10/24/08
国債発行と紙幣増刷
民間銀行や中央銀行の仕事が、国債引き受けを迂回することが中心業務となるならば、不換紙幣発行の規律を持たせるために、政府と中央銀行を分離した意味がない・・独立に存在する価値がありません。
民間銀行も、そのようなダミー役を演じるために発展してきた・・存在しているのではないのです。
こんな芸当をしていられるのは、現在の先進国では、10/14/08「インフレとバブル2」前後で書いて来たように、資金過剰・供給過剰社会ですから、今やいくら紙幣増刷してもインフレになる余力がないからです。
と言うことは、インフレ防止のための番人として、中央銀行が存在する意義がなくなっていると言えのです。
現在では、紙幣の増刷が行き過ぎても、自国紙幣の為替相場下落に関係するだけですから、どの程度の為替相場で落ち着かせるのが有利かについては、総合的見地から決定すべき政府が考えるべき政策であって、中央銀行の役割ではありません。
言うならば、長期持続的経常収支の黒字蓄積が必然的にもたらす円相場上昇圧力回避のために、政府は円紙幣増発+ゼロ金利によって、円の海外持ち出し・投資を奨励して円の上昇圧力を中和してきたともいえるのです。
ちなみに、08/20/08「資源国へ所得移転とその対策1(19年度の国際収支表)」で紹介した平成19年度までの国際収支表を元に、平成10年から19年どまでの経常収支黒字を千億単位で概算合計計算して見ると、163兆円でした。
ここ10年間の経常収支の黒字額163兆円分については、低金利による円の海外流出=外貨買いがなければ、・・自然に放置しておけば、163兆円分だけ円高ドル安、ユーロ安になっていたはずです。
現在の円高傾向の原因は、この長期にわたる円持ち出しによる人為的円安政策の逆回転・・円の出戻りが始まったと言うべきでしょう。
別の角度から見ると、世界中が、日本への円資金の引き揚げに直面して、金詰りになっているのです。
日本人が資金を引き揚げているのも少しはあるでしょうが、(円高局面による外債投資で損をしている人が満期が来ても買い換えたり追加投資しないで引き揚げるなど・・)世界中が低金利になって日本の円を借りるウマミが減ったことと、外国人投資家が商品や債券株式の相場下落局面では借金までして投資しても、儲からないので、韓国などの中進国や新興国から資金を引き揚げて日本の銀行への借金返済を始めているのが円高要因の中心です。
今回の急激な円高は、円の借金返済だけではなく世界中の投資を引き揚げた資金で、さしあたりたんす預金して様子を見る間、円が1番底堅く稼げそうだからと、円に逃避しておいた方が得だという、資金逃避による実力以上の流れもあります。
原油相場もそうですが、一定の方向が決まると便乗する人が必ずいますので、行き過ぎるのが相場と言うものです。
この落ち着くべき為替水準は、ゼロ金利以降累積した経常収支黒字合計分163兆円から工場海外進出などの実物投資分を引いた額が戻るところ+ちょっと行き過ぎた水準・・180円前後まで行くしかないのでしょう。
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