自治体の拒否権9(許認可権2)

我が国・・明治政府の地方制度は、本来国家的関心事項を貫徹させる・統治の便宜のため・・効率・合理性の趣旨で地方に区分して分散させていたに過ぎません。
占領軍・アメリカの意向でこれを連邦的自治事務方向への改変し、中央政府の行為に付いてまでも地方が政府の上位機関として許認可権があるかのような逆転した制度設計にしようとしていたのですが、実態を変えて行くには時間がかかります。
その途中で日本が独立しました。
超戦争後の米ソ対決によって、アメリカ自身の日本弱体化方針が変わりました。
ここで左翼文化人じは、内実は中ソ応援目的ですが、表向きアメリカ型民主主義礼賛が始まります。
彼らは日本弱体化路線をアメリから受け継ぎ「明治政府の中央集権制が良くない」と言う宣伝・・私もそう言う教育を受けて来ました・・がどう考えても何故日本のような自治制度が必要かが分らないまま丸ごと信用して来た人が多いと思います。
この10年くらい自分で考えているうちに、アメリカの強制した自治制度は、占領政策の一環として日本弱体化目的だったのではないかと気が付いて来た次第です。
日本弱体化に資することなら何でも進めるし、発展しそうなことは何でも反対するのが左翼系文化人ですからここぞとばかりに自治制度の強化・悪用に精出して来たように見えます。
ところで、日本の中央集権と言ってもフランス等とは違い鎌倉幕府以来の各地独自性・封建制の伝統があるので最大限地方の独自性尊重の社会です。
中央と地方の関係は地方特有の事情に通じた自治体の意見を尊重して政策決定すれば足りるものであって、合理的根拠の有無にかかわらず地方が国策に対して何でも反対・・根拠の有無にかかわらない拒否権があるのでは統一国家と矛盾してしまいます。
これは主権国家間の条約によって出来上がっている世界の連合体やEUでも同じで、構成国が何でも拒否権がある条約は「条約」の意味をなしません。
部分的に拒否権留保付きで条約を結べばその部分に限り条約の効力がない仕組みです。
民間の契約でも一方が約束を守らなくても良いと言う契約は、契約としての効力がないのが法の原則です。
民法
(随意条件)
第百三十四条  停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。

上記は日本の法原理でしかありませんが、明治維新当時にナポレン法典を基本に西欧の法制度の精髄を取り入れたもので、今でも世界標準の法原理であることは間違いがないでしょう。
現在明治以来の民法典の大改正作業が進展中ですが、この法原理の見直しがあるとは(私が知らないだけです)聞いていません。
統一国家・統一体である限り意思の統一が取れないと動き出来ない点は動物でもクルマでも皆同じです。
※ブレーキを踏むと一方で加速したり、アクセルを踏むとブレーキがかかるような設計のクルマでは無理があるでしょう。
日本国憲法もそこまでは要求していません。
日本国憲法
第九十四条  地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

上記のとおり中央政府が制定した法律に反した条例を作れないと言う意味は、中央政府の政策と矛盾行為をする権利がない・・拒否権がないと言う意味です。
上記のとおり地方には拒否権がないのですが、与えられている許認可権を「空くよう」して政府施策実行に必要な工事等の許認可をしないと言う便法を編み出して来たのがこの数十年の反政府派首長のやり方です。
これは一見合法「的」ですが実質的には憲法の趣旨に反する濫用行為です。
現在の沖縄の普天間基地移転に関する訴訟の基礎的構造(形式的合法の装い)は、国家としての意思統一破壊を目指す勢力が、15年ほど前に行政法の大改正に成功した結果、従来の機関委任事務から地方の独自権限(法定受託事務や地方事務)になったコトにあるらしいです。
行政法に関する素人的考え(憲法の基本によれば)では、国家・中央政府と地方の関係は飽くまで本社と支社等の関係になぞらえる(・・なぞらえると言う表現自体からして私はこの道の素人なので正確な言い方を出来ませんが・・)べきでしょう。
元々ゴミ集積場所や処理施設や学校の設置場所、道路新設や変更などは、地元に詳しい自治体が処理するのが合理的であるから地元権限にしていたに過ぎません。
国策を阻止する権限を与えるためにこの種の権限が始まったものではないのにアメリカの置き土産「自治権拡大」が左翼文化人によるねじ曲げ運用解釈によってこのような変な運用が始まったのですから元の法の精神・・ニッポン民族のあり方に応じた制度に戻すべきです。
