切り捨て社会の持続性(米国)1

米国から逃げ出す企業は以下の通りです。
https://japanese.engadget.com/2018/11/27/ev-gm-5-15/

EVと自動運転車に資源集中。GMが米国内5工場閉鎖、人員15%削減へ
トランプ政策空振り
米ゼネラルモーターズ(GM)が、契約社員の15%をレイオフするとともに、北米5か所の工場を閉鎖、さらに6車種を生産終了すると発表しました。
GMでは今回の再編によって正社員、契約社員あわせておよそ1万4000人のGM従業員が失業する可能性があります。
電気自動車と自動運転車の開発に資源を集中する方針です。

要は、EV系人材に入れ替えたいということでしょう。
車がEV系になると関連部材が大幅減になるので、生産台数が同じでも必要雇用が減るだけではなく、人材の系列が違いますので旧来型人材はそっくり適応障害・失業またはサービス業等への転換が求められる状態です。
本体で1万4000人減といえば、部品納入その他関連企業・周辺飲食業などの雇用減は膨大ですが彼らの多くが行き場を失なっていきます。
https://jp.reuters.com/article/gm-restructuring-trump-tweet-idJPKCN1NW29P

トランプ氏はツイッターで、GMがメキシコや中国の工場を閉鎖しなかったと批判。「米国はGMを救ったのに、その返礼がこれとは!われわれは今、電気自動車を含めGMへの補助金全額カットを検討している」と述べた。

旧来型製造技術者のレベルアップで国内雇用を守るには、時間もコストもかかるので民間企業としてはそんなことにエネルギーを使うよりも、新興国であるがままの低レベル人材を安く使って生産を続ける方が有利というのが米国企業の価値判断です。
アメリカの場合、労働者を機械設備同様の視点で見ているのでペイしないとなれば、(効率の良い機械が出てくれば新しい機械に取り替えるように)簡単に切り捨てるし、労働者も自分の能力(その企業で教えられた恩義など考えずに)に見合った待遇がない=他社からより良い条件を提示されれば転職(勤務先を切り捨てる?)する相互関係です。
中国への日本進出企業では中国人に技術やノウハウを教え込むとすぐに高い給料をくれる現地企業に転職してしまうのが普通ですが、諸外国では組織に対する帰属意識の歴史経験がないのです。
日本の場合には大昔からの村落共同体の発展した武士集団=お家大事・企業一家の思想できましたので、構成員全員生き残り策が最大関心です。
上杉、毛利の例を書いてきましたが、苦しくともリストラなど一切しない(・支配層の儲けを図るよりも構成員の維持が最優先です)のが基本です。
新興国に汎用品製造で追い上げられるようになると海外進出しますが、本国製造業をマザー工場として維持するための海外進出であって、本国の人員削減を目的にしていません。
アメリカ・ユダヤ資本主義は従業員のための企業ではなく「儲け」の基準で切り捨てる仕組みのようです。
新興国の低賃金に対抗するために能力が細分化した弊害をなくし多能工化を進めるなどの工夫努力を多くの企業で進めて、単純作業しかできない新興国との差別化に日々努力してきたのがその一例です。
その努力の結果現場から新技術発見工夫も生み出しやすくなっています。
日夜の努力の結果、国内製造業の急激な縮小を免れてきたし、車その他の各種部品産業が輸出産業・国際競争力を保っています。
人材育成・地味な努力ができるのは、大昔からの組織構成員相互の信頼関係が基礎にありますが・・時間とお金をかけて訓練しても一人前になると転職してしまう社会では企業が自己資金で訓練する意欲を失うでしょうから仕方のない面もあります。
アメリカや中国の現状・転職が先か企業がドライに切り捨ててきたから会社に忠誠を尽くす気持ちがなくなったのが先かの問題ですが、これを日本型の相互信頼社会に変えるのには数世紀どころか千年単位の時間が必要な印象です。
ホームレスに話題を戻します。
放逐された時代不適合・低賃金労働者をどうするかの政治がないことが可視化されたのが近年のホームレス激増になっていることがわかります。
彼ら全員の再教育には無理がある・・・教育機会がなかっただけで教育さえすれば、戦闘機やロケット製造技術者として参加できるようになれる人がいるか?よいえば1万人に一人?あれば良い方で、9割方は今なくなりつつある標準的技術を習得することさえできないでしょう。
国外移転企業を非難したり、ボランテイアによるピンポイントに頼って残酷な切り捨てに対する罪悪感解消に努めている様子ですが、ボランテイアが5人〜10人の再教育に成功しても、全体の底上げにはつながりません。
20年ほど前に職業転換教育・「学校」という映画を見た時の印象ですが、営業マンがリストラにあって職業訓練校に通う設定でしたが、なんとボイラーマンになって再起するストーリーでした。
当時既に新築ビルでは地下でボイラーを炊くスチーム暖房など時代遅れでしたので、再就職後すぐにその職業自体なくなる・・衰えゆく職種なので非常に違和感を覚えながら鑑賞したものでしたが、26日に紹介したボランテイアによる再教育も似たような滅びゆく職種に就職させるための訓練でした。
これから伸びゆく最先端・・ITや金融取引・製造業でも戦闘機製造技術等の能力付与は(文字も読めないものに教えるのは無理があるので、最底辺の接客訓練などでなんとか最低賃金でも雇ってもらえるようにするものに過ぎないようです。
職業柄リストラに遭った人たちを見ていると、先端系産業に勤めていて熾烈な競争に敗れた人が結構います。
時代遅れ産業よりは最先端系の方が日々の競争が熾烈で、そこでの優勝劣敗が日常的です。
学問でも絵描きでも体操でもスケートでも将棋でも皆そうでしょう。
その道のプロコーチその他が工夫しても、無理・プロをやめるしかないということで脱落していくのです。
そこで脱落した人がもう一度挑戦できるように再訓練出来る公共の?職業訓練校など有るはずがありません。
先端系で脱落した人は時代遅れと言われる旧式産業界でやりなおすしかないのが現実です。

