レアアース禁輸対応力2

レアアース禁輸の続きです。
http://biz.searchina.net/id/1573534

中国メディアの中国有色金属報は12日、日本はレアアースの調達を中国に依存する体制を根本から変えようとしていると伝えた。
そのうちの1つとして、トヨタ自動車や三菱電機など11社が2012年に「高効率モーター用磁性材料技術研究組合」を発足させたことを紹介。さらに、同組合が「レアアースを使用しない革新的な高性能磁石」などの研究開発に取り組んでいることを紹介した。
さらに、日本はレアアースの中国依存という現状を根本から変えようとしていると指摘し、東芝はすでに中国産レアアースを使用せず、オーストラリアや米国に豊富に存在するサマリウムを主体したモーター用磁石を開発済みであることを指摘。
日立金属も12年にレアアースを含んだ磁石を用いない高効率永久磁石同期モーターを開発したと紹介し、日本のレアアース調達の“脱中国”が着実に進んでいることに警戒感を示した。

https://news.biglobe.ne.jp/international/1014/rec_161014_3555349397.html

ホンダが重レアアース不使用のモーターを開発、中国ネット「これはいいこと」「中国は永遠に日本には追い付けない」
2016年10月12日、中国のポータルサイト・今日頭条はホンダがレアアース不使用のハイブリッド車用モーターを開発したことを伝えた。
レアアースとモーターは切っても切れない関係で、不可欠であった。しかし、ホンダは重希土類のレアアースを使わない磁石を使ったハイブリッド車用のモーターを開発した。記事は、中国のレアアース業界にとっては多少のダメージになるものの、決して悪いことではないと主張。資源型の経済はいつか新技術によって淘汰されるものであり、企業にとっては転換点になるとした。

レアアースはいろんな部品地使われていますので、各分野でレアアース使用減少研究進んでいますが、今年に入ってからもレアアース削減技術開発のニュースが出ているなど各分野で中国リスクを避ける工夫が間断なく続いています。
https://news.biglobe.ne.jp/economy/0124/prt_190124_0721292002.html

ジェイテクト、レアアースの使用を抑えた重希土類フリーモータの開発に成功
1月24日(木)13時40分 PR TIMES
独自の技術でレアアースの使用を抑え、製品性能を向上させた、埋込磁石型モータを開発
・・・ジスプロシウムは全17種類のレアアースの内、世界的に希少で分布が偏在している重希土類に分類されており、鉱物資源として利用するには軽希土類元素に比べて安定調達・材料コストの観点でリスクを抱えている。
そこでジェイテクトでは2011年より、ネオジムとジスプロシウムを使用しないモータの開発に着手。その結果、焼結磁石を用いたSPMモータと同等の高出力・低トルク変動を誇り、且つネオジムとジスプロシウムを使用しない重希土類フリーのボンド磁石を用いたIPMモータの開発に成功。

ジェイテクトとは?素人の私には聞き覚えのない企業ですのでウイキペデイアで検索してみると、以下の通りトヨタ系13社の1社で内容を見ると完成消費財製造企業ではなく、いわゆる BTOB部材製造業のようですが、連結従業員数49259名という大規模企業です。

株式会社ジェイテクト(英: JTEKT Corporation)は、トヨタグループ主要13社に属する大手機械・自動車部品製造会社である。
2006年(平成18年)1月1日に光洋精工と豊田工機が合併して誕生した。豊田工機はボッシュから買収したトルセンLSD、光洋精工は、英トロトラック社とのジョイントによるフルトロイダルCVTと、それぞれ独自技術を持っていた。主力製品は自動車のステアリング、駆動系部品、軸受(ベアリング)、工作機械、メカトロニクス製品などである。また、ホームエレベーターなど住宅機器の製造も行っている[2]。
同じ愛知県に本社を置くヤマザキマザック、DMG森精機、オークマなど共に日系四大工作機械メーカーの一角を占める。
また光洋精工の時代から日本精工、NTNと共に軸受大手3社の一角を占めている。メカトロニクス主要製品として、TOYOPUC(プログラマブルコントローラ、PLC)がある。中でもTOYOPUC-PCSは、国内初の安全PLCである。

