10/20/08
銀行の融資機能10と円相場の上昇
麻生総理や中川金融大臣が、日本だけが今回の危機の圏外にあるので、日本バブル崩壊後の教訓を勉強してくれとG7などで自慢?していますが、日本は有能だから現在の危機に無関係なのではなく、無能だったから関係がないのですから、もしかしたら失笑ものでしょう。
世界が研究したいのは、どのようにして日本が事態を大きくし、解決に長くかかってしまったのか、失敗の研究ではないでしょうか。
日本一国のときには、世界の一地方の不景気でしかなかったのですが、今回は世界恐慌に発展しかねないのですから、日本のように失われた10年などとゆっくりこじれさせていると、本当の世界大恐慌になりかねません。
銀行の役割に戻しますと、紙幣が仮に2倍発行されても、銀行の信用創造機能が従来の半分しかなければ、市中に出回る仮想紙幣量、経済効果・・トータルとして同じ結果になります。
現在の世界は、膨張し過ぎていた金融創造機能が収縮に向かっているので、いくら紙幣を注入しても日本以外では経済界での流通資金不足になっているのです。
・・・・日本では、既に収縮状態のまま来たので、これ以上収縮も出来ないので例外です。
10月18日の日経朝刊では、わが国企業の債務比率が世界で突出して低いことが紹介されていました。
債務比率が低いので、日本企業の信用収縮・不況耐性が強いということですが、裏返せば、金融界の役割が減少していることの証明でもあるのです。
これまで通貨当局・・経済学者は、マネーサプライをいつも重視してきたのですが、ここ数日書いているように、今では銀行だけではなく証券界、原油その他商品取引界では、何百倍と言う信用取引の世界ですから、銀行関係商品だけの指標に頼り、これの規制や研究をしているだけでは経済の動きを見失うリスクがあります。
マネーサプライ・・結局は銀行関係の商品を並べただけのような印象ですが、これまで書いているように証券界や各種商品取引業界の信用膨張はものすごいものがありますので、この指標を取り入れて有効な政策を打ち出さないとほとんど意味がないでしょう。
今でも紙幣がその信用取引の基礎数字ですから、その把握や規制は意味がないとはいえませんが、間接的過ぎるのです。
今回の高騰していた原油急落の引き金になったのは、アメリカ政府によるカラ取引の規制開始に端を発したことを想起すべきです。
(その後リーマン破綻による信用収縮が、原油相場にトドメを刺したのですが・・・先行する規制が大きな意味を持ったのです)
現在では、マネーサプライの先に広がった世界の株式その他の金融関連資産時価総額の推移や、各種商品市況総額と世界のGDP比率などの比較の方が重要でしょうが、この統計処理が難しいので誰もやっていないのかもしれません。
この総体が、世界のGDP総額から大きく乖離し始めるとバブル状況であり、これを放置しているとゆくゆくは破裂する危険があるのです。
従来の考えでは、紙幣発行残高よりも結果としてのマネーサプライの増減こそが、インフレその他の重要な指標になると言うことでしょうし、発行済み紙幣に対してマネーサプライの倍率が低ければ、その社会では金融があまり機能してないことの表れになるでしょう。
同じく国民の資金が、銀行に預金されずに郵貯に預金された場合、その限度で紙幣の信用創造機能が阻害されていることになります。
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