アメリカの産業・奴隷利用=粗放経済の破綻1

昨日紹介した日経新聞紙面では、60万人の雇用を誇るアマゾンが18年秋に最低賃金を時給15ドルに引き上げたことを紹介しています。
世界に誇る大手企業がその多くを最低賃金で雇っている現実こそ重要です。
Jul 9, 2016 12:00 amのブログで、「非正規雇用の多いアメリカ最大の大企業のウオールマートの店員の多くが,生活困窮者向けの1、25ドル分のフードスタンプを貰う列に並んでいることが問題になって日本でも報道されましたが、漫画みたいな社会です。」と紹介したことがあります。
サービス業でも日本はおもてなし文化度が高いので、能力レベルに応じた多様な高級職種がありますが、アメリカの場合飲食店といってもフードコート類似のマニュアル対応主流ですから、サービス業従事者の多くは最低賃金すれすれ職になっている点が大きな問題です。
(日本でもチェーン展開のコンビニや居酒屋、ファミレス、回転すしなどの従業員比率が上がる1方ですが・・変化が遅いのが取り柄です・スーパーが発達すると反作用でこだわり製品やデパ地下人気が高まるなど世の中の動きが一直線ではありません・・明治維新当時も洋画が入ると反作用で日本画への注目が起きるなど・・)
2月26〜7日に紹介した現地ルポで見たように英語を話せず文字すら読めないレベルの場合、サービス業はフードコートでも一応顧客対応ですので、(一定のコミュニケーション能力が必要)配送すら(宛名等の理解能力)できず草刈りなどの原始的職業しかありません。
ホームレスト関連するフードスタンプ受給者の激増問題もあり、この点については上記Jul 9, 2016 ブログで
「政府の最新データによると、2014年9月の登録者数は4650万人で、前年の4730万人から減少した」
と引用しています。
この登録は世帯単位であることから、1世帯三人とすれば人口の約3分の1がフードスタンプをもらっていることになるとも書いています。
フードスタンプをもらっていても帰る家のある人が多いでしょうが、ちょっと家賃が上がるとついていけないギリギリの人がこんなに多いことが推測されます。
この人たちの生活保障をどうするかのテーマに答えられないのが、ホームレス激増の背景でしょう。
日本のホームレスのイメージは無職者ですが、アメリカの場合有職者なのに住む家がない状態です。
こういう社会では失業率の統計は前年度との比較傾向が分かるものの、(無職で開き直っている人の割合が分かる程度?)目先困っている人の実態には迫れません。
月収3〜40万円の工員がレイオフされて、最低賃金の配達員などに転じた場合、失業者数は変わらないとしても、生活水準の劇的低下を知ることができません。
ところで昨日見た日中の賃金格差ですが、中国と日本の賃金格差が7〜8年前には10分の1前後の相場の記憶でしたから、短期間に約2〜3割上がったことがわかります。
この賃金上昇の結果、チャイナプラスワンの動きが出ているし、中国は低賃金を武器にした国内生産基地化の夢が破れそうになってきたので焦ってレベルアップに乗りだしたところ、やり方が強引すぎてアメリカの怒りを買っている構図です。