売上高 連結 1兆3,999億87百万円
単独 6,220億87百万円
(2016年3月期)[1]純資産 連結 4,800億66百万円
単独 3,225億16百万円
(2016年3月期)[1]総資産 連結 1兆0,758億35百万円
単独 7,092億58百万円
(2016年3月期)[1]従業員数 連結:49,259名
単独:11,763名
(2016年3月31日)[1

素人の私が知らないだけだったかもしれませんが、こういう堅実な企業がゴロゴロとあるのは頼もしいことです。
高額なレアアースを使わないでしかも良い部品を作れれば、トヨタに限らず他社からも引き合いがくるでしょうから、これが日本企業・日本全体の強みになっているのです。
電子系部品で言えば、日本家電業界が完成品(消費財・・テレビ/洗濯機やパソコンなど)を作らなくなってもアップルやサムスン等が日本企業製部品を使用するようになっているのと同じです。
欧米のアジア進出による危機に際しうろたえていただけの中国や朝鮮と違い、この危機をバネにして、近代国家に適合できるように国家体制を機構改革して近代工業国家に変身して列強の端くれに参加できるようになりました。
ただ、遅れて参加した分精一杯背伸びしての仲間入りですから(俺が俺が俺が・の意識が強く出るのは仕方のないことです)いまの中国のように行きすぎた結果、敗戦の憂き目に遭いました。
原爆の惨禍だけが強調されていますが、米軍により戦闘員でもないのに全国が焦土になるまでジェノサイド的殺戮をやり尽くされた挙句、占領後は生産設備一切を取り上げられてアジア被植民地国と同じ農業生産しか許されないようになっていたことを何回か紹介しました。
普通の国・民族であればここまで痛み付けられれば、これを機に内紛が起きて亡国に陥るのが普通です。

EU(ドイツ)と中国の関係1

16年9月の中国杭州でのG20の記念撮影では、オバマが端っこに追いやられ、習近平の右隣がドイツのメルケル首相、左隣がトルコのエルドアン大統領だったことについて、中国が外交儀礼を守れない礼儀知らずのイメージで報道されていましたが、そうとばかり言い切れません。
この原稿は16年9月G20の頃に書いておいたものですが、奇しくも17年7月7日のドイツG20では、メルケルが隣に習近平氏とし、トランプ大統領を端っこに立たせたことを紹介したばかりです。
16年の返礼だったのでしょうか?
ドイツが中国に優遇されているのは(対日戦勝記念式典参加で厚遇されたパク前大統同様に気持ちが落ちつかなかったでしょうが・・)中国に肩入れし過ぎて今更引くに引けない立場を表しています。
(フォルクスワーゲンもEUを除けば中国で多く売れているだけです)中国としては、日米を敵に回している結果、今後唯一の技術導入国としてドイツを重宝したい関係を表しています。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ28HWY_Y6A720C1EA2000/

世界自動車大手の2016年1~6月期販売実績が28日、出そろった。2年連続の首位となった独フォルクスワーゲン(VW)は511万6800台と前年同期比1.5%伸ばした。排ガス不正問題が懸念材料となっているが、中国での拡大など需要の底堅さを示した。
世界最大市場となった中国での事業展開が差を生んだ要因の一つとなっている。景気対策の小型車減税の恩恵を受けトップ3社は販売を大きく伸ばし、増加率は トヨタが15.5%と最大だった。だが中国で先行するVWやGMの事業規模はトヨタの3倍強に達し、追い風もより大きくなった。」
上記によればトヨタの方が増加率が高くてもワーゲンの方が先行している関係で中国での存在が3倍も大きい・・その分中国に気を使う関係です。
両者の世界での年間販売数はほぼ同数ですから、トヨタにとって中国販売が世界販売の1割とすればワーゲンにとって3割,トヨタが2割とすればワーゲンにとっては6割と言う巨大な関係です。
この原稿の基本は16年7月16〜17日頃に書いていたものですが、同月18日日経朝刊4pを見ると、2015年ワーゲンの世界販売が1005万台で、内訳が、EU349万台、中国376万台となっています。
本拠地のEUよりも中国での販売の方が多い状態になっています。
上記記事によれば、燃費不正問題の世界的な逆風に対して「VWに助け舟を出したのは中国。現地で不正があまり話題にならなかった」となっています。
情報規制の厳しい中国で政府支援を受けるかどうかは大きな違いです。
燃費不正事件が報道されず、中国で伸びたことで打撃を防げたイメージの記事です。
人権や国際商慣習破りをどこかの首脳が批判するとすぐにその国の企業が狙い撃ち摘発や不正キャンペインが起きるのが中国のやり方です。
(数年前にマクドナルドが狙い撃ちされて以来業績低迷に陥っていました・・日本ではこの1年余りで急速に持ち直しましたが・・。)
消費者にとって、大関心のある燃費不正に対する中国の報道規制はVWに対する望外な援助になったでしょう。
報道規制どころか、ワーゲン救済を狙った特定車種向けの補助金政策で・・この逆張りを受けている(・・韓国系企業の電池使用を補助金対象から外していると言う噂)のが、ミサイル防衛用のサード配置で中国の逆鱗に触れた韓国現代自動車で、惨憺たる業績になっています。
http://www.recordchina.co.jp/a130248.html
「2016年3月1日、韓国の現代自動車と傘下の起亜自動車の中国での販売が急減していることについて、中国市場の変化に対応できなかったためとの分析が出ている。中国・環球網が伝えた。
韓国・聯合ニュースによると、現代・起亜の1月の中国販売台数は12万4495台で、前年同月に比べ約21.9%減少した。現代が7万5236台 で27.2%減、起亜は4万9259台で12.2%減だった。現代・起亜の中国市場シェアは6.1%と、2007年以来8年ぶりに最低水準となった。」
この記事を書いていた1昨年から2年近くもたってしまったので、その後の動きを紹介しておきましょう。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2017
国別ブランド乗用車販売シェア(工場出荷台数) (*)