以下にあるように知事の罷免制度は行き過ぎとしても、その他の権限関係に付いては修正するべきでしょう。
アメリカが既に放棄した占領政策の総仕上げとも言うべき行政法の大改革については、https://ja.wikipedia.org/wiki/によると以下のとおりです。
「機関委任事務(きかんいにんじむ)は、地方公共団体の首長(都道府県知事、市町村長)等が法令に基いて国から委任され、「国の機関」として処理する事務のことである。1999年の地方分権一括法により廃止された。
機関委任事務とされた事務は、法的にはあくまで委任した「国の事務」であって、「地方公共団体の事務」とは観念されない。このため当該事務に関しては地方公共団体の条例制定権が及ばず、地方議会の関与も制限されていた。機関委任事務について国は包括的な指揮監督権を有し(通達も参照)、これを制度的に担保するものとして職務執行命令訴訟が存在した。国は、都道府県知事が機関委任事務の管理執行について違法や怠慢があった場合に、職務執行命令訴訟を経て主務大臣による代執行を行うことができるうえ、最終的には内閣総理大臣による知事の罷免が可能であった。ただし、実際にこの制度に基づいて知事が罷免された例はなく、公選による知事の身分を奪うことは不適当であるから、知事罷免制度については1991年の地方自治法改正により廃止された。」
地方公共団体が処理する事務はすべて「地方公共団体の事務」となり、かつて機関委任事務とされていた事務の大半は自治事務及び法定受託事務に再編され、一部の事務は国の直接執行とされるか、事務自体が廃止された。」
開発行為許可や建築確認、海面埋め立てその他が地方の独自権限だとしても、政府の施策行為を例外・・政府決定や政府行為には地方の許認可を不要とするか・・条文技術的には「許認可を受けるべきものから、中央政府の行為を除く」とすれば良いことですが、これを入れると折角政府方針骨抜き目的の法改正をする意味がないと言うことでしょう。
政府行為の除外がないのを悪用して、自治体首長が、自己の所属または推薦母体になっている政党の主張が採用されていない国策に関しては、(何かスルニは何かの建設や開発行為が必要なのが普通です)許可しなければ良い・・沖縄辺野古基地移転騒動は新知事による海面埋め立て許可取り消しが争われていることから分るように、与野党対決法案で決まった重要国策をその自治体が関与する限度で全て麻痺させてしまうことが可能です。
多分世界中の国防軍の基地設置工事や行動について、(地元意思を出来るだけ尊重するのは)当然としても法的に地元同意にかかっている国などあり得ないと思われます。

自治体の拒否権8(許認可権1)

選挙権と居住期間に戻りますと、仮に本当に5年間在住していても文化は3代と言いますし、3代目で初めて江戸っ子とかパリジャンを名乗れると言うように、長期的テーマに関する場合、3代目以降でないと選挙権がないと言う長期スパーンに法を変えないと本当の解決が出来ないでしょう。
ただし誤解なきようにして頂きたいのは、現状でも長期的影響のある事項の投票権者は最低3代以上居住者にすべきと言うだけであって、本来は国防・原発・ロケット基地など国家的プロジェクトについては、投票権者の居住期間に関わらず地方に事実上でも拒否権を認めるべきではないと言うのが私の意見です。
自治体が国策に対する事実上の拒否権行使に利用している制度の多くは土地利用や開発許可・水道給水や建築許可・保健衛生・清掃・廃棄物処理など地元で処理するのに適したその他の許認可権限です。
元はと言えば国家権限の行使に付いて、民主主義国家であろうと、専制国家・封建制や独裁であろうと組織が大規模化すれば下部に権限分散・委譲して行くのは組織の共通の原理です。
何もかもトップが出来ないことから部下に権限分掌させるしかないことと、多くの部下に直截接する機会の多い直属の部下にある程度委ねる→更にその部下が自分の部下に委ねるなど順次下位組織におろして行く方式・・がどこの組織・団体でも行なわれています。
これを地域的に見れば、首都の政府がいくら人像が多くても直截見るのは無理があるので、実情に詳しい地方に委ねた方が効率的・合理的と言うことから地方への権限移管が行なわれて来ました。 
どこの企業でも同じ原理です。
上記の場合中央やトップが自分で出来ないから、自分がする代わりに部下や下部組織に委ねているだけですから部下や下部組織の行為の間違いを上位機関が正して取り消したり自分でやり直し出来るのが原則です。
地方自治とは、組織である限りどこにでもある権限分掌の仕組みをそのまま利用しながら、上位機関による是正権限を出来るだけ弱めようとする考え方と言えます。
