10/31/08

金融資産総額の実態1(膨張収縮のカラクリ)

ただし、こうした売り買いは、全株や全国債を動かすのではなく、実はその多くは岩盤のように動かず、ほんの一部・・市場全体の数%にも満たない株や国債の売り買いだけで、その日の相場が形成されていることが多いのです。

たとえば、ある企業の株式時価総額が1兆円あるとして、その日に1割値上がりすると一日で1000億円の金融資産が生み出されたことになりますが、その日に市場参加した「買い注文」は極端な話、僅か1億から2億円にしか過ぎなかったかもしれないのです。

ここ数日来のドイツのフォルクスファーゲンの株式急騰劇(約10倍近くにも上がりました)は、まさにその典型だったと言えるでしょう。

この場合は、この先値下がり必至と見た投機筋が空売りを仕掛けていたところ、予想外にポルシェによる買収割合が上がり、市中での浮動株の比率が下がりすぎて、投機筋がカラ売り解消のための株の手当てができない恐れ出てきて、新聞報道によると、僅か5%前後しかない浮動株の奪い合いになって、狼狽売りならぬ狼狽買い・・ヤミクモに株式の手当てをするしかなくなって、数日で10倍にも値上がりする事態になったのです。

この逆もあって、国内投資家の多くはこの際、資金があっても様子見が普通でしょうが、僅かな外国人投資家や信用取引をしていたプロの換金売り注文に対して、この際ワザワザ買い注文で立ち向かうまでもない・・何故そんなにあわてて売るのだろうね・・と放置していると、全体から見れば僅かな外人投資家などの売りによって、ずるずると値下がりになっていくのです。

破乱含みになってくると、多くの常識的投資家は様子見を決め込む傾向があり、健全な市場参加者が薄まる傾向があります。

全体の取引高が減少したときに、限って株式を担保に投資している短期利益目的の投資家は、決済のために売り急ぎますので、こうした邪道の売り買いの比重方が高まるから余計に振幅を大きくするのです。

たとえば時価総額1兆円の銘柄に対して、僅か500万円の売り注文でも買い方が薄ければ1割下がったりしてしまう・・・・・1兆円の1割・1000億円の売りがあった訳ではありません。

株式時価総額がこの数か月で何兆円失われたとか、増えたと言っても、経済実質では出来高次第と言う面があって、昔の言葉で言えば幻影・・・・・バーチャルっぽいものでしかありません。

10月26日の日経朝刊では、世界の時価総額が半額になった・・・約300兆円が消失したとあります。

原油相場も同じで、アメリカのテキサスあたりの小さな市場での取引相場で、全世界の相場が決まる仕組みですから、そこで動いているのは僅かな資金ですが、その取引価格が全世界で何千億ドルと言う原油相場を動かしているのです。

株式時価総額あるいは、ダウ工業平均とかあるいは日経平均・上海指数といっても、市場参加者の一部の人の動きの結果に過ぎないとは言うものの、買い向かう人が少ないこと自体、その企業の先行き・・ファンダメンタルズが悪いからだともいえます。

日本に限らず世界中で、今は、そこまでの判断があるのではなく、波乱状態だからもうちょっと様子を見たい人が多いだけだと思うのですが、こうした経緯で・無理に買い支えにまでは動かないので、外国人投資家や投機筋の多い市場ほど、一旦下落基調になると売り急ぎ・・逃げ足が早く、下落率が高くなります。

 

 



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