2017年12月 2017年1-12月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 129.36 48.75 3.41 1,087.23 43.98 3.26
日系 37.66 14.19 -3.46 420.49 17.01 10.90
独系 40.12 15.12 5.97 484.97 19.62 7.52
米国系 33.15 12.49 1.50 303.95 12.30 2.53
韓国系 17.52 6.60 -21.36 114.46 4.63 -36.13
仏系 5.60 2.11 -35.41 45.58 1.84 -29.22

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より
(*)台数を修正いたしました。(2018年1月15日)

https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_201811月の中国新車販売は前年同月比13.9%減の254.8万台
2018年11月、自動車生産・販売の前月比はいずれもやや増加し、前年同月比の減少幅は依然として顕著であった。1-11月の自動車生産・販売の前年同期比は引き続き減少し、減少幅は1-10月に比べて拡大している。

国別ブランド乗用車販売シェア(工場出荷台数)

2018年11月 2018年1-11月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 90.99 41.86 -23.29 900.10 41.91 -6.03
日系 43.85 20.17 8.11 403.13 18.77 5.30
独系 46.36 21.33 0.32 463.90 21.60 4.28
米国系 21.37 9.83 -32.67 227.78 10.61 -15.89
韓国系 11.10 5.11 -23.40 102.03 4.75 5.25
仏系 1.69 0.78 -70.04 29.10 1.35 -27.21

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

ついでに15年末のデータと18年11月の比較をして見ましょう。
15年末にはドイツ系シェアーが15,0%韓国系が8,11%だったのが18年11月ではそれぞれ、21,33と5、11%に変わっていて日系は17、4%が20、17%に変わっています。
中国としては、韓国が逆らうとこんな目にあうぞ!という見せしめのつもりでしょう。
国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

国別ブランド乗用車販売シェア(工場出荷台数)

2015年12月 2015年1-12月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 103.64 42.4 21.6 873.76 41.3 15.3
日系 42.58 17.4 8.1 336.43 15.9 8.7
独系 36.70 15.0 24.6 399.82 18.9 1.5
米国系 31.22 12.8 16.7 259.57 12.3 2.8
韓国系 21.47 8.8 17.5 167.88 7.9 -4.9
仏系 7.72 3.2 19.1 72.93 3.5 0.3