中国が近代産業導入後賃金水準アップに連れて国際競争力維持のために労働の質向上に必死なように、アメリカも奴隷利用による最低賃金による安値生産で始めたものの限界がきて、母国西欧諸国に追いつく・・産業革命の恩恵を受ける準備が始まると、労働の質アップが求められるようになったのです。
低レベル労働者のレベルアップは言うは安く、3〜40代以降の人に再教育してもその効果が知れています。
世代交代を待つしかないとすれば、30代後半以降の再教育不能人材の行き場に困ります。
こうなると低レベル・安いだけの労働者を失業させておけばいいのではなく、何らかの生活費支給が必要になる分、足手まといになってきます。
車産業のEV化も各産業分野のIT化でも同じですが、中高年・既存労働者にEVやIT関連作業に変更を強いる社内教育は年齢が行くほど無理があるので、適応可能な若手新人採用の方が企業にとっては合理的です。
社会の変化が3〜40年周期で起きる場合には、世代交代して入れ替わるので問題が少ないのですが、5〜10年で入れ替わる急激な変化の場合、まだ2〜30年働ける年齢で引退(失業)をしいられるので社会の軋轢が生じます。
先進国の高齢化社会到達までに要した期間と新興国の到達時間がまるで違うのがその象徴ですが、あとから追いつく方は近代産業導入以降ごく短期間で先端技術社会に追いつけるメリットの代わりに生身の人間の陳腐化が早すぎるのが難点です。
日本の場合江戸時代からの工芸技術の蓄積がある上に、産業構造の変化がいつも30年程度の周期で来たので、その間に変化に向けた技術修練を経る時間がある・・次の時代に向けた変化能力の高い人材が多く育っているので社会の分断が起きにくい安定社会になっています。
環境激変の時代に、次々と新たな技術に適応していける企業や人材が多くて今なお多くの製造業がしぶとく生き残れている所以でしょう。
訴訟手続きのIT化の取り組みも、パソコン普及開始後2〜30年経過後の今になってようやく始まろうとしていますが、それも明日から紙媒体を受け付けないというものではなくじっくり進める予定です。
そのうち私ら(昨年末同期会に行ってきましたが、同期の多くはすでに後期高齢者です)に続く次の世代が全員引退していなくなる約10年経過ころに全面施行になるのでしょう。
変化の早い時代にこれでは取り残されるといいますが、社会変化は早くとも30年周期が合理的であり、数百年も遅れすぎた後進国が無理に追いつこうとしているから(草花でいえば北国では春と夏が同時に来るように)変化が早い時代と言われているだけではないでしょうか?
先に進んだ方はゆったり構えて次に備えればいいのであって、焦る必要はありません。
新興国では平均寿命50歳前後の社会に近代工場がいきなり入ってきて生活水準が急激に上がり平均寿命が70前後への高齢化が急速に進む一方で、労働技術の陳腐化がほんの10年前後で進み取り残されるのでは、彼らはその後の長い人生をどうやって生きて良いかわかりません。
馬が高齢化して次の馬を買う代わりに車にするならば順次変化でスムースですが、馬や機械がまだ新しいうちにどんどん入れ替えるようなことを人間相手にしているのが韓国や中国政治ではないでしょうか?

