周辺無視の都市国家3 (香港の場合2)

中国にとっての香港問題・一国二制度の約束を守るかどうかは領土問題のように一旦妥協すれば永久的効力のある問題ではなく、1国2制度の終了期間が国際条約で決まっているので、ここで無理押ししないで1国2制度の約束を守っても約束期間が満了すれば中国政府の自由になるので何らかの既得権が生じる訳でもなく次世代に負の遺産を残すリスクもありません。
一国二制度の国際合意を守り香港の民主制度形骸化を止めれば良いだけのことですが、米中問題の厳しい最中に何故こういうバカなことを始めたのか?
ここで引き下がると政治責任問題が起きるのを習近平氏が気にしているのでしょう。
習近平は米中経済対決・・のギリギリの攻防をしているこの微妙な時期に一国二制度期間満了前になぜ中国本土へ犯罪者引き渡しを強制する条例制定を迫ったのか?
これまで議会?立候補資格制限など一国二制度の条約無視・・条約当事国の英国が傍観するばかりで条約違反に対する国際世論も大したことがなかったので自信を持ったことが第一の原因でしょう。
南沙諸島に関する国際司法裁判所判決を「紙切れに過ぎない」と公言した上で埋め立て強行を続けても、米国は埋め立て工事現場近くの公海を航行する程度しかできない現実を見れば、強盗が来てパトカーを呼んでも強盗を追い出してくれず周辺を巡回する程度しかしてくれないのと同じです。
米国のぬるい出方を見て国際政治は正義よりも実力次第という態度を明らかにしたのがここ7〜8年の中国の対外姿勢です。
以後尖閣諸島周辺同様に公船と称する事実上の軍船を大量投入してはベトナムやフィリッピン漁船に体当たりなど繰り返しては横暴の限りを尽くしています。
海軍らしい海軍もないフィリピンやベトナムは切歯扼腕してもなすスベもないのが現状です。
このような状況下で味を占めた中国は尖閣諸島や南沙諸島侵攻を続けえても実効支配の準備を着々と進め国内ではウイグル族を百万人単位で強制収容して思想教育?強制するなどが始まりました。
これらと並行して香港でもなし崩し的に民主主義諸制度を形骸化させてきましたが、南沙諸島のフィリッピンやベトナムの抵抗同様に香港市民の抵抗はゴマ目の歯ぎしり程度で、中国にとってはなんともなかったので自信を深めた結果、安易にその延長上の政策実現になったのでしょう。
リーマンショック後の世界経済落ち込みに対して中国が巨額のインフラ投資によって、世界経済の底割れを防いだ貢献度を背景にした自信によって、その後4〜5年は日の出の勢いの様相でした。
10〜11年の反日暴動や尖閣諸島への実力行使、続いて南沙諸島海域全体の領有宣言とその実力行使としての公海での埋め立てと軍事基地構築の実力行動、一帯一路計画に対する日米の難色を尻目に強行したところEU諸国が相次いでこれに参画するなど当時の中国は日の出の勢いにあったことで香港住民にとって不利な国際環境下にあった影響もあります。
世界の中国依存度が急激に高まった時期でした。
メルケル首相の中国訪問10回ほどに対してニッポン訪問がその間たったの1回で短時間という批判があったのがこの時期でした。
そのニッポン訪問も中国の成長限界がなんとなく見え始めた後のことで、それまでは中国一辺倒の姿勢でした。
ドイツの誇るフォルクスワーゲンの国外販路の中心が、中国での優遇・中独蜜月によるものだったからです。
https://response.jp/article/2018/04/17/308627.html

フォルクスワーゲングループの2017年の中国(香港を含む)における新車販売台数は、過去最高の418万4200台。前年比は5.1%増と、2年連続で前年実績を上回った。2018年第1四半期は、合弁2社を合わせて、中国乗用車市場のシェア1位を維持している。
年間販売台数約1000万台あまりの内、中国市場が約半分近くを占める突出ぶりでした。
中国としては、反日行動で今後産業のレベルアップは日本からの技術導入に頼れない穴埋めはドイツに頼れば良いという計算でニーハオ外交でしたので、ドイツはこれに気を良くしていた時代でした。
環境も人権も過剰聖戦いよる世界の迷惑も顧みない横暴な生産(鉄鋼などの赤字輸出)で、生産量の増加ばかり自慢して有頂天になって天狗の鼻になっていた中国に冷水を浴びせたのが、人がまともに呼吸できないほどの空気の汚れでした。
人民無視の中国も空気の汚れは支配者・特権階層にも平等に影響がありますので、流石にこの状況を放置できなりました。
環境問題分野では、ドイツに対して日本に一日の長があるのとドイツ人は日本のように親切に教えないので技術移転が進まなかったらしく徐々に対日ニーハオ外交に転じたようです。
同時期16年夏ころの株価急落以降・要は中国の無駄なインフラ投資の限界がきた・・中国の新車販売数がこの1〜2年頭打ち〜前年比減が続くようになり、落日が迫ってきたので中国べったりだった西欧が再び中国と距離を置き始めました。
南シナ海での埋め立てに異を唱えるなどこの数年中国に遠慮しなくなってきました。

https://jp.reuters.com/article/china-autos-idJPKBN1WT15H

2019年10月14日 / 18:38 / 1ヶ月前
[北京/上海 14日 ロイター] – 中国汽車工業協会(CAAM)が集計した9月の自動車販売台数は前年比5.2%減の227万台だった。9月は販売が盛り上がる月のはずだが、15カ月連続の減少となり、年後半の回復は期待薄となった。
8月は6.9%減。7月は4.3%減。2018年は1990年代以来のマイナスだった。景気減速と米中貿易戦争が自動車市場に影を落としている。

国内需要無視の闇雲なインフラ投資の限界がきたのと同様に環境無視の無茶な増産の結果
北京の空気は汚れに汚れ、市民はまともに呼吸すらできないようになったので流石がの市民無視の中国も環境対策に乗り出さざるを得なくなったのも同時発生でした。
色んな咎めが集中的に吹き出してきたのがこの数年です。
環境問題では世界最先端技術を誇る日本とよりを戻さざるを得なくなった中国は徐々に対日ニーハオ外交に転じました。