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

http://news.nicovideo.jp/watch/nw2783338
中国のロッテマートがウェブサイトを再開
・現在も中国のロッテマートは9割が閉店
・THAADを配置させたことにより中国からバッシング中国のロッテマートがウェブサイトを再開
http://www.sankei.com/premium/news/170204/prm1702040027-n1.html洋式便器までダメ…中国のしつこい韓国「報復」 ミサイル配備の嫌がらせ露骨に 「春節」商戦あがったり
中国の嫌がらせはロッテに対する外「何でもあり」になっていることが分かります。
対中蜜月のフォルクスワーゲンは逆に大幅な伸びで、EU域外・・中国以外では殆ど売れていない・・独裁者の恣意的な恩恵に頼らないと国際競争力がない・・こうなると麻薬漬けになったような弱みがあります。
ドイツが言うことを聞かないとすぐに韓国のようなひどい目にあいます。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD30H0Q_Q7A130C1000000/
VW、中国市場で稼ぐ 販売比率は欧州並み4割に (2016/12/29 0:43)
16年末でも約4割が中国販売です。

ロシアとトルコの関係2(トルコ危機?1)

トルコのエルドアンは強権政治(権力維持)の代償として、国是であった欧米依存から、宿敵ロシアにすり寄ってしまった事になります。
トルコとしては、十字軍遠征以来の敵役であった西洋が産業革命以降圧倒的力を持つようになるとその力を借りないとロシアの攻勢から国を守れなくなった象徴がクリミヤ戦争でしょう。
この因縁の地をロシアがウクライナから奪ったのが、この2014年のことです。
この侵略行為に対して欧米は対露経済制裁しているのですが、エルドアンは狂犬支持批判を受け入れたくないために制裁で困っているロシアと手を組んで欧米に背を向けようとしていることになります。
オスマントルコ時代末期から現在に至るまで欧米寄りの姿勢を国是にしてきたのは、国力衰退の現実に合わせて、国家(民族)の存立を図るには格下と思っていた西洋列強に頼るしかないと判断した結果でした。
その行き着くところ、第二次世界対戦以降は対露大規模相互防衛条約であるナトーへの正式参加を許されるなど、対露防衛を盤石化してきたのがトルコでした。
NATO・北大西洋条約機構に関する本日現在のウイキペデイアです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84%E6%A9%9F%E6%A7%8B

2017年時点で29カ国[1]
加盟した年 国 1949年 アイスランド、 アメリカ合衆国、 イギリス、 イタリア、 オランダ、 カナダ、 デンマーク、 ノルウェー、 フランス、 ベルギー、 ポルトガル、 ルクセンブルク 1952年 ギリシャ、 トルコ 1955年 ドイツ