下位組織に自治権を与える・本来は、中央からの授権によるだけなので、地元決定に不都合があれば上位機関で修正出来るのが普通の関係ですが、企業の場合は原則数字で表すのでそのパターンで書けば・・数字で言えば1億円までは支店長決裁1億以上は地域本部決裁、10億以上は本社決裁と言うような・・裁量範囲の問題です。
企業では一応の基準を決めているだけで多くは、臨機応変に上位と相談の上で決めるとか、一旦決めたことでもイザとなれば上位機関が介入し事業投資決断を注視して撤退したりする権限を残しているのが普通です。
元々100%の主権国が、条約によって主権が一部制限されるに過ぎない連合国の構成国関係と、元々上命下服関係に始まる中央・地方の関係とは始まりの方向が違っています。
アメリカは元々1つの国が大き過ぎて分権したのではなく、元々主権国家の連合です。
ステートの連合ーUNITED STATEですから、連邦憲法とは言わば連合契約・・条約であって、これに違反した法が制定されても、州は条約外のことには従う義務が元々ありません。
これがアメリカで違憲立法審査権が重きをなしている基本的性格です。
日本では、米兵の違法行為があると日米安保条約でどうなっているかが先ず議論されるのと同じです。
イギリスの連合王国やロシア連邦なども自治ではなく、元々別々の独立国が形式的(実際はロシア民族の圧倒的力関係であり、UNもブリテンの指導力によります)に対等な連合を組んだ関係です。
連合国構成国や連合でない単一国家内で日本のような(国家意思の統一性を阻害出来るほど)強大な自治権を有する民族があるのかと言う疑問で?このシリーズを書いています。
ドイツも元々主権国の連合体・・ドイツ連邦ですし、フランスの中央集権性の強さが知られていますが、フランク王国建国の始まりから単一国できた歴史があるからです。
このように元々の主権国家内の意思統一が必須であることは論を俟ちません・・一人の人間が矛盾した行動指令を身体に命ずると「精神分裂」状態になります。
有名なところでは、1国2制度を国際条約で決められている香港・マカオくらいではないでしょうか?
中国がこの条約を守らずに立候補資格を制限して大騒ぎになっていることでも分るように、国家意思貫徹と自主権の完全実施は「股裂き状態」で無理があります。
単一国家の日本を連合国家のように分断するのは、一人の人間を手足と胴体その他を別々の命令系統で動くようにさせるようなものですから、現憲法は根本的に無理があります。
日本は独立国家が連合して出来た国ではないのに連合体と同じように分解するのは、言わば企業の支店を独立させたようなもの・財閥解体の地域分割版日本を47の小さな国に分断させようとしたことになります。
地域分割ならばまだ小さくなるだけですが、企業で言えば支店や事業分野ごとの分割ではなく、本社ビルの4階フロアーと5階フロアーの場所的分割だと、各フロアーごとの企業体を作れと言われても生き残れません。
小さなリスやイノシシが動き回っているからと言って、大きな熊を馬をリスやイノシシの大きさに分断すれば、熊や馬は死んでしまいます。
自治体警察が規模が小さ過ぎて機能出来なかったので、県単位に拡大するしかなかったことをこのシリーズの冒頭で紹介しましたが、物事には必要な単位があります。
アメリカの占領政策の基本は、小規模分裂させて日本を弱体化させ、半永久的に競争相手として再浮上させないのが目的(工業生産さえ禁止し工場の生産設備・機械を解体させてアジア職へ搬出強制していたことをかなり前に引用して紹介しました)でしたので、日本の国家としての統一意思形成の妨害を図っていたと言う深読み?邪推しているのが私の基本思考です。
日本敗戦に乗じて日本民族の驚異的団結力を如何にして破壊するか・・この手始めに精神力の源泉である神道精神破壊を真っ先に行ない、この支持母体の破壊→思想界の変更・・教育界マスコミ支配を行なって数十年単位での思想入れ替えを図るとともに、この物理的装置として地域分断を狙ったのが自治制度の創設だったのではないか?と言うのがこのシリーズでのテーマ・主張です。

自治体の意思決定7(居住期間3)

支持者の自発的行動によって?住民票移動が行なわれているかについては、都議会選挙の得票数(身近な選挙なので得票数が増えると言う意見があるでしょうが、他党の得票変化と直近衆議院と参議院選挙での得票数を比較すれば大方の傾向が分る筈です。
http://grading.jpn.org/y2409007.html
参院選比例代表の公明党得票率ランキング