底辺労働切り捨てとホームレス1(奴隷解放)

日本では武士の時代が 終わったからといって元武士層が社会から弾かれ邪魔者扱いされたのではなく、次の時代指導層や中堅人材として活躍しました。
アメリカの場合、スクラップアンドビルドのやり方・・・街でさえ不要となればゴーストタウンにして捨てていく社会です。
人間も不要になれば簡単に切り捨てる・レイオフできる方式です。
単純労働の歴史区分で言えば、北米植民地初期には・・木綿産業が主要貿易材の時代8産業革命は繊維産業で起きたので繊維製品の生産力拡大→原料不足→木綿生産拡大→木綿輸出産業の中心時代に遭遇していました。
生産拡大適地としての植民地獲得したものの次に労働力不足に直面します。
そこで綿花摘み=手作業に人手のかかる作業に世界最低賃金労働者を大量に投入して大規模生産を展開することによって、本国英国が当時世界最強輸出国であったインドやエジプトなど伝統的木綿産地との競争に勝ち、大英帝国栄華の基礎を作るのに貢献しました。
何しろ人間性完全無視の奴隷制ですから、扱いは文字通り牛馬同様・・生殖行為すらも管理してた・・・現在も種牡馬で知られるように牛馬に行なっている「種付け」行為化していました。
「生存さえ保証すれば足りる」その他の給付不要→賃金最低化の極限化を図る政治でした。
アメリカ人には自分が強くても「人としてやって良いことと悪いことの区別がない」「金儲けのためなら何をしても良い」・・初めっから「人倫の道」という価値観のない恐るべき民族のようです。
こういう民族性の行き着くところが、相手が弱り切って反撃される心配がないとなってから決意した「対日原爆投下行為でしょう。
話題を戻します。
ところが産業革命が進み近代化が各分野で進むと国際貿易の主流が繊維産業から工業生産品に移ってくると、植民地とはいえ西欧諸国と同族ですから、アメリカの産業構造レベルも上がってきます。
北米地域で綿花栽培が中心産業でなくなってくると綿花栽培に特化した奴隷(動物に毛の生えた程度の労働者)はお荷物になります。
人件費が世界共通の場合、家畜並みの住まい・食べさせればいいだけの奴隷は安上がりですが、為替が仮に2倍〜3倍になるとその程度のコスト差では国際競争力がなくなります。
今中国成長の勢いがすごいといっても工場労働者の賃金は、まだ月額5〜6万円前後ですから、日本の工場労働者の5〜6分の1程度でしょうか?
例えば日経新聞2月28日朝刊11pでは大手企業の手取り月収の表が出ていますが、これによると台湾の電子機器の受託企業の残業代込の手取りが、なんと五万七千円前後、その他似たような数字が出ています。
統計ではないので全体平均とは言えませんし年齢別の数字も不明ですが、6万円前後としてみて日本の賃金と比較してみましょう。
日本の賃金水準・厚労省の29年の統計です。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2017/dl/13.pdf

