10/30/08
円高相場と国債1
小口の宅急便や株式売買単位の小口化の進展を見れば分かるように、インターネットの発達で今更小口取り扱いは面倒だと言う時代ではないでしょう。
何故、国債の場合、株式の公募発行のように国民が直接アクセスできるようにしないか・・・結局これは、銀行や郵貯に対する補助金・・特権だから出来ないんだろうと言うことになります。
また、国民が直接国債を大量に持つと市場での自由な売り買いが始まり、銀行が持っているように、売らせないで担保に融資するなど、国債市場・・相場を政府がコントロールできないことも懸念しているのでしょう。
日銀が国債を無制限に引き受ける実態・・銀行に対し、国債担保に貸し付ける制度を前提とすれば、国債は実質的には同額の巨額紙幣(100万円札)発行と同じ価値ですから、外国人から見れば、債券相場というよりは円の為替相場感に基づく売り買いの対象としての関心しかないことになります。
国債の日銀引き受けとは違い、民間銀行や郵貯が購入する場合、民間からの資金の吸い上げになるので紙幣発行増には、つながりませんので、インフレ重視の過去の経済政策から見れば大きな違いでしょうが、国内政治関係のない巨額単位の取引をする外国人から見れば、額面100万円の国債は100万円札の売り買いと同じことでしょう。
円相場を基準とした売り買いという視点で見れば、今年の春先に円が急騰したときに国債が外国人に買い込まれ、この8月ころには、円が続落した(111円前後まで)ので売り込まれたことが、理解できるでしょう。
為替相場に応じて円とドルの売買をする投資家は、買った円を無駄に持っていられないので、短期間でも安定した利息をもらえる国債に切り替えて保有するからです。
外国人投資家は、保有期間中金利がないよりましと思って国債を買っているだけであって、金利よりは為替相場での損得・・短期保有資金・・投機対象として行動しているのです。
平成20年8月の15年物国債販売が中止になったことも、08/11/08「国債発行(による紙幣の吸収)と利回り期待」のコラムで紹介しました。
このコラムは8月11日の新聞を見てに書いていたものですが、その間に急激な経済変調でいろいろ挟まってしまいました。
10月18日の日経新聞4面では、時価会計見直しの問題に関連して、リーマンの破綻した9月中旬以降変動利付国債は、100に対して80〜90まで下がったので、企業保有資産・・主に銀行でしょう・・・の評価減が問題になっていると書かれています。
この相場下落は、日本国債の格付け低下によるものではなく、株式市場では国際優良銘柄の方から売り込まれているのと同様に、資金収縮で資金繰りに困っている外国人投資家による、円高局面で利益の出ている優良銘柄や国債の換金売り・・資金回収行動が一時的に膨らんでいるからでしょう。
円高局面では、日本の株式や国債は海外から見れば相対的に値上がりしているので、世界中の株や債権が大幅値下がりしているときに、ドルやユーロから見れば高値圏にある円建て債券や株式保有を膨らませる発想はないでしょう。
日本の株式相場が54%さがっていても、為替が40%上がっていれば、ドル換算では実質値下がり率は世界一低いと言えるのです。
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