47都道府県を対象とする2013年「参院選比例代表の公明党得票率」についての都道府県ランキングです。
最上位から、1位は福岡県の19.69%、 2位は岡山県の19.35%、 3位は宮崎県の19.09%です。
1欄表の内東京都を抜き出すと以下のとおり37位です。
37東京都 12.22%
他方前回(2013年) の都議会選挙結果を公明新聞から見ると以下のとおりです。
https://www.komei.or.jp/news/detail/20130625_11573
公明新聞:2013年6月25日(火)
公明党の総得票数は63万9160票で、得票率は14.10%。絶対得票率(当日有権者数に対する得票割合)は6.04%だった。」
同じ年の参議院比例代表選挙では東京での得票率が12%台なのに他の選挙とは別に行なう都議会選挙になると14%台に上がっています。
公明党に限らず野党が概ね衆参同日選を嫌がる真の理由もここにあります・・逆から言えば同日選になると自民党圧勝の例が多いのは自民党支持層では、積極的に選挙のために住所移動する人が滅多にいないこと及び不断は投票率が低いことを表しています。
住民票を特定候補だけ・・例えば党首だけでも当選させるために特定選挙区へ動かしているばあい、同日選の場合、戦略的住民移動があると特定候補立候補地域だけ突出して得票率が高いと不自然となります。
だからと言って◯◯党に不正移住があると断定出来ませんが・・これを利用しているのが◯◯党ではないか?と成田の一坪地主の例で実証されている印象です。
16年参院選挙結果では25日に紹介したように、自民得票率35.91%(全国)社民得票率2.74%(全国)ですが、そのデータで覇権別得票率が分らなかったのですが、http://www.vontokio.com/archives/122#i-5に出ていましたのでこれを見ると
沖縄の得票率を見ると社民党12.13%,自民党27.82%となっています。
以上によれば社民党全国得票率が平成15年には6.63%あったのが平成28年には約3分の1に激減している外沖縄県の得票率が平成15年に34.57%もあったのが約12%ですから沖縄でも全国平均とほぼ同率で減っています。
それでも沖縄での得票率が全国平均の6倍弱になっていますが、この原因を沖縄に元々(社会党以来)支持層が厚いことによると言えるのかの疑問です。
そもそも海洋系民族である沖縄県民が、大陸国家向きの専制・統制社会・・社会主義の主張に親和性を持っていると言えるのかの基本からして理解不能でしょう。
自民党の得票率が沖縄で約8%減→社民党も減ってその他の野党が全国平均よりもやや高めになっていますから、沖縄の基地闘争の激化は社民党の煽り効果と言うよりは、全野党が沖縄人への反中央政府思考の植え付け(反中央思考に馴染み易い下地?)に成功しているだけではないかと読めます。
ただそれだけかの疑問ですが、勿論疑問に留まります。
一定の政党になると東京も大阪も票を取りたい・重点小選挙区が一杯あるので全国同時選挙の場合重点選挙区に散らばりますが、どこの選挙区でも当選しそうもない政党になると一点集中するメリットが大きく出て来ますし目立ちます。 
都議選・例えば千葉県県議選が半年以上ズレている場合、その間に隣の県への移動が可能になりますが、選挙目的移動を防止するには、居住期間要件を3年〜5年に伸ばせば、都議会や県議選と国会議員選挙との二重取りが出来なくなります。
(生活実態の有無を苦労して調査して漸く何万人に1〜2人摘発しても、選挙結果に影響がありませんので、この摘発意欲がない・・全くこの種の調査する実績がないコトによって、意図的移住が横行する結果になっている印象です。)
信長が戦国時代を制した要因の1つに日常農耕に従事する定職を持っている武士団は戦闘従事可能期間が限られるのに対して、1年中動員出来る足軽の多用にあったことも参考になると思われます。
土人発言に関連検索しているとその直前に東京で嫌韓運動に対するカウンター組織として活躍していたシバキ隊男組隊長が沖縄で検挙されていた事実が出て来ました。
何とか組織(名称を忘れました)が資金を出していて、7月頃から沖縄駐在?で反基地闘争をしていたようですが、アメリから沖縄返還後何十年にわたる反基地闘争では、活動家の中にはその何割かは沖縄に住み着いて行く人もいるでしょうし,周囲の反中央意識醸成に大きな影響を与えて来たと思われます。
その気になれば、3ヶ月で現地居住実態があると言うことで選挙権を得られます。
もっと言えば、選挙権資格だけではなく、デモその他の政治活動は、(5年以上居住)地元居住者以外認めないと言う制度設計の検討が必要でしょう。