新聞に出ているのは外資系大手企業ですから、日本と比較するには大企業の賃金が妥当でしょう。
日本の場合、40歳で約40万円ですから約7倍というところでしょうか?
これだけの賃金格差があると日本で少しくらい人件費の安い・・劣悪待遇をしても競争になりません。
日本あるいは先進国が、賃金比率に合わせて為替相場を切り下げれば競争できるでしょうが、そうすると豊かな生活が維持できないので、為替をそのまま(高収入を維持するならば)にして競争しようとすれば、人間でさえあれば誰でも従事できるような汎用品製造から手を引いていくしかありません。
新興国労働者と同レベルの仕事しかできない人材が、新興国労働者の10〜20倍(中国が解放した頃には20倍を超えていました)も高い賃金を得ていたこと自体が不正だったのです。
生産性以上の高賃金にこだわって職を失うか賃下げを受け入れるしないのですが、企業倒産しても賃下げを受け入れないのが多くの労働者です。
この賃金格差の結果を踏まえて(円切り下げができないので)中国の世界市場参加後日本国内での汎用品製造に見切りをつけて、新興国で作れない高度製品製造に切り替えが進んでいるところです。
労働者の中で高度製品製造に耐えられない労働者が、新興国労働者の何倍も高い賃金を得ていること自体が経済原理に反しているのですから、この構造改革の過程で能力の低い順に製造業から振り落とされていきます。
今朝の日経新聞第一面「進化する経済」には、「1980年台に米国で20%台だった製造業従事者比率が、足元で8%台まで低下した」と出ています。
製造業従事者比率が12%も減っているので、製造業から抜け落ちた人たちが宅急便配送やサービス業等へ転換してきたのでしょうが、その多くが最低賃金スレスレ業種です。

ホームレス排出の基礎2

話題をアメリカのホームレスに戻します。
ホームレスの現状報告・上記の通り立派なボランテイアの活動紹介がありますが、4〜50代で英語を話せない、話しても文字が読めないなどの労働者がどの比率でいるのか不明ですが、昨日冒頭に日経新聞記事を紹介したように最低賃金の現場労働している限りヒスパニック社会その他がゴロゴロあるので英語を身につけなくとも間に合うから英語が身につかないままであった面もあるでしょう。
彼らに対するボランテイア活動の尊さもわかりますが・・・中学生レベルの教育も受けていない労働者がひしめいている社会では・「格差拡大反対」などという以前の印象を受けました。
草刈りなど・・その日食べる程度しか稼げない超単純労働しかできない階層が雲霞のごとくひしめいている社会を作り上げたが、その種労働の必要性が縮小するばかり・・彼らの労働の場をどう確保するかの時代が来ているようです。
米国ホームレス現状報告の続きです。
以下は別の報告です。
http://bigissue-online.jp/archives/1073661229.html

米国の人気の街・ポートランドで深刻化しているホームレス問題の実態
2019/01/16
米オレゴン州ポートランドは、環境に優しい街づくりが行われ(公園、橋、自転車専用道路などの整備)、リベラルな街として知られる。ファーマーズ・マーケットなど健康的な食生活が送りやすく、都会でありながら自然に近い暮らしができることから、暮らすにも旅するにも人気の街として注目されて久しい。
米国北西部ではシアトルに次ぐ人気の街。人口も2010年以降は毎年1万人のペースで増え(2012年に約60万人 → 2017年には約65万人)、この勢いは2040年頃まで続くと見込まれている(*2)。しかし一方では、このすさまじい人口増に伴って家賃が高騰、失業率も高まり、ホームレス問題が深刻化。2015年10月には非常事態宣言まで出された(*3)。観光都市としての洗練されたイメージとは結びつきにくいホームレス問題の実態。
2018年9月に現地を訪れた

