワザワザ喧嘩を売るる必要がないと思う国民が大多数でしょう。
その政権に反対でも先ずは懐に飛び込んで様子を見ようと言うのが、我が民族の知恵です ・・これがマッカーサーの占領軍をうまく手名付けられた智恵です。
「先ずは人道非難・・注文をつけないのはおかしい」と言う民進党の主張は、国益に反すると感じる人が増えて来て民進党が何か主張すればするほど支持率が下がる一方になっています。
天皇陛下の生前退位問題については国民大方は早く決める必要があると言う認識で一致していると思われますが、両院議長による各党に対する意見聴取に関する今朝の新聞を見ると、民進党は原理原則論で短期間に決められそうもないテーマにこだわり退位問題だけの議論に応じない印象です。
国民の多くは天皇家の問題についてまで意見対立を望まない文字どおり「総意」で決めたいと言う民族宗教的一致があると思いますが、こう言うことまで「何でも反対」で前に進めないのでは、共同体の仲間と言えるのか?の疑問を持つ人が増えてくるでしょう。
政権が理由もなく交代すれば民主主義と言うものではなく、政権が硬直して多様な利害を吸収できなくなったときに多様な利害を吸収してくれそうなカウンター勢力に支持が移り政権交代が起きるのが本来の民意反映の政治・民主主義と理解すれば、我が国はいつも時代適合の必要に合わせて政権が変わって来たこと・・摂関政治から平家~鎌倉幕府~建武の親政~室町幕府~応仁の乱→戦国時代~織豊政権~徳川幕府~明治維新~戦後民主主義時代の流れと符合します。
戦後自民党の長期政権は、党内に多様な派閥を抱え刻々と変わる国民のニーズを柔軟に汲み上げて来たことによりますから、国民は政権が変わってくれないと困ると言う意識・・必要を感じないから変わらないのです。
旧社会党以来の系譜を払拭出来ない民進党が現実政治に自己の主張を反映させて良い社会を作るのが目的ではなく、交代の必要もないのに政権交代を望む・・敵対を選ぶのでは結果的に何でも反対するしかなくなります。
上司の課長や部長、社長の足を引っ張ることばかり考えて陰口を吹聴し徒党を組む、スポーツ選手で言えば自分の技量が上がるように努力しないでライバルが転んで怪我するような仕掛けを作る・・こんな人が尊敬される筈がありません。
国民のためにどうすべきかが行動基準ではなく、政権を困らせ社会が困るように仕向けて失敗させるのが目的=日本が困る結果を期待するしかなくなる→どこの国のために主張しているのか?と言う批判を受けるのは必然と言えます。
野党の存在意義は政権の柔軟性・・利害調整能力がなくなったときに新たなニーズの受け皿になることであり、うまく回っているときに外敵と手を組んでまで現政権失敗を起こさせることではありません。
中国歴代王朝では後漢の党錮の禁が有名で唐末の牛僧孺(牛僧孺党派と李徳裕党派の政争が激しくなり、これは牛李の党争の争い)など徒党を組んで権力抗争を繰り返すばかりでしたから、何回王朝が倒れても社会の変化に寄与しなかった所以です。
その意味では日常的な政党林立の必要性がないのかも知れません・・アメリカの回転ドア形式・シンクタンクの存在は政敵を倒すのが目的ではなく政権が変わったときのブレーン供給源ですから、結構合理的です。
革新系野党は中国の党派争いを引き継いでいるからいつも反対しか出来ないのですが、エリート・前衛式の強烈さは西欧のエリ−ト意識の承継と国民に対する優越意識の強い儒教意識の流れの双方の影響があるのかも知れません。
国民意識を尊重するのを大衆迎合主義と決めつけるマスコミと意見が合い(エリート意識で)国民の期待と違った主張を心がけているからこうなるのではないでしょうか?