沖縄の問題は沖縄で決める・・自治権があると言いながら、選挙結果に大きな影響を及ぼす政治(表現)運動をよそ者に頼っているのは矛盾です。
どこの国でも外国人に政治活動の自由を認めていない原理がここでも求められるべきです。
自治体のことは、地元民による判断が重要と言いながら、何故関係のないシバキ隊が東京から出っ張って行くのか・常駐資金を出してやっていることこそが矛盾そのものです。
公職選挙法の選挙権資格の居住期間を5年以上にし、その期間未満のものは当該自治体関連の政治活動も出来ないとすれば、イキナリ関係ないグループがやって来て座り込みしたり居住をカモフラージュする(働かないで座り込みやデモをしている人に対する日当支給も巨額になる・・資金援助団体も資金的に苦しくなるし)には、資金負担が比例して大きくなりハードルが高くなるでしょう。
自治を強調するならば政治運動も自治体住民しか出来ない仕組みにしないと一貫しません。
成田空港開港反対運動で言えば、地元民の頭越しに決めたと言いながら他所モノが住み着いて反対運動している・・地元民の多くが怖くて逃げてしまっている状態こそ、彼らの主張自体の欺瞞性を表しています。
国の基本に関する大プロジェクト・・大きなテーマの賛否論争については、10年来の争いが普通ですので、2年や3年間住むだけの要件では解決になりません。
沖縄の基地移転問題やヤンバダム反対闘争はいずれも10年以上のテーマであることをみれば分るとおりです。
成田の一坪地主かどうか分りませんが、土地明け渡し訴訟がこの27日ころに最高裁で明け渡し判決がやっと出たと報道されていました。
昭和50年頃に成田闘争が盛んだったのですが、約40年経過でやっと立ち退きが決まる状態です。
これまでの運動経過からして判決にそのまま従わないとした場合、実際の撤去までにはなお紆余曲折があるのでこの先がまだ分りません。
4〜5日前にアメリカ大統領選の模様を紹介して書いたように民主主義とは、対論を経て勝負がついた以上はこれに従う原理ですが、社民党や文化人・マスコミは何をやっても議論が充分でないと言い張って反対する・・マスコミも政府の強引な手法が行けないとこれを応援する繰り返しで議会制民主義軽視のいろんな反対運動を煽って来ました。
野党左翼系は世論の支持を失う(社民党の支持率は僅か2%台です)と法廷闘争に持ち込んで成田空港問題では40年前後も利用阻害に精出して引き延ばして来たのですが、最高裁判決が出てももしも自発的に明け渡さない場合、そもそも法治国家システムを悪用しているだけのテロリストと変わらないのではないでしょうか?
以前テロの定義を書きましたが、テロリストとは自分の方は、法治国家のシステム・・信号機や鉄道などが予定どおり運行するシステムを最大限利用して犯行計画を立てる集団です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161026/k10010744741000.htmlの報道によるとまだ何軒か残っているそうですから、完全解決にはほど遠いようです。
「空港のB滑走路の近くでは成田空港会社が取得できていない土地があることからターミナルと滑走路を結ぶ誘導路が「へ」の字型に曲がっていて、空港会社によりますと、旅客機の通過に時間がかかるなど今も支障が出ているということです。
土地の明け渡しを求める訴訟は男性などとの間でほかにも2件あり、いずれも千葉地方裁判所で係争中であることから、誘導路を直線化するには時間がかかる見通しです。」
これまでこうした妨害のために誘導路が変則的な折れ曲がったままの不便な利用状態・「支障」が続いていましたから、この間に被った日本国の損害(国際競争力阻害目効果=損害)は巨大なモノがあります。
成田空港の開港には地元自治体が協力していてさえこの有様ですから、沖縄その他の各自治体が(数十年先を見据えた)原発その他戦略的産業政策・・国家施策に何でも反対するようになれば、この何倍も国家施策の実行開始を長引かせることが可能ですから・・当然競合外国勢力・企業が影響力行使に動くでしょう。
成田空港の例で言えば、折角早くから新時代向けに計画していたのに、完全開港が長引いている・しかも制約が多過ぎて使い勝手の悪い空港になってしまったことから・・成田の計画を知って後から計画した韓国に国際ハブ空港の地位を韓国に奪われてしまいました。
旧社会党や文化人・マスコミを悪く言う立場からすれば、今更成田の使い勝手が良くなったとしても逃げた客を取り返せない・・・(反日)目的達成の成功感に浸っていることになるのかも知れません?