・・・カフェ運営は多くのボランティアによって支えられている。その一人、リンダに話を聞いた。
「ボランティアワークはとても楽しいし、多くの学びがあるわ。」
「最低賃金レベルの仕事をしていてはアパートを借りることもままならないのがこの街の現状なの。」
「最低賃金レベルの仕事をしていてはアパートを借りることもままならないのがこの街の現状なの。」
ポートランドの最低賃金は時給12ドル。これは米国の中でも6番目に高い数字だ(例:マサチューセッツやカリフォルニアは11ドル)*5。「オレゴン州雇用部門」によると、全雇用のうち7.4%が最低賃金レベルの仕事に相当する。
ポートランドは大企業で働く人などお金がある人には人気の街だが、低賃金の人には文字通り「生活できない街」になっているのだ。家賃を払えなくなって家を追い出され、仕事も解雇され、何もかもを失う悪のスパイラルに陥る。
1年間のインターンプログラムでカフェ運営を手伝っているドイツ人女性エスケにも話を聞くことができた。
ここで働いてみて、ドイツとアメリカの違いに気づいたという。「病気になると同時に仕事も失い、すぐに家を失う。この国の現実にショックを受けました。低賃金の仕事についてる人、貯蓄のない人、子どもがいる人は、いとも簡単にホームレスになってしまう。」
リンダが「彼の話を聞くといいわよ」と言って、偶然カフェの前にいたアントニオという男性を紹介してくれた。突然のことにも関わらず、快く身の上話をしてくれた。
僕は生まれも育ちもポートランド。父はメキシコ出身、母はポートランド出身。子どもの頃からずっと路上生活、いわゆるストリートキッズだった。学校も行けなかったし、精神を病んでた時期もある。33才になる今年、人生で初めて安全な住まいを手に入れたんだ。生まれ故郷であるこの街でね。」
「アメリカの福祉、公的セーフティネットは落ち度だらけ。自由な国なんて言われるけど現実はほど遠い。これが長年、安全な住まいを手に入れたいともがいてきた僕の率直な思い。」
「仕事は20年以上、建設現場などでの肉体労働。最近は農業や木の伐採の仕事をメインにしてる。稼ぎは決して多くない。この国で農家が十分に稼げたことなんてないよ。水やり、草刈り、農場整備、かなりキツい肉体労働をやって月収は約800ドル。」
「人々に食を提供する農家が十分に稼げない、この国の悲しい現実です。その国の農家がどう扱われてるかを見れば、その国の倫理観を知れるよ。それに比べ、人々の生活を監視、統制してる警察は時給40ドルとやたら稼いでる。ホームレスの人たちを苦しめ、行き場もないのに一掃し、時には殺しもする。この国の警察は大嫌いだ。」
「ホームレスの人々に足りていないのは、コミュニティと仕事スキルと心の問題に対するサポート。これらもないのに、警察からは追い払われ、どうやって生きていけというんだ。」
彼の語り口は非常に簡潔で的を得たものだった。
取材・記事: 西川由紀子

この記者もレベルが高い!
古くは奴隷解放と言っても開放しっぱなしで低所得層を放置してきたために貧困の連鎖が何世代も続いてきた・これが中南米その他からの貧困層の難民的移民に引き継がれてきたように見えます。
まだ分析していませんが、直感的に見てアジア系のホームレスは少なそうです。
もしもそうとすればその原因分析も必要ですが、この点は忘れなければあとで書くことにします。
単純作業系労働力余剰問題がホームレス激増の基礎でないかの関心で以下書いていきます。
運搬の動力を牛馬に頼った時代から車時代が来ると、輸送用牛馬の需要がなくなり、競走馬程度が食肉用しか存在価値がなくなりました。
人間がご用済みになればどうなるかの歴史です。
日本の武士は徳川の平和時代がきたときに、(大久保彦左衛門や旗本愚連隊を除けば)おおむね順調に官僚や文化人(酒井抱一のように)に変身していった歴史を書いたことがあります。
明治維新で職を失った士族に対する秩禄処分も紹介しました。
彼らの多くは、明治維新以降の日本近代化の人的礎となって近代日本の発展を支えてきたのです。
日本は古代からおおむね産業構造の変化に民族一丸でうまく対応してきた歴史です。

ホームレス排出の基礎1

アメリカの現状を見ると、低廉労働力供給源として自国民として移民を受け入れながら、一方で英語を話せない=まともな就業先がないのは個人責任として放置してきたとがめ・国内能力格差が半端でなくなっている現状が出て来たようです。
今朝の日経新聞6pオピニオン欄の「米共和党の盲点」に、60年代から9倍の人口6000万人に膨れ上がったヒスパニック系移民、(ガストニアのヒスパニック系?スーパーに買い物にくるほとんどがが英語を話せない現状を交え)いわゆる3k職場で米経済を下支えしている現状が紹介されています。
・・2012年の報告で少し古いですが・・・.
https://www.musashi.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00003794.pdf&n=houkokusho2012_no1.pdfに貴重な実態報告されています。

