10/24/08

円高と国内金余り

信用創造機能の有無という点では、郵貯に資金を吸い上げて全額を資金運用部に供出していた時代には、郵貯残高=資金運用部資金+国債同額購入と同じ効果でしたから、郵貯に吸い上げた分は何らの信用創造にも寄与していません。

当時の200兆円超あった郵貯資金総額は、モロに信用創造機能から外れた資金になってしまっていたのです。

言うならば、発行済み紙幣の内、税で吸い上げた分と国債発行残の93%、・・・684×0,93=636兆円分が、信用創造機能から外れていたのです。

郵貯は、民営化されて自主運用割合が高まったでしょうが、何と言ってもこれまで荒波で運用した経験がない素人集団ですから、今のところその比率が上昇しても恐る恐る・・少しづつでしかなかったでしょう。

(結局は、慣らし運転として海外国債やこれに準ずるGSEなど海外の公社債を買う程度から始まったのでしょうか?)

バブル崩壊後の金融危機以来、日銀の政策は紙幣の大量供給とゼロ金利の併用でしたが、銀行の信用創造機能が収縮していて、マネーサプライが縮小し続けていたから、その穴埋め効果しかなかったので、過剰流動性・・インフレにもバブルにもならなかったのです。

現在アメリカ連銀を始めとして、世界中の銀行が紙幣大量供給の総発動状態ですが、それでもインフレにならず、金詰り状態がとどまらないのは金融が収縮し、逆回転による流動性不足に直面しているからです。

今回の金融危機の結果、世界中で信用創造機能が収縮・・逆回転しているから、金詰りになっているのですが、これが一旦収まると世界中の銀行が従来どおり再び信用拡大機能を発揮するのか否か、バブル崩壊後の日本のように信用創造期が収縮したまま・・世界中の銀行が機能低下したままになるのか興味深いところです。

ともあれ、わが国の総銀行預金に対する国債引き受け率の大きさから見て、約10年前の金融危機以降日本の金融界は融資の繰り返しによる信用創造機能を殆ど果たしておらず、預金の使い道に困っていた状況が見て取れます。

国内では金余りですから、今回の世界金融危機局面でも、リスク回避のために安全性の高い預金が増える一方でしょうから、銀行は集まった預金の有効利用に困ってしまいます。

(銀行の大口顧客だった外人投資家・・外国金融機関も、円キャリー取引をやめて、日本の銀行に対する返済に回り始めているのです。)

預金の有効利用のために・・国債を買わないと銀行がやっていけないので、「もっと国債を発行してくれ」と言う圧力になるので、公明党だけではなく、金融界からもばら撒き政治→国債増発待望論が増えているのでしょう。

兌換紙幣から不換紙幣に変わったときに、節度のない紙幣発行を抑制するために政府と中央銀行の分離が必須になったのです・・通貨の番人とも言われるゆえんです・・・このためにどこの中央銀行も対インフレに目を光らせることが本能的習性ですが、政府の大量発行した国債をそのまま中央銀行が引き受けていたのでは、結局紙幣の増発につながります。

この批判を避けるために、民間銀行に国債を引き受けさせ、その資金を日銀が融資していたのでは結局日銀の国債引き受けと殆ど変わらないでしょう。

 



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