仁川空港に関するウイキペデアの記事です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%81%E5%B7%9D%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A9%BA%E6%B8%AF
仁川空港
1992年
2月 首都圏新空港建設基本計画確定
11月 空港用地造成工事着工
2001年3月29日 開港
何と成田に比べて約20年遅れの計画をして10年足らずで3本もの滑走路で開港していることが分ります。
夏の間に生産に取りかかるべきときにああだこうだ反対していて、冬になって冬もの衣類の生産を始めても出来があるのが春になる場合と同じで物事は時機が重要です。
何でも反対運動ってバカにされていますが、実は大きな成果を上げているのです。

自治体の意思決定6(居住期間2)

文化人・憲法学者の言うとおり政治制度は、政治家を信頼するものではなく権力に対する猜疑心で三権分立制度や情報公開制度があります。
自治体選挙制度が濫用される疑いがあるならば(猜疑心だけで制度を作るべきとすれば濫用の事実認定まで要りません・・権力集中→腐敗→三権分立論が腐敗の事実認定がいらないのと同じです)、これらを牽制する制度設計が必要です。
自治体選挙で本来の支持率・・実力以上の地位をどうやって得るかとなれば、特定自治体の重要性に応じて支持者を(自主的に)そこへ集中させればその地域での支持率が急上昇します。
しかも10月22日紹介したとおり3ヶ月前から住民登録していれば良いのであれば、活動家が自主的に?順次移動して行けばアチコチの自治体で重複して投票出来る・・・悪用する組織が増えて来た現実を直視してこれを早期に改正する必要があります。
3ヶ月以上前に住民登録を移動しておけば、選挙権がある仕組みならば自衛隊基地問題や原発立地あるいは原発ゴミ処理施設の賛否などの国政上の重要問題が起きてから活動家が住所移動しても十分間に合う仕組みになっているから、選挙制度を濫用するリスクが高まっているのですから、・・これの放置こそ重大な違憲状態です。
現在合法的節税目的で一定期間海外への住所移転問題がクロ−ズアップされていますが(私が知ったのは武富士元会長長男の2000億円に上る税還付訴訟の判例を見たことによりますが・・)21日の日経朝刊1面に相続税対象者として従来5年超の海外在住期間者には海外資産に対する相続税免除規定を変更する予定と言う記事が出ています。
昔と違って海外移転でさえ簡単になり、税逃れ目的に住所移転が容易になっている・・本当に住んでいるかどうか近所の人には分り難くなっている現状を直視して制度改正する必要があります。
法的には住所=「生活の本拠」の移動ですから、生活の本拠を移さずに住民票だけ移動するのは違法ですが、・・選挙作業現場では実態調査している暇がないし選挙目的移動の認定が困難なので、住民登録を基準に選挙人名簿を選挙に間に合うように機械的に作成し投票用紙送付を間に合わせるのに必死です。
これを5年以上の居住期間を必要とすれば、選挙準備もかなり早くからやれますし、生活実体のない不審な移動をあぶり出す調査力がアップするでしょう。
5年にもなると偽装負担(資金負担団体のコスト)も大きくなり、不正移住に対するブレーキになります。
ただし、21日の新聞記事によると海外資産の相続税対象から外す基準として5年超でも悪用する例が多いので改正すると言う記事です。
上記のように税制ではしょっ中対応しているのに民主主義の根幹に関わる選挙権について戦後約70年間も何故放置して来たかが(野党が反対していて改正し難いのでしょうか?)疑問です。
仮に5年以上の居住要件してもその人が選挙出来ないのではなく、従来の選挙区での選挙権があるのですから、(今は海外転勤者の現地選挙まで導入されている時代で、遠隔地の不利益はそれほど大きくはありません)まして本来の転居の大多数は、隣の町あるいは同一通勤圏(鉄道沿線間)からの移住が多いのでそんなに不便にならないのが普通です。
転居すれば職場への通勤や友人知己と遠くなる・・子供の転校その他一定の不都合があるのを考えた上で転居するものですから、その内の1つとして考慮しておけば足りることで予測不能の損害とは言えません。
加えて地方自治制度発足当時と異なり、原発、空港、基地設置も地元意見が重視されるようになって来ると・・日常生活的争点ではなくなって来ると自治体選挙も、長期居住を要件とした方が合理的です。
村全部水没するダム建設賛否について先祖代々住んでいる人と4〜5ヶ月前に来た人あるいは来春転勤で移動する予定の転勤族も同じ発言権があること自体がおかしいと思う人の方が多いのではないでしょうか?