その後西欧ではEUが結成されたので、単なる軍事同盟だけではなく共同体の一員となることを求めていくら擦り寄っても擦り寄っても西欧(キリスト教社会)の仲間に入れてもらえない差別意識・屈辱感に苛まれることになります。
対露防衛を目的とするNATOという軍事同盟に早くから入れてもらっているが、運命共同体と認めるべきEU参加申請にあれこれと注文をつけられて一向に加盟が認められない現実・・運命共同体になるのは嫌だが、お互いの利を持って軍事面だけで協力関係を築くという露骨な西欧の態度・・これがエルドアンがさじを投げるようになった下地でしょう。
エルドアン個人の意見ではなく(屈辱的関係はゴメンだという)トルコ民族全般に流れる不満が背景と見るべきでしょう。
しかし、運命共同体にまではなれないとしても、どうせ支配下・あるいは他人づきあいするにしても、ロシアの支配下あるいは服従関係に入るよりは、西欧の方が優しいというのが、歴代トルコ指導者や民族の判断だったのではないでしょうか?
実際ロシア支配下に入ったクリミヤ半島などではトルコ系というか、中央アジア系原住民の多くはシベリヤ等へ集団強制移住させられて現地にいなくなっていると言われます。
バルト3国その他でもロシア支配下に入った地域では、ロシア系人口の急増・原住民の激減が見られます→人為的強制移住政策・・シベリア送りが言われてきた・・うろ覚えの記憶ですが、詳細根拠までチェックしていませんので正確性は?と思ってください。
欧米に従うのとソ連・ロシア民族に従うのとどちらが良いか・・第二次世界大戦後の結果・・東独と西独の発展の差・・ソ連軍支配地となった東独では鉄道線路まで剥がして持って行ったと言われています。
日本の場合、北海道がもしも戦後ソ連支配下に入っていれば北海道住民の日本人の大方がシベリア送りになっていて(その多くは反共思想嫌疑対象にされて粛清され極寒の地で死亡してしまい、人種的には消滅?)北海道住民の大方はロシア人に入れ替わっていた可能性が高いでしょう。
60年安保騒動の頃に、メデイアでは公式報道はありませんでしたが、・我々世代は「アメリカがひどいからといって、ソ連支配・服従関係に入るのとどちらがひどいかの選択の問題」だという意見を聞いて育ちました。
満州駐在の関東軍将兵がシベリヤに連行され抑留された過酷な経験もあって(不可侵条約を破って満州侵攻してきた連軍の残虐さ、腕時計など見つかると身ぐるみ剥がれされるような経験、婦女子の暴行など)メデイアが報道しなくとも日本をソ連侵略から守らないと大変なことになるという選択のテーマ・・口コミの恐怖感の方が強かったのです。
実際その時の国民の選択・欧米よりいわゆる西側・・日米安保体制選択が正しかったことは、今や歴史的事実でしょう。
戦後思想界・メデイアを席巻していた左翼・・ソ連系思想界の失敗・・が白日の下にさらされ始めましたが、この批判論台頭に恐れをなしたのか?最近左翼系思想界からの巻返し運動・・60年台から70年初頭にかけての思想あるいは芸術界の過激な動き・吹き荒れた学生運動等の回顧展が宣伝されていますが・・これは批判のうねりに対する最後の反撃のつもりでしょうか。
日経新聞1週間前の文化書評?に高坂正嶤に関して誰かが書いた書物の書評が出ていました。
論壇では左翼系信奉者の多い丸山真男論ばかりで高坂正堯氏に関する評伝が少ない・・安保騒動が歴史になった今になると、高坂正堯氏の思想意見の通りの歴史展開になっているので彼の功績が見直されるべきで時宜を得た書物だというというような書評が出ていました。
文献では60年安保でも表向きの議論ばかりですので後世の人は誤解しますが、現実に生きている当時の人は占領政治に気持ちの良い人はいない・・米軍人による強姦事件多発や日米戦争開始に関する日本側の言い分が100%封じられてしまう不満などいくらでもありますが、(GHQ司令部跡を22日に見てきた感想をクリスマスのコラムで書きますが、せっかくの文化遺産をペンキで塗りたくるのがアメリカの文化度です)「じゃソ連だったらどうなのかの比較が庶民間では行われていた・・メデイアで論じられない重要な価値判断があったのです。
現実生活者の目はしたたかですが、メデイア界の寵児・思想家評論家は(共産社会は貧富の差がない理想の社会という)青臭い議論ばかりで社会体験のない青年を煽っていたのです。
学生運動家上がりの文政権の「最低賃金さえあげれば皆幸せ」という書生論が韓国経済を苦しめているようですが「韓国のアメリカ離れ」中国寄りの動きもトルコの動きと似ていますが、要は選択の問題でしょう。
擦り寄るといえば、ロシアの西欧崇拝も相当なものです。
フランス宮廷風文化取り入れに歴代皇帝は熱心でしたし、今もできれば西欧の仲間に入りたいのに西欧から見ればどう猛な野人扱いで本当の仲間に入れてもらえない悔しさで、今やプイッと横を向いて嫌な中国のご機嫌伺いするしかない状態です。
地理的に見ればトルコもロシアも西欧世界から見れば辺境の地という点で共通的・ひいては粗暴なイメージですから、社会意識・文化的に遠くなるのは仕方がないことでしょう。

フラストレーション度3(ロシアとトルコの関係)

さしあたりできることは、(専守防衛の呪縛を煽るための運動家を養っていますのでその活用によって、)何の反撃もしてこない安全パイの日本攻撃・反日暴動に戻る可能性が高まります。
国内反日キャンペイン再開・国民を煽るだけ煽って〜尖閣諸島海域で漁船や公船という名の軍船?大量投入や南シナ海での通行妨害程度のことから始める可能性がないわけではない・・・皆無ではないと見ておくべきです。
現状は、国際孤立化プラス米国の総攻撃?の結果やむなく日本ににじり寄っていますが、いつでも日本攻撃できるように同時に南京事件の教育強化や南京事件否定意見を禁止するなど着々と布石を打っています。https://www.asahi.com/articles/ASLDD7S52LDDUHBI04R.html

