10/22/08

銀行の存在意義12 (消費者金融)

銀行がよるべき最後の砦は、05/10/03「銀行とは?7(融資機能の重要性5)で紹介したように、膨張していた機能を返上して本籍である決済機能に戻るしかないのです。

ところで、中小企業対策、貸し渋り対策や後ろ向き融資・・年末資金繰り対策などの社会福祉的観点の融資機能は、国力増進・・前向き投資資金を集めるべき銀行の本来の役割ではなく、サラ金や、生活保護・・社会保障の分野です。

新銀行東京の赤字問題も、元はといえば市場経済から弾かれた企業救済目的・・社会保障目的で始めたものですから、当然と言えば当然の結果・・・不良債権比率が高いのは当然・・・儲かる訳がないのです。

従来型の銀行と言う名称・制度を利用するから、赤字になるべくしてなったのに、政治責任の問題になるのです。

これらの役割は、政府の行うべき所得再配分機能の一種であって、近代以降発達を遂げた銀行制度の本来の役割ではありません。

儲けた人が直接貧しい人に施すのではなく、政府が税金で吸収して社会保障関連費・・・生活保護費等を支給する所得再配分機能は政府の大きな役割のひとつですが、この機能の一部を民間にゆだねる・・・各種保険業界、サラ金・信販その他民間機関にお金の余裕がある人がお金を預けて、そこでの再配分にゆだねる仕組みの一種として、銀行を含めた後ろ向き融資に力を入れるならば・・・消費者金融制度を見直していくべきかもしれません。

企業融資と言っても、不景気下の零細企業対策や年末制度融資などの政策は、消費者信用と本質が似ているのです。

実際、生活保護の支給は硬直化し易いので、サラ金に頼る傾向が多いことを、06/04/02

「社会システムの大型化と細やかなサービス4」その他あちこちで書いてきましたが、サラ金だけでなく、銀行も産業資本向け融資の役割がなくなった銀行も、社会福祉の民間版として、構成しなおせば有用な仕組みになるでしょう。

このように銀行は、近代以降発達してきた前向き投資仲介機能が減少しているので、国債販売の窓口になったり、セイホ販売をしたり他業種への進出に必死ですが、銀行が新機軸を打ち出して既存業界に殴り込みをかけるならばそれなりに意味がありますが、他業種の既存商品を単に銀行の窓口で売る・・勧誘する下請けをしているだけならば意味がないでしょう。

それぞれの業界は立派に存在しているのですから、あえて銀行が進出するべき合理性がありません。

本来の使命が終わったなったならば、業容を縮小し、社会に負担をかけないようにするのが合理的です。

後ろ向き融資、消費者金融中心になって来ると、これの監督官庁は福祉を担当する官庁がなるのが合理的ですし、銀行の親分である日銀・・中央銀行の役割は限定されます。

これからの日銀は、世の中にいくらでもある土建業界、不動産業界その他ひとつの業界の元締めくらいの役割(とまで言うのは酷かもしれませんが・・)でしかなくなっていくべきで、一国の金融、経済政策の要に位置するべき存在ではないはずです。

金融界の本来の力が縮小していっても、当面その残った力で悪さ・・原油高騰などバブル発生の原動力・タガの外れた行動をしないように、監視するための規制・・業界団体が必要と言うことくらいの役割はまだ残っているのでしょう。

 



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