アメリカのホームレス問題と支援策
研修先国名:アメリカ合衆国(ニューヨーク州)
研修期間:8月6日~9月7日 33日間人文学部 英米比較文化学科 4年 内野 真紀奈

https://screenshotscdn.firefoxusercontent.com/images/b9228cab-25c7-4c00-8213-2d14e5b9d0e5.png

上記には11年までのニューヨークの統計が出ています。

引用を続けます

「教育支援> 調査の一環として数学と英語の授業を観察した。これらのカリキュラムの目的は、働く上で必要になる最低限の知識を身に付けることや基礎的な学力の向上だった。講師1人に対して、生徒は15人程度と比較的小人数で授業は構成されていて、30代や40代の生徒の姿が目立った。これらの支援を利用する人々の教育歴では、高校を卒業した者や高校卒業資格(GED)を取得している人は半数以下であった。」
「数学の授業では分数の計算や割合の問題を扱っていて、日本だと中学生の履修範囲だと思われる内容であった。」
「英語の授業では、接客や仕事において必要とされる言葉を身に付けることが目的とされていた。驚いたことに英語が第一言語でないため、英語を話せない人の姿も少なくなかった。また日常の会話の中では、流暢に英語が話せていても、文章を読むことや書くことを苦手とする人も多かった。
これらの人にとって英語を学ぶことは、日常生活をする上でも非常に大切なことであると感じた。」
<就労支援>就労支援ではコンピューターの授業を行うクラスと、面接の練習や準備を行うクラスがあった。
支援スタッフの話によると、ACEを訪れるホームレスは、45歳以上の人が最も多いこともあり、1度もパソコンに触れたことがない場合が多いそうだ。その為コンピューターが利用出来るようになることを目指し、授業内容では情報の検索の仕方や文書や履歴書の作成など個人のレベルに合わせて指導が行われていた。
<Project Comeback 卒業式>調査期間に行われたACEのProject Comebackの夏の卒業式にも参加した。これは4ヶ月から6ヶ月間のProject Comebackの活動を終えて職に就くことが出来た37人の卒業式であり、卒業生の自信に満ちた姿を見ることが出来た。
印象に残った台詞の中でこのような言葉があった。「私は今までの人生の中で最後まで何かをやり遂げたことがなかった。だけどここに来て努力をすることや責任を果たすことを学び、自分が変わることが出来た。だから無事にACEを卒業することが出来て自分を誇りに思う。」「私はNYに来たとき、家族も友達も頼る人もいなくて本当に何も持っていなかった。そんな私にチャンスをくれていつも支えてくれた。それが今は仕事もあり、人生を変えることが出来て心から感謝をしています。」「私は今の自分が誇りに思える。家族や子供に対しても、親としての責任を果たすことが出来て、安心することが出来て嬉しく思う。」 この卒業式の中で、卒業生の声から「責任」という言葉が何度も出てきた。このプロジェクトによって、社会の一員として働いていくことの意義を学び、自信や自尊心を持ち前向きに自立へと踏み出す人々の姿があった。
ホームレスの人々が職を得て、自立をすることはなかなか容易なことではないかもしれない。しかしスタッフの献身的なサポートによって、前向きに将来に向かう人々の姿を見て支援の意義を感じることが出来た。

報告書を見るとなかなか優秀な学生です。
この報告書を見るといきなり20年ほど前のことを思い出しました。
司法修習委員長をしていた頃に、(千葉だけでなく全国の制度です)カリキュラムの一環で社会修習を義務化したことがあります。
その研修結果を委員会に報告するので全員の報告書に目を通していましたが、社会福祉事業所を社会修習先に選んだある女性修習生の研修結果報告書は簡潔で要を得た観察眼の鋭いもので感心した記憶があります。
その修習生の名も忘れましたが、今では立派な法曹になっていることと思います。