南京事件の追悼式典、習氏ら参加せず 日本へ配慮にじむ
2018年12月13日18時23分
昨年は習近平(シーチンピン)国家主席が出席したが、今年は習氏をはじめ最高指導部の党政治局常務委員の7人は参加しなかった。日中関係が改善するなか、日本への配慮がにじむ式典となった。
南京市では式典に合わせ、市民に1分間の黙禱(もくとう)をこの日に義務づける条例を施行。条例では、南京事件を否定したり、記念館周辺で旧日本軍を連想させるような軍服を着て写真を撮ったりする行為の禁止も盛り込んだ。

習近平が今年だけ?「出席しない」というだけのことで、南京事件否定意見をいうことすら禁止→違反すれば刑務所行き?条例を制定するなど逆に着々と制度強化しているのが実態です。
天安門事件の時に日本にすがりついてきたのと同様で「今困っているから応援をしてほしいだけで、アメリカの攻勢が終われば嫌がらせ復活します」という意思表示ではないでしょうか?
こんな国に誠意があるでしょうか?
朝日新聞は何でも中国をよりよく見せたがるようですが、「配慮がにじむ」どころか「面従腹背」という中国古来の相手を欺く常套手段の一種(現在では養光韜晦)ではないでしょうか?
この後で中国の伝統的味方である独仏を中心としたEUの動きを紹介しますが、少しの間、国威発揚の1形態である制裁合戦の帰趨・・ロシアによる対トルコ野菜輸入禁止に戻ります。
Sep 19, 2016「フラストレーション度2と中華の栄光復活」の続きです。
トルコも野菜輸出出来なくて困りますが、本来我慢競べでは世界から制裁を受けているロシアの方が困る筈ですが、比喩的に10対8の差があっても国民の不満度では、トルコの方が民主化が進んでいる関係・あるいはフラストレーション度がロシア国民より低い関係で対外強行策による支持率アップ効果が低い弱みがあって、エルドアンが遂に謝って関係修復しました。
野菜等を買う方は個々人であって、エンドユーザーは企業人ではありません。
個々人の方は、経済学者が前提にするような合理的行動する人ばかりではありません。フラストレーション度が上がると民族意識鼓舞によって、窮乏我慢力が高くなっているのが普通です。
他方海外輸出する方は,作物を庭先で近所の人に売るような仕組みではなく、企業化されているので、輸出関連業界が成立している外に、半年前に作付けした野菜の処分に困る・・資金繰りが最優先課題で動く面が大きい・・良く言えば合理性が高いのです。
民族意識の鼓舞だけではどうにもなりませんので、その突き上げの方が大きい面があります・持久戦では、輸出禁輸する方が負けるのが普通です。
買う方は制裁に関与していない国から割高でも輸入その他いろんな買い方があるのですが、輸出禁止している国・・輸出国・商売人の方がよその国に商圏を奪われるのと従業員を養い切れない資金繰りがつかなくなるので焦ります。
エルドアンは以下紹介するように6月下旬頃から謝罪の書簡を送っていましたが、謝るだけでは格好つかない状態に陥っていました。
そこで16年7月15日〜16日に起きたクーデター未遂事件に対する徹底弾圧をする一方で欧米価値観に対する挑戦的態度を表明し同時にクルド族との和解を破棄して積極攻勢に転じて国民支持を上げています。
ちなみにこのクーデター未遂事件自体、普通のクーデターでは、最優先対象である筈のエルドアン大統領に対する攻撃ないし捕捉を意図的に避けている印象・・彼がホテルを出て行った後を空爆するなど不自然・・おかしな流れでしたから、もしかしたら手の込んだヤラセっぽい演出を疑う人が多いでしょう。
クーデター直後に1万5000人近前後の裁判官や軍〜政府機関の人物をクーデター関与を理由に解任や拘束していること・・あまりにも早過ぎる点も不自然な印象です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/2016によると以下のとおりです。

「関与したとされる軍関係者が次々に身柄を拘束され、7月18日までに軍関係者、検察当局や判事など司法関係者の約7,500人以上を拘束したほか、警察官約7900人、地方の知事や首長30人を含む公務員8700人を解任した[24]。」

(普通は幹部の検挙から順に芋づる式に割れて行くものですが・・クーデター鎮圧とほぼ同時ですから驚きです。)
この疑問・・人権侵害・・政敵弾圧政策ではないかの疑問を言う欧米に対する「シャラップ」が、ロシアに対する急接近とシリア反政府連合の一員であってアメリカが支援するシリア国内のクルド族攻撃強化です。
http://mainichi.jp/articles/20160810/k00/00m/030/146000c毎日新聞2016年8月9日 23時46分

「ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は9日、露北西部サンクトペテルブルクで会談した。昨年11月にトルコ空軍機が露空軍機を撃墜して以降 では初めてとなる会談で、両首脳は関係を正常化させていくことで一致した。先月のクーデター失敗後、欧米との関係がぎくしゃくするトルコとロシアの「再接近」にはイランも関心を示す。この3カ国が欧米やアラブ諸国との対抗軸を形成すれば、シリア内戦など中東情勢にも影響を与えそうだ。 」
「エルドアン氏が6月下旬、撃墜事件についてロシア側に謝罪の書簡を送り、半年ぶりに関係改善の糸口が開かれた。 」
「北大西洋条約機構(NATO)と軍事的対立を強めるロシアにとって、その加盟国であるトルコを引きつけることは安全保障戦略上の意義が大きい。
一方でトルコにとっては、クーデター失敗後に強権支配を進めるエルドアン政権と米欧との関係にあつれきが生じる中、ロシアとの良好な関係は有効な外交カードとして使える。エルドアン氏がクーデター失敗後の初の外遊先としてロシアを選んだのは象徴的だ。」

手元資金と日本経済

大手企業の(連結決算)利益は世界中で稼いだ利益ですから国内売り上げだけではありませんので、最高益だろうが利益に比例して国内投資する訳ではありません。
国内の儲け中心で最高益になっている大手企業は皆無に近いでしょう。
仮に国内だけで7%の利益とした場合を仮定すると、1%しか投資が増えないならば、残り6%はどうなった?ということですが、そもそも単年度利益が出てすぐに新規投資する企業の方が稀でしょう。
今朝の日経新聞4Pには宇宙監視部隊(宇宙ゴミの浮遊状態の監視)を創設すると出ていましたが、読んでみるとこれから機器の準備の他に今後アメリカ基地で訓練を受けるなどを経て制度発足は22年度からということらしいです。
こういう制度構想を構築すること自体に数年の根回し・政治力が必要でいよいよ受け入れてくれるようになってからでも、人材育成や機器整備システム構築などで22年までかかるようです。
身近な機器の補修と違い社運をかけるようなあらたな方向性に投資するには、数年以上かけて温めてきた企画(新分野の場合内部人材が手薄なので人材養成から始まります・・業務提携するには相手との信頼関係構築等の準備が必要です)があってあるチャンスを機会に始まるものですから、1期や2期の利益だけですぐに新規投資・決定実行までできる企業などほとんどないといってもいいでしょう。
そもそも世界的規模の企業で、その年度の儲け(トヨタの18年3月期末予想を23日に引用紹介しましたが、半年前の売り上げ伸び率予想だけでその期中に大規模な投資計画をつくるだけでも拙速すぎるのにその計画に基づいて工場用地を選定しかつ地主等との買収交渉して契約を済ませて、その後地元政府への許認可申請など済ませて、さらに工事を済ませて支払いまで終わり、手元資金に残っていない状態にしてしまうなど想定不能です)でその年度内に投資するのは物理的に無理があります。
機動的投資が可能なように、あらかじめ広めに工場用地を取得しておいて新規事業やラインは既存工場敷地内に立ち上げる事例が多いですが、それにしても旧設備と同じラインの増設ではあまり意味がないので、第1期工事後に発展した新技術を盛り込んだ新たなラインとなれば、どの程度盛り込むかなどのすり合わせも必要です。
美容院、レストランのような簡単な新規投資でも、半年や1年顧客の入りが良いからといってその年の儲けの何倍もの新規投資・・すぐに支店出店まではしない・ある程度好調が続いてから決断するのが普通です。
この客の入りは本ものか、この好調がどのくらい続くかの判断を経て(円安景気がいつまで続くか、原油安がいつまで続くかなど)出店や増産投資を考えるのが普通です。
大手企業の生産力増強投資の場合には、諸外国での立地が多くなっている関係でもっと複雑なプロセス・時間が必須です。
まして資金力の問題では全額借金では怖い(リスクが大きすぎる)ので、ある程度利益が溜まってから考えるのが普通です。
最高益と投資の状況については、25日の「最高益の実相」の欄で「じわり動く現金の山」という表題で個別企業の動きが出ていますが、最高益なのに投資が少ないというイメージで書く以上は、投資額と利益率との比較が論理的ですが、これをしないでいきなり下記の通りの総資産増加率との比較になっています。
26日紹介したように「積み上がったのが手元資金だ・・・00年度に比べて8割増えた。総資産の増加率(4割)より大きい。」というのですが、2期連続の最高益なのに投資がその割に少ないというイメージ主張をするならば、7%の利益率と資産額がどういう関係にあるのかを書くべきでしょう。
企業は資産規模の競争をしているのではなく、稼ぐ力の競争をしているのですから資産規模伸び率と比較しても意味がありません。
レストランやホテル・デパートなどが巨大施設を構えて1割くらいしか客がいない・ガラガラでも施設の大きさだけ自慢するのではなく、10人程の客が入る店でも利益率をあげる経営者の方が優秀です。
中国やロシアが未だに領域の広さを重視していること自体が、数世紀遅れの価値観にこだわっていることが分かり、ひいては国民意識がそうである以上は国内政治手法もこれに連動しているのでしょう。
先進国では、小規模のコンビニや居酒屋があちこちにフランチャイズやチエーン店化して盛況している理由です。
過去約25年間産業界はバブル崩壊後の贅肉削ぎ落とし→資産の圧縮・筋肉質の経営プラス(リーマンショック級の大変動に耐えるための)自己資本比率アップに苦労してきたのですから、日経新聞がバブル崩壊前の資産と手元資金を比較して批判して(論理的でないことを自覚しているからか括弧書きで書いているだけなのか?)いるようなイメージ主張するのは無理があります。
上記の通り企業高収益が2期も続くと積極投資に踏み切りたいと思っても、それには長期的傾向を見極める下調べ等の準備が必要です。
ベトナムやカンボジアに工場進出するかどうかも1〜2ヶ月の思いつきで実行できることではありません。
もともとの関心である手元資金(決済用資金)が、過大かどうかを新聞がシリーズで主張する以上は、判断根拠・基礎的資料として少なくとも総売上の資料提示してそれとの比較が最低必要です。
その上で個別事情のチェックに入るべきでしょう。
そこでネット検索してしてみたところ、データが13年分と古い(なぜか近年のデータ検索がでない)ですが、以下の通りです。
ikkei.com/article/DGXNASFS2900I_Z20C13A1EB2000/2017年11月25日(土)