アメリカはマスコミによるトランプ政権大攻勢の結果、折角政権内で意見を言うつもりでいた業界が政権内から外に出るしかなくなり、回転ドアがうまく回らない・シンクタンクからの人材供給も思うように進んでいない様子です。
トランプ政策で被害を受ける筈のアメリカ国内業界が政権とのパイプを自ら閉じてしまったので、政治に必要な利害調整・妥協の道が閉ざされた印象です。
二項対立しかない韓国型政治に入って行くのかも知れませんが、政治の中二階形式をやめる・・トップが直截民衆に語りかける政治になると本来の民度にあった政治に戻るしかないのかも知れません。
この結果、国内では政敵ばかりで孤立している(回転ドアがうまく回らない)トランプ氏は国際政治ではNATOであれ対中国であれ、妥協の方向に入って来た印象です。
先ずは日米枢軸を大事にして壊さないことを基本にして、国際政治を決めて行くことになりそうな雰囲気の安倍氏との共同記者会見でした。
ところで、いくらワンマン・大統領制のアメリカでも、移民に限らずいろんな利害を政権内に取り込む仕組みを持たないと国内政治はうまく行きません。
移民問題も利害調整してから実施すれば良かったのですが、実施してから反対が強いのでレベルダウンするのでは、政治的影響力としては致命的?打撃を受けてしまいました。
これをどう切り抜けるかの智恵(先ずは回転ドアからプロをどれだけ取り込めるか)次第で、トランプ政権の命運が決まって来るでしょう。
自民党は矛盾したいろんな主張・利害をうまく取り込んで来たので、長期政権を維持出来ていたのですが、欧米流の一神教理論を信奉して政党である限り主張を純化するのが正しい(ドブ板選挙・・派閥連合体政治はおかしいと言う)かのような政治学者?やマスコミの主張が何十年も続いています。
自民党はいろんな利害を包摂しているので「近代」政党ではないから近代政党へ脱皮すべきだと言う議論を聞かされて育ちました。
この種のマスコミ運動の成果が一人しか当選出来ない小選挙区制への変更であり、「公約重視」「マニフェスト」の普及でしたが、→主張や人材の単純化によって自民党が人材の厚みを失い凋落→政権を失わせた一因です。
中〜大選挙区の場合、若手は最下位でも当選すると能力次第で次の選挙まで政治経験を積んで次には2位当選するなど順次の経験が得られますが、小選挙区制の場合ある政治家が仮に5〜10回当選を重ねる場合、その選挙区では2〜30年間競合・好敵手が育たないし次世代の育成・経験者が皆無になります。
熟達した政治家が育ち難い・・毎回「◯◯チルドレン」と揶揄される新人未熟政治家ばかり交代して行きます。
1年生議員は未熟なのは仕方がないですが、選挙民にすれば、役に立たないと不満を持って別の新人に投票するので、連続当選出来ず熟練する暇がありません。
韓国政界が不毛な争いを繰り返す原因は「長くて当選2〜3回の新人ばかりだから」と言われています。
ウイキペデイアの韓国2008年の総選挙記事からの引用です。
「今回の総選挙で、初当選を果たした候補は、137人で全体の45.8%に留まり、前回の17代総選挙の時の62.9%と比べて新人当選率は大幅に減少した。なお、第17代国会の現職議員で再選を果たした候補は、131人である。当選者の内、最多当選者は自由先進党の趙舜衝候補(比例代表)でこの選挙で7選を果たした。また、年齢構成では、50歳代が47.2%で最多となった。反対に386世代を中心とした40歳代以下の当選者は、前回総選挙においてウリ党で当選し、今回は統合民主党からy立候補した議員が、多数落選したこともあり31.7%(前回43.1%)と減少し、前回総選挙より当選者の平均年齢はやや上がった。」
上記のとおり新人当選率が前回が62・9%、2008年に新人当選が減ったと言っても45・8%が新人です。
この比率で入れ替わって行くと選挙2回で全部入れ替わる計算です。
韓国では歴大統領が政権末期に悲惨な目に遭うことが多い・・熱しやすく冷めやすい韓国人の気質が現れていますが、熟練政治家のいない韓国型政治を日本マスコミは何故真似したがるのでしょうか?
若い女性・・綺麗過ぎる市会議員などと頻りに囃し立てていましたが、未熟な政治家に委ねることが何故日本のためになるのでしょうか?