原発の誘致や空港の誘致も同じで、転勤族で、来春転勤が決まっている人がその町の将来に関する決議に参加出来るのはおかしいでしょう。
こう言う問題は5〜10年の居住期間では解決不能、文化は3代と言いますが3代以上住み続けている人に限定すべきと思います。
町内会ではアパート・借家の人を元々期待していないし、アパート・借家の人も町内会に入ろうとしないのは「定住していてこそ一緒に決めて行く仲間」と言う暗黙の合意を表しています。
ただ現実論として当面3ケ月間を5年に変更してはどうかというだけです。
県知事選挙なども政党色が強まると、党派的主張を貫徹するために熱心な支持者が自発的に?住所移転する人が増えて来るのを防げません。
自治体首長の政党色化が悪いのではなく、国政テーマに自治体が口出しするために政治裁量権を予定しない技術的基準による許認可権の行使を色付け運用するようになった結果、自治体政治がイデオロギー化して来た逆の関係です。
自治体に決定権があるコト自体をすぐに変えられないとしても、居住期間を5年以上にすれば自治体選挙の半年前後の時間差を利用して次々巡業的移動の濫用行為は最低防げます。
ただし、基地問題や原発新規設置やダム設建設などの国家百年の計・・大きな計画は事前準備も長期化して行きますので、5年前後前から地元調整などが始まり最終的住民投票や選挙はそのごとなりますから、5年程度の居住期間要件では選挙目当ての移住を防げません。
以下は噂に過ぎませんが、現在ホットなニュースでは、次の総選挙解散の時期を巡っての憶測では、総選挙日程を与党で決めるには公明党が総選挙と都議会選挙には最低3ヶ月以上の(最小でも半年前後の)期間を空けることが至上命題になっている・・これが長年政界の常識とされています。
ところで、実際の住民票を意図的移動するには、選挙日の3ヶ月前の数ヶ月〜半年以上前から徐々に転入・・選挙後も数ヶ月〜半年前後かけて少しずつ出て行く方法しかないのが普通です。
選挙期日のピッタリ3ヶ月前に何万人と一斉移動出来ない・目立ち過ぎます・・選挙が終わって翌日に直ぐに・・何万人も一斉に元に戻す住民票移動が出来ないので、結果的に選挙予定日(これも半年前には具体的期日が確定していない・・ハバがあります。)前後合計8〜9ヶ月間は公明党が衆院解散に同意出来ないのが政界の常識になっていると言われています。
解散時期については公明党が同意しなくとも総理の専権ですが、そこは貸し借りの複雑な政治駆け引きの世界です。
自民党としては、公明党に貸しを作って損がないので、公明党の(脱法行為ミエミエの)勝手な都合を尊重して都議会選挙前か後にするしかないのですが、都議会選挙後だと衆議員任期が迫って来るので今度は政権の方が追い込まれ解散になってしまうリスクがあります。
そこで今年の「通常国会での冒頭解散しかないだろう」と一般に言われて政治家が走り出しています。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016050100063&g=polからの引用です
衆院解散、年内か=年越せば任期満了近くも-政局シミュレーション
◇17年は解散なし?
17年7月には、任期満了を迎える東京都議選が控える。公明党は都議選を国政選挙並みに重視しており、衆院選との重複を避けたいのが本音。
追い込まれリスク
 そこで浮上するのが18年の解散だ。・・任期満了が迫れば「追い込まれ解散」の様相を呈し、劣勢を強いられるリスクは高まる。」
「公明党は・・重複を避けたい」と言う婉曲的表現ですが、この不文律・・政界公知の噂・推測?公明党の至上命題の前提には、公職選挙法の三ヶ月期間の規定がある・・と言うのがもっぱらの噂さです。
以上のとおり公明党が「意図的住所移転を利用している」と言う公然の前提になっていることになります。
住所移転を離れて考えると本来同日選の方が一般的に投票率が上がりますが、これが困る政党は投票率が低い方が有利→活動家率が高いことも表しています。

自治体の意思決定5(沖縄の心2)

非武装平和論の本家・社会党思想を継承している社民党が沖縄での反基地闘争に力をいれる→これに沖縄県民が頼って本土に対する不満拡大をテコにする・・相互依存関係になっているとすれば長期的には沖縄の不幸です。
ただし沖縄県民は「自分たちは日本人ではない・中国人になりたい」と言うならばそれも「あり」ですから24日に書いたように、「国策に協力する気があるのかないのか」真意をきちっと聞く選挙をした方が良いでしょう。
真意がはっきりしたらイギリスのEUからの離脱同様に冷静な交渉相手としてやって行くべきです。
ところで防衛ライン・・通商路確保と言うものはどこまで行ってもキリがない・・沖縄を守っても台湾が中国領になっても、フィリッピンが中国と同盟を組んでも同じですし、シンガポールやインドネシアでも通商路が阻害されてしまう点は同じです。
尖閣諸島があり、沖縄があるから、尖閣諸島や沖縄がなくなると困ると思っているだけでしょう。
大阪府警警察官よる「土人発言」に関連した記事を見ていると女優の吉永小百合が、海兵隊を東京に持って来れば良いと言う趣旨の対談発言をしていることが分りました。eadlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160821-00058457-okinawat-oki「吉永小百合さん「海兵隊を東京に持ってきたら・・・」
沖縄タイムス 8月21日(日)11時40分配信
女優の吉永小百合さん(71)が9日発売の週刊誌「女性自身」(23、30日合併号)で、沖縄県東村高江周辺のヘリパッド建設に住民らが反対していることに触れ「そんなに必要なら海兵隊を東京に持ってきたらどうかと思うくらい、申し訳ない気持ちがある」
上記の記事は「言ってみれば・・」と言う程度の意見でしょうが、軍事基地は場所適性こそが100%の存在価値である前提を見事に反語的に言い表しています。
商品製造には生産地と消費地の選択肢がありますが、軍事基地を首都に持って来れば良い・・離島や国境周辺に要らないという発想を見ると・その立ち位置の偏頗性に驚くばかりです。
首都駐在軍隊が辺境の領土・領海を守れる訳がないのですから、沖縄基地に関する限り(何でも)反対闘争をしている人たちの本音は、非武装平和論の貫徹・軍事基地不要論を前提にしていることを見事に言い表しています。
非武装論貫徹・・自衛隊=国防の必要性については国政の場で、既に決まっている・・民進党でさえ自衛隊違憲論を出していません。https://docs.google.com/document/d/1B_k-2lcstvNhZWWRqkWpEo0Evf1mJlU7NLjlDEZOEak/edit#heading=h.3ggacz464341
2016.6.27 11:00「自衛隊=違憲」の共産党と統一戦線を張る民進党はどう弁明するのか?
