10/21/08

銀行の存在意義10 

前記銀行協会データの417兆円の企業貸付残の内、外人(非居住者)向け融資部分がどれだけか分かりませんが、多分巨額でしょう・・その返済が始まっているので、急激な円高の下地になっているのでしょう。

昨今の円独歩高とドル高の原理は、アメリカを中心とする外国人投資家が、日本から金利の安い資金を借り出してそれをドルに変えて各国に投資していたのですが、本国での資金繰りが苦しくなったので、先ず投資先からの資金回収が始まったので、韓国など中小国は自国通貨危機になりつつあって大騒ぎですし、中小国やユーロの対ドル相場の下落になっているのです。

韓国で言えば、韓国に投資していたドル資金が、ウオンをドルに替えて持ち帰るためにウオン売りが先行してウオン暴落になっているのですし、欧州の中小国の通貨危機も同じです。

この結果、こうした暴落した国に対して、ドル相場は急上昇していますし、ユーロに対してもかなり上がっています。

そのドルも円に対しては何故下がっているかと言うと、金融危機以来どこの金融商品もあるいは原油その他資源相場も下落基調に転じていますし、アメリカの金利自体も昨年来急激に下がりましたので、円を借りてまで世界中に投資するうまみがなくなったので、諸外国の投資を引き揚げて日本からの借金を返し始めたからです。

日本から、例えば100億円かりてドルに両替して運用していたのを、(この段階では円安要因でした)日本に返すためには、逆にドルを売って円に両替する必要があるので、円高・・ドルの対円相場が下落し始めたのです。

円キャリー取引で世界中に出回っていた過剰流動性が、逆回転を始めて円に戻り始めたと言うことでしょう。

結果的に世界中の為替相場は、究極の資金出し手であった日本の円資金を利用して、世界中に投資していたアメリカが先ず諸外国から資金を引き上げ始めた結果、先ずドル高になったのです。

このドル高は、自己資金回収のためではなく、日本へ借金を返すために資金引き揚げた過渡期の現象ですから、これを円に変換していく過程で円を買うためにドルは下がらざるを得ません。

ですから、ドル高は、過渡期の現象に過ぎずそう長くは続かないでしょう。

これを国債収支の変化で見ると、所得収支の黒字は、日本の金融界が稼いでいたのではなく外人投資家が日本の円を借り出して海外で稼いで、日本の銀行に金利を払っていてくれた分が剥げ落ちてきますので、所得収支の黒字はかなり減るでしょう。

日本では、海外から資金が戻ってきても、世界同時不況下でどこの企業も新規設備投資・・増産意欲がありませんから、銀行は前向き資金の運用難です。

貸し渋りどころか借り手を捜し歩く事態になる可能性すらあるのですから、再び押し付け融資を復活してバブルにするか、これをしたくないならば、大量に国債を発行して引き受けさせて資金を吸収するか、預金準備率を大幅に引き上げて日銀が資金を吸収するしかないでしょう。

数日前ころに、日銀は準備預金金利の引き上げを発表をしていましたが、銀行が使い道がなくて日銀に預ける・・個人でいえば箪笥預金です・・・・したときの、逆ザヤ解消・・銀行救済策の伏線でしょう。

ちょうど、国債を買わせて一定の利益を確保してやっていたのと同じ構図です。

しかし、こうなってくると銀行の存在意義こそが問われるべきです。

 



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