2013/1/29付
日本企業の売上高、全産業で1302兆円 経済センサス・活動調査
経済産業省・総務省は29日、2012年の「経済センサス・活動調査」を発表した。企業活動の国勢調査と位置付ける新しい統計で、今回初めて各企業の業績を集計した。全産業の売上高は1302兆2523億円、粗利益に近い「付加価値額」は242兆6658億円になった。岩手、宮城、福島の被災3県では震災後1割前後の事業所が減ったこともわかった。

大震災直後の12年でも1300兆円・月商で言えば約110兆円ですから、決済用資金としてはその1〜2倍が必要です。
今は5年経過で好業績=決済用資金も膨張しているはずです。
日経新聞の書いている117兆円はもしかして全企業の売り上げではなく、上場企業だけのデータ(それも東証一部だけかどうかも書いていません)を書いているようにも思いますが、はっきりしないので何と何を比較して良いのかすらわかりません。
仮に117兆円とすると手元資金としては月商の1〜2ヶ月前後が必要とする会計原則と大幅な乖離がないように見えます。
ただし、上場企業全部か東証1部だけかすらはっきり記憶しませんが、総売上が700兆円前後とどこかで見たように記憶していますが(今すぐにはデータ根拠を示せません)そうとすれば月商平均約60兆円・その1〜2ヶ月分の決済資金準備プラス増産投資や企業買収あるいは資本参加のための資金需要や納税、配当資金等々がこれにプラスされると)とすれば大方整合しています。
まして上記「金融経済用語」説明のようにリーマンショック以降危機管理コストとして手元流動性を手厚くする傾向・金融機関等の自己資本比率アップ強制の世界的傾向とも合致しています。
イザという時のためにどの程度自己資本を手厚くしておくべきかは、各企業の独自判断で良いのであって、それを批判するのは、個別事情分析のアナリスト意見に市場がどのように反応するかに委ねるべきです。

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