と今夏の参議院選挙では批判されていて、自民党は政策の違う野党連合は「野合」であると批判していました。
上記吉永小百合の意見は、国政の場で民進党でさえ自衛隊違憲論を封印しているテーマについて、地方自治にかこつけて蒸し返すために基地移転や武器配備に関連して「沖縄住民のため」と言う衣をまとって悪用している過ぎない本音が現れています。
あるいは、この思想に沖縄県民が頼っているのか?
土人発言直前に本土から応援にはいっていたシバキ隊男組隊長が逮捕されたと報道されていますが、地元メデイアが社民党系報道に偏っていると言われている外、実際に多くの本土人が応援に入って来てこれを地元メデイアが大大報道すると、本土の人が圧倒的多数?で支持してくれているのか!と沖縄県民が誤解してしまっているのではないでしょうか?
一億数千万の人口での内、2%前後の支持者でも数百万も人います・そのまた1%でも数万人ですから、活動家率の高い組織の場合、500や1000人の応援者を来てくれたのを見て、沖縄県人が本土から圧倒的多数の支持を得ていると誤解しているとすれば不思議ですが、集団自衛権反対の国会周辺の数千〜1万のデモ動員を誇って「国民の圧倒的多数の意思表示」と表現しているのがマスコミであり文化人ですから、沖縄人の多くが自己暗示集団に入ってしまったのかも知れません。
日本全国では直近選挙では100人に2人前後しか支持されていない(沖縄を除けばもっと少ない)ような政党(社民党)に沖縄県民が頼り切るのは危険ではないかの心配がないのでしょうか?
日米関係で言えば、アメリカの2%政党に頼ってアメリカの草の根では支持されていると誤解して強気で対米交渉する危険を考えれば分ることです。
基地縮小のための工事?ヘリパッド反対のように「何でも反対」になって来ると、日本全国が「沖縄県民が日本の防衛に協力する気があるのないのかはっきりさせた方が良い」と言う意見が増えて来るでしょうから、そこまで行ってしまうと沖縄県人にとっても得がないように思えますが・・。
韓国が日本の偏ったマスコミ報道を・・日本人の心と信じて慰安婦騒動を中韓連携で仕掛けた結果、嫌韓感情を引き出してしまい、「ごめんなさい」と日米同盟に戻って来て(政府間では大人の関係ですから日韓合意して)も日本人は韓国や中国人の本音を見てしまいました。
心底からの友好感情を取り戻すには1000年単位の時間軸が必要になるでしょう。
沖縄県民もそこまで行かないと気が付かないのでしょうか?
沖縄の反基地闘争激化を煽ってこれを利用している政党(慰安婦騒動の日本側中心人物は福島瑞穂もと党首と言われていますし、いま沖縄で頑張って応援しているのも同議員です)にとっては、場所を選べない自衛隊基地に関しては、2〜6%政党でも1自治体さえ押さえれば国政の重要決定を反古にしてしまえる・・メリットがあります。
沖縄がいやがってるならば北海道に持って行くかと言う選択肢がないからです。
http://www.pref.okinawa.jp/toukeika/so/topics/topics_385.pdf
で平成21年10月1日国勢調査に基づくデータが出ています。
これによると沖縄県への転入増加率が全国1位と出ています。
大都会経済圏に属さない地方圏では普通転出が増えるのが普通で、転入率が増えているのは異常と思われますが・・。
原因・・有